スパロボ30の新PV
NOVA「来月発売のスパロボ30に新情報が出たぞ」
NOVA「なお、PV1弾はこれな」
晶華「発売を目前に控えた、このワクワク感はいつ味わってもいいものね」
NOVA「いや、お前は2018年生まれだから、そんなに何度も味わっていないと思うんだが。確か、それ以降に出たスパロボって、XとTぐらいで、しかもXはお前がまだ生まれたばかりだったから、スパロボのこともよく分かっていなかったはず」
翔花「スパロボXはこれね」
NOVA「それはSWITCH版だな。俺の持ってるXはこっちだ」
NOVA「何というか、後から出たSWITCH版の方が戦闘画面の迫力が上に見えるのは気のせいだろうか? 今さらこう言うのも何だが」
翔花「他のも見てみるね。まずはV」
NOVA「う〜ん、やっぱりVのヤマトの演出は燃えるなあ。もう一度、Vをプレイしたくなった」
晶華「だったらTは?」
NOVA「ハーロックはハーロックで燃えるが、ヤマトほどの中毒感はないか。だけど、もう一度、Tもプレイしたくなった」
翔花「でも、今はDDの話でしょ?」
NOVA「うむ。しかし、最近は全力全開ばかり言っているので、飽きてきた気もする。イベント期間が終了すると、何か他のことをしたい気もしてきたからなあ。ちょっと惰性的になってきたか」
晶華「だったら、他の機体を使ったら?」
NOVA「十分に鍛えていない機体を、パート2桁の苛酷な戦場には出撃させられん。とりあえず、パート9はクリアしたが、アルドノアの機体って地味だからなあ」
ワールド5へ
NOVA「パート9の1話めは、前回も話したようにゼーガペインのエピソードで、カミナギ・リョーコがキョウのサブパイロットになる話で、パート8の後始末的なところがある。そこからハーザの導きで、2話めからはワールド5に向かうわけだ」
晶華「アルドノアの物語がメインの世界ね。復習はこの記事から遡るといいと思うわ」
NOVA「ぶっちゃけると、火星の古代遺跡から発掘された超技術のアルドノアを元に、火星開発を進めた科学者がヴァースという名の火星帝国を築いた後、地球人類に宣戦布告して、地球VS火星という対立構造が生まれたんだな。スパロボでは、さらに火星の超技術の協力者であるメガノイド(ダイターン3の敵)が暗躍していたり、それとは別にベガ星連合軍という宇宙人(グレンダイザーの敵)が侵略に来ている」
晶華「他には、ガンダムWと、機動戦艦ナデシコのブラックサレナがワールド5の作品とのことだけど」
NOVA「そいつらはどっちも、自分たちの物語世界からワールド5に転移したもので、おそらく、それぞれの物語が終了後と思われる。マリーメイア軍との戦いや、火星の後継者騒動が終わった後、ヒイロはウイングゼロを放棄する前に転移に巻き込まれ、アキトはユリカたちの元から姿を消した後の流浪人だと考える」
翔花「つまり、DDでガンダムWやナデシコの物語にスポットが当たることはなくて、ほとんどいるだけ参戦ってこと?」
NOVA「劇中で、明言はされていないけどな。少なくとも、ヒイロはマリーメイア軍のことは口に出さないし、アキトも北辰への復讐心で心がいっぱいということはない。まあ、どちらも別れた女性のことを懐古するとか、過去の自分や世界の悲劇に絡めて現在の物語にリアクションすることはある。ヒイロは平和のための戦いに積極的だし、アキトはラーメンのレシピとか夫婦間の悲劇には絡んでくる。ただ、どちらも無口キャラなので、自分の背景を積極的に語ることはないわけで、その辺は原作を知るファンが彼らの想いを察することができる程度の匂わせ方だ」
晶華「要するに、ワールド5でメインになるのはヴァース帝国との戦いで、そこにメガノイドが同盟を結んでいて、ベガ星は地球と火星双方にとっての敵ってことね」
NOVA「そうなるな。火星の遺跡というテーマだと、ナデシコと相性がいいと思ったけど、アルドノアとナデシコの物語は現状リンクしてなくて、アキトも火星の遺跡から発見された超文明技術というキーワードに反応する様子は見せない」
翔花「火星の古代文明だと、ウルトラマンのトリガーさんともつながりやすいよね」
