Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

カブト47〜最終話

 最終3部作の回顧です。

47話

 クリスマス期に神代剣が散って、乃木閣下まで消えてしまったため、
 年が明けてみると、頭目を失ったワームは烏合の衆。
 「あえて言おう、カスである、と」状態になってしまいました(笑)。
 そんなゼクトの勝利は間違いないって段階で、ネイティブの根岸さんが新たな発明品を提供。その名も「ワーム探知ペンダント」。

ペンダントの謎

 これを着ければ、人間に化けたワームも即座に見分けられる! という驚異の性能です。ただし、ネイティブには反応しないようですね。
 番組開始当初、ゼクトは確か「ワーム探知機」を装備していたようなのですが、その装置はいつの間にか、物語から消えてしまいました。何で消えたんだろう? と思っていたんですが*1、もしかすると、以前の「ワーム探知機」はワームとネイティブの区別が付かず、ネイティブ側にとって都合が悪かった。よって、「機械に不備がある」と理由をこじつけて、ゼクトの装備から剥奪させたのでは? と脳内補完をしておく。


 で、そんな「ワーム探知ペンダント」ですが、実は「人間をネイティブに変える」という副作用付き……というか、そっちがメイン効果で、「ワーム探知」はおまけ……というのがラスボス根岸さんの陰謀。
 ただ、この回では、まだそこまで判明せず、「ネイティブと人間の争いのない理想世界」を企図する根岸さんに、加賀美君が賛同。
 一方の天道は、「気に入らない」という理由で、「ワーム探知ペンダント」を破壊して回る。初視聴時はてっきり、「ワーム探知されてしまっては、ひよりが平和に暮らせないから」という理由だと思ってましたが。

闇VS太陽

 そんな「ゼクトの敵カブト」という初期の設定に戻す、強引なストーリー展開の末に、「ダークカブトVSカブト」の決着編が、今話のメインイベント。

●ダークカブト「クロックアップして、ライダーキック……と見せかけて、クナイガン連射。その後、プットオンして、マスクドフォームで地面に叩きつける」
 と、モノローグで語ったのに対し、
●カブト「……と考えていることは分かっている。術中にはまった、と見せかけて、ハイパークロックアップ!」
 と、駆け引き合戦を楽しませてくれます。

 結果は、やはりハイパーゼクターのある分、有利なカブトの勝利。
 負けたダークカブトは、三島さんに捕らわれの身になりました。
 一方、勝利したカブトは、ガタック加賀美と強引な対立状態に陥り、弟子の蓮華にケガをさせて、つづく、と。

48話

 最終1話前に、有無を言わさぬ怒涛の展開が繰り広げられた回。
 

下剋上

 ネイティブの陰謀を知った三島さん。
 真の権力者が加賀美陸でないことを知った彼は、ネイティブ側に味方し、最強の力と地位を手に入れます。
 屈辱にまみれても、ネイティブを倒すための「赤い靴・暴走スイッチ」の秘密に賭けて、加賀美パパはネイティブに従う振りを見せようとしますが、結局、芝居は見破られ、実権を失うことに。

闇天道の真実

 天道に敗れた擬態天道は、また三島さんに捕らわれます。
 そこで明かされた真実。それは、「ネイティブが、人間をネイティブ化させる実験を行い、その最初の被験者が擬態天道だった」というもの。「ネイティブ化した名もない少年が、改めてカブト天道に擬態した姿」が闇天道ことダークカブトだったわけですな。


 ところで、ネイティブ化の実験施設が「エリアX」だとすると、劇中でその名が初めて出た23話で、田所さんが「エリアXの秘密を知って愕然とする」といったシーンが描かれていました。
 これと、「田所さんはいつからネガティブだったんだろう?」という謎とを組み合わせると、「田所さんは、生まれついてのネガティブではなく、その時点でネガティブに変化させられた」という説をNOVAは提唱します。まあ、今さらですが。
 特撮雑誌の脚本家インタビュー記事で、「加賀美にガタックの変身ベルトを装着させたのが実は加賀美陸だった」などの、劇中であいまいだった謎解きが示されたのですが、田所さん絡みはまだ謎でしたので、この機会に。


