お盆前最後の研鑽タイム
009『さあ、今回は妖精郷のEXODUSに向けての最後の魔法研鑽会だ。テーマはコンジャラーのレベル6魔法と、ソーサラーのレベル5〜7魔法と、ウィザードのレベル5〜6魔法の3種類ということで』
ケイP『前の研鑽記事はここだッピね』
009『3月かあ。第3部が終わった直後だな』
ケイP『この半年足らずの間に、いろいろなことがあったッピね』
009『夏の残りと秋から冬にかけても、いろいろあるだろうさ。それに向けて、ぼくたちは学ばなければいけない。そう、作家は一つの作品を完結させると、達成感とともに心が豊かになるものだし、物語が完結したなら鑑賞した分の成長をしたいものだ。そして、良い物語体験を語り合うことで、共に感じ合える人間関係があれば至福だと思うね』
ケイP『物語のファンってそういうものだッピ。そして、自分も他の人が感じ入る物語を紡げたらと思うし、そのために勉強だってするし、自分の感受性を豊かにしたいと思う。自分の心の闇や不安を文章に乗せるタイプの作家もいるけど、その闇を晴らす心の強さや光を描くまでが作家の仕事じゃないかな』
009『まあ、闇堕ちして自滅するタイプの書き手もいるかもしれないけどね。ストリウスみたいに。その闇に感じ入る読み手もいるかもしれないけど、そういうのは純文学の領域で、エンタメだったらハッピーエンドが望ましいかな』
ケイP『ホラー小説なら、バッドエンドやビターエンドも乙なものだッピ。まあ、主人公を中心とする大筋ではハッピーエンドだけど、闇に踏み込むことでハッピーに至るサブキャラや敵キャラもいるだろうし、闇から浄化解放されることで未練を断ち切り綺麗に消滅エンドってケースもあるし、主人公以外のキャラに感情移入する読者だっているッピね』
009『ぼくは、信頼できる弟子や後輩キャラに未来を託して、格好良く散る師匠や先輩キャラが好きだなあ。自分の使命を果たした上で、潔く散る美学ってあると思うんだ』
ケイP『それは後を託すに足る弟子や後輩が、きちんと成長してこそ満足できるッピ。弟子や後輩が悪堕ちしたりヘタれキャラだったら、師匠たちもおちおち引退していられないと思うッピよ』
009『現実では、なかなか想いを託せる相手に出くわすことはないもんなあ。まあ、それだからこそ、自分の想いの欠片は分散して、いろいろなところで書き散らすことになるんだろうけど、教師としてはせめて自分の持っている知識や技能の一部でも教え子に伝えたいと思うわけだ』
ケイP『それには、他人に伝えられるだけの知識や技能を、自分が習得して伸ばしていかないとダメだッピ。自分には大した知識や技能もないのに、偉そうにあれこれ言うような恥ずかしいマネはしたくないッピ』
009『だから、コツコツ研鑽を続けるんだろう? 当然、世の中には自分より上の人間もいっぱいいるし、学ぶことも数多い。だから、共通の趣味なんかも一緒に学び合える関係は素晴らしいし、趣味の趣は「走って取ること」だという見解を最近知って、なるほどな、と感じ入った。楽しんでいることだから、そこに向かって走りたいって気持ち、手に取りたいって気持ち、それが大事だなあ、と思ったり』
ケイP『ゲームの魔法研鑽も、それを趣味だとするならば、いろいろな術を取得する楽しみもあるッピね』
レベル6操霊魔法の話
009『コンジャラーのレベル6は、結構トリッキーな呪文が揃ってるな。順に【カウンター・センス】【スタン・クラウド】【マナ・アブソーブ】【リモート・ドール】の4つだけど、パッと見、どう使うかのイメージができない感じだ』
ケイP『それぞれ、どういう内容の呪文だッピか?』
009『一番分かりやすいのは、最後の【リモート・ドール】だろうね。人形に憑依して、操りながら偵察行動を行わせる。レベル2の【コマンド・ドール】(簡単な命令をさせる)、レベル4の【ドール・サイト】(人形の視界を通じて物を見る)に続く人形使い系呪文だ。レベル6になると、視覚だけでなく聴覚も利用できて、会話だってできる。つまり、ゼンカイジュウギアごっこだって簡単にできるわけだ』
ケイP『つまり、その呪文があれば、5くん人形にだってなれるッピね』
009『いや、別に5くん人形になりたいわけじゃないけど。どうせなるなら、これでしょ』
ケイP『どうして、キラメイグリーン?』
009『瀬奈お嬢さまになったら、魔進マッハの気持ちがよく分かるってものだ。まあ、魔法使いらしく、これでもいいんだけど』
ケイP『人形に憑依するって、実用だけじゃなくて趣味全開になれる呪文だッピね』
009『コンジャラーが、一般技能でフィギュアクリエイターを習得すれば、いろいろ人形ごっこが楽しめると思うんだ。レベル6はこれだけで十分キャラ立てができる。他の呪文は飾りだね』
ケイP『そんなことはないはずだッピ。真面目にやれって読者の声が聞こえてきたッピよ』
009『ぼくは大真面目なんだけどなあ。【カウンター・センス】ってのは、自分にかけられた魔法を感知し、その効果を特定したり、かけた術師の所在を察知したりする術だけど、別に呪文を封じるわけじゃないからな。誰かが遠くから自分に呪文を掛けてくる可能性がある局面でないと、使うことはないでしょう?
