SW前のSRW話
NOVA「今回は妖精女王ズのプレイ前に、スパロボのプレイ報告をしておこう」
晶華「あッ、フェアリーガーデンに集中せずにスパロボ脳を続けるなんて、私たちを騙したわね。こうなったら、花粉症バスターの刑よ」
NOVA「フフフ。4月前半はしつこく俺を苦しめ続けた花粉症も、さすがにGW前には治ったわ。これで花粉症バスターも怖くない」
晶華「そう? だったら試してみるわ。くらえ、花粉症バスター」
NOVA「フッ、ケイPシールド」
ケイP『けぴっ!?』
解説しよう。
ケイPシールドとは、不定形のケイPの性質を活かして変形させた盾のことである。
花粉エネルギーも栄養分にできるケイPの性質を持つため、花粉症バスターを吸収する絶対無敵の盾なのだ。
晶華「そんな!? KPちゃんを盾にするなんて……。それが常識ある人のすることなの?」
NOVA「鎧に変形するケイPだ。盾に使って何が悪い? 当のケイPも喜んでいるしな」
ケイP『わ〜い、花粉エネルギー充填だッピ!』
晶華「くっ、こうなったら、お姉ちゃんと協力してW花粉症バスターを撃ち込むしか。そうよ、KPちゃんの許容量を越える花粉エネルギーをぶつければ、無敵の盾だって破れる……はず」
翔花「アキちゃん、そんなことをしても無駄よ。わたしは協力しない」
晶華「どうして!?」
翔花「KPちゃんはドゴラだから、エネルギー許容量は無限に近いわ。確実に仕留めるには、花粉症バスターじゃなくて弱点の蜂毒バスターを撃ち込む必要がある」
晶華「そうね。ようし、くらえ、蜂毒バ……モゴッ」
翔花(晶華の口を押さえて)「やめなさい。KPちゃんを仕留めて、どうするのよ? 妖精女王ズのプレイヤーが減ってしまう。少しは冷静にならないと。いい? 黙って、わたしの話を聞きなさい」
晶華「モガモガ(口を押さえられながら、うなずく)」
翔花「NOVAちゃんは『妖精女王ズのプレイ前に、スパロボのプレイ報告』って言ってた。つまり、前置きスパロボ話をちょっとだけして、それから妖精女王ズのプレイに移るつもりなのよ。花粉症の季節から解放されたNOVAちゃんだったら、冷静にフルポテンシャルで作業できるはず。だから、スパロボをプレイしながら、ソード・ワールドだってできると踏んだわけ」
NOVA「ああ。スパロボ30のDLCをちょっとだけプレイしたよって話だ」
009『じゃあ、そのちょっとだけを聞こうじゃないか。あまり長引かない程度にな』
NOVA「まず、無料で入手できるグルンガストとヴァンアインをゲットした」
NOVA「今回のグルンガスト(イルム)はOG世界ではなく、第4次スパロボあるいはFの世界から来た若者主人公バージョンだ。だから、ゲシュペンストのギリアムさんだけが知り合いということになる」
009『そいつはおかしいな。兜甲児やアムロ・レイ、ブライトさんやカミーユやクワトロ大尉、それにコンVの葵豹馬は知ってるはず。まあ、ゲッターチームの流竜馬は並行世界の別バージョンだから知らなくても無理ないが』
NOVA「確かにな。だけど、そういう版権キャラとのやり取りは描かれていないから、何とも言えない。まあ、イルムの知り合いはギリアムさんということだけは、はっきりしてる」
翔花「ヴァンアインさんは、スパクロ世界から来たのよね」
NOVA「ああ。DD世界から来たディーダリオン同様、スマホゲームから本家への初参戦ということになる。機体は初期状態で、まだ妹のホノカが登場する前の時間軸から来たらしい。一応、所属組織はGGGということになっていた。スパクロは後に異世界祭りになって行くんだが、そうなる前の序盤の頃のアサヒたちみたいだな。第1章を終えて、第2章に入る前辺りだと思う」
翔花「ところで、NOVAちゃんの本命はシンカリオンさんよね」
NOVA「ああ。ハヤトのE5はやぶさMK2を入手したぞ。ただ、お父さんのホクトが行方不明で探している最中だ。シンカリオンの性能は、初期状態で格闘とカイサツブレードだけの接近戦機体。気力が上がれば、遠距離攻撃のグランクロスが放てる。ハヤトとシャショットのパイロット2人制だが、強いか弱いかで言えば、あまり強くはないな。これから話が進めば、強化されていくんだろうけど」