NOVA「笑えたのは、ベガ星連合軍が原作では月の裏側に基地を作っていたのに、アルドノアの世界では月が大破して、その破片が地球に落下して大変なことになった歴史があるから、ベガ星は地球侵略がうまく進められずに来たって設定。地球と火星の戦争が再燃したために、そのどさくさで侵略活動も活性化した状況にある」
晶華「地球と火星とベガ星の三つ巴の戦闘になるわけね」
NOVA「ベガ星から見れば、地球人同士の内乱状態にかこつけてって話だけど。あと、作品テーマとしては、火星帝国は超技術を活用したスーパーロボットを有しているのに対し、地球側はリアルロボットで対峙する点が挙げられる。ロボット物におけるスーパーとリアルの概念は、90年代にスパロボと並行するように定着した用語だと認識しているが、機体性能と世界観の2種類の相違点が挙げられる」
スーパーロボットとリアルロボットの概念考察
NOVA「主題歌にも謳われているからな」
NOVA「マジンガー以前のロボット作品だと、鉄腕アトムや鉄人28号、それにレインボー戦隊ロビンなどにも登場していたりするし、宇宙人の侵略兵器だとモゲラやキングジョーなどの特撮ロボット怪獣が早いが、マジンガーZの革命は『人が操縦する兵器としてのロボットであり、未知のエネルギーと装甲が強さの源であり、世界征服を企む悪のドクターヘル軍団が駆る機械獣と毎週戦う世界観』ということが挙げられるな。後は超合金ブランドの成立など、玩具業界とのマーケティング史で語られる要素も大きい。ロボット物が男の子向け玩具の主力として扱われる歴史は、作品内容の変遷と並行して語れるテーマでもある」
晶華「来年がマジンガーZ誕生50周年だけに、それはアニメのスーパーロボット50周年と言うこともできるわけね」
NOVA「で、ゲームのスパロボが再定義したのは、機体性能と演出面だな。まず、スーパー系は頑丈な装甲と一撃必殺の攻撃力を備えたロボットで、必殺技名を叫んで派手な演出と共に、悪の侵略者と昭和レトロちっくな戦闘を繰り広げる。マジンガーからゲッター、コンVなどの変形合体ロボットに系譜が受け継がれていくんだな」
翔花「そこにリアルロボットの風を持ち込んだのがガンダムさんね」
NOVA「最初のガンダムは79年で、そこから80年代にかけてリアルロボットの発展時代に入る。まあ、最初のガンダムは多分にスーパーの名残が強い作品だったが、ガンダムを基軸に『作品世界の歴史やメカニック史などの設定考察』が盛んになり、ただの荒唐無稽ではない大人の鑑賞に耐え得るリアルさの追求が為された結果、当時のTVマンガからアニメという用語への発展と共に、青少年がアニメを卒業せずに大人になっても見ていいんだって風潮が芽生え、それが後に90年代にオタクという概念と共に定着していく」
翔花「別にガンダムはリアルロボットを名乗っていないわよね」
NOVA「リアルという言葉は、主に迷彩塗装を施したリアルカラーのプラモデル辺りから定着した用語と認識するが、リアルの背景には現実の軍事兵器を題材にした理論武装が施されて、当時は子ども向きと見下されていたロボットアニメ作品から卒業しなくてもいいというファンの免罪符的な呼称でもある。リアルは子ども騙しに対する反意語でもあって、『リアルだからただの空想ではない』ってことだ。それを如実に表現した主題歌がこれになる」
翔花「ZZさんはアニメじゃないの?」
NOVA「アニメだよ。少なくとも、実写ドラマということはない。この主題歌は、作品世界を表現したわけではなくて、当時のロボットアニメにリアルを持ち込む風潮を表現した歌詞だね。常識に縛られた大人の社会と、そこから訣別する可能性を秘めたニュータイプの子どもたちという作品テーマが、当時のアニメファンの肌感覚と通じあった歌詞だから、今の時代に聞いてもツッコミどころ満載だと思う」
晶華「とにかく、80年代にリアルロボットの風潮ができて、そのリアルは青少年から大人のアニメファンの免罪符という意味合いという話ね」