『例えば、呪いのわら人形みたいな効果のある呪文を掛けられたなら非常に役立つんだけど、そういう超遠隔呪文はソード・ワールドにはあまり見当たらないんだよね。基本的に呪文の使用条件に対象を目視できることが加わるので。人形の視覚越しに呪文が使えるなら、人形使いの所在を特定するのに使えるかもしれないけど、人形越しには呪文を使えないわけだし、この呪文が具体的に何の呪文に対するカウンターとして有効なのか、ぼくが知りたいぐらいだ。とりあえず、魔動機術【ライフセンサー】で偵察されたなら、分かるかもしれないってところ』
ケイP『呪文を唱えず、目立つようなアクションをとらずとも魔法的な能力を行使できる敵が、こっそり眠りや魅了みたいな精神効果のある技を使ってくる可能性があって、それを警戒するシチュエーションでないと使えないってことだッピね』
009『誰かがこっそり自分たちに呪文によるまやかしを仕掛けて来ている。その誰かが何者か? といった謎解きが必要な特殊なシチュエーションなら有効だけど、それはもはや普通にルールブックに載っている呪文ではなくて、モンスターの特殊能力とか、GMが用意したシナリオ独自の特殊呪文だろうというぐらいの特別な状況のみ使えそうってことだ。何もないのに、誰かが自分に呪文を仕掛けてくるかもしれないと常時ビクビク震えてる場合でないと、【カウンター・センス】を使おうとはなかなか思わない』
ケイP『ドラマではよくあるシチュエーションだッピね。誰かが自分たちに悪意のある仕掛けを発動しているけど、それが誰なのか、どこから攻撃してくるのか、というのは、ジョジョのスタンド使いの定番ストーリーだッピ』
009『そういう普通の呪文(発声と身ぶり手ぶりが必要)とは異なる魔法的特殊能力を使う相手だという情報が分かっていれば、その時こそ、この呪文の世話になる時だな。次に【スタン・クラウド】。宣言特技と補助動作を封じる呪文だけど、これは敵が仕掛けてきて、味方の行動を妨害する用の呪文だと思う。敵の特殊能力を使われた瞬間に封じられたら便利だろうけど、封じ方が中途半端で、よほど封じたい特技や補助効果が明確な場合にのみ有効かな。HPの半分を切ると補助動作で自爆して大ダメージを与えてくるから、それを封じるためとか、相手のデータが分かった場合に対策を考える臨機応変な作戦立案能力がプレイヤーに求められるわけで』
ケイP『魔物知識判定で相手のデータを知った後で、何を封じるのが有効か、あるいは封じないと大変なのかを判断できるプレイヤーでないと、使いこなせないッピね』
009『呪文を使ってくるからマホトーンで封じて……というプレイは、昔ならしていたけど、最近はまどろっこしいから、さっさと倒してMPは回復呪文に回す方がいいというプレイになりがちだな』
ケイP『AIキャラに魔封じの杖なんかを装備させていると、たまに上手く魔法を封じてくれたりするッピね』
009『むしろ、GMの方が、プレイヤーのどの特技を封じるのが有効か、研究しているケースが考えられる。そして【マナ・アブソーブ】だけど、相手の消費MPを倍増させて、倍増した呪文を使用した場合にHPを3点回復させる効果だ。まあ、回復呪文にしては無駄が多いので、相手のMP消費量を増やすだけの呪文と考える方がいいな。これも敵に使われると、こちらの大技が使いにくくなる嫌らしい効果だ。こちらから敵にかけて、呪文の発動回数を減らすというのは、やはりまどろっこしいと思う』
ケイP『そういうまどろっこしいことをしてまで、呪文や特殊能力を封じないと勝てないような強敵と戦う場合に、対処する手段だッピよ』
009『そこまで考えないと勝てない敵とは、あまりやり合いたくないなあ。もちろん、そういうハードシリアスなバトルを知恵と工夫で打ち勝つことこそ、ゲームの醍醐味と考えるGMやプレイヤーのスタイルは否定しないけど、ぼく自身は割とヌルゲーマーだからなあ。キツキツのシナリオは余暇の楽しみとは思えないわけで』