翔花「それと、機体改造すればね」
NOVA「もちろん、改造はしたさ。一度に10段階な。やはり、シンカリオンには活躍してもらわないと」
翔花「他には?」
NOVA「ダイゼンガーを仲間にした」
NOVA「今回のダイゼンガーは、馬モードのまま変形できなくなったアウセンザイターに騎乗した状態で、1ユニットとなっている。精神コマンドもゼンガー親分とレーツェルさんの2人分が使えて、合体ロボット的な仕様だ」
009『馬がいるってことは、α世界じゃなくてOG世界の出身だな』
NOVA「OG世界だったら、SRXチームやキョウスケたちと知り合いなんだが、SRXチームはα世界の出身で、まだダイゼンガーを知らない頃合い。キョウスケはIMPACT世界から来たので、ゼンガーが自分たちの上司だったという話を知らない。つまり、ゼンガーとレーツェルは一方的に彼らを知っているけど、別世界の流儀を守って、うかつに彼らの未来を知らせないようにするという約束事で関わり合いを避けようって話になった」
009『だけど、SRXチームのライは、レーツェルつまりエルザム兄さんの弟なんだろう。気付かないのか?』
NOVA「気付いたから、話しかけて来るんだが、レーツェルは白ばっくれる流れだ。この辺、暴太郎戦隊と同じで、誰と誰が知り合いで……という関係性が複雑に入り乱れている感じだな」
翔花「どこもかしこもドンブラ脳ってことね」
NOVA「スーパーバイザーがドンブラ脳に染まりつつあるからな。ニチアサ脳にして、鎌倉脳だということがTwitterで公開していて、改めて気が合う御仁だなあ、と」
翔花「それで、今は何をプレイしてるの?」
NOVA「こいつの登場シナリオだな」
009『アルティメットダンクーガは、ファイナルダンクーガと違って、アランは乗っていないのか』
NOVA「ああ、4人乗り仕様だな。スパロボ30オリジナルのダンクーガパワーアップ形態ということになる。ダンクーガのコクピット部分に増加装甲を施して防御力のアップを図り、背部に飛行用の大型ブースター付きキャノンを設置した形態。ただし、運動性能が落ちて拳法めいた格闘戦はできなくなり、分離形態時の火器が使えなくなったために全弾一斉発射の断空砲フォーメーションが使えなくなった。結果として、汎用性や細かい武装よりも圧倒的なパワーと堅固な装甲で中央突破を図る決戦用の機体となった感じだ」
翔花「武装の数は減ったけど、出力の向上で破壊力は高まったって感じ?」
NOVA「使い勝手を試すのはこれからだけどな。まあ、タイミング的には、下記の画集と絡めて、愉しみたいと思ったり」
晶華「モガッ。やっと、お姉ちゃんの拘束を振り切れたわ。いつまで口を塞いでいるのよ。呼吸困難で死んでしまうかと思ったじゃない!?(涙目)」
翔花「あっ、ごめんなさい。アキちゃんがずっともがき続けているから、こっちも負けじと押さえ込んでいたわ。大人しくしていたら、すぐに解放するつもりだったのに、抵抗を続けるものだから、つい……」
晶華「抵抗じゃなくて、苦しんでもがいていただけだから。つい……で殺されちゃったら、洒落にならないわ。私は妖精女王になる前に死ぬわけにいかないのよ。とにかくもう、スパロボ話も終わりよね。今から、妖精女王ズのプレイを始めるわよ」
NOVA「あっ、悪い。今日は昼から『ゼンカイVSキラメイ』映画を見に行くんだ。記事の続きは、映画を見た後でな」
GM交代の決意
晶華「NOVAちゃんったら、スパロボ話を終えて私たちを置いてきぼりにして、映画を見に行くなんて許せない」
009『まあ、土産話を期待して、ぼくたちはのんびりしていようじゃないか』
晶華「イヤよ。私はすぐに妖精郷の続きをプレイしたいの。こうなったら、前回宣言したようにNOVAちゃんのGMをクビにして、誰かに代役してもらうわ。ジョエル君、ケイソンさん、出番よ〜」
杖の精霊ジョエル『ソード・ワールドのGMですか。自分には無理ですね』
晶華「何でよ? TRPG経験ならあるはず」
