深淵への扉
NOVA「スパロボ30で、カテジナさんとクロノクルが仲間になったぞ」
晶華「ええと、それってVガンダムの敵だった人でしょ?」
NOVA「カテジナはVガンの実質ラスボスにして、オデロの仇だな。スパロボ30では、シュラク隊が死なないので恨みっこなしだけど」
NOVA「2人が仲間になるのは、スパロボDという前例があるが、俺にとっては初めてになるな。まあ、この終盤に仲間になっても使いたいキャラではないんだが、話のネタとしては面白い」
翔花「グリッドマンさんのアカネちゃんが許されて、サポーターになるゲームなんだから、カテジナさんが仲間になっても許されると思うけど」
NOVA「そうだな。どちらも終盤で主人公の腹をナイフで刺した同士だもんな。俺がそういう相手を仲間にしたいかと言えば、さすがにそれは感情的にイヤだと思うが、自分を刺した女性を許せるなんて、ウッソも悠太も大した甲斐性だと思う」
晶華「NOVAちゃんは、自分をナイフで刺した女性を許さない、と」
NOVA「そういう殺意の衝動とか、感情のままに自分の好きなものを過剰に攻撃してくる自制できない人間とか、受け入れたくない者は少なからずあって、そんな相手とは距離をとりたいと思う。まあ、命のやり取りをする戦場において大切なのは、共に戦う上での大義の共有とか、戦闘力だと考えるがな。
「カテジナの場合、理想主義で平和を求める一面があって、大人の汚さに対する反抗的な面もあった。性別は違うけど、Zガンダムのカミーユに近い性格だったりする。同じ17歳設定だしな。クロノクルはシャアのオマージュなところがあって、一方のカテジナはカミーユのアレンジだと思えば、つながって来るようなところがある。逆シャアのクェスがカミーユの性別を変えた役割オマージュではないか、という意見は読んだことがあるけど、カテジナもそういうところがあったと思うな」
晶華「だったら、ウッソ君はハサウェイさんになるの?」
NOVA「さあ。要は、自分の鬱屈した世界から飛び出して、自分を連れ出した年上男性の理念に共感して、戦場で役立つことを証明して、自分の居場所を見出した挙句、才能を暴走させた上での崩壊の悲劇って奴だろう。まあ、いずれも父親が愛人を作って、家庭をあまり顧みずに冷えきった家族という共通点があるみたいだが、クェスは13歳の家出少女で、より奔放なところがあるな」
翔花「スパロボ30のヒロインのアズさんは、クェスさんに似たデザインらしいけど」
NOVA「言われてみれば、青緑系のツインテールな髪型が似てるな。アズはずっと初音ミクのイメージで見ていたが」
NOVA「ともあれ、スパロボ30も終盤だが、先にスパロボDDのオルフェンズとレイズナーの話をしよう」
晶華「鉄華団が地上に降りて、ビスケットさんの心配をNOVAちゃんはしていたわね」
NOVA「そうだ。そして、今回のオルフェンズ話、パート5の5話めで、いきなりビスケットが死んでしまった。レイズナーが頑張って助けようとしたんだが、前にロックオンの救出に失敗したときと同様に、機体が操作を受け付けない非常V-MAXが発動して、戦場から脱出。エイジやオルガの悲痛な叫びを受けて、ビスケットは原作どおりに死亡した次第」
蒼き流星の秘密
NOVA「今回、オルフェンズもそうだが、レイズナーも一気に話が進んで、第1部の物語を消化した形になる」
翔花「レイズナーさんって、どんな話だっけ?」
NOVA「異星人グラドスが地球侵攻を企てているのを、グラドスと地球のハーフであるエイジが火星のコズミック・カルチャー・スクールの人たちに警告に現れるところから物語がスタートするな。警告に前後してグラドスの先遣部隊が火星を襲撃し、一部の少年少女たちと引率のエリザベス先生だけが生き残る。第1部は火星から地球への逃避行となるわけだが、その途中にエイジの先輩ゲイルをV-MAX発動で殺してしまったり、ゴステロと戦ったりするわけだが、ゲイルの仇討ちに現れたエイジの姉ジュリアを撃退した後、グラドス艦隊の本格的な侵攻が始まるまでで終了。
「そして、グラドス占領統治下の世紀末乱世になった3年後、レジスタンスVSグラドス占領軍の抗争の最中に行方不明だったエイジのレイズナーが助けに現れ、敵の死鬼隊やル・カインと戦うのが第2部となる。実のところ、スパロボでは第1部と第2部を通して描いたことはなくて、火星から地球へ警告に来たエイジたちが自軍と共に、グラドスに応戦する展開がメイン。第1部の話にル・カインと死鬼隊を混ぜている形だな(新、J、OE)」
晶華「第2部の世界観を使おうと思えば、地球がすでに征服されていますって状況設定だものね」
NOVA「それで始まるのがスパロボ64で、一度、自軍が外宇宙に飛び出してから、帰って来たら征服されていましたってのがGC(XO)だ。すでに征服されている設定は、TV版のダンクーガと相性がいい感じだな」
晶華「DDでは、どうなるのかしら」
NOVA「オルフェンズのギャラルホルンと、ヴァルヴレイヴのドルシアと、グラドスが結託するか、それとも対立するかによって物語の方向性が変わるな。それぞれの作品の敵勢力が結託するなら、地球は半分征服されたようなものだから、レイズナー第2部の世界観が再現できそうだ。ギャラルホルンが本来の仕事を果たすために、グラドスと対立するなら、レイズナー第1部の世界観が続くことになる。まあ、前者の方が圧政に対するレジスタンスというテーマで、対立軸が分かりやすくなるわけだが」