ケイP『他人が過酷な試練に臨むのは?』
009『それは大好物だ。他人が一生懸命に頑張って、凄いパフォーマンスをして、うわあ、凄いなあ、ぼくには真似できないことを平気でやりこなす人がいる、そこに痺れる憧れる〜と感じ入るのも、リアルでもフィクションでも大好きだね。自分にできないことを自分に代わってしてくれるからこそ、この人は凄いなあと尊敬できるわけで、だったら自分には何ができるかなあ、と自分らしく頑張ってみるのもいい。
『だけど、自分が好きでやってることに対して、誰も相手にしてくれないから構ってくださいと泣き言を言い出す輩とか、自分にできないパフォーマンスを頑張ってしている人間に対して嫉妬全開なのか上から目線で悪口を言いまくる輩は、激しく見下すね。何というか人間として非常に格好悪い。まあ、自分が気に入らないから憂さ晴らしに悪口を言うことで、心の安定を保ちたい心理なんだろうけど、所構わずそれをやられると、そういうネガティブな想いは他人には受け入れ難いので、便所の落書きと称される匿名板とか、個人のブログなんかで恥を忍んで書くべきだ』
ケイP『人の嫌がるネガティブな書き込みを掲示板で行なって、ご容赦くださいと言ってくる輩が先日も現れたけど、ご容赦できるはずがないッピね。「すでに嫌われまくっている人間が、何の反省もせずに、同じ過ちを繰り返して卑屈に振る舞い続ける様子は、傍目から見ても滑稽すぎて、ダメ人間もここまで堕ちたか」と憐れむばかりだッピ』
009『こういうクズみたいな人間は、自力では更生できないから、ブートキャンプみたいな施設に放り込んで、徹底的に性根を叩き直すようなシチュエーションを思い浮かべるんだけどなあ。まあ、自分がそういう鬼教官みたいな仕事をしたいかと言えば、イヤだけど。そういうモードに入ってしまうと、リアルの仕事にも支障が出るわけで』
ケイP『とりあえず「ご容赦」と言うのは、「相手にお願いされたことに対して、希望に添えないから丁重に断る言い回し」であって、自分が好き勝手な書き込みをするための免罪符にはならないわけで、もうビジネス用語の使い方も間違っているッピね。仮にも小説家を目指していた人間が、これだと情けないにも程があるッピ』
009『管理人の立場だったら、「あなたの相手をするのは苦痛以外の何者でもないから、これ以上関わって来るのはご容赦ください」と言いたくなるようなシチュエーションだ。実際、相手の過剰な(時として不当な)要求に企業として応じられないような場合に、丁寧に断る言い回しなので、使い慣れないビジネス用語を見様見真似で使って失敗しているケースだからね。言葉のちょっとした言い回しのミスなら、いちいち目くじらを立てるのも大人気ないんだけど、ここぞというところで凝った言い回しをしてみるものの、よく分からずに使っているので使い方を間違えてしまう癖がやたらと目立つのは、物書きとしては見るに耐えないわけで』
ケイP『愚かな書き込みで、こちらの妨害をしてくるような呪文の使い手みたいだから、【スタン・クラウド】の呪文で逆に封じておきたいッピね』
レベル5真語魔法の話
009『じゃあ、間違った言葉の使い方を払拭するべく、真語魔法の研鑽だ。レベル5は【ウェポン・マスター】【ウォール・ウォーキング】【トランスレイト】【ブラスト】の4つで、いずれも有用な呪文だ。ただし、サイバ☆リオンの場合は攻撃呪文の【ブラスト】が使いにくいけど』
ケイP『どうしてだッピ? 威力30の単体攻撃呪文はそれなりに強力だッピよ』
009『射程が接触なんだ。つまり、後衛から前衛には仕掛けられない。この呪文は《マルチアクション》を持った魔法戦士が前衛で敵を殴りながら、さらに追い討ちを掛けるのに効果的な呪文なんだ。後衛魔法使いが使うとしたら、敵が後衛に突入してきて応戦するような局面でなければ、自分から積極的に使って行こうとは思えない』