ジョエル『ええ、自分は昭和NOVA。1987年に書かれた小説「光の杖」の主人公がモデルで、当時のNOVAさんの知識と知恵を備えていますが、ソード・ワールドは知識にないのです。GM経験は、D&D、ファイティングファンタジー、T&Tぐらいですね』
009『ソード・ワールドは平成元年に発売されたゲームだから、昭和キャラが知らないのも無理はないな。言わば、ソード・ワールド歴マイナス2年と言ったところか』
晶華「仕方ないわね。だったら、GM役はナイン君で、ジョエル君はサイバ☆リオンを担当してもらうわ。そして、リオン様のダイスを振るのは、ケイソンさんに任せた』
ケイソン『ケケケケケイソーン♪』
ジョエル『ミストレスのお役に立てて嬉しい……って言ってますね』
翔花「ちょ、ちょっと、そういう風に勝手に配役を変えちゃって大丈夫なの?」
晶華「NOVAちゃんが勝手に映画に行くから悪いの。大丈夫、フェアリーガーデンはGM不在でもプレイできるそうだし、困ったときはみんなで相談して決めましょう。令和のNOVAちゃんの身勝手な独裁政治には反対します」
009『オリジナル要素のザイアス関連はどうするんだよ?』
晶華「今回は登場させなければいい。純粋にフェアリーガーデンのシナリオ通りにプレイしましょ。平成のNOVAちゃんだったら、できるわよね」
009『できるできないで言えば、もちろんできるが、令和NOVAをスルーして勝手に進めたら、記事書きに支障が出ないか?』
晶華「KPちゃん、プレイ中の会話を録音しなさい。録音した音声を元に、後でNOVAちゃんに記事書きさせれば万事OKよ」
翔花「本当に大丈夫かしら?」
晶華「この妖精郷リプレイで、GMが突然バトンタッチするのは、今に始まったことじゃないわ。ナイン君は平成NOVAちゃんのメモリなんだし、GM経験者だし問題ない。ジョエル君もプレイヤーなら問題ないわよね」
ジョエル『とりあえず、サイバ☆リオンがどういうキャラかは理解しています。ロールプレイだけならできると思いますが、ルールの把握が問題ですね』
晶華「カシュミーラがリオン様にお願いするので、それを聞いてくれたらOKよ。ルールもぶっちゃけ、2D振って大きい目を出せばいいってことが分かれば、何とかなるし」
ジョエル『それなら、D&DよりもT&Tの感覚で行けそうですね』
009『ただし、ゾロ目での振り足しはないのと、人間は種族特徴〈運命変転〉で1日1回、低い出目をひっくり返して高い目にできることが注意だな。まあ、ルールで分からないことがあれば、周りがフォローしてくれる』
ジョエル『とりあえず、自分が使える呪文だけ、リストアップしておきます』
晶華「だったら、ナイン君、GMをよろしくね」
009『やれやれ。唐突に任せられたGMを上手くこなせるかな』
果樹園からの帰還
GM(009)「じゃあ、前回の続きだ。ええと、君たちは新たな冒険を始めて1日めの夕方に、蜂蜜姫のラナさんの管理する【のどかな果樹園】に来たんだったな。そして果樹園でヴァンパイアの手下のリャナンシーを倒した。シナリオでは、レベル15のリャナンシーアサシンになっているんだけど?」
ミリィ(晶華)「え? あたしたちが倒したのは!?」
マークス(ケイP)「レベル11のリャナンシーでしたね」
エマ(翔花)「もしかして、弱体化してたわけ?」
GM「シナリオには、『〈苺のふわふわマフィン〉を代わりに買ってあげると、お礼を言って去って行く』と書いてある。無理に戦わなくても良かったようだ」
ミリィ「それなのに戦わせたわけ?」
エマ「だって、お姉さまが『ブンドル団とは取り引きしない』って頑なに断ったから」
ミリィ「そりゃあ、この時期に怪しいマスクを着けて、美味しいスイーツの店に現れたら、誰だってブンドル団だと思っちゃうじゃない?」
GM「まあ、過ぎたことなので気にしないでおこう。とにかく、なぜかレベル15からレベル11に弱体化していた吸血鬼の下僕を、ぼくたち、いや、君たちは撃退して、その後、ラナさんの過去とかを聞いたんだな」
エマ「ラナさんの両親が冒険者だったけど、ディアナに殺されたって話もシナリオに書いてあるの?」