NOVA「80年代の大人感覚というのが、『いつまでも子ども番組を見てないと、いい加減に卒業しろ』ってものだったからな。そこで、『これはただの子ども番組じゃなくて、現実に根差したリアルなんだ』という作品研究の流れができて、いわゆるオタクの理論武装がアニメ雑誌などを中心に活性化する時期とも言える」
翔花「リアル系の特徴は?」
NOVA「作品内に登場する人型ロボットに、モビルスーツやコンバットアーマー、アーマードトルーパーなどといった専門用語の呼称と形式番号、兵器開発史が設定される点が、まずリアル。主人公機は特別製であったとしても、敵や味方のメカは量産型とされ、同型機がいっぱい出てきて、たまに『新型か。手強いな』というセリフが出てくる」
晶華「マジンガーZさんの機械獣は毎回、新型が出て来て、基本は1対1の戦闘だもんね。新型にいちいち驚かないし」
NOVA「機械獣は、ウルトラマンにおける毎週出て来て倒される怪獣や、ライダー怪人の延長だからなあ。新型を見て驚くのは、カテゴリーが進化した妖機械獣や戦闘獣にバージョンアップした場合だ。敵戦力のパワーアップは、スーパー系だとカテゴリーの変化で表現される」
晶華「円盤獣→ベガ獣とか、ドレイ獣→マグマ獣とか、獣士→鎧獣士とか、そんな感じね」
NOVA「80年代の戦隊も、70年代のそれを受け継いだな。83年のダイナマンで、進化獣からメカシンカになるのが初の名称変化かな。翌年のバイオマンのメカジャイガン(カンス)からネオメカジャイガン(メガス)とか、フラッシュマンの獣戦士→デウス獣戦士とか、ファイブマンの銀河闘士→合身銀河闘士とか、戦隊怪人の名称パワーアップ史も面白そうだが、劇中で組織の改編劇や新幹部が登場した際に、これまでより強い怪人が登場して、味方側のパワーアップが必要になるケースも多かった」
晶華「特撮ヒーローまで話を広げるとキリがないので、リアル系ロボットに話を戻すわね。兵器としてのロボットの発展進化が段取りを追って設定づけられて、量産型を土台にして新型が導入される流れがあるのがリアル。他に敵幹部が乗る専用機があって、パーソナルカラーと特殊なチューンナップが施されて『量産型ザクに比べて、シャア専用の赤ザクは通常の3倍と呼ばれたりする』のもリアルっぽいかも」
NOVA「さすがに3倍は盛り過ぎてリアルじゃないだろう、と後からツッコミが入れられて、後に少しでも整合性ある設定が語られるようになるんだが。シャアザクの場合は、軽量化により推力3割増しという程度に落ち着き、それが3倍と言われたのは操縦者の技量によるものというのが定説だ」
翔花「技量でスピードって増えるものなの?」
NOVA「乗り手が機体の加速に耐えられるか、制御しきれるかってことだな。乗用車が一般道路を走る制限速度は時速60キロだが、高速道路だと100キロから一部区間は120キロに引き上げられたと聞く。つまり、環境によっては通常の2倍まで出すこともできるし、国産乗用車の最大速度は180キロまででリミッターが掛けられているそうだ。結局のところ、普通の車でも性能としては最大3倍までは出せるように設計されているけど、一般の道路で2倍から3倍までのスピードを出して、事故を起こさずに走れる運転手はまずいない。だから、常識的な速度として60キロが妥当だと法律で決まっているわけだ」
晶華「戦場には、速度制限の法律なんてないでしょ?」
NOVA「当然ないが、常識的にモビルスーツが戦場に飛来する速度データはこれぐらい、という軍事上の常識はあるんだろう。例えば、3機小隊を組むのが当時のMS運用の定番だったらしいが、チームで連携を組むのに妥当な速度がそれぐらいとされて、シャアは単独突撃を平気で行うから通常の3倍という、機体の限界に近い速度で平気で突っ込んで来るわけだ。しかも、AMBACと称する手足の重心移動によって細かい方向転換や、戦艦や敵機を足で蹴りつけながら姿勢変更したり速度調整したりするアクロバティックな起動も可能にする」
翔花「現在の車の最高速度って、どれぐらいのものなの?」