ケイP『射程1の強力なブレストファイヤーみたいな物だッピね。装甲の硬い壁キャラか、回避の得意な接近戦リアル系キャラなら有効利用できるけど、回避できない紙装甲の遠隔攻撃主体キャラにとっては、無用の長物でしかない』
009『まあ、味方がかばってくれるなら安心して使えるかもしれないけどな。ゲッタードラゴンのシャインスパークみたいな大技で、これでとどめだって局面ならいいのかも知れないけど、サイバ☆リオンは地中に潜るような優れた隠密能力も持っていないので、ゲッターライガーにはなれない、と』
ケイP『重装甲の魔法戦士だと、種族はナイトメアに向いた呪文ッピね』
009『あるいは敵のオーガがよく使ってくる印象があるな。さて、ぼくたちのパーティーで有用なのは【ウェポン・マスター】じゃないかと思う。自分も含む仲間に戦闘特技を与えることのできる魔法なんだけど、ミリィに《ターゲッティング》を与えたら、後衛から誤射なしで魔法攻撃させることができる』
ケイP『ミリィさんの戦闘スタイルは、フェンサー技能で前衛に出ながら魔法を使うわけで《ターゲッティング》は習得していないッピね』
009『前衛に立てる聖戦士として、エマ・ショーカが仲間になったから、これからはミリィが前衛に出なくても戦線は十分支えられるんだ。それにフェアリーテイマーとしてミリィも育って来たから、攻撃呪文の使い手として援護射撃する方がいい局面も考えられる。そんな時に《ターゲッティング》を付与させられると便利かなって』
ケイP『他の戦闘特技はどうだッピ?』
009『う〜ん、キャプテンは《魔力撃》が強力だし、エマは《マルチアクション》や《薙ぎ払い》を既に習得済みだからなあ。宣言特技が1ラウンドに1つしか使えない以上は、自前の特技で十分じゃないかなあ。まあ、将来、ファイター13レベルになって、《バトルマスター》を習得して複数特技の同時使用ができれば、また考える余地が出て来るけど』
ケイP『それは随分先の話だッピ。どちらかと言えば、宣言特技よりも、常時特技を中心に覚えていったキャラを強化するのに向いた呪文だッピね』
009『二刀流の戦士なんかは宣言特技を習得する余裕がないからな。パーティーの特技構成を見て、適切なフォローができるなら有用な呪文ってことだ。次に【ウォール・ウォーキング】。空が飛べるなら必要ないかもしれないけど、壁歩きのスパイダーマンごっこができるのは楽しそうだ。それに飛行は目立つけど、壁歩きなら隠密行動できるって局面があるかもしれない』
ケイP『確かに、飛行は羽音とかを消せないかもしれないッピ』
009『それに、ミリィの飛行はペガサスがあってこそだし、森羅魔法の【ウィングフライヤー】も持続時間が10秒と短いからな。壁歩きは3分だから、それなりの移動距離が必要な場合はこっちが有効だろう』
ケイP『3分間の移動距離はどれだけだッピか?』
009『1ラウンド10秒の移動距離は、通常移動で敏捷力と同じ。基本戦闘だと処理をしやすくするために10mと扱う形だから、180mといったところか。大抵の建物の屋上までは行けそうだな。東京タワーみたいな超高層な建物だったら、途中で呪文の掛け直しが必要だろうけど。大阪名物の通天閣なら、地上100m強だから普通に登りきれる』
ケイP『東京タワーは333mだから、呪文を2回使えばOKだッピ。スカイツリーだと634mなので、4回は必要だけど……』
009『スカイツリーって何?』
ケイP『知らないッピか!?』
009『もしかして、噂の新東京タワー計画のことか? EDOタワーとか、みらいタワーとか、ライジングタワーとか、いろいろな名前が候補に上がっていたらしいが、いつ完成したんだ?』
ケイP『ええと……2012年2月だッピね。ナイン君が知らないのも無理はないッピか』
009『大体、2009年人のぼくにとっては、今回の東京オリンピックだって???な思いで受け止めたんだぞ。東京オリンピックといえば1964年という常識が覆されたというか、いかにも自分が未来に来てしまったんだな〜と感じさせる出来事だ』