GM「ああ、書いてある。ラナのキャラ紹介のページにしっかりと記載されているな」
ミリィ「つまり、ディアナを許す余地は全くないってことね。ところで、どうしてディアナはしっかり封印したはずなのに、下僕がのこのこ出歩いているのかしら」
サイバ(ジョエル)「封印が解けているんじゃないでしょうか?」
ケイソン『ケケケケケイソーン!』
サイバ「ええと、自分の使い魔の言うには、悪霊というものは封印しても、定期的に儀式を施さないと復活してくるものがいる。例えば、去年の8月14日(土)に封印した殺人鬼の悪霊が、今年の5月14日(土)に復活することだって有り得る話で」
エマ「今年の5月14日って来週じゃない?」
ミリィ「でも、ケイソンさんって改心して、悪霊じゃなくなったのでしょ?」
ケイソン『ケケケケケイソーン』
サイバ「たぶん大丈夫だと思うが、もしかすると来週の土曜日には自分が闇の波動に呑み込まれて凶暴化しているかもしれない。気をつけて欲しい……そうです」
エマ「そうならないように祈ってるわ。花粉症ガールの聖なる波動なら闇の波動を浄化できるって信じてる」
ミリィ「うん、今はTRPGの時間よ。さて、ラナさんからスイーツを買ったんだけど、考えてみれば、これから会いに行くミーミルさんにもお土産を持って行った方がいいかもしれないわね。ミーミルさんのためにクリームケーキをもう一つ。それから葡萄パンを3つぐらい買っておこうかしら」
GM「だったら、16ガメルになります。ええと、購入したスイーツの賞味期限は3日間なので、4日めの昼までに【凍結海】に運ぶ必要があるから」
ミリィ「じゃあ、先を急ぎましょう。次は夜だけど、【おもてなし亭】に帰る前に、【薬草園】に寄ることにします」
エマ「どうして【薬草園】?」
ミリィ「妖精郷観光ガイド参照よ」
エマ「ああ、【薬草園】でイベントがあるかもしれないのね」
ミリィ「それに、薬草採集をまめにして小遣い稼ぎだってできるし。スイーツ代ぐらいにはなるわ」
マークス「さすがはミリィさん。ガメツい」
ミリィ「経済感覚が発達していると言って。とにかく【薬草園】に行きます」
GM「【果樹園】から【薬草園】には道が通じていないんだな。だから移動判定で6以上を出さないといけない」
ミリィ「(コロコロ)5ね」
GM「同じ中央エリアの別の場所に出た。D6を振って。1と5は振り直しで」
ミリィ「2」
GM「【おもてなし亭】へ帰ってきた」
ミリィ「ただいま〜」
サイバ「結局、寄り道せずに真っ直ぐ帰って来たわけですね」
ミリィ「寄り道はNOVAちゃんの専売特許ってことで」
おもてなし亭からの再出発
ミリィ「帰って来ちゃったものは仕方ない。今夜はもう寝るわ。深夜まで寝たら、消費したMPも十分回復するわね。早速、起きて出発よ」
サイバ「あのう。深夜にゴーレムのバージルを作って、それから睡眠をとってMPを回復してから、明け方に出発するというのはOKでしょうか?」
GM「ゴーレムの持続時間は1日か。深夜に作って、翌日の深夜まで保つ。明け方まで仮眠をとって日中から夜までゴーレムを使うのはクレバーなプレイだと思うよ」
ミリィ「あっ、そうだ。あたしも騎獣を用意しようっと。ええと、今回はペガサスにこだわらないんだけど、さすがに今さらノーマルホースじゃあ弱いよね。だったら、ノマちゃんがしばらく見ない間に、軍馬のウォーホースにパワーアップしていることにしましょう。新しいデータを用意するね」
騎獣データ(ウォーホース:ノマ、ビッグホーン装備)
HP55、MP21
蹄の命中10、打撃点2D+9+1、回避9、防護点7
生命抵抗11、精神抵抗10
ミリィ「ウォーホースはレンタル料金が1000ガメルなので、2000ガメルのペガサスよりも経済的ね。ただ、特殊能力の練技【マッスルベアー】と【ビートルスキン】を使えるようにするためには、あたしが騎芸【特殊能力解放】を習得しないといけない。だから、次の成長目標はライダー技能を上げて、その騎芸を覚えること」
エマ「わたしは持ってるわよ、【特殊能力解放】。ライダーとしては6レベルのわたしが、5レベルのお姉さまより格上ってことね」