 それはさておき、天道に一度は助けられた擬態くんですが、結局は復讐しか生きる道がないということで、根岸さんを倒そうとします。しかし、その前に立ちはだかったのが、三島さんことグリラス(コオロギ)ワーム。最強ワームの名に恥じず、ダークカブトを圧倒し、その力を見せつけます。
 ここまで来て、ただのかませ犬になってしまったダークカブトがいと哀れ。

ガタックVSカブト

 幾多の試練を経て、強い友情の絆で結ばれた二人。
 しかし、天道の説得力のない寡黙主義が災いして、ついに激突。
 ライダーキック同士の激突か、と見せかけて、ゼクトルーパーの一斉射撃でボロボロになるカブト。ここに来て、「当たりさえすれば、ゼクトルーパーの攻撃も侮れない」ことが判明します。
仮面ライダーカブト キャストオフライダー6 ゼクトルーパー
 ゼクトルーパーのモチーフは、アリ。まさに「蝶のように舞い、蜂のように刺す」……って、いつの時代のプロボクサーの話しなんだか。


 ともかく、ゼクトルーパーの一斉射撃は、建造物破壊という結末に至り、カブトを瓦礫の下に葬ります。天道・死す……わけないけど(笑)。

ホッパー兄弟の末路

 「オレは兄貴さえ知らない闇を知ってしまった」
 ネイティブ化してしまった影山くんの悲痛な一言。
 兄貴は「闇の住人でも見ることのできる光、すなわち白夜を見に行こう」と誘ってくれたけれど、それすら果たせず、ホッパーキック! 
 こうして、地獄兄弟は、光の世界に戻ることなく、物語から退場してしまうのでした。
 願わくは、矢車さんの再度の天道たちの共闘、あるいは天道との決着*2を見たかったけれども。

親子の絆

 天道を倒してから、加賀美は父親の想いを知ることになります。
 表面上はネイティブに仕えたかのように見せかけながら、ネイティブを倒して人類を救うために、ライダーの力を自分たちに託してくれた父親の想い。
 それを真正面から受け止めたガタック加賀美は、人類の代表として、ネイティブに戦いを挑むことを誓います。

49話(最終回)

 主役は加賀美、助っ人が天道の最終回。
 平成ライダーの最終回は、その一話前の盛り上がりに反して、「ラスボス戦闘は呆気ない」というのが相場だったんですが、カブトの場合は、対グリラスワーム戦が見栄えのする戦いだった、ということで、アクションとドラマのバランスが取れていた、と思います。

チームの絆

 蓮華に託された天道の手紙。そこから、人類の総ネイティブ化計画を止める方法を知った加賀美は、単身最終決戦に赴こうとします。
 その前に立ちはだかるのが、田所さん&岬さん。
 しかし、彼らは加賀美の想いを受け止め、ネイティブに支配されたゼクトに反旗を翻し、加賀美のために道を開きます。もう、ここのシーンだけで、ちょっとした感動のツボを押されたり。
 雑誌インタビューでは、田所さんと加賀美が対立する展開も考えられたそうですが、それよりも本番の「オレの部下に指一本でも触れてみろ! 容赦せんぞ!」という田所さんの凄みの方が絶対に良かったです。

激闘ガタック

 ダークカブトを倒したグリラスワームに挑むガタック
 加賀美の真っ直ぐさが、三島さんには「前から気に入らなかった」そうで、もう最終話らしく、これまで抑えていた演技を、ここぞとばかりに爆発させる弓削智久氏がいい感じ。事実上のラスボスの風格を見せてくれました。
 ガタックをズタボロにして、グリラスワームの勝利。


 カブトのいない今、計略の成功を確信する根岸&三島。
 しかし……倒れ伏してもなお諦めない加賀美。その願いに応えてか、例のセリフが天から降ってくる。
 「お婆ちゃんが言っていた!」

天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!

 は、元祖カブト虫ライダーの名セリフ。
 しかし、この場面では、そのセリフをかぶせても似合うだけのインパクトをもって、天道は復活しました。
 「お前、どうして生きているんだ?」と尋ねられて、「そんなこと、オレが知るか!」と言い流しても許されるほどの存在感。

 「自分が変われば、世界が変わる。自分のために世界を変えようとするのは、所詮その程度だということだ」と相手を切り捨て、自分は高みから崩れない。
 もう、これでネイティブの根岸さんは撤退を余儀なくされます。
 そして、最終アクション。

ダブルライダーVSこおろぎ'73(謎)