NOVA「F1車で300キロオーバーと言われ、燃費とか各種の制限を取っ払うと400キロ以上は出せるらしいが、仮面ライダーの旧サイクロンで時速400キロ、新サイクロンで時速600キロだ。まあ、最近のライダーは超高速で動き回れる者も増えていて、バイクに乗るよりも自分で走った方が速いと言われたりもするからな。一方、ここ数年のライダーのバイクは時速300キロ以内に抑えられていて、昭和当時は低性能と言われたライダーマンのバイク並みという、現時点ではリアルな領域だ。バイクの扱いが地味になったのに加えて、性能も地味になった感じだな。リバイスのホバーバイク(プテラゲノム)の性能は派手な演出だけど、最高速度は時速210キロ。スペック的には意外と地味だが、これもリアルなのかもしれん」
NOVA「プテラは放送中は、目のデザインと胸のコウモリ状のパーツから、元ネタがキバかな、と思ったら、実はファイズのアクセルフォームがデザイン元だったんだな。だから、あの高速戦闘だったのか、と納得」
晶華「って、もはやスパロボの話があさっての方向に流れているんですけど?」
NOVA「本当だ。スーパーとリアルの違いからアルドノアにつなげようと思っていたのに、うまくつながらない。仕方ないから、009、助けてくれ」
009『はい? 何故に突然、召喚して来るんだ?』
NOVA「それは、お前が加速装置付きのサイボーグだからだ。このグダグダになりつつある記事を加速させるのはお前の力が必要だ」
009『何を言っているんだか? ええと、リアル系というのは、スパロボでは「敵の攻撃を回避して、当たらなければどうってことはないと装甲よりも運動性を鍛えた機体」と一時期は定義されていたな。昔は運動性が命中と回避の両方に影響していたから、運動性の低いスーパーロボットは精神コマンド・必中を使わないと攻撃が当たらないという状況もあったが、後に運動性は回避のみに影響するようになって、命中は照準値という別能力が採用されたから、スーパーは攻撃が当たらないという欠点が改善されたと聞いたりもする。逆に、リアル系のユニットでも近年は攻撃力の高い必殺技が実装されて、スーパーとリアルの極端な性能格差は見られなくなったと聞くが?』
NOVA「90年代は、スーパーとリアルの概念が区分されるようになった時代だけど、勇者ロボがリアルな設定と熱いスーパーなドラマを採用したり、Gガンダムというスーパーなガンダムが誕生したり、小型のSD系ロボがスーパーかつコミカルなノリを示したりして、現実のロボアニメは単純な二項対立では表現しにくい作品も増えて行ったんだな」
009『21世紀になると、スーパーにはレトロという意味も込められるようになり、おっさんホイホイ的な表現となる一方で、リアルにもデジタルという意味が付与されるようになって、ヴァーチャルとかゲーム的な描写が最先端のリアルという感覚になる』
晶華「でも、ヴァーチャル(仮想)とリアル(現実)って対義語じゃない?」
NOVA「時代や文脈によって、リアルという言葉のイメージが変わってくるってことだな。リアルは現実的という意味だから、80年代には『子ども向けに作られたスーパーロボットアニメに対して、勧善懲悪だけじゃないミリタリーや政治などの大人設定を組み込んだもの』をリアル系と称した。そういう機体は一騎当千の無敵ロボットではなくて、戦術を駆使してクレバーに戦う作品が多くて、器用に回避しながら戦う機体となる。
「そして、90年代はゲームやインターネットを通じて、レトロなスーパーロボット文化の復権が行われる。かつては児童向きと称されたスーパーロボットが改めて発掘してみると、先進的なアイデアが盛り込まれ、意外とリアルだったことに気付かされるわけだ。特に原作コミックの再発掘が頻繁で、量産型グレートマジンガーやら、戦いに忙しい生活だったので高校を留年した兜甲児とか、アニメよりもリアルに表現された桜多吾作版の意外にシビアなマジンガー物語とか、異なる時間軸のマジンガー作品が発掘されてスパロボマニアの注目を浴びたりもした」
翔花「昔のマンガがゲームのマニアックなネタとして使われて、それがインターネットでも拡散していくのが90年代からゼロ年代の風潮ってこと?」