ミリィ「くっ、すぐに追いついてやるんだから」
GM「とにかく、そうやって姉妹仲良くケンカしているうちに、2日めの夜明け前になったということで」
エマ「今から【凍結海】に行くのよね。防寒具を買っておかないといけないんじゃなかった?」
ミリィ「あ、そうだ。早速、マナマテリアルで防寒具を作ってもらいます」
GM「一人80ガメルを払って」
ミリィ「ノマちゃんの分は?」
GM「騎獣ラブなパスタが用意してくれたので、払わなくていいよ」
ミリィ「ええと、ここまで361ガメルも使っているのよね。だったら、朝に【薬草園】に寄ります。同じエリアの移動だったら、移動判定をしなくていいのよね」
GM「そうだね。迷うことなく、【薬草園】に着いた。ここで起こるイベントは……『枯れていく薬草』だ。何だか薬草が茶色く変色しているのが分かる。原因を知るには、目標値14の見識判定をすること」
ミリィ「リオン様、出番よ」
サイバ「知識は12あるから、ピンゾロじゃなければいいんだね。ケイソン、お願いするよ」
ケイソン『ケケケケケイソーン。(コロコロ)』
サイバ「出目4か。死の番号なのでよろしくはないけど、判定は成功したってことで」
エマ「知識判定のたびに、『ケケケケケイソーン』って言うの? もっと省略できない?」
ケイソン『ケソッ?』
エマ「次から、それでお願い」
サイバ「それで原因は何なんだ?」
GM「妖精郷の魔力が枯渇している影響だろう。対処方法は、おもてなし亭のペンネに報告して、相談するといい。彼は薬草の専門家だから」
ミリィ「後で報告するわ。今は枯れる前に薬草集めに励むの。みんな、良い薬草を採集するわよ」
みんなで判定した結果、目標値14の探索判定にミリィだけが成功した。20Gの美肌草をゲットする。
ミリィ「じゃあ、昼になって暖かくなる時間に【凍結海】に向かいます」
エマ「わざわざ時間を考えて行動するんだ」
ミリィ「当たり前よ。寒いのが分かってる場所に、深夜とか寒い時間に向かおうってのは自殺行為みたいなものだし」
GM「【薬草園】から【凍結海】へは道がつながってないので、移動判定が必要だ」
ミリィ「エマちゃん、あなたが振って」
エマ「分かったわ。はい、7で成功」
GM「では、2日めの昼。君たち宮廷団の面々は、風すらも凍りついてキラキラ輝く【凍結海】に到着した」
ミリィ「キラメイGO!」
エマ「ドンブラGO!」
水の大妖精ミーミル
GM「君たちの前に氷の妖精フラウが出現した」
エマ「『シロクマ宅配便』で〜す。幸せをお届けに上がりました〜と、緑のオーラを放ちます」
GM「フラウはわ〜いと喜んで、クエスト達成の★2つと、〈フラウの宝石〉と、〈氷の羅針盤〉をくれる」
ミリィ「うん、これでフラウとも縁ができたわね。フラウって何レベル?」
GM「9レベルだな」
ミリィ「9レベル妖精を召喚できるアイテムは強力ね。〈氷の羅針盤〉は何に使うの?」
GM「それがあれば、ミーミルの元に導いてくれるだろう」
ミリィ「では、導かれます」
GM「君たちの前にミーミルがいる。ツンとしたタイプの気位の強そうな女性だ。氷原に無数の氷の柱が並んだ先に、氷山を削って造ったような巨大な氷の玉座があって、そこに鎮座しているね」
ミリィ「クリームケーキを献上します」
ミーミル『何だ、これは? こんな物で、私を懐柔しようと言うのか?』
ミリィ「未来の妖精郷の女王の好意を形で示しただけよ。要らないなら渡さない」
ミーミル『未来の女王? ならば相応の力を備えているんだろうな。私は強い者しか相手にしない。我が最強の配下スカディと腕比べをして、勝ったら話を聞いてやろう』
ミリィ「スカディって何レベル?」
GM「妖精使いのミリィには、妖精のデータが分かるんだな。15レベルだ」
ミリィ「勝てるわけないじゃない」
ミーミル『我が配下に挑む勇気のない者に、女王を名乗る資格などないわ。女王が対峙すべき魔女は、私よりも強いのだぞ。アラマユ様の魂の後継者と聞いていたが、とんだ口だけの食わせ物だったようだ。試練に臨む勇気がないなら、大人しく引き下がるがいい』
ミリィ「くっ、そのように挑発されては後に引けないわね」
