Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

続・私的ヒーロー百科(2000)その2

未来戦隊の話

 

009『今回は、タイムレンジャーの話だ』

ケイP『主題歌と、それから挿入歌だッピか?』

009『タイムレンジャーの主題歌は、戦隊シリーズ初の単独女性ボーカルだな。デュエット曲なら、最初のゴレンジャーからささきいさおさんと堀江美都子さんだったけど。まあ、タイムレンジャーの主題歌はテンポが速すぎて、ぼくには当時から歌えない曲だったけど』

ケイP『その前のは歌えたッピか?』

009『そりゃ歌えるだろう』

ケイP『1999年が救急戦隊ゴーゴーVで、2000年が未来戦隊タイムレンジャーッピか』

009『そう。99年だから救急で、しかもゴーゴーファイブは555と洒落たネーミングだと思ったな』

ケイP『555だと、今はファイズと読むッピ』

009『555だと、ゴーグリーンが後に仮面ライダーデルタになったんだな。一方でゴーブルーは当時クールなイケメンブルーなキャラだったのに、その後、髭面の似合うおじさん、アマゾンアルファとか、不死鳥の剣士ファルシオンとか、未来デッカーになって、戦隊、ライダー、ウルトラの全てに変身したという稀有なヒーロー役者として話題を呼んだ、と』

ケイP『今回はタイムレンジャーの話であって、ゴーゴーファイブの話じゃないッピよ』

009『そうだったな。タイムレンジャーだと、タイムピンクの勝村美香さんがこの後、平成ウルトラセブンの女性隊員として出演(2002)し、翌年ファイズにも出演したんだけど、ホースオルフェノクに殺されてしまった。できれば、彼女もオルフェノクに覚醒してレギュラー化して欲しかったんだが』

ケイP『ゲスト出演ながら、戦隊、ウルトラ、ライダーの3作に出演経験があるッピな』

009『その後、彼女は仮面ライダーギルスと結婚したんだけど、2年で別れて、当時の特撮ファンを沸かせたり残念がらせたり、まあ、いろいろと話題になったんだけど、今は女優を引退しているのか。まあ、一世風靡はしていたヒロインってことで』

009『タイムレンジャーのレッドを除く4人は西暦3000年の未来人で、脱獄した犯罪組織のロンダーズから2000年の時代を守るためにやって来た。その後、いろいろあって、タイムレンジャーの面々には未来から帰還命令が来た。正しい歴史は、2001年2月4日に生じた大消滅で地上の3分の2が崩壊し、その後の再建後の未来がユウリたちの3000年だったらしい。だから、大消滅を防ぐと歴史が変わってしまう。それでも孤軍奮闘で戦うタイムレッドと2001年を守るために未来人のタイムレンジャーが駆けつけてくれたんだ』

ケイP『タイムレンジャーはいい未来人だッピね』

009『ああ。そして6人めのタイムファイヤー(滝沢直人)は途中で死んだんだけど、その後、転生して鞍馬財閥を築き上げ、祢音ちゃんのお父さんになっている』

ケイP『転生しても、未来人に関わっているとは、因果なものだッピ』

009『タイムファイヤーも仮面ライダーに変身しないかなあって期待しているんだけどね』

ケイP『ウルトラマンへの出演経験は?』

009『特撮ではないけど、CGアニメのULTRAMANで、セブンスーツのモーションアクターをしているそうだ』

 

スーパー戦隊シリーズの公式タイトル初め

 

009『さて、タイムレンジャークウガは、どちらも大人向け特撮ドラマとしてリアルかつハードシリアスなストーリー展開を見せたカップリングだ。その翌年のガオレンジャーとアギトから作風の差別化が意図されて、陽性の年少向けな戦隊シリーズと、より年長向けのハードな物語を志向した平成ライダーシリーズに方向性が二極化される流れだが、とにかく2000年の作品はどちらも大人の特撮ファンが喝采する二本立てだったわけだ』

ケイP『タイムレンジャーの脚本家は、小林靖子女史だッピな』

009『2年前の星獣戦隊ギンガマンに続く2本めの戦隊メインライターだな。ギンガマンタイムレンジャーを経て、小林靖子さんの認知度と人気が特撮ファンの間で大いに高まり、そこから龍騎につながって平成ライダーに進出。そしてタイムレンジャーの経験を買われて、同じ時間ものの電王に流れたり、電車つながりで烈車戦隊トッキュウジャーにつながる一方で、今はアニメのJOJOシリーズのシリーズ構成(脚本家のまとめ人、監修的な仕事)だな』

ケイP『小林靖子さん特集だッピね』

009『平成特撮ヒーローの立役者の1人だと思うんだな。この人のストーリーの面白さ、ドラマの骨太さや、中盤過ぎのドンデン返しも含むプロットの巧みさ、そして何よりも作品愛の表明は雑誌インタビュー記事をいろいろ読んでいても、感じ入るんだよね。近年は特撮界隈がメインじゃなくなったけど、井上敏樹氏みたいにニチアサに戻って来てくれないかなあ、と思ったり』

