前回記事の補足
009『前回、タイムレンジャーのあれこれを振り返りながら、結構いろいろな作品に目移りして、話がまとまらなかったので、今回は語りきれなかった部分を掘り下げたい』
ケイP『タイムレンジャーと言えば、時間モチーフってことで時計をイメージした装備品なんかがお洒落ッピね』
009『ああ。後に仮面ライダージオウがその後継者として、時計の文字盤をモチーフにしたマスクが話題になったみたいだけど、タイムレンジャーの場合はマスクではなく、武器の剣(ダブルベクター)が時計の長針と短針をモチーフにした2本の剣で、素直にデザインモチーフが格好いいと思った』
009『タイムレンジャーのスーツは、時計の針を矢印↓に見立てたデザインが秀逸で、さらに初のカラーゴーグルを採用した未来感覚にあふれたものだな。それまではデンジマン以降のゴーグルは全て黒だったわけで、タイムレンジャー以降も黒ゴーグルじゃない戦隊は、色付きグラサンのゴーバスターズと、ルパンレンジャーぐらいしかない』
ケイP『ゼンカイジャーは?』
009『彼らのデザインは、各人が個性的すぎてゴーグルがどうこうって問題じゃないだろう? モチーフが歴代戦隊ロボという知識がなければ、同じチームの戦士とは思えないぐらい統一感がなく、バラバラのスーツデザインだ。むしろ追加戦士のツーカイザーの方が従来の戦隊のデザインを踏襲している』
ケイP『公式に海賊戦隊のデザインをパクった発言があるッピな』
009『アカレンジャーと仮面ライダー1号のデザインを折衷させて、しかも主人公カラーが白というビッグワンを彷彿とさせるゼンカイザーのデザインは斬新極まりない。それに比べると、ドンモモタロウのデザインは王道の枠に落ち着いている』
ケイP『ゴーバスターズと同じグラサン変身だけど、ドンブラザーズは黒目だッピね』
009『ああ、ところでゴーバスターズのグラサン変身は、勘違いだったことに今、気がついた』
009『ゴーバスターズのグラサンは、後から装着だったな。ドンブラザーズはメガネで変身で合っているけど』
ケイP『合ってないッピよ。メガネで変身するのはウルトラセブンさんと、当ブログオリジナルの明鏡戦隊メガネンジャーぐらいッピ』
009『う〜ん、ドンブラザーズもメガネで変身ではなかったのか。何だか、メガネの印象が強かった作品だが、変身アイテム自体はドンブラスターにアバタロウギアをセットするんだったな』
ケイP『一応、ドンブラスター自体にもサングラスが設置されているので、サングラス型の銃器で変身と言えなくもないけど、それよりドンブラだと、こういうニュースが出たッピ』
009『ドンブリーズだと? ドンブラザーズがドンブリーズと戦うというのか? それって1人二役なのか? ドンモモタロウVS鉄火丼レッドの対決は見てみたい』
ケイP『それよりも、映画で散ったソノイさんが、ミスターアラカルトに転生することに注目だッピ』
009『ミスターアラカルトは、おでんの戦士なのか?』
ケイP『さあ、よく知らないッピが、ドンブラザーズの魂はドンブリーズに引き継がれたってことでいいッピね』
009『いや、もしかすると前日譚かもしれない。確か、タロウの記憶の中にドンブリーズとして戦っていた記憶も混じっていたみたいだし。冗談ネタと思っていたら、実は前振りだったとは』
ケイP『ところで、タイムレンジャーの話はどこに行ったッピか?』
009『うおっ、そうだった。話を戻すぞ』
タイムレンジャーのロボ話
009『さて、戦隊と言えば、ロボ話をしなければいけないんだが、タイムレンジャーのロボと言えば、未来から飛んで来て、未来に帰って行くんだったな。本編中だと、未来に帰れないことが問題になっていたが、何でタイムジェットに乗ったまま帰らないんだろう、と思っていた』
ケイP『物理的に帰れないのではなくて、ロンダーズを全員圧縮冷凍で逮捕しないと、帰還が許されないって解釈するべきだッピよ。単身赴任のサラリーマンが家に帰れないのは、物理的に帰れないのではなくて、仕事の制約があるからッピ』