NOVA「世間一般の風潮かは知らないが、デジタル社会では、先鋭化したマニアのサイトにコアなファンが集まったりもしたからな。この頃になると、価値観も多様化していく流れで、何を以てリアルと見なすかも個人差が激しくなるわけだよ。特撮ファンのリアルと、アイドルファンのリアルと、ネットゲーマーのリアルとは異なるし、一口にロボットファンと言っても、70年代のスーパーロボット好きと、80年代のリアルロボット好きと、90年代以降のスパロボ誕生以降に生まれた世代の嗜好は異なるし、接近戦武器が好きな層と遠距離射撃が好きな層にも分かれる」
翔花「接近戦好きなのはスーパーロボットで、射撃好きはリアルロボットって区分も昔の話よね」
NOVA「オーラバトラーやデスティニーガンダムなど、回避力が高い接近戦ユニットも増えたからな。一方で、装甲の厚い砲撃仕様の重戦車ユニットもあって、そういうことを言えば、元祖のマジンガーZも武装は全部飛び道具だらけなんだよ。ゲームの世界では、必殺技のブレストファイヤーが接近戦仕様だったり、ロケットパンチの射程があまり長くなかったりして、マジンガーは重装甲の接近戦メカのイメージが強いが、真マジンガーで『射程の長い超攻撃力の光子力ビーム』を見て、それまでのゲームの常識が崩れ去ったわけだ」
晶華「確かにINFINITY版のマジンガーさんは従来に比べて、回避能力の高さが話題になったそうね」
NOVA「スパロボでは、万年高校生の熱血漢主人公だったのが、INFINITYではアムロや竜馬と同様に年を重ねた大人のベテラン甲児が出てきて、俺らのような年季の入ったスパロボファンにも改めて感情移入させてくれるキャラになったしな。
「ゼロ年代から10年代にかけては、スパロボの客層にも世代交代が出てきて、エヴァを見て育った層とか、初ガンダムがSEEDの世代とか、真ゲッターが初ゲッターという世代とか、違う世代=違う世界に生きているよなあ、と感じることも。で、それを象徴するかのように、10年代のスパロボは(スパロボに限らずフィクションの多くが)多元世界とか、異なる世代の交流とか、異文化の融合とか、そういうテーマが俺の観測範囲に多くなって、いろいろ蘊蓄が楽しめるわけだよ」
009『80年代だと、旧世代と新世代の対立劇が描かれることが多かったけど、近年の作品は昭和レトロが懐かしくて、若者も比較的好意をもって受け入れてくれ、古いからダメという声も一部聞くけど、レトロ趣味な若者も増えているな、と思う』
翔花「若者のリアルがネットでしょ? ネットで調べると、古いけど面白そうなものがいっぱい発掘できるから、退屈な日常よりもネットの方が面白いから、古いものを毛嫌いすると、つまらないもの」
晶華「つまり、ネットで調べる古いものが、若者世代には現実よりも刺激的で新鮮に受け入れられるわけね」
NOVA「まあ、逆にネットで検索しても出て来ない知識は、嘘だとか信じられないという決め付けも若者にはあるらしいな。ネットには上がっていないマイナーな昔の本とか、マニアックな知識が、リアルに存在しないものだと思い込みがちというリアル感覚の逆転現象が起こっているとか」
009『リアルはネットにはない、現実を見ろと言っている旧世代と、ネットにも上がらないマイナー知識に価値を感じないと考える若者世代の対立があるみたいだな』
NOVA「これは俺のリアルだが、『ネットばかり見て、TVもろくに見ないから、世間で何が起こっているか常識を知らないのだ』と主張するTV付けのお年寄りが身近にいてな。まあ、誰もが自分の情報源を絶対と考え、他を下に見下す傾向があるんだろうが、こういうデジタルディバイドが単に趣味の違い以上に今後、問題になるんだろうな、と感じる次第」
009『そう言えば、ぼくが最近プレイしていたスパロボZでも、ネットの情報に踊らされて自軍のメンバーが2勢力に分かれて対決したことがあったな。現実を考えると、「お前たちは目の前の仲間の言葉よりも、捏造されたネット情報の方を信じるのかよ!?」とツッコミポイントだったが、案外デジタル社会ではそれが当然なのかもしれない』