エマ「ねえねえ、GMのナインちゃん。NOVAちゃんがレベル15の吸血鬼をレベル11に弱体化してくれたんだから、ここでもアラマユ様の女王パワーが発動して、相手を弱らせることにしない?」
GM「相手は吸血鬼じゃないから、そんな都合のいいパワーは発動しない。ここはシナリオ通りに進行させてもらう」
ミリィ「ナイン君は、令和のNOVAちゃんと違って頭が硬いようね。仕方ないわ。ここは無理無茶無謀を承知で、相手の挑発に乗ってあげる。そうよ、あたしとエマちゃんがアラマユさんの後継者であることは間違いのない事実。それを相手に知らしめるには一歩も引くわけにはいかないんだから」
ミーミル『ほう、勝負に乗ると言うのか。ならば、出でよ。我が最強の戦士、【凍てつく山】を守護する氷の妖精騎士スカディよ』
スカディ『はっ、お呼びですか。大妖精ミーミル様』
ミーミル『この者たちの腕を試してやってくれ。アラマユ様の後継者に相応しいかどうかを示す程度でいい』
スカディ『ならば、わたしのいつもの流儀で勝負をつけさせてもらいます』
ミーミル『ああ、多少のハンデは与えてやらねばな』
サイバ「GMの一人芝居、大変ですね」
GM「言うな。やってる自分も恥ずかしいんだから。特に女性キャラ2人の会話なんてのは、やり慣れていないし」
ミリィ「その辺が平成のNOVAちゃんと、令和のNOVAちゃんの違いね。令和のNOVAちゃんなら、恥ずかしげもなくプリキュアを見て、恥じることなく萌えキャラ研究しちゃってるし」
氷騎士スカディとの対決
GM「では、スカディとの対決だ。彼女がルールを説明する。彼女1人に対して、君たちは4人全員で挑んでもいい。そして、彼女はハンデとして、妖精魔法と必殺技の『凍てつく槍』は使わないと宣言した。純粋な物理攻撃だけで相手してくれるらしい。一方で、君達の方で魔法を使うのは自由だ。そして、殺し合いではないので、先に20点以上のダメージを与えた側の勝ちとするらしい」
ミリィ「つまり、こちらが相手の物理攻撃に耐えて、魔法を連発すれば勝てるかもしれないってことね」
スカディ『わたしの槍さばきを受け止めることができればな』
エマ「あのう。先にマー君をバイクに変形させて、騎乗状態で戦闘を始めて構いませんか? 変形騎乗に1ラウンドを費やしたら全力が出せないし」
GM「認めよう。エマとキャプテンはバイクに騎乗した状態で、前衛に出ていい」
ミリィ「2人が前衛に立ってくれるなら、あたしとリオン様は後衛で魔法を撃ち込む係ね」
マークス「問題は先制判定で負けて後攻になった場合ですね。後衛から魔法を撃ち込むには、戦闘特技《ターゲッティング》が必要ですが、ミリィさんは習得していないので誤射の危険が伴います」
ミリィ「だったら、あたしも前に出て魔法を使うから、キャプテンさんにかばってもらうわね」
マークス「いいでしょう。戦闘特技《ガーディアン》を習得しているので、3体まで同時にかばえます。エマお嬢さま、ミリィさん、それにノマちゃんまでかばえますので、前衛への物理攻撃は全て私がシャットアウトできるってことで」
ミリィ「心強い盾ね。さすがは無敵のKPシールドと言ったところかしら。では、作戦会議も終わって、まずはリオン様、相手の弱点を見抜いて」
サイバ「魔物知識判定ですね。基準値は13。ケイソン」
ケイソン『ケソッ。(コロコロ)』
サイバ「7ですか。すると達成値は20ですね」
GM「惜しいな。弱点値は21だから見抜けなかった」
サイバ「〈運命変転〉でひっくり返しても、7は7……と」
ミリィ「いいえ、レベル6以上は種族特徴が強化されているから、ひっくり返した目に+1できるわ。つまり、7をひっくり返すと8になる」
サイバ「分かりました。8にして達成値21です」
GM「スカディの弱点は、炎と土のダメージ+3だ。さらにサイバ☆リオンは、戦闘特技《弱点看破》があるから、弱点を突いた際のダメージボーナスが倍になる」
サイバ「つまり、火炎で攻撃したらダメージが+6されるってことですね。20点ダメージでいいのだったら、これで勝ったも同然じゃないですか」