009『社会的立場に拘束されているってことか。その気になれば、タイムジェットに密航して帰ることもできるかも知れないけど、そんなことをして無理に帰っても、密航者と同じで未来世界では社会的立場の保障が得られず、最悪、犯罪者扱いになる、と』
ケイP『30世紀の社会常識はともかく、タイムレンジャーの面々が任務を果たすまで未来に帰れないのは、彼らの立場からの問題と解釈するッピね。ストーリーの都合という理由はさておき』
009『でも、きちんと律儀にサポートメカは送られて来る分、マシってことか』
009『タイムレンジャーのロボと言えば、1号ロボのタイムロボがαとβとγの3形態に変形合体できる、玩具としても非常にプレイバリューの高い代物だったんだが、サポート型の2号ロボ、タイムシャドウがステルス戦闘機の変形する忍者ロボのタイムシャドウ、その後に出てきた3号ロボの位置付けに当たるのがタイムファイヤーが操る恐竜型ロボのVレックスだ』
ケイP『忍者と恐竜。戦隊シリーズでも人気のあるモチーフだッピね』
009『まあ、時間移動ものだから、忍者や恐竜が出て来ても不思議じゃないと思ったんだが、よくよく考えると不思議だったんだよな。どうして30世紀の未来人が忍者とか恐竜をモチーフにしたロボを作るんだ? って。戦隊シリーズでも、恐竜戦隊や忍者戦隊は90年代の作品で過去の遺物だろう? ってタイムレンジャー放送中には疑問に思っていた。未来戦隊だったら、もっと未来感覚あふれたイメージをだなあ、なんて脳内でツッコミも入れていたぐらいだ』
ケイP『ナイン君は、頭が固かったッピな』
009『しかし、今だと分かる。忍者も恐竜も実は過去の遺物なんかではなく、未来の存在として歴史が繰り返すんだって。何しろ、タイムレンジャーの2年後に「忍風戦隊ハリケンジャー」、3年後に「爆竜戦隊アバレンジャー」って形で同一モチーフが再登場するんだからな。未来にも、忍者や恐竜っているじゃんって話になる』
ケイP『確かにそうだッピな。忍者だと2015年にも「手裏剣戦隊ニンニンジャー」が採用されたし、恐竜は2013年の「獣電戦隊キョウリュウジャー」に続き、さらに2019年に「騎士竜戦隊リュウソウジャー」に至って、令和にも引き継がれたッピ』
009『そろそろ令和の時代にも忍者の戦隊が来てもいい頃かもしれないな』
ケイP『今は、仮面ライダーが忍者を使っているから、2年後ぐらいかなッピ』
009『元祖忍者ライダーのZXまで登場して、忍者ライダー戦隊を結成することになろうとはな』
ケイP『つまり、忍者や恐竜は過去の遺物ではなく、繰り返し戦隊やライダーのモチーフとして使われるようになり、その文化の流れが30世紀の未来人にも継承されたってことだッピね』
009『つまり、時間が経ってみると、「どうして未来から送られてくるロボが、忍者や恐竜なんだ?」って2000年に思ったツッコミは、ぼくが不明だったという結論になる。何しろ、「未来にも忍者や恐竜は人気モチーフとして使われている」と証明されちゃったからな』
ケイP『1000年後も忍者や恐竜は残っているッピかね?』
009『むしろ、1000年後も戦隊シリーズが続いているかどうかの方が心配だな。忍者や恐竜の歴史に比べると、戦隊は再来年でようやく50周年だからな。とりあえず、今年はダイレンジャー30周年なんだが、あと20年でダイレンジャーの孫が活躍するダイレンジャー2が予告されている。2043年に公式か非公式かは分からないにしても、ダイレンジャー2のネタが盛り上がるのは予想できる』
ケイP『役者さんの誰かのお孫さんが俳優になって出演したら、凄いッピね』
009『とにかく、未来にいろいろな文化伝承が受け継がれると思うと、ワクワクできるよね』
宇宙人の話
009『さて、タイムレンジャーと言えば、初の宇宙人戦士タイムグリーンのシオンも当時は話題になったものだ』