翔花「スパロボDDでは、レイズナーさんが鉄華団の客分として、共に地球へ向かおうとしたら、ヴァルヴレイヴの話や他のワールドの話に巻き込まれて、ようやく地球に降りて来たってことね」
NOVA「地球での有力者である蒔苗さんに話を通そうとしたら、贈賄容疑で権力を失った蒔苗さんが議会での選挙に再選するために選挙活動の護衛任務に当たることになった鉄華団。しかし、対立候補を応援するギャラルホルンが、蒔苗さんの暗殺と鉄華団の壊滅を狙って仕掛けてくる。その際の戦いで、ビスケットが戦死したんだな」
翔花「それはレイズナーさんの話じゃないわよね」
NOVA「レイズナーのエイジは、機体が自分の意志どおりに動くならビスケットを救えたかも知れないのに、自動操縦のAIフォロンが自機の安全を優先するために勝手に動いたことが許せず、ついにフォロンとの対決になるわけだ。その結果、フォロンがグラドス創世の重要な秘密をエイジに伝え、エイジはそれを材料にグラドスのトップのグレスコとの交渉を試みる。その結果がどうなったか分かる前に、エイジの姉ジュリアがゲイルの仇討ちに現れ、エイジは自分で制御できるようになったV−MAXの力でジュリア機を撃墜するも、命は助けることに成功する。自分のいざこざを乗り越えたエイジは、鉄華団の最終決戦を助けるために合流する流れだ」
翔花「勝手に動くフォロンを制御可能にして、グラドス創世の秘密を知って、お姉さんとの決着をつけるところまでが第1部ね」
NOVA「ああ。後は本格的に動き出したグラドスの地球侵攻軍に対して、単機突撃するレイズナー。そして3年後……って展開だからな」
還れない鉄華団
NOVA「そして、今回の目玉であるオルフェンズ第1期完結シナリオとなる」
晶華「クーデリアさんの護衛の仕事で地上に降下した後、蒔苗さんの護衛を引き受ける仕事を引き受けたものの、その際にビスケットさんが戦死してしまうのね」
NOVA「慎重な参謀格のビスケットは、オルガが夢のために急ぎ過ぎているのでは? と指摘し、これ以上は危険を増やすだけだから、自分は付いて行けない、と主張するんだな。だけど、オルガは『今は引き返すことができない。この件は後で話そう』と言う。しかし、その後の戦いでバルバトスも不調を起こしてピンチになったところを、ビスケットの決死の支援で危急を凌いだものの……って流れだ」
翔花「ゲッターさんとか、マジンカイザーさんは何をしているのよ?」
NOVA「この時期の鉄華団は、他のワールドのメンバーとは分かれた単独行動という状況だ。出撃できるのはバルバトスと、グシオンブレイクと、スコープドッグと、レイズナーだけという状況設定なわけで」
晶華「ああ。それはむせりそうな戦場ね」
NOVA「そして、バルバトスは大気圏突入してボロボロのまま、整備も万全な状態じゃなかったので、地上戦用に第4形態から第6形態にバージョンアップする流れなんだ」
翔花「ビスケットさんの死を受けての新改装された機体か。強いの?」
NOVA「いや、それほどでも」
翔花「何でよ?」
NOVA「新しい機体には、それに見合った武装パーツが必要なのがDDの仕様だからな。専用武装をガシャで当てるまでは、第4形態の方が実際には強いんだが、それでもイベント出撃で第6形態を使わないといけないので、ゲーム的には弱体化した形なんだな」
晶華「つまり、ここで強いバルバトスさんを堪能しようと思えば、課金して強い武器を当てろってことね」
NOVA「まあ、機体改造は第4形態を引き継ぐから、どうしようもなくはないんだがな。最終決戦ではギャラルホルンのザコをいっぱい倒した後で、ボスキャラのグレイズアインを撃退した。なお、ガエリオさんのキマリスは、原作アニメどおりマッキーがイベントで撃退してくれたよ。蒔苗さんも無事に選挙に当選して、これで鉄華団も多くの犠牲を経たものの、何とか大勝利。自分たちの居場所を獲得できた第1期のハッピーエンドだ」
晶華「そうしてオルフェンズさんも1期を終えたのね。2期はいつから?」
NOVA「来年のシナリオの続きを楽しみにしよう。なお、原作では2年後という設定だがな。そして2期の機体は先にスパロボ30のDLC第2弾で、今月に初お目見えの予定だ」
翔花「つまり、DDで1期の物語を消化して、そのすぐ後にスパロボ30で、2期の世界のバルバトスルプスさんを召喚する流れで、話をつなげた、と」
NOVA「なお、鉄華団の最終決戦で、ギャラルホルンとの和平を締結するために、ブライト艦長のロンド・ベルが時空転移して出現した。何でも、この世界で大きな事件が起ころうとしているらしい」
翔花「どんな事件?」
NOVA「さあ。グラドスか、ドルシアか、厄災戦の発掘MAか、ガルズオルムの侵攻か、はたまた謎の怪獣出現か。とにかく、和平に乗らなければ、魔神皇帝と、真ゲッターと、2大超電磁ロボをぶつけるぞ、とブライトさんには珍しく、この世界の体制側のギャラルホルンに対して脅迫的な言動で威圧して笑った」
晶華「ビスケットさんの死の運命は覆らなかったけど、オルフェンズ第1期シナリオの終了おめでとうってところね」
NOVA「大丈夫。ビスケットの魂(声)は、アルドノア・ゼロの伊奈帆や、INFINITYの兜シローの声でスパロボに受け継がれているし、何よりも鬼滅の竈門炭治郎でもあるからな。花江夏樹キャラの灯火は消えないわけで」
(当記事 完)