NOVA「スパロボZが最近? という気にもなるが、009にその点の時差を指摘しても仕方あるまい。まあ、あれは元々、『秩序を重んじる軍人や、勧善懲悪のスーパーロボットパイロット』と、『自由を重んじる反権力、アウトロー気質の連中』とで反りが合わなくて、火種がくすぶっていたところを、ネットで煽られた形だからな。
「多元世界の交流慣れした近年ならともかく、スパロボZの当時では軍隊所属のアーガマ(Zガンダム)とミネルバ(ガンダムSEEDデスティニー)側と、自由なアウトロー風味で反権力的なアイアンギアー(ザブングル)やフリーデン(ガンダムX)、月光号(エウレカセブン)側では互いへの不信感を拭えるほどの関係性も確立されていなかったのだろうさ。何せ一番、交渉力のあるネゴシエーターでさえ、必要なら暴力肯定する男だからな」
翔花「なるほど。鋼の拳で殴りつけることがスパロボ流ネゴシエーションってことね」
NOVA「少なくとも、スパロボZの世界ではそうだった。そこから多元世界が当たり前のようになって、ブライトさんも異文化や異世界を受け止めるほどの経験を積んで、もっと知謀を使う作品が増えたこともあって、つまらない内部分裂は減った感じだけどな。軍隊には軍隊の、アウトローにはアウトローの流儀ってものがあるわけだ」
晶華「ヴァーチャルな多元世界が一般的になって、他の世界の有り様に対して寛容的に接することがリアルになれば、完全平和主義の考え方も受け入れられるのかも?」
NOVA「さあ、どうだろうな。異なる世界との関わり方、付き合い方については、自他共の寛容さと共に、適度な距離の取り方、身の処し方ができるかが鍵だと考えるが、戦う人間の心理を研究することには意味があると考えるのが自分だ」
アルドノア話(パート9の2〜6話)
NOVA「と言うわけで、ずいぶん長い寄り道をした気分だが、パート9は大部分がアルドノアの話だ」
009『それは、いつの作品だ?』
NOVA「2014年とあるな」
009『そりゃ、知らんな。未来の話だ』
NOVA「俺もよく知らんのだ。作品を見ていないから。とりあえず、リアルロボットで火星のスーパーロボットを倒すために、天才的な観察力と戦術分析を示す伊奈帆が主役で、火星の王女アセイラム姫がメインヒロインで、彼女を慕う若者スレインがライバル格の主人公だというのを知った。ワールド5では、地球との和平会談を進めようとしていた穏健派のアセイラム姫が、火星の裏切り者に暗殺されそうになった物語から始まった。セラムという偽名を名乗った彼女を伊奈帆が助けて、わだつみという海上戦艦にまで逃がしたはいいものの、伊奈帆たちロボット乗りが時空転移に巻き込まれてしまった。ようやく元の世界に帰って、わだつみの動向を確認するところから話は再開する」
翔花「そこにガンダムWのデュオさんが登場するのよね」
NOVA「デュオの登場は3話めだ。彼はヒイロといっしょにガンダムWの世界からアルドノア世界に飛ばされていたんだが、湖に墜落したために、愛機デスサイズヘルの引き上げに時間を掛けていたらしい。ヒイロの行方を追って旅している途中で、アセイラム姫の行方を探すスレインと出会って、一時的に同行することになる」
晶華「スレインさんと言えば、ロードス島戦記の魔法使いの名前で、アルドノアは確か弟子だったわね。モアイみたいな顔をした人」
NOVA「それはアルド・ノーバな。まったく話に関係ないので、ロードスの件は置いておいて、デュオとスレインがアセイラム姫の乗っているわだつみに追いつく頃合いに、自軍のラー・カイラムもわだつみに追いつき、火星軍のスーパーロボットと対峙する。しかし、スーパーロボットの数ではこちらが圧倒的に多いため、火星のロボットは全力全開に粉砕される」
晶華「リアルロボットでどうやって難攻不落な火星ロボットを落とすかという物語なのに、異世界でそれ以上のスーパーロボット軍団を連れて来ると、物語のコンセプトが台無しよね」