ミリィ「でかしたわ、リオン様。もしかして、先攻をとれば労せず勝てる? 相手の先制値はいくつ?」
GM「21だ」
ミリィ「11を振れば勝てるわね。(コロコロ)6なので、失敗。それじゃあ、こっちの後攻でリオン様以外が前衛ね」
マークス「スカディの攻撃は、全て私が受け止めます。私の防護点は基本が11に、練技【ビートルスキン】を準備行動で発動して+2」
エマ「さらにヴァルキリーの種族特徴〈戦乙女の祝福〉で乗騎の防護点が+3されるのよね」
マークス「結果として、防護点16に」
GM「硬いなあ。一応、誰を狙うかはダイスでランダムに決めて、キャプテン・マークスか。命中27を避けれるか?」
マークス「一応、ダイスを振りますが……回避17じゃ遠く及びませんね。ダメージを下さい」
GM「22点だ」
マークス「だったら6点くらって、残りHPは57。こんなものですか。海賊騎士の命には到底届きませんね」
ミリィ「それじゃあ、反撃よ。まずは、あたしの【フレイムアロー】。魔法行使の達成値は16」
GM「精神抵抗は28なので、抵抗はした」
ミリィ「じゃあ、ダメージは12点の半分の6点に、弱点ボーナスが加わって9点ね」
サイバ「次は、ぼくが【エネルギー・ジャベリン】……じゃなくて、【ファイアボール】を撃てばいいんですね。《魔法制御》があるから、範囲攻撃でも味方を巻き込まない。さあ、ケイソン、ダイスを振ってください」
ケイソン『ケソッ。(コロコロ)』
サイバ「7ですか。達成値19だから、相手の抵抗は抜けずにダメージ半減、と。続いてダメージダイスです。ピンゾロだけは出さないで下さいね」
ケイソン『ケケケケケイソーン! (コロコロ)』
サイバ「8ですか。すると、威力20のレーティング表で6点。それに魔力12を足すから18点ダメージ。だけど抵抗されてダメージ半分で9点。それに弱点が適用されて6点を加算して、15点ダメージ……で合っていますか?」
GM「正解だ。よくルールを理解しているな」
サイバ「一応、みなさんのプレイを拝見していましたから。でも、D&Dよりも複雑じゃないですか? D&Dのファイヤーボールなら、自分のレベル分の6面ダイスを振るだけで、ダメージ計算できるのに、このレーティング表をいちいち参照するのが手間ですね」
GM「清松さんが、バトルテックのルールを参考に作ったシステムだからな。ソード・ワールドの特徴と言ってもいい」
サイバ「清松さんって誰ですか?」
GM「誰って、お前……。いや、まあ、87年頭じゃ、知らなくても当然か。その年だと、水野さんも知られていないしな。ロードスのGMはまだ安田均さんだと思われていた。それでもまあ、T&Tの翻訳者なんだから名前ぐらい知っておけ」
サイバ「表紙には書いていないけど、確かに背表紙とかには書いてますね。この辺が清松さんのデビュー作ですか」
GM「ウィキペディアには、活動期間が1989年からとなっているが、翻訳作品については全く触れられていないので、非常に資料性が薄いものとなっているな。清松さんを語るのに、T&Tや混沌の渦、それにAD&Dゲームブックの魔法の王国3部作の2作めと3作めの翻訳(1作めは佐脇洋平さんだけど)に触れないのは片手落ちすぎる。あと、AD&Dのプールオブレイディアンスの冒険日誌とか」
マークス「つまり、ソード・ワールドのシステムデザイナー時代がメジャーになり過ぎて、Wikipedia ではそれ以前の翻訳作品がスルーされているのですね」
ミリィ「って、平成NOVAちゃんの蘊蓄話はどうでもいいので、GMとしての仕事をしなさいよ」
GM「そ、そうだな。ええと、ミリィのフレイムアローで9点、サイバ☆リオンのファイアボールで15点のダメージを受けたスカディさんは、なかなかやるな、と笑みを浮かべて、膝をつく。ミーミルさんが、そこまで、と戦いの終了を宣告すると、その場の緊張感が抜けるのを君たちは感じとった」
エマ「わたし、何もできなかったよ」
マークス「そんなことはありません。エマお嬢さまの祝福があればこそ、私のダメージが軽減されたのですから。お嬢さまはただそこにいるだけで、私に加護を与えてくれるのです。心情的にも、ルール的にも」