 ラスボスが、コオロギというのは、いまいち締まらない気もしますが、ここはショッカー怪人ギラーコオロギと、往年の名シンガーグループ*3に敬意を表して、大目に見ることにしましょう。
 とにかく、グリラスワーム戦は、平成ライダーのラスボス戦でもナンバーワンと呼べるほどのアクションを披露してくれます。
 まず、ピンチのカブトが、最強奥義のハイパー化&パーフェクトゼクターを披露。いつもなら、ここで終わってしまうのですが、今回はパーフェクトゼクターが粉砕される、という前代未聞な展開。
 そのとき、ガタックが牽制のため、ガタックカリバーブーメランを初披露。もう、この支援技だけで、ガタックの存在価値がいや増した、というもの。
 そして、カブト&ガタックの究極ダブルライダーキック! 


 最強技と言えば、これにキックホッパーを交えた、トリプルライダーキックを一押しにすべきでしょうが、あれは直後にパーフェクトゼクターを使用することで、見せ場を削ってしまった嫌いがある。
 もう、最終話のパーフェクトゼクターすら打ち破った相手に対して、渾身の魂を込めた究極合体キックを披露して決め技にしたことこそ、演出の妙と言えるわけです。
 やはり、仮面ライダーだったら、最後はライダーキックでしょう! と力いっぱい訴えたい。

屋上での友情

 最後の敵は、屋上に逃げたネイティブの根岸さん。
 しかし、その姿は、ただの量産型。何だかんだ言って、脱皮してなかったんですね、こやつ。
 そんな奴の始末には、天道や加賀美の手をわずらわせる必要もありません。擬態くんがきっちり復讐を果たしてくれました。「(ひよりの生きる)この世界を頼むよ」と、遺言を残して。


 こうして、後に残った天道&加賀美の友情劇。
 「お婆ちゃんの言葉」で友情を語ろうとする天道に対して、「それは(本当に)お婆ちゃんの言葉か?」と釘を刺す加賀美。
 「オレの言葉だ」と初めて打ち明ける天道。
 結局、最後まで天道家お婆ちゃんは謎のままでしたが、友情で通じた二人には、もうお婆ちゃんは必要ないってところですかね。

そして……時は流れ

 1年間の放送の最後を締めくくる後日譚。
 この部分に時間を掛けることを無駄と批評する方もいたようですが、一年間の締めくくりをきちんと味わえてこそ、キャラ愛・作品愛の表明と思うんですがね。
 サルにて、そばを打つ田所さんと、ディスカビル家の再建に協力する岬さん、料理修行している蓮華、もう全てが料理オチという流れは、「食を堪能できることこそが平和」というテーマかな、とも思えたり*4
 風間大介は、相変わらずゴンとのナイスペアぶりを見せ、
 樹花は、ひよりのことをお姉ちゃんと呼び、
 加賀美は、警官として務め、それを見守るパパという流れ。


 そして、天道は……何故かパリで豆腐を買っている。
 「何でパリやねん?」とツッコミを入れた人もいたようですが、そこを解釈してこその作品愛ってことで試しに。
 当然、絵的には「ひよりたちの見ている東京タワーと、パリのエッフェル塔を通じさせる」というものでしょうが、
 ここは、「豆腐」=「剣が言うところのテューフ」という、エセフランス語に注目。天道がパリにいる理由は、彼もディスカビル家再興のために、世界に旅立っているわけですよ。もちろん、それは尊敬する爺やを助けるためです。
 ともあれ、彼の志す「天の道」は、日本だけにとどまらず、世界に通じるものだった、と解釈するのが妥当なのでしょうが、それは「仮面ライダーの最終話は、外国への旅立ち」という伝統にも乗っ取っているわけで、
 ラストのオチに満足&納得しつつ、カブトの感想は終了したい、と思います。


 遅ればせながら、一年間、楽しい番組をありがとうございました。電王も楽しみながら、ツッコミを入れていく所存です。

*1:物語の展開には、都合の悪いアイテムなので存在を抹消された……と考えるのが普通。

*2:ライダー対決、あるいは豆腐対決のどちらでもOK

*3:1973年に結成され、1990年に解散したコーラスグループ。70〜80年代に、多くのアニメ特撮ソングを歌い、NOVAと同世代の人間の魂を揺さぶった。

*4:そう考えると、食を楽しめない三島さんがラスボスというのも分かる気がする。