ケイP『確かに、過去と未来がつながる感じだッピね』
009『まさに気分はタイムボカンだな』
ケイP『これッピか?』
009『違うだろう。タイムボカンと言えば、これに決まっている』
009『何だかよく分からないうちに、過去と未来のタイムボカンがつながってしまった感じだな』
ケイP『2021年においては、どっちも過去だッピ。75年の元祖ボカンは遠い過去。16年のボカン24は近い過去ってことで』
009『24って付くんだったら、2024年にやればいいのに紛らわしい』
ケイP『主人公側の組織JKK(時間管理局)が24世紀の未来に設立された設定だから、そういうタイトルだッピ。設定もよく知らないのに、不毛なツッコミを入れるなッピ』
009『むっ、確かにそうだな。知らないものに雑なツッコミを入れると恥をかくのは世の常識。そもそも、今はタイムボカンの研鑽タイムではなかったはず。寄り道脱線回路よ、鎮まれ。ええと、次の呪文は【トランスレイト】だな。これさえあれば、未知の言語で書かれた文献も意味内容が分かる、ありがたい呪文だ』
ケイP『文献調査が好きなリオンさんにとっては、一番有用な呪文だッピね』
レベル6&レベル7真語魔法の話
009『では、改めて真語魔法の6レベルだ。【コンシール・セルフ】【ハード・ロック】【ファイアボール】【レビテーション】の4つだな』
ケイP『順に、隠れ身、施錠、火球、空中浮遊の呪文だッピね』
009『特に細かい解説の必要な呪文はなさそうだな。強いて言えば、【コンシール・セルフ】のMP消費が15点というのは、結構高いな、と思う』
ケイP『D&Dだったら、透明化(インビジビリティ)の呪文はレベル2の割と初歩な呪文だッピが、ソード・ワールドだと透明化も難しいッピね』
009『【インビジビリティ】は妖精魔法のランク12光呪文だったりするな。そちらもMP消費16点だし、高レベルで負担が大きい呪文の印象だ。そうなると、異種族のレプラカーンの持つ種族特徴【姿なき職人】(MP5点で【コンシール・セルフ】の効果)がいかにも優秀だってことが分かるわけだ』
ケイP『実際、この呪文さえあれば、ゲッターライガーみたいに隠密行動して、ここぞと言うところで姿を表して、強力な呪文を掛けられる。暗殺者になるのも不可能じゃないッピ』
009『この辺まで成長すれば、魔法怪盗という道も十分考えられるな。魔法で鍵開けもできるし、壁も登れるし、隠密行動もできる。問題は【コンシール・セルフ】を使っている間は、移動力3mの制限移動しかできないことなんだ。制限移動で10メートル移動できる《足さばき》の特技と組み合わせれば、使い物になるって感じだな』
ケイP『《足さばき》って魔法戦士にとっては便利だッピね。1ラウンドめ先手の前衛は魔法が使えない、という制限をなくしてくれるものだから』
009『レベル9の習得候補の特技かもな。サイバ☆リオンはそれよりも《ダブルキャスト》を選ぶけど』
ケイP『2つの呪文を同時使用するッピか。いかにも大魔法使いって感じだッピね』
009『実際には、2つめの呪文は魔力マイナス10される上、習得レベルの半分に制限されるから、レベル9時点でレベル5までの補助呪文を使うための特技だと思う。攻撃魔法2連発だと、2回めの威力が少なすぎることになるからな』
ケイP『呪文の使い方よりも、呪文を使うための特技との組み合わせ方の話になっているッピ』
009『そりゃあ、そのままでは扱いにくい呪文が、どういうシチュエーションとか、どういう特技と組み合わせたら使えるものになるかを考えるのが、研鑽ってものじゃないか。使えないものをただ使えないと切り捨てるだけじゃ、バカでもできる。アイデアを出すってのは、素材の特性を見極めて、こうすれば役に立つって発想を生み出すってことなんだよ』
ケイP『ああ、だから、こいつは使えない奴だと切り捨てるリストラはダメってことだッピね』