NOVA「まあ、そうなんだけど、原作では圧倒的な戦力で勝ち誇っていた敵役が、それ以上の力で粉砕されて驚愕するストーリーはIF展開として面白いと思った。強力なバリア持ちの機体も、スーパーロボット軍団の一斉砲火の前ではたちどころにバリアを粉砕されることに」
翔花「ワールド5の序章では、バリアのせいで、どうしても倒せなかった敵が力技で叩きのめされる瞬間ね」
NOVA「もちろん、序章クリア時のレベルでは勝てないので、ここまで育成したおかげでもあるのだがな。こうして、死神デュオはヒイロに再会したものの、ヒイロの対応は割と素っ気ない」
009『まあ、それがヒイロだからな』
晶華「スレインさんは?」
NOVA「戦闘ではデュオと共に味方してくれていたんだけど、ちょっとした会話の行き違いでアセイラムの命を狙う火星の刺客と誤解した伊奈帆に撃墜されて、撤退することに。で、わだつみの目的は種子島だったんだけど、そこにはアルドノアの力で起動する戦艦デューカリオンが隠されていた。アセイラムが素性を明かしてアルドノアの力を起動させたことで、わだつみからデューカリオンに乗り換えることになり、ブライトさんたちも護衛として、しばらく同行することになるが、そこにベガ星より新しく派遣されたゴーマン大尉が襲撃して来る」
翔花「それは傲慢そうな名前ね」
NOVA「グレンダイザーがゴーマン大尉の攻撃でピンチなのを、兜甲児のマジンガーZが壁になって助けるドラマがあったりして、何とかゴーマンは撃退される。その間、アセイラムが暗殺者の娘のライエに殺されそうになるドラマがあったりしつつ、彼女が死にかけるとデューカリオンも機能停止するといったピンチイベントとか、ダイザーとは別の物語なんだけど同じタイミングで行われた擬似クロスオーバーみたいなものだな。何にせよ、アルドノアの話はここまでで一旦終わり。第一クールの半分ぐらいまで進展した、と思う」
晶華「その後のストーリーの流れは?」
NOVA「この世界の地球連合本部はロシアのノヴォスタリスクなので、そこまでデューカリオンで向かい、アセイラムの生存を知らせることで火星との和平交渉を模索するらしい。自軍はハーザからの交信で、ワールド1の異変調査と解消に行かないといけなくなったが、オケアノスやダイターン、グレンダイザーをデューカリオンの護衛に付けることになった。そして、ラー・カイラムは一旦、ワールド2を経てからワールド1に向かうことになったわけだ」
金色の破壊神(パート9の7話)
NOVA「そして、パート9の最終シナリオはガオガイガーだ。長期間の異世界の戦闘で、サイボーグ凱の体にガタが来ていたので、護くんの力でGストーンを活性化してもらうのが目的。その際に、重力操作のゾンダーに襲撃されて、ゴルディーマーグが初出撃する内容だ」
翔花「あれ? ゴルディオンハンマーっていっぱい使ってなかった?」
NOVA「ああ、ガシャで運良く手に入ったからな。うちのガオガイガーは、ヘルアンドヘブンが使えないのに、ハンマーヘルアンドヘブンが使えるという特殊仕様だ。ガシャでヘルアンドヘブンが当たらないかなあ、と期待しているんだが」
晶華「一応、本筋ではここまでゴルディオンハンマーが使えなかったのね」
NOVA「まあ、その辺は、このシナリオで初めて実装されたのを、シナリオプレイが遅れたために、時間軸が狂ったんだよな。さて、この段階で、俺は一大決意をすることにした」
翔花「何の決意?」
NOVA「順調に話を進めるなら、次は当然パート10なんだが、時間軸が狂っているついでに、2章のパート1を始めることにする」
晶華「何でよ?」
NOVA「そっちの方が遥かに簡単だからだ。今後の難易度が★6から★7になっているので、鍛えていない機体は出せない。ただ、2章ならもう一度、難易度★2になるので、そちらはどんな機体でも自由に進めることができるだろう。うん、最強ユニットじゃなくても、自由に編成できる形で、お気楽プレイを楽しもうと思った次第」
009『で、どの機体を編成するんだ?』
NOVA「それは次回の楽しみに、と言っておく。次は少し時計の針を進めて、ワールド6クリア後の2章パート1に進むってことで」
(当記事 完)