ケイP『宇宙人の子孫であるデンジマンや、宇宙人に育てられたフラッシュマンや、追加メンバーが宇宙人のシグナルマンとかVRVマスターなんかはいたけど、初期メンバー5人に宇宙人がいるってのが初だッピね』
009『むしろ、パワーレンジャーの方が早かったんだよな。イン・スペースのレッドレンジャー・アンドロスが宇宙人設定なのが、戦隊初の宇宙人初期メンと言える』
ケイP『いや、それよりもカクレンジャーアレンジのエイリアンレンジャーの方が早いッピよ』
009『エイリアンレンジャーかあ。日本では放映されなかったけど、最初にその設定を聞いたときは驚いたなあ。トミーを始めとする現役パワーレンジャーが敵の作戦で子どもにされて戦えなくなったから、宇宙人のエイリアンレンジャーが助っ人に駆けつけてくれて、代わりに戦いを担当したという異色作だ。
「それまではずっとジュウレンジャーのスーツで戦っていて、ロボだけダイレンジャーの大連王(サンダーメガゾード)に切り替えて、あと、グリーンレンジャーのトミーだけダイレンのキバレンジャー(ホワイトレンジャー)になったんだな。だけど、基本はあくまでジュウレンジャーのまま、忍術(ニンジェッティ)を習得していたりしたのが、さすがに既存スーツのままじゃ無敵将軍(ショーグンメガゾード)への融合合体シーンが流用できないってことで、先に搭乗型ロボの隠大将軍(ニンジャメガゾード)を前倒しで登場させるなど、苦肉の策がいろいろ見て取れる」
ケイP『初期のパワーレンジャーは、日本みたいに毎年タイトルと登場人物を変えるという作品作りをしていなくて、番組途中でメンバーを交代したり、いろいろ不安定な構成だッピよ。それで無理やり話をつなげていたッピが、オーレンジャーモチーフのZEOから、メンバーの一部交代とスーツの更新で、シリーズの新番組として展開するようになったッピ』
009『無印パワーレンジャー(通称MMPR)第3シーズンのエイリアンレンジャー編の時期は、別名ZEOクエスト編と言って、子どもにされたトミーたちが大人に戻るためのパワー源としてZEOクリスタルを探索する冒険物語なんだな。それを妨害する敵に対するボディガード役として、エイリアンレンジャーたちが召集されて、代わりに戦ってくれる。物語の主役はあくまでトミーたちで、エイリアンレンジャーはあくまで助っ人戦士の立ち位置だ。この辺の日米の制作事情での迷走するストーリー展開が、面白いというか何というか』
ケイP『今年、放送予定の新作コズミックフューリーも風変わりな展開っぽいッピね』
009『ロボだけはキュウレンジャーの映像を流用するみたいだけど、ストーリーやキャラは前作Dino Fury(リュウソウジャー)を受け継ぐ流れで、Dino Furyの第3シーズンという立ち位置だ。注目は前作のピンクがパワレン初の女性レッドに昇格して、前のレッドは白っぽいカラーリングのゼニスレンジャーに変身。新スーツはアメリカオリジナルの、恐竜パワーが宇宙パワーで強化されたという設定らしい』
ケイP『宇宙と恐竜といえば、ゼットンだッピね』
009『ゼットンはともかく、敵が懐かしのロード・ゼッドの復活で、パワレン30周年の記念作でもあるようだ。それはともかく、キュウレンジャーは海賊戦隊同様、初期メンバーが全員宇宙人設定で、しかも人間じゃない着ぐるみ獣人やら、ロボットやら、機械生命体もいて、人数以外でもバラエティ豊かなメンバー構成だな。そして、地球ならぬチキュウ人設定は追加戦士のコグマスカイブルー(佐久間小太郎)と、ホウオウソルジャー(鳳ツルギ)だけだ』
ケイP『つまり、宇宙人設定なんて今では珍しくも何ともないッピね』
009『でも、2000年においては、戦隊初期メンに宇宙人がいるってのは斬新だったんだよ。21世紀では宇宙人も機械生命体も戦隊になれるように時代が移り変わったってことだな。では、パワーレンジャー話に流れて収拾がつかなくなりそうなので今回の記事はここまでだ。次回は2001年の話に移るってことで』
(当記事 完)