009『相手にもよる。さんざん周囲からダメ扱いされた人間が、自分のダメなところを改善する努力もなく、知恵も働かせず、自分が見下せる対象に難癖をつけるだけのつまらない人間に成り下がったケースは、悪影響が大きいからな。ダメな奴が再生するドラマは数多いし、そういうドラマに感じ入って、自分も頑張ろうと奮起して少しはマシになるならいいんだが、ダメな奴が自分のダメさ加減を反省することもなく、裏付けもないプライドだけを満足させるべく不毛な社会批判行為に居場所を見出すと、目も当てられん。悪口や愚痴をこぼすだけならバカでもできるからな。明るいバカなら芸にもなるが、文句だらけのネガティブバカには付ける薬はない』
ケイP『汚物は【ファイアボール】で焼却するか、【ハード・ロック】で隔離するかしかないッピかね』
009『【レビテーション】の呪文みたいに向上心を見せてくれるなら、応援し甲斐もあるんだけどな。いい年した大人が反社会的な言動で飯食ってる評論家をいつまでも尊崇しているようじゃ、世の中でまともに生きていくのがしんどいと思うよ。世に逆らうことが正義だと思うのは、反抗期の若者が一時的に拗らせるような言動だからな。
『趣味嗜好の1ジャンルとして楽しむ程度ならともかく、それが人生訓みたいなものになって、ところ構わずまき散らすようになってしまったら、害悪以外の何者でもない。まあ、主義主張は個人の自由だけど、そういうのは場に相応しくないと拒絶する自由もこちらにはあるわけだから、あまりに執拗なのは、うちでは受け入れられないと排除するしかないのかな、と思う。客観的に見て、根本的に思想信条が異なる相手と分かり合うのは難しいし、ここまでは受け入れてもいいけど、これ以上は容赦ならんという線引きを明確にして、そのラインを踏み越えないことで、初めて共存できるわけだ』
ケイP『自己主張したければ、場の不文律を超えない範囲でってことだッピね』
009『不文律どころか、ルールやマナーとして明文化しているはずなんだけどね。まあ、ルール無用の自己中の視野には入らないんだろうけど。自分の感情の方が、場のルールやマナーよりも優先すべきとするケイオティックな輩なんだろう。その感情が明るくポジティブで、場を盛り上げるなら、TRPGの世界ではルールを多少は逸脱しても許される局面もあるんだろうけど、総じて相手に合わせると鬱で、愚かで、反社会的思考に走りがちだから、そういうネガティブさが世間では敬遠される元だって自覚は欲しいなあ』
ケイP『まあ、件の人物は、陽気に、過激な反社会思考って方向性に憧れているみたいなんだけど、90年代のカウンターカルチャーを引きずっていて、今は創り手、語り手の世代交代によって、当時のカウンターカルチャーの多くがメインカルチャーに昇格した時代なのに、彼は今だにカウンターカルチャー感覚が抜けなくて、世の流行や日の当たる世界にいろいろ違和感を覚えたりして、憎悪しているッピかね』
009『知らん。そこまで問題児的な大人の心理状態を分析して、忖度する意味はないだろう。それをして建設的で面白い考察になるならともかく、総じて不毛だからな。こっちはダメ人間の振る舞い方を反面教師として、失敗学のモデルケースとして可哀想な奴と見なしながら、距離を置くぐらいが関の山だろうさ。ぼくは下を見て自分が高みに立ってると安心するよりは、上を見て向上の指針にしたいわけだから』
009『それで、さらなる向上を図ってのレベル7呪文だ。【アナライズ・エンチャントメント】【アポート】【スティール・マインド】【タング】の4つだね』
ケイP『順に、魔法分析、物品召喚、MP吸収、通訳の効果だッピね』
009『格好いいのは物品召喚の【アポート】だな。自分固有のマークを付けたアイテムを、どこからでも呼び出すことができる。ソーサラー技能のレベルと同じだけマークを付けておけるので、今は7つのアイテムを呼び出せるわけだ。魔法の杖を召喚したり、武器や愛読書、お気に入りのフィギュア、それに使い魔なんかも呼び寄せることができる。例えば、【リモート・ドール】で遠隔操作した人形とか、使い魔なんかを偵察に送り出して、危険な状況に陥ったら、すかさず帰還させることも可能。まるで、戻って来い、ミクラスってこともできるわけだよ』