ケイP『ニチアサ最終作は、2014年のトッキュウジャーだッピか』

009『その後は、アマゾンズとか、実写版ジョジョ岸辺露伴シリーズなんかが実写の方の代表作っぽい』

 

009『さて、小林靖子さんの作品を追うのはこれぐらいにして(また機会はあるだろうし)、タイムレンジャーに話を戻す。この作品は、公式に「スーパー戦隊シリーズ」と映像で銘打った最初の作品だ。だから番組のOPでは、前作のゴーゴーファイブまではスーパー戦隊ロゴがないのに、本作以降はそれが定番となる』

ケイP『それまでは、スーパー戦隊と呼ばれていなかったッピ?』

009『スーパーが付かない戦隊シリーズだったな。しかも、90年代前半まではゴレンジャーとジャッカーは含まずに、バトルフィーバーJからがシリーズとされていた時期もあった。今では13作品めのターボレンジャー(89年)の最初が「10大戦隊からバトンを引き継ぐ内容」だったし、93年のダイレンジャーがシリーズ15周年記念だったし、戦隊シリーズにゴレンジャーやジャッカーを公式に含むことにしたのはダイレンジャーの途中から。だから、93年が15周年記念なのに、95年のオーレンジャーが20周年記念という、数字だけを見ると時空の歪みが発生しているっぽい』

009『世紀末の時期は「超世紀全戦隊」と呼称されていたんだけど、あまり定着せずに、タイムレンジャーになってからスーパー戦隊と改めて公式に呼称されるようになったわけだ。タイムレンジャー自体は25周年記念作ってことで』

ケイP『クウガ以降が平成ライダーで、平成期に作られた真・ZO・Jは昭和ライダーに定義されるという混迷状態があったッピな』

009『その映画3作は、現在はネオライダー3部作と定義されているけど、THE FIRSTシリーズやアマゾンズ同様の、シリーズでは異色の黒歴史化されかねない扱いだと思う』

ケイP『まあ、平成ライダーの歴史は豊潤すぎて、ノリダーみたいな黒歴史はいろいろ発生するッピよ』

009『ディケイドの時期に、いろいろ掘り下げられたから真・ZO・Jはまだ救われた方だけどな。今後、黒歴史化しそうなのは、THE FIRSTとか、ワインで変身する仮面ライダーGとか、今が旬のシンだろうと思う。まあ、シン・ユニバースはまた別の世界観を生み出しているわけだが』

 

タイムレンジャーが始めたもの

 

009『さて、タイムレンジャーが初の女性単独ボーカルの主題歌だとか、スーパー戦隊ロゴ初めという話をしたけど、この作品のトピックはそれだけじゃない。一番、大きいのはレッドだけが現代人で、他の4人が異邦人という極端なキャラ格差だな』

ケイP『赤だけ別格なのは、それまでなかったッピか?』

009『基本的に赤はチームリーダーで、ドラマの中心になることも多いけど、他のメンバーとドラマ上の立ち位置が全く異なるケースは、ジェットマンギンガマンぐらいだな。井上敏樹脚本もそうだが、小林靖子脚本では赤だけ別格扱いの作品が多い』

ケイP『ギンガマンは、本来レッドになるはずの兄が第1話で行方不明になって、未熟な弟がレッドになったので、序盤は仲間たちがレッドの能力を見くびったりする話だッピね』

009『後から復活した兄とレッドの座を巡るドラマとかもあって、兄と弟の複雑な関係は今のキングオージャーにもつながってるなあ。シンケンジャーは1人だけ殿だし、トッキュウジャーは闇との濃い関わりが後半に発生した。赤が特別扱いじゃないのは、ゴーバスターズぐらいだな』

ケイP『それでも、終盤は敵のエンターがレッドバスターの力をコピーしたりもして、ダブルレッドの伝統が小林靖子脚本にはあるッピね』

009『主人公と同格の能力を持ったライバルとか敵とか。タイムレンジャーの場合は、主人公の竜也と同じ役者の未来人リュウヤ隊長とか、同じ赤のライバル・タイムファイヤーなんかが複雑なドラマを見せて、かつ綺麗に収束したなあと感じ入ったりも』

ケイP『とにかく、赤がメンバーの一員だけど、主人公として別格扱いになるドラマが現在は定着しているッピね』

009『単に戦闘能力が高いとか、指揮能力が高いとか、一番年長だとか以外に、他のメンバーとは異なるドラマ上の立ち位置が強調されるようになったな。そして、ドラマが盛り上がると、レッドが個人的な悩みを抱えて戦線離脱するケースもある。リーダー不在のドラマでサブリーダーが頑張る話とか、そもそもリーダーはレッドじゃないという作品も増えてくる』

ケイP『リーダーの座をビッグワンに奪われたスペードエースッピか?』

009『それは例外中の例外だが、初のレッド以外がリーダーなのはカクレンジャーの鶴姫だな。忍者の主君の姫君だから、立ち位置が明確にリーダーで、ドラマ上も終盤は鶴姫の父親(バルイーグル)が敵に洗脳されているので、それを助ける話になる。あくまでレッドのサスケは、主役の姫を助ける最強のお供忍者という立ち位置だ。後期合体ロボの隠大将軍も、それまではレッドのマシンが頭部に来る伝統があったのに、鶴姫の機体(ゴッドカーク)が頭部で、サスケのゴッドサルダーは右腕だしな』

