アウトローな世界の前置き
NOVA「本日、ソード・ワールドのアウトローサプリが発売された」
晶華「わーい、これでみんなで悪党プレイが楽しめるのね」
NOVA「いや、まだ買ってないし。近日購入予定だけど、今の妖精郷リプレイにどう混ぜるかは中身を見てみないとな。大体、女王を目指しているプレイヤーが、悪党プレイで喜ぶな」
晶華「大丈夫。女王と悪党は両立できる」
NOVA「両立せんでいいから。妖精郷は元々、管理人不在のケイオスな世界なんだから、そこにどんな秩序を構築するかって話をしているのに、アウトローを目指してどうするんだよ」
晶華「そりゃ、郷に入らば郷に従えって奴よ。ケイオスな世界に合わせるなら、自分はもっとケイオスな存在になって、ケイオスクイーンを目指すのもありだと思うんだけど」
NOVA「ねえよ。混沌女王なんてのは、キシオムバーグで十分だ」
晶華「何それ?」
009『エルリックサーガを始めとするエターナルチャンピオン(永遠の戦士)シリーズの一つ、コルムの話が元ネタだ』
ケイP『今、読むなら、3冊に分かれた旧版よりも、コルム前半3部作を1冊にまとめた新版の方がお勧めだッピ』
NOVA「コルム前半は、エルリックとの世界観コラボが楽しめる。エルリックの守護神にして、混沌を司る剣の騎士アリオッチをコルムが倒すとか、剣の女王キシオムバーグとの戦いを経て、最後の強敵である剣の王マベロードとの戦いを前にして、コルムとエレコーゼ、エルリックの三大主人公が次元の壁を越えて邂逅し、三位一体トリニティフォームで前座の強敵を倒す話とか、十五次元界を股にかけて戦う隻眼隻手の剣士コルム(失った右目と左手の代わりに神の目と手を移植して、召喚術に利用)の厨二病っぽく格好いい設定とか、派手で楽しい。
「コルム後半三部作は、ケルト神話を題材にした話なんだけど、破滅に瀕した陰鬱な世界観は妖精ファンタジーなケルトよりも、北欧神話と混ざっている感じもするな。異世界に召喚されたコルムが世界を救ってハッピーエンドかと思ったら、最後は世界の異物だと言われて、愛する姫の手にかかって殺されるという衝撃のオチ」
晶華「何それ、ひどい」
NOVA「一応、続きの話はあるんだよ。もう一人の永遠の戦士ホークムーンの最終巻で、ケルト世界から死ぬことで放逐されたコルムは自分の元の世界に帰還していて、安らかな生活を送っていたんだけど、そこで愛する人に先立たれた虚しさもあって、最終的に世を儚んで自殺するというオチ」
翔花「それもまたひどいわね」
009『ひどいのはコルムの結末であって、その巻の主役ホークムーンは愛する妻子を助けてハッピーエンドだぞ。邪悪な異形の魔術師兄妹に対して、エルリック、エレコーゼ、コルム、ホークムーンの4戦士が融合合体して戦うクライマックスは、1975年発表という時期では画期的アイデアだったと思うな(翻訳は89年だったけど)』
晶華「今だと、てんこ盛り状態は割と普通って感じだもんね」
NOVA「で、俺のプレ・ラーリオスの隠しフレーバーが実はコルムだったりする。片手を失ったカートに義手を装着させようとしたり(ルーク・スカイウォーカーオマージュでもあるが)、右目で異次元を見通す力を与えようとしたり、『こうして、ぼくは死んだ』という形で死んでから、魂となった視点で続きを描こうとしたり、いろいろ考えてはいたんだが、元々は原案者のラーリオス本編に物語を受け継がせるつもりで全体構想を練っていたのに、先に原案者が企画から抜けたために、行き着く先を見失った形で宙ぶらりんになった感じだな。
「まあ、もう終わった話だし、今さら恨み言ってわけでもないのだけど、彼の身勝手にだいぶ振り回されたから、創作絡みでは二度と関わりたくないってのが本音だ。人の話に合わせる意思と技量がないから、一方的に助けてくれって要求してくるだけ。その癖、こちらの助言、忠言を素直に受け入れる器量がないから、相談相手になるのも無駄と思うし。今はおとなしくしているからいいが、次にコメント欄で書き込んだら『こちらの創作感想レスをどう受け止めたのか』の問いかけはするつもり。耳に痛いことも相当言ったけど、全部、改善すべきポイントの指摘だから、ただの悪口のつもりじゃないわけで。まあ、口うるさいことを言って、こちらの邪魔をするなって意志の突き付けの意図もあるんだけどな」
晶華「相手の流儀に合わせられないアウトローでケイオスな人物の話はそれぐらいにして、今は妖精郷に行きましょう」
NOVA「そうだな。6月中には第4部を終わらせたい」
この実、何の実、気になる実な会話
GM(NOVA)「さて、前回は32日めの深夜に【光の樹】に到達して、光の妖精スプライトから大切なお宝の果実を【闇の樹】の闇妖精シェイドに盗まれたので、取り戻して欲しいと依頼を受けたんだな」