ケイP『これで、ゼンカイジュウギアが家出しても、すぐに呼び戻すことができるッピね』
009『ゴミのネットに引っ掛かっていても、魔法だったら大丈夫かな。飛んで来るのか、走って来るのか、魔法陣を抜けて来るのかは不明だけど、たぶん魔法陣だと思うな』
ケイP『仮面ライダーウィザードみたいな感じだッピね』
009『それは心当たりがあるぞ。確かトラップの仕掛けられたダミーの本だ』
ケイP『どういう理解の仕方だッピか。ウィザードと言えば、これだッピ』
009『おお。コネクトはまさにソード・ワールドの【アポート】だ。格好いい!』
ケイP『気に入ってくれて、よかったッピ』
009『他は、魔法分析とか通訳は、情報収集に適した呪文だな。そして【スティール・マインド】はドラクエのマホトラや、FFのアスピルみたいなもの。相手からMPを吸収して、自分のMPにするんだけど、この呪文だけでMP2点を消費して、回復量は対象のMPの10分の1だけという制限があるので、MPの少ない相手から吸収しても、ほとんど回復しないのが欠点だ。それと抵抗半減ではなくて、抵抗消滅なので、確実に吸収できるとも限らないわけで。むしろ、敵に使われると嫌な類の呪文だな』
ケイP『GMとしては、プレイヤーキャラに単にダメージを与えることよりも、リソースを消耗させることがお気に入りっぽいし』
009『ザコ戦でリソースを削って、ボス戦でガチの強敵を登場させるテクニックだね。まあ、このレベル帯になると、魔香草とか魔晶石でMPを回復したり、補充したりする手段は整えているだろうけど』
レベル5&レベル6深智魔法の話
009『さあ、最後にウィザードの使う深智魔法の話だ』
ケイP『この場合のウィザードとは、仮面ライダーじゃなくてソード・ワールド用語だッピ。ソーサラーとコンジャラーの両方の技能を習得した熟達魔法使いのことを示すッピね』
009『ただし、深智魔法のデータはまだ2.0版なので、秋に発売予定の2.5版魔法サプリで一部変更になる可能性もあるんだな。後で、どのような改訂が行われたか確認する必要があるわけだ。今から魔法サプリが楽しみだよ』
ケイP『今は2.0版の研鑽タイムをよろしくッピ』
009『レベル5が2つ、レベル6が2つと決して多くはないんだな。まず、レベル5は【マナ・コンバージェンス】と【インスタント・アンデッド】。どっちも使えないな。解説するのも無駄だ』
ケイP『いや、そんなあっさり断ち切られても、読者には不親切だッピ。せめて、どうして使えないかの説明をするべきだッピ』
009『後者は簡単だろう。妖精郷でアンデッド使いになることは、GMに禁じられているからだよ』
ケイP『前者は?』
009『補助動作で使えるのはいいんだが、射程:接触の魔法の魔力を+1強化するだけの呪文だ。どうにも使いにくいと思う』
ケイP『だけど魔力強化は有効だッピよ』
009『問題は、射程:接触の魔法で魔力ボーナスが関係するものって、今のレベルだと【ブラスト】と【アンロック】【ハード・ロック】という扉の開け閉め系しかないんだよ。さっきも言ったように【ブラスト】は接近戦でないと使えないので、実質、鍵を開けやすくしたり開けにくくしたりするための魔法ということだ。「気合を込めて、何としても扉を開けてやるぜ、ウォーーーーッ」ていう魔法だ。「俺のこの手が光って唸る。この扉を開けろと輝き叫ぶ。必殺シャイニングフィンガー鍵開けーーーッ」って感じの魔法だな』
ケイP『確かに、それほど気合いを込める鍵開けって変だッピ』
009『まあ、接触タイプの魔法って、プリーストの治癒系(毒消し、病気治癒、呪い解除)なんかに多いんだな。「気合を入れて、コロナウィルスを撲滅するぜ」って癒やし手が使う場合はいいかもしれん』