ケイP『次に、黒がリーダーのメガレンジャーがあるッピね』

009『赤はゲームが一番上手くて、戦闘能力が高いけど、猪突猛進のバカなのでリーダーには向かない性格だから、突撃隊長みたいな役回り。まあ、知的なブラックがチームの中心で、合体ロボのメガボイジャーも、レッドは腰パーツで(単体で人型ロボなので目立つが)、頭部はブラックのシャトルボイジャー2だ』

ケイP『頭部と言っても、シャトルボイジャーはほとんどが盾だッピ』

009『まあな。80年代の戦隊ロボはレッドのマシンが中心だったけど、90年代から違うパターンをいろいろ模索するのが、合体ロボ史的にも面白い。まあ、タイムロボはジェットマンジェットイカロスの発展形みたいなシステムだけど、地上戦の赤いαと空中戦の青いβと、大型飛行メカのγの3形態のゲッター風3形態が好きだったり』

ケイP『ロボの話に走ると、話がまとまらないッピよ』

009『ああ、リーダーの話だったっけ。タイムレンジャーのリーダーはタイムピンクで、敵のロンダーズに家族を殺されたという因縁もあって、ドラマ上の主役は彼女だと言ってもいい。一方のレッドは、隊長に顔が似ているという理由と、現代の常識を持たない未来人に生活手段と拠点を提供するという役回りで、現地のボランティア戦士みたいな立ち位置だ。

『未来人から戦う手段を授かり、未来の犯罪組織と戦う覚悟を決めた若者が、自身の将来の悩みを抱えながらも(財閥の息子だけど、自分の力で人生を築きたい独立心旺盛な熱血漢)、未来人それぞれの事情を知りながら、交流を重ねて行く流れで、若者ドラマとしてもSFとしても実に完成度が高い。

『ただ、後の電王やジオウみたいにタイムマシンを使って、過去の時代に飛び回る話ではなくて、あくまで舞台は2000年の現代。時間移動能力はあくまで未来(3000年)から現代に送られる一方通行がメインで、タイムレンジャーの面々も自在に未来との往復はできないという縛りがあるため、任務のために過去に来たけれど、元の時代に戻りたいタイムイエローのホームシックとか、いろいろなドラマが展開された』

ケイP『海外版のタイムフォースは、原作と違って過去に飛んだりするタイムパトロール物として再構成されたッピね』

009『前作のライトスピードレスキューまでは日本語吹き替え版も作られたんだけど、タイムフォースは日本語版がないからな。ぼくも関連サイトでストーリーだけ知って、他には断片的に英語版映像を見ているだけだから、通しでは見ていない作品だ。まあ、この手の時間遡行SFは海外ドラマの方がはっちゃけていて面白いという印象が、この作品で実感した』

ケイP『これはDCアローバースの関連作で、2016年からスタートして、2022年の第7シーズンで完結したッピね。マスターNOVAは第5シーズンまで追っかけてたっぽいけど、去年にファイナルシーズンを迎えていたとは知らなかったようだッピ』

009『まじめに時間移動ものをやると、タイムパラドックスとかいろいろあって、子どもや非SFファンの理解が追いつかないという国内事情から、タイムレンジャーもあくまで舞台は現代で、未来はヒーローの出自程度の扱いという制作方針があったみたいだけど、20年も経つと時間軸がどうこう言ってるマルチバース物が普通に世の中を席巻しているからなあ』

ケイP『過去の書き換えとか、異なる歴史の未来ってのは、ゲームを通じて定着した感じだッピ』

009『正しい時間軸を守ることを旨とするタイムパトロール物が伝統的エンタメSFの基本だけど、やがて「時間軸を守ると、自分の大切なものが失われてしまう。大切なものを守るために、敢えて歴史改変の禁を犯すドラマがエモい」という流れになって、その結果、混迷した世界が真面目に描かれるようにもなって、世界の秩序のために時空を修復する主人公たち……ってのが現代のフィクションの定番の一つかな』

ケイP『今度の映画フラッシュもそういう話だッピね』

ケイP『今、調べるとTVドラマのフラッシュも、次期放送予定のシーズン9で完結するみたいだッピね』

 

009『それにしても、タイムレンジャーの思い出話をあれこれ語るつもりが、いつの間にか異なる時空のヒーロー話に紛れ込んでいたようだな』

ケイP『このままだと、収集がつかないっぽいね』

009『まあ、時空を超える未来戦隊の話だから、いろいろな次元の扉が勝手に開くんだろう。この辺で話を一度、終わらせる方が吉と出た。戦隊レギュラー初の宇宙人メンバーのタイムグリーン・シオンの話なんかもしたかったが、別の作品と絡めるとしよう。今回は、未来の可能性をいろいろ生み出したタイムレンジャーは傑作だったという結論で当記事 完だ』