サイバ(009)「でも、先にエマさんの目覚めを優先しようって話になったんだ」
ミリィ(晶華)「いつまでも騎獣のノマちゃんに乗せて、連れ歩くわけにはいかないもんね。正直、今のままじゃ余計なお荷物なんだから」
エマ(翔花)「そんな風に思われていると知って、ショボンと黒いオーラを放ちます」
マークス(ケイP)「ああ、お嬢さまがまた闇色に。ミリィさん、もっと言葉には気をつけて下さいませんか」
ミリィ「これぐらいの毒舌でいちいちヘコんでいたら、アウトローの世界じゃやっていけないわ。とりあえず、【大樹の森】に行くための移動判定をします。6はギリギリ成功。道がつながって、32日めの未明にタイタン様のところに帰り着いたわ。ただいま〜」
GM「ここでのイベント判定は……『ドライアドとのかくれんぼ』はすでに発生しているから『森の実り』イベントだな。君たちはそろそろ馴染みになりかけた森で、色とりどりの果実がなっているのに気付く。知識判定11に成功すれば、役立ちそうな実を入手することができるぞ。エマを除く1人1回ずつ判定を行なっていい」
サイバ「知識なら、ぼくの出番だな。基準値10だから余裕だろう。しかも6ゾロだ」
GM「6ゾロだったら2個ゲットしてもいいな」
ミリィ「あたしは基準値4だけど、ドルイド3レベルだから【ネイチャーマスター】の呪文が使えるのよね。呪文は(コロコロ)発動して、これで森羅魔法の魔力6で知識判定ができるわ。……って、ダイス目4? MP1点ムダに使っただけじゃない」
エマ「面白いオチを見せてもらったので、緑に光ります」
ミリィ「人の不幸を喜ぶな。最近、お姉ちゃん、あたしに対する当たりがキツくない?」
エマ「どちらがNOVAちゃんのアシスタントガールにふさわしいか、あなたとわたしはライバルなのよ。ライバルの失敗を喜ぶのは当然だわ」
ミリィ「うう、そんな目で見られるなんて、こうなったらNOVAちゃんのアシスタントガール歴の年季の差って奴を見せてやるんだから」
エマ「アシスタントガールに必要なのは、引きこもりの世間知の狭さではなくて、外の世界の修行で培った見識と経験の差よ」
GM(やっぱり、姉妹が長時間一緒にいると、ケンカもするか。面倒くさいなあ)
マークス「そもそも、私は知識判定の基準値がゼロです。だけど、可能性はゼロじゃない。11を出せば成功ですから、8%ぐらいで成功する。確率の足りないところは勇気で補うのが勇者の証。(コロコロ)出目3じゃ勇気とは程遠い結果です、シクシク」
エマ「その芸もナイスよ。いっそう緑が明るくなります」
マークス「よし、エマお嬢さまを喜ばせた。目的達成ですね」
サイバ「結局、成功したのはぼくだけか。2個ゲットできたのは幸いだが、どんな効果だ?」
GM「ここで入手できる実は赤黄青緑の4色あって、それぞれ火土水風の妖精力に対応している。それを食べると、1日の間、対応する属性から受けるダメージを2点減少し、逆の属性ダメージが2点増える。例えば、赤の実を食べると、火のダメージが2点減って、水や氷のダメージが2点増えることになるんだ」
サイバ「敵の攻撃属性に合わせて、うまく食べる実を変えればいい感じだが、利益だけを得られるわけじゃないので、使い分けが問題だな」
GM「それと、一つの実は500Gの価値がある」
ミリィ「2つで1000G! それはもっと集めたい、と目が💲になります。まさか、こんな地元に金の成る木が生えていたなんて気づかなかったわ」
GM「ここで妖精樹の実の採取が行えるのは1日1回だけだ」
ミリィ「それは先ほどの判定に失敗したのが悔やまれるわね。だけど、まあいいわ。ここでお金稼ぎができる可能性に気付いたのは大きい。うん、大河ドラマの主人公みたいに金目の物に対して目端の利く女王になってみせる。これからの時代、指導者には経済経営の才覚が求められるんだから」
サイバ「ああ、そして上手く妖精郷を外の世界に開かれた文明国にしないといけないな。それはともかく、ゲットしたのは、緑の風の実と、赤い火の実でいいかな」
ミリィ「よきにはからえ。何にせよ、臨時収入1000Gと思えば、あたしも嬉しくて緑のオーラを放ちます」
エマ「その表現はわたしの専売特許よ」
ミリィ「いいじゃない、真似したって。ドルイドらしく【ナチュラルパワー】を発動したと思えば。……って、しまった。さっきの【ネイチャーマスター】を使う前に、【ナチュラルパワー】を使っていれば、自然の力を吸収してMP消費0にできたかもしれないのに。ええと、今のところナチュパでMP消費をまかなえる補助動作魔法は1レベルの【ウイングフライヤー】、2レベルの【ウォータードゥエラー】、そして3レベルの【ネイチャーマスター】と【シャープアタッカー】ね。また、しっかり研鑽して、効率よい呪文の使い方を身につけないと」
GM「呪文マスターの道も1日にしてならずってことだな。何と何がどう組み合わさるかに上手く気づいて、いろいろ試行錯誤する中で見識も得られる。知識の習得は大事だが、どの場面で何が有効か、何と何が上手くコンボできるか、逆に上手く噛み合わない組み合わせも理解するほどの判断能力も求められる。判断能力とか基礎技能の未熟なうちに難しいことをしようと思えば、大失敗も招くので、トライ&エラーの積み重ねから学ぶ気持ちも大切だ」
サイバ「説教するのはいいんだが、判断能力を高めるにはどうすればいい?」
GM「判断能力が足りないと、自分でやっていることが正解なのか間違いなのかすら分からないので、自己学習ができないんだよな。自分で上手くやっていると思い込んでいても、そもそも的を外していて間違えた方向に無駄な努力を費やしたり。そこで、周りをよく見て、周りに合わせた行動を模倣することで大きな失敗を防ぐのが無難な世間知なんだが、クリエイティブな仕事って、周りと違う個性をどう示すかも大事なので、周りから学ぶ部分と自分の持ち味を見極めることが大事になる。
「個性偏重で、周囲との調和を乱しがちな人間は、結局、人の話を聞かなかったり受け止めきれていなかったりするから、自分の我が通る世界を自分で構築することが最適解となる。自分を受け止めてもらおうとするのではなくて、自分の世界に人を受け止めようとする大らかさか、あるいは他からの評価は関係なく、自らの世界を黙々と研鑽し続けるか……その辺の生き方は人それぞれだけど、困った人間は他人に合わせることはできないのに、独り立つ覚悟や責任が持てずに、自分の我儘を無条件に受け止めさせようとすること。それじゃ子どもなので、だったら子どもらしい無邪気さ、好奇心、吸収力の高さがあれば、クリエイティブなアイデアマンとして評価されるケースもあるんだが、大体、作家ってサラリーマンじゃなくてフリーの自営業なんだから、覚悟とか責任とかを持てなくてどうする? って思わなくもない」
サイバ「まあ、サラリーマンとか本職を別に持ちながら、作家の修練を積んでいる人も多いよな」
GM「学生かニートか有閑貴族でなければ、普通そうだろう? もちろん老後の余暇の手慰みに文章を書いている年配の方もネットにはいらっしゃるだろうし、書き手の年齢職業、目的意識は人それぞれだ。そもそもプロを目指していない趣味人かもしれない見ず知らずの他人に、上から目線で欠点をどうこう指摘するのは、ただのイヤな奴だろう。逆に言えば、プロを目指すと言ってしまったら、『おお、そうか、だったら厳しい目で見てあげないとな』と火が付いてしまったのが俺だからな。多分、『プロを目指して勉強してる』と言えば箔が付くとでも考えたのだろうが、ネットではそんな人間はゴロゴロしているので、だったら『プロを目指す技があるか見せてもらおうか』って流れになるのは必然だ」
ミリィ「NOVAちゃんはセミプロだっけ?」
GM「どういうプロかにもよるが、単に物書きで商業誌とかムックで書いたものに対して原稿料をもらったことがあるというレベルなら、一応プロと言えるが、自分の名前が出た途端、雑誌が休刊になったり、別口で友人の編集者が一冊出して以降、連絡がとれなくなってしまったり、他にも自分の名前が出ない手伝い仕事で、それも積み重なればいずれは……という可能性もあったのかもしれないが、世紀末は即戦力にならないライターの卵は切り捨て御免されても納得、な世相だったんだ」
エマ「正に、ヒャッハー、汚物は焼却だーな世界観だったのね」
GM「誰が汚物だ。せめて、お仏壇……ってそれはそれで縁起でもないし、そもそも罰当たりなギャグっぽいので、アウトローでないと〜とゴミ箱に流しておいて、まあ、俺も世紀末は種もみにもなれなかったモブキャラだったのさ」
エマ「大丈夫、種もみにだって、NOVAちゃんだって、Tシャツが作られるのが今の時代なんだから」
GM「花粉症だってTシャツになる時代だからな。どっこい生きてるシャツの中、ってど根性ちっくにレトロな下町人情ギャグ路線でサバイバルするのも悪くねえ」
マークス「ドゴランTシャツはないのですか?」
GM「ゴジラはあっても、スライムはあっても、ドゴラの時代はまだ遠いってことだな」
サイバ「判断力の話から、どうしてTシャツの話になるんだ? まるで判断力を感じないんだが?」
GM「いや、俺なりに合理的な判断力ゆえの展開だと思っているんだが?」
サイバ「どこがどう転んだら、この話の展開が合理的だって言うんだよ!?」
GM「では、そのプロセスをもう一度見てみよう。判断力→作家のクリエイティビティ→セミプロレベル→世紀末→種もみ→Tシャツという話の流れを辿っているんだが、たぶん、世紀末で話が狂ったんだな。全ては世紀末が悪い」
サイバ「世紀末はケイオスだから、合理的じゃないって言いたいのか?」
GM「まあ待て。合理的な判断を下すのに何が必要だと思う?」
サイバ「十分な情報、考える材料か? それとも考えるための知力か?」
GM「それらも大切だが、判断を下すには何よりも目的意識、何がしたいか、何をすれば勝利条件を達して、目標が結実するのかっていうゴールを決めなければならない。目標設定が変われば、何が正解かという道筋も変わってくる。つまり、取るべき手段は結果を想定してこそ見えて来るんだよ」
サイバ「確かにな。で、あんたが今なすべきことは?」
GM「真っ直ぐ、妖精郷の物語を紡ぎ、完結させること……であれば、今の俺はちっとも合理的に判断できていないことになる。寄り道脱線なネタ会話は、合理的な判断を邪魔するものだという結論になるな」
サイバ「つまり、あんたの寄り道脱線癖は、合理性の敵であり、あんたの判断力の欠如を示すことに他ならない」
GM「だがしかし、俺の目的意識が物語を完結させることではなく、『物語という題材を利用して、いろいろと考えを膨らませて、そのケイオスな談話空間で、読者を楽しませる面白いブログ記事を書き続けようということ』だったら?」
サイバ「何? まさか、この寄り道脱線したケイオスな話の流れも、あんたの想定の範囲内だと言うのか?」
GM「俺の寄り道脱線癖は、俺自身が一番理解している。話を一直線にゴールに向けることが目的だったら、それは悪癖以外の何物でもない。しかし、何の紆余曲折も意外性もない物語が果たして面白いのか?」
サイバ「……つまらないよな。単調すぎて」
GM「俺が合理的回路を全力全開させれば、何の面白みもない無味乾燥な物語になってしまう。だから、俺は考えたんだ。つまらない物語を面白くするにはどうすればいいって」
サイバ「その結果、搭載したのが寄り道脱線回路と言うのか?」
GM「別名、ケイオス特異点発生装置。すなわちCSPG(Chaos Singular Point Generator)、これを活用することで、この俺、Shiny NOVAは寄り道脱線芸を奥義的な技として適切にコントロールして使うことができる……はず」
サイバ「はずって何だよ? もっと確信に満ちたように言えよ」
GM「いや、果たして上手く行っているかを判断するのは、俺じゃなくて読者さんだろう? 俺は確かに、寄り道脱線芸を駆使して、ブログを書き続けることに成功している。そして、この無軌道な混沌記事が面白いと自分では思っているんだが、読者さんがそう感じてくれなかったら、俺は単に独り善がりな痛い奴になってしまう。
「俺は自分のブログ記事の一番の読者だから、俺を楽しませるために書いている。その意味で、自分でも予測不能ながら、俺の頭の中の光と闇の入り混じった夜明け前のようなケイオス状態、新星時空を楽しんで紡ぎ上げているんだが、それ以外の読者さんが混迷記事を楽しめなければ、芸とか技とか気取ってみても虚しいわけで」
サイバ「なるほど、合理的な判断の元に、わざと混沌を現出して、それが楽しさに寄与すればいいなあと狙っているんだな。だから、世紀末Tシャツ伝説な流れも想定内だと」
GM「まあ、そういうことにしておいてくれ。ちなみに、Tシャツの話は、フェアリーガーデンのシナリオにも、俺の脳内ストーリーにも全く想定していないのに、どこからともなく湧いて出てきた。何で、種もみなんだ? 誰か俺に説明してくれ」
サイバ「そんなの、ぼくが知るか。あんたの中の特異点発生装置に聞けよ」
GM「だけど、その装置は何も答えてくれないんだ。教えてくれ、五飛。あと何回、俺は寄り道を繰り返せばいい?」
ミリィ「五飛さんはここにいないけど、屋久島にいるゴジラ様だったら、さっさと寄り道脱線を終えて、話を進めろと言いそうね」
GM「特異点になってるゴジラさんと、屋久島のゴジラ様の関係をまた考えないといけないよなあ。変な科学設定を提示されると、後から辻褄合わせを考えるのも大変だぜ」
世界樹パワーで目覚める魂
エマ「で、何だか話がどんどんケイオスな流れになっているんだけど、今回はわたしが覚醒する話なんだから、タイトル詐欺にならないように進めなさいよね。さもないと、屋久島からモスラのパワーを召喚するんだから」
GM「それをされると、うちのブログ時空までが破局に巻き込まれそうになるから、仕方なく話を進めよう」
エマ「仕方なく?」
GM「いや、言葉の綾だ。ええと、森を歩いていると、さらに探索判定ができるぞ。探索13で成功すると、また何かが見つかると思う」
ミリィ「金になるなら、何でも調べるわ。探索の基準値は10あるので余裕よ。はい、成功」
GM「救命草1つだ。30Gになるね」
ミリィ「ただの薬草か。他の人も判定してね」
その結果、サイバ☆リオンは運命変転で強引に判定を成功させて鋭い葉(100G)を、キャプテン・マークスは探索判定に失敗してミリィからのブーイングをゲットした。
GM「では、君たちは夜明け前の混沌に満ちた森の中の散策を終えて、とうとう森の中心にある世界樹ユグドラシルの若木の近くにたどり着いた。その生命力に満ちた神秘のパワーがあれば、吸血鬼の呪いが軽減され、エマ・ショーカが覚醒するかもしれない、とサイバ☆リオンは言っていた」
サイバ「あれ? ぼくが言ったっけ?」
GM「この記事を見ろ」
サイバ「思い出した。確か、この時はぼくとGMの役割が交代していて、ややこしいことになっていたんだ」
GM「そう、俺がサイバ☆リオンを演じ、【大樹の森】に行けば、エマ・ショーカが吸血鬼の呪いから解放されるというオリジナルシナリオを説明したんだ」
サイバ「4月末の話か。長かったな」
GM「いろいろとコメント対応しているうちに、なんだか長引いちゃったからな。恨み言は格好悪いから言いたくないが、これ以上、予定を遅らせるわけにはいかないので(夏は仕事でバタバタするから)、こちらの創作の邪魔になる原因はもう排除することにした。せめて一言ぐらい、邪魔して申し訳ないという言葉を聞ければマシだったんだが、そういう気の利かし方もできないのでは、悪意をもって意図的に荒らしているのと結果的に同じだと、こちらは解釈する。社交辞令でも『お邪魔してゴメンなさい』ぐらい言うべきところだけど、そういう意識が全くないんだな、と思う」
ミリィ「邪魔になってるとは思ってないのかしらね」
GM「内心では思っているかもしれないが、そんなことはどうでもいい。大切なのは、目に見えない心をこっちが斟酌してやることではなく、目に見えている社交のスキルを向こうが備えているかどうかで、こちらは必要十分なアドバイスは随時している。それが何の糧にもならないような男じゃ、付き合った分だけ苛立ちが溜まる一方だろう。神代凌牙曰く、俺を怒らせるな。俺は彼の義理堅さ、自己の為すべき仕事への誇り高さが大好きな男だからな。実のところ、神山飛羽真よりも、神代凌牙の方が素の性格に近いのではないか、とさえ思っている」
ミリィ「さすがはNOVAお兄さま。凛々しい」
GM「お前は俺の妹じゃなくて、娘だからな」
エマ「さすがはNOVAお父さま。凛々しい」
GM「父親を凛々しいなんて言う娘を俺は初めて見た。ファザコンかよ」
ミリィ「社交辞令を真に受けていないで、さっさと話を進めなさいよ」
エマ「そうだそうだ、と読者さんも言ってるわ」
GM「読者の誰が言ってるかはよく分からないが、とにかく話を進めよう。そこにはタイタン様も姿を現す。いつもは妖精の宝石を介した念話通信で声を聞くだけだったが、今回、久しぶりに対面すると、やはり大きいと感じる。それでもタイタン様はミリィとエマの二人に対して、臣下の礼を捧げるように膝まづくんだ」
ミリィ「では、こちらもにっこり微笑んで言うわ。苦しゅうない。同じ妖精郷を愛する者どうし、あたしたちは対等な友人として今後も仲良くしていきましょう。元々、妖精と妖精使いの間では上下関係などなかったはず。それに、あたしはアラマユ様の未来の後継者であって、今はまだ未熟なのですから、あなたの礼に値するほどの力も持たず、むしろ助けていただきたいのはこちらの方です」
タイタン『では、助けるとしよう。吸血鬼に呪われた娘、女王の片割れを世界樹の生命のパワーで闇から解放すれば良いのじゃな。それには妖精郷の大地の魔力を収束させねばならぬ。わしが託した宝石の魔力を消費する必要があるが、構わぬな』
ミリィ「ええ? この宝石はタイタン様の力をお貸しいただくのに必要なもの。それをエマさんを目覚めさせるのに使えとおっしゃるのですか?」
タイタン『いかにも。そして、我が全身全霊をもって、儀式を行わねばならぬゆえ、しばらくは我も眠りにつかねばならぬ。そのため、そなたの旅を見守ることもしばらくはできなくなろう。この森の守護の任も誰かに委ねたいと思うが、ベルゼン殿、お引き受け願えるか?』
ベルゼン『そういう話なら仕方ないな。他ならぬタイタン殿の頼みとあっちゃ、俺みたいな放蕩者に務まるかは分からぬが、全力全開で守護代行の任を果たすことを約束しよう』
ミリィ「ええ? あたしの認可もなく、勝手に話が進んでいる?」
GM「不服か?」
ミリィ「いや、そんなことはないんだけど、あまりの急展開だから、気持ちがついて行かないだけ」
サイバ「つまり、ここでタイタンとも、ベルゼンともしばらくお別れって話だろう? ぼくたちはエマ・ショーカを目覚めさせた後は、妖精郷から脱出する予定なんだから、一度それぞれの道を歩んで、後から改めて再会するって流れは妥当だと思う」
ミリィ「ああ、タイタン様が一度、眠りに就いている間、あたしたちはラクシアに帰還して、物語も一旦終了。続きは秋からって流れなのね。とにかく、エマさんを目覚めさせるために、タイタン様が力を消耗する。だから回復するまでの間、魔女や魔神との戦いは保留のままにしないといけない。続きは、第2シーズンを楽しみにってことか」
GM「何かを得るためには、何かを捨てなきゃ……ってわけじゃないが、新たな力を得るために、これまで持っていた力と交換というのは、物語の類型としてよくある話だ。エマ・ショーカを完全復活させるために、地の大妖精タイタンが力を捧げる。大いに納得できる話だろう」
エマ「わたしのために、タイタン様が。感動のオーラで緑に輝きます」
ミリィ「だったら、あたしもタイタン様の想いを感じて、同じように緑に輝くわ。ここは空気をしっかり読んで、調和のファンタジーを紡ぐのが美しいと見た」
GM「『うわあ、これは良い詩のネタになるなあ』とグラスランナーのポピン・ポピンが言って、『ええ、本当にそうですね』と旅の妖精詩人(フェアリーバード)のマルキも追従する」
マークス「おや、マルキさんもここにいたのですか」
マルキ『ええ、ポピンさんに誘われまして、ご厄介になっています』
GM「なお、マルキとの遭遇話はこちらの記事だ」
ミリィ「へえ。あたしたちが初めて【大樹の森】に来る話で出会っていたのね。物語内では2週間前、リアルでは半年以上前の秋の終わりが見え始めた頃合いかあ」
サイバ「これまで旅の途中で出会った人たちが集まって来ると、物語が終わりに近づいて来ているって感じがするなあ」
GM「さすがに定住しているキャラまでここに来るのは変なので、あくまで放浪キャラに限ってだけどね。で、これが小説だとエマ・ショーカ復活の情景など事細かに描写して、話を盛り上げるところなんだけど、ゲームのリプレイだとGMの一人語りで感動を伝えるってのは、なかなか難しい。あくまでプレイヤーとの会話のやりとりあってこそのゲームだからな。
「俺は会話劇が好きなのであって、俺の描く世界は凄いと言うつもりはない。例え、借り物の世界であっても、メインプロットはシナリオデザイナーの川人くんが仕掛けたもので、俺のオリジナルな話ではないにしても、そこで活躍するプレイヤーキャラクターの掛け合いやアレンジは俺流オリジナルと言える。他のクリエイターが作った世界を、俺流に改変して、楽しく遊ばせてもらう中で生まれる物語が、俺の創作センスって心得ている。これは音楽で言えば、作曲家ではなくて編曲者の手法なんだよな」
サイバ「自分一人で凄いものを作るよりは、みんなで協力しての作品作りに魅力を感じるってことだな。自分を見てくれじゃなくて、みんなで作るってところに魅力を感じる創作スタンスだと」
GM「まあ、作家の執筆作業は、総じて孤独なものだからな。孤独に耐えられない人間に務まる仕事じゃない。ただ、孤独な自分の中に複数の自分の分身を抱えて、そのアルターエゴが一人のキャラとして自分と違う自分として息づいている時は、その内面世界が広がってくる。その一人の世界のイメージの広がりを言葉にするか、絵にするか、音にするかの表現技法で他者に上手く響かせて、シンクロさせることができたら、それが一つの作品世界なんだと思う。
「そして、作品の中に作者の想いの断片を感じられたなら、共感できたなら、それが良い鑑賞者であり、ファンにもなれると思うんだけど、感じとった作者の想いが自分には合わないもの、つまらない物に見えてしまったなら、それは興醒めな代物だ。こう言っちゃ何だけど、自分磨きをしていない偏狭な人の性根に共感してくれと頼まれても、読むに耐えないってそういうことじゃないかな」
サイバ「それは、自分よりも技術的に拙い人間の書くものはつまらないってことか?」
GM「技術もそうだけど、結局のところは心、想いってところだな。腕はまだまだだけど純粋な想い、書き手が自分の書くもので読者に伝えたいメッセージ、そこに感じ入ることができれば十分楽しめるんだけど、そもそも普段のコメントとかで話が噛み合っていない、こいつとはセンスが合わないと感じてる男の書くもの、あるいは俺の書くものにズレた応答しかして来ない相手が、小説で想いを伝えられると思うだろうか」
ミリィ「コミュニケーション能力は低いけど、作品を通じてならメッセージを送ることができるタイプの人もいるんじゃない?」
GM「絵とか音楽なら、それもありだろうが、小説家だろう? 対面会話じゃなくて、文章で自分の世界やキャラを構築する作者だろう? コメントだって文章だ。その段階で話がズレまくりの相手が、小説だったら心を伝えられるってことは期待できない。まあ、少なくとも、小説の主人公に作者色が露骨に出るタイプの作家じゃ無理だ。作者と主人公がきちんと切り分けられているとか、ストーリー展開が論理立てて構成されている『感情移入はできないけど、緻密に構築された世界観の物語』とか。昔のSFには多い。登場人物が割と無色透明とか。星新一のショートショートに出てくるN氏とかはそういう系だな」
サイバ「ラノベは、キャラクター小説に分類されるタイプが多く、キャラの個性を売りにする傾向が強いな」
GM「ラノベに大きな影響を与えたTRPGなどの物語ゲームで大切な3要素は、ゲームシステム、世界観、キャラクターの3つだと言われ、そのうち後ろの二つを強調すれば、小説と言えるんだが、キャラクターで何よりも大事なのは、他のキャラとの関係性だな。キャラ単独ではステロタイプでも、関係性のヴァリエーションで肉付けができたり、軽妙なセリフのやり取りで人間関係が構築されていく過程を楽しむことが多い。
「この場合、ラノベだから軽妙さとか、勢いづけが大事だし、一人で黙々と悩んで勝手に解決するような話はラノベには似つかわしくない。キャラとの関わり合いを通じて、テーマとなる問題が浮き彫りにされて、関わり合いを通じて相互理解が進み、読者の感情移入が進む。この人間関係の発展・深化がラノベの肝だし、ラブコメだと一気にゴールインすると興醒めなので、想いのすれ違い、好きなんだけど上手く伝わらない、あるいは好きは分かっているのに、素直になれないまどろっこしさを味わいながら、友情と愛情の間を行ったり来たりってことだと思う」
エマ「あ、分かった。そのまどろっこしさ、行ったり来たりが、NOVAちゃん流の寄り道脱線に通ずって話ね」
GM「……いや、そのつもりはなかったんだけど。寄り道脱線で浮気していたらダメだろう?」
エマ「でも、メインのストーリーを放ったらかしにして、違う方向に話がそれるのは、メインヒロインとの関係よりもサブヒロインに尺を割く展開じゃない?」
GM「なるほど。つまり、俺の妄想リプレイは、一種のラブコメみたいな構造を持っているとでも?」
サイバ「まあ、目標設定が魔女退治とか女王になるとかというのと、女の子と仲良くなるという違いがあるってことかな」
GM「でも、ラブコメって一口に言うけど、恋愛劇とドタバタコメディーは別ジャンルだから、一口に論じることはできず、分析はしないといけないんだよな。古典的には、主人公が恋愛よりもバトルやスポーツに重点を置き、それを心配して見守る優しい女の子が内助の功で共感を得る。少女マンガで言うなら、男女の立場が逆転し、年上コーチ的な大人の男性と、主人公と同年齢の相談相手(良い人)が大体は恋愛相手になる。
「で、70年代半ばから80年代以降は戦うヒロインが増えてきて、90年代以降は前線に出ない参謀男が増えてきて、陰キャの多い読者の共感がそっちに流れる。熱血ヒーローが時代遅れになるのが平成の流れで、熱血成分は主人公ではなく、主人公を導く大人側が担当し、主人公よりもアクの強い隊長や師匠に人気が集まったりもする」
ミリィ「それはバトル物における変化ね。コメディーはどうなの?」
GM「やはり『うる星やつら』が革命だと思うんだよ。それまでのヒロインは好きだって恋愛感情をストレートにぶつけて来るタイプは少なくて、内心は好きでも、秘めたる恋のもやもや状態なんだな。そのもどかしさを情緒的に楽しむのが70年代ラブコメに対して、宇宙人鬼娘のラムちゃんは異性の文化だから恋愛感情をストレートにぶつけてくる。それに対して、鬼ごっこみたいに逃げる諸星あたるは、これまた露骨に浮気者という言葉を少年マンガの世界に導入して、ラム以外の女の子にはモーションをかけるけど、ラムからは逃げる。もう、この手のキャラを演じさせると古川登志夫さんがいかにも素直になれない、だけど主張はストレートな主人公という難しいキャラ設定を定着させたんだと思う」
GM「理想とするラブコメにも世代差があって、同じ作者でも『らんま』は90年代世代になって、俺は80年代に学園青春時代を送った人間だから、少し感覚がズレるんだよな。そのズレた感覚を楽しんで、ズレを解消する会話ができたら良かったんだが、これが優秀な人間だと、自分の世代と、その前世代、後世代の変化を理解し、互いの土俵との間に接点を構築できるわけだ。
「俺は80年代前半までがTV番組をいろいろ見ていて、その時は自分のメインジャンルはこれだって意識をあまり持っていなかった。80年代半ばからTRPGにハマったのと、学業やバイトで時間がなくなって一時TVから卒業。90年代に入って、特撮、ロボット物を中心に返り咲いたけど、その時期はレンタルビデオで懐古作品鑑賞に時間を割いていたので、いろいろ見落とした穴が多い。そして、その時期はアニメ界の流行のメインがセーラームーンを代表とする美少女集団ものに完全にシフトしていって、大人を自認する自分としては、この流れに付いていけないな、と感じていたわけだ」
サイバ「90年代は硬派熱血なノリがレトロ風味になって、一種のギャグ描写として扱われるようになっていたんだけど、70年代のスーパー系と80年代のリアル系がゲームのスパロボで結実、世代を超えた新旧コラボのクロスオーバーがやがて時代の主流になったりもする。一方で、SF世界でのラブ表現は、マクロスがリアル系で、歌と女の子のコラボがアイドルブームと組み合わさって、90年代に流れ込む。そして、魔法少女というジャンルが、スタジオぴえろのミンキーモモから復権し、小学生の少女が大人に成長するアダルトタッチでアニメファンのハートを撃ち抜いたというところか」
GM「日常生活での子どもモードと、ダンスの舞台で衣装替えしながら大人風味になる二面性フォームチェンジが、変身ヒーローの文脈と重なり合って誕生したのがセーラームーンであり、その路線上にプリキュアがあるのが現状だな」
マークス「バトルヒロインにとっての戦闘シーンは、アイドル魔法少女にとってのダンスの舞台に相当するという視点ですね。それは実写版セーラームーンや、最近のタカラトミーのガールズX戦士シリーズ(6月でラブパトリーナが終わって、7月から新番組のキラメキパワーズが開始予定)が意識した要素のようです」
ミリィ「TV東京系のガールズX戦士シリーズは、ニチアサの仮面ライダーの裏番組ね。過去作は『音楽』『魔法』『怪盗』『警察』がテーマだったけど、今度はゲームがテーマで、闇の魔女と戦い、シャイニーさんって執事が出てくるのか」
サイバ「完全にこっちをパクってるじゃないか」
GM「ネタとして笑った。さらに、シャイニーさん、エグゼイドの闇医者じゃん。元仮面ライダーが裏番組のレギュラーになって、光の執事をするなんて、5年前じゃ考えもしなかったな」
マークス「5年前は、ライダーが8時放送だったから、悪いのは放送時間を捻じ曲げたジオウの時期みたいですね」
GM「まあ、そんなわけで令和ライダーを応援する当ブログの趣旨としては、ゲームの戦士のキラメキパワーズを堂々とプッシュするわけにはいかないが、かつてはゲーム戦士の先輩として活躍していた闇医者がシャイニーの名前で頑張る予定と知って、横目で紹介ぐらいはしてみた次第」
エマ「だけど、寄り道脱線ここに極まれり、ね」
GM「何を言うか。これは俺なりに合理的な判断力に基づく話の展開だぞ」
エマ「どこがどう転んだら、この話の展開が合理的だって言うのよ!?」
ミリィ「いいえ、あたしには分かったわ、お姉ちゃん」
GM「おお、お前には分かるか」
ミリィ「もちろんよ、ゲームマスターNOVAちゃん。伊達に引きこもりの汚名に耐えて、アシスタントガールを続けてきたわけじゃないんだから。NOVAちゃんの深謀遠慮に見せかけた行き当たりばったり、だけど強引な屁のツッパリはいらない理屈をこね上げる力で、話をつなげる理論はあたしにはお見通しなんだから」
GM「何だか、露骨に悪意を感じる言い回しだな、おい」
ミリィ「これぐらいの毒舌でいちいちヘコんでいたら、アウトローの世界じゃやっていけないわ」
GM「いや、俺は別にアウトロー推奨な男じゃないんだが。ケイオスとアウトローは似て非なるものだろう。尊敬するSWゲームデザイナーの清松さんだって、T&Tのルール解説記事でケイオス先生ってキャラを作ったことはあるけど、アウトロー先生なるキャラは作ってないぞ」
ミリィ「だったら、この機に登場させたら? アウトロー先生」
GM「カンニングの仕方とか、自分のライバルのシャーペンの芯を全部折るとか、勝つために手段を選ばないやり方をいっぱい教えそうだな。アウトロー先生」
エマ「そんなことはどうでもいいから、この一連の話のどこが合理的なのか、教えなさいよ、アキちゃん」
GM「そうだ。今はそっちの方が大事だな。何がどう合理的なのか、俺もぜひ聞きたいぞ。教えてくれ、アシスタント・アッキー」
サイバ「いや、元はと言えば、あんたの話だろうが、Shinyさんよ。本来の説明責任はあんたにあるはずだと思うが」
マークス「とにかく、私としては早くエマお嬢さまを復活させるための儀式を進めることを要望します」
ミリィ「それよ。タイタン様が妖精の宝石を媒介に、妖精郷の大地の魔力、生命エネルギーをエマさんに結集して、闇の力を浄化すれば、晴れて聖騎士エマさんが正式に復活するって話よね」
エマ「うん、そう聞いた。そして、小説だと厳かな儀式の情景をきちんと描写して、読者に雰囲気を味あわせて、ああ、これなら復活するのも納得だな、と感じ入らせるのが書き手の筆力なんだけど、このブログではそういう手が使えないとも」
ミリィ「そこで、NOVAちゃんは自分の足りないところを、他所のラブコメ時空やヒロイン特撮由来の『うる星』パワーや、セラムンパワー、そして、音楽パワー、魔法パワー、怪盗パワー、警察パワー、そして新たなゲームのパワーで戦