ケイP『プリースト技能を持つウィザードというのは、レアだッピね』
009『コロナを治癒するためには、それだけ熟達の医士の力が必要だってことかもしれないな。他には……おお、これだ。妖精魔法の炎4ランクの【ヒートメタル】。これなら「お前のその武器が真っ赤に燃える。持ち手を焦がせと轟き叫ぶ。爆熱ゴッドフィンガー・ヒートメタルッ!』って叫んで、ダメージ1点増加だ』
ケイP『そこまで気合を入れて、結局1点だけッピか』
009『そう、無理やり気合を入れて、MP4点を余分に消費しても、ダメージが1点増えるだけの代物だ。まあ、魔力の向上は敵の抵抗を抜く可能性も上げるんだけど、1点差で抵抗を抜けるか抜けないかが分かれる場合は、役に立ったと感じる局面もあるかもしれないけど、あまり頼れる呪文とは思えないな。昔のスパロボ攻略本みたいに、使えない呪文を無理やり使おうと解説しても疲れる次第』
ケイP『おつかれさん。残り2つだッピ』
009『レベル6はまだ使えるかな。2.0版になって遺失呪文と言われた【スリープ・クラウド】と、それから扉を絶対に開けなくする【ホールドポータル】だ』
ケイP『絶対に開けなくする? 魔法を使っても?』
009『魔法そのものをディスペルされない限り、鍵開け呪文も無効だな。6時間は絶対に開かない。誰かがトイレに入っている時に、ドアを塞いだら酷い嫌がらせができるぜ。おまけに、夏場の熱が充満したトイレに仕掛けたら、命に関わる非常事態だ。うむ、トイレで熱中症になって死亡、というミステリーが書けるな。6時間後は魔法の効果も消えるので、被害者がどうしてトイレから出られなくなったのか、捜査官たちは首を捻るだろう。「ホールドポータル便所密室事件」という小説のネタが思いついた』
ケイP『いや、そのタイトルで既にネタバレしてるし』
009『じゃあ、タイトルを変えて、ミステリー大賞に応募するか』
ケイP『本気だッピか?』
009『夏の暑さが生み出したジョークに決まってる。いくら、ぼくでもこんなアイデアで傑作小説が書けないことぐらい分かっている。せいぜい、ブログのお笑いネタとして、読者の3人ぐらい、プッと吹き出せば上出来だろうさ』
ケイP『まあ、夏のトイレの個室に6時間閉じ込められたら、と想像すると気分が悪くなる人も多いッピ』
009『さすがに冷房完備のトイレってのは珍しいだろうからな。まあ、脱水症状を防ぐための水なら何とかなりそうだけど』
ケイP『何て下品で残酷なことを考えるんだ、ナイン君は!?』
009『ああ、このブログの品位を落としちゃ、Shiny氏に怒られそうだな。仕方ない。最後ぐらい真面目に行きますか。【スリープ・クラウド】って複数を一度に眠らせる強力な呪文だけど、2.0だとレベル6ウィザードになって、ようやく使える上、MPが12点も消費するんだなあ。D&Dやロードス、旧ソード・ワールドを知る者には、あり得ない事態だよ。とりあえず、ゴブリンなんかが出たら眠らせるという伝統的な戦術が使えなくて、嘆き悲しんだプレイヤーが続出したとかしないとか』
ケイP『一体どっちだッピ?』
009『さあ、NOVA2009はそれを知る環境にはなかったと思う。少なくとも、ぼくは「あれ? 【スリープ・クラウド】がなくなっている? 代わりにソーサラー2レベル単体睡眠魔法の【スリープ】に置き換わった? 集団を眠らせる戦術が崩壊した? 魔法使いの伝家の宝刀がorz」とガッカリしたものだ』
ケイP『2.5版では【スリープ】も弱体化して、うたた寝程度の【ナップ】に置き換わったッピ』
009『眠りの魔法の効果がどんどん下がって行ってるんだな。まあ、昔のドラクエだとラリホーが結構強力だったけど、最近はラリホーがあまり有効じゃないみたいだし』
ケイP『リアルでも、睡眠不足にならないように気を付けるッピ』
009『ということで、長かった魔法の研鑽タイムもこれで一段落だ』
(当記事 完)