ミーミル『なるほど、イフリートから聞いた通りだな。まだまだ未熟にして、無謀かつ愚かな面は否めないが、可能性には満ち溢れている、と。特に、そこの海賊騎士と言ったか。妖精郷の海を統べる者として、そなたの忠義心はまことにもって称賛に値する。名を何と言う?』
マークス「エマ・ショーカ・ローズワースの一の従僕、マークスと申します」
ミーミル『マークスか。覚えておくぞ』
ミリィ「ちょっと待ってよ。あたしがこのパーティーのリーダーなんだから、カシュミーラ・ミルモワールの名を聞かずに、何で従者の名を聞いているのよ」
ミーミル『お前の名はとっくにイフリートから聞いているのでな。しかし、イフリートはお前の仲間たちの話をしなかった。良き仲間を持っているようで、それだけで女王たる者の資格はあると思うがどうだろうか?』
ミリィ「そ、そうね。あたし一人じゃ弱くても、あたしには頼りになる仲間たちがいる。リオン様の知識にはいつも助けられているし、キャプテンさんはあたしのことも守ってくれる。それにエマちゃんは、あたしの大切な魂の姉妹。みんながいるからこそ、あたしも未来を夢見て、真っ直ぐ生きていけるんだと思う。だからこそ、あたしたちは『妖精女王の宮廷団』と名乗っているんだわ」
ミーミル『一人で我儘に振る舞うのではなく、共に戦う仲間がいればこそ、国も世界も治めていけるのだろうな。そして、邪悪に立ち向かう勇気も持ち合わせているのだろう。ならば、この私はお前たち宮廷団を「未来の勇者」と認め、協力しようではないか。スカディの試練を切り抜けたわけだし、このクリームケーキの味も格別だからな』
ミリィ「ああ。ちゃっかり食べてるのね」
ミーミル『他にはないのか? ほら、スカディも物欲しそうに見ている』
ミリィ「ケーキはないけど、葡萄パンならあげるわ」
スカディ『これは美味い。気に入ったぞ』
GM「スカディは葡萄パンを食べて、ご満悦のようだ。『スカディのお気に入りポイント』が1点上がって、謝礼として〈水精鉱〉をくれた」
ミリィ「どれだけ、チョロいのよ、こいつら」
エマ「妖精郷の世界では、スイーツは世界を救うみたいね」
マークス「これぞデリシャスパーティーですな」
GM「ということで、今回のプレイはここまでだ。ミーミルさんからもらえる情報は、また次回ってことで」
●続フェアリーガーデンここまでの状況
日数経過:2日め昼(凍結海)
経験点:ラナのスイーツを狙う吸血鬼を撃退★2個
フラウにスイーツを渡す★2個
水の大妖精ミーミルに会う★2個
(合計★6個)
魔物撃退分110点
収支:〈ムリアンの宝石〉、〈フラウの宝石〉
〈水精鉱〉
スカディのお気に入りポイント1点
戦利品1000ガメル分
361ガメル支払う。防寒具4人分
美肌草(20G)、葡萄パン残り2個
氷の羅針盤
ブラウニー発見数:6体
遂行中のミッション
・〈イフリートの炎〉の入手
受注したクエスト
・凍結海のフラウにスイーツ5個買ってくる→達成
・枯れていく薬草の話をペンネに報告
・光の樹のお宝を取り戻す(犯人は【虹の根元】の魔神)
その他の冒険目的&情報
「火柱の塔の魔力炉で〈妖精郷の鐘〉を鋳造できる」
「火柱の塔のエインセルにラナスイーツを渡せば、
〈炎精鉱〉をもらえる」
「火柱の塔に〈炎精鉱〉を持ってくれば、火の封印が解除できる」
「水晶塔の情報6ヶ所」(光は封印解除済み)
「大神殿の信者を解放できるよう成長」
(エマのプリースト10レベル以上でイベント発生)
「凍て付く山でスカディに会う」→一部達成
「凍結海でミーミルに会う」→達成
「スレイプニールがいれば、妖精郷内を瞬間移動できる」
「ヒックリカエルはダジャレで世界をひっくり返し、闇に包む」
「雪山にドラゴンゾンビがいる」
「鳥籠の木には偽女王が捕まっている」
(レベル11以上でイベント発生)
「虹の根元には、魔神召喚の門が築かれている」
「魔女の名前はネアン。邪妖の女神を目指している」
「崩壊しかけている妖精郷を救う」
冒険達成度:水の大妖精ミーミルに会う+2%
合計47%
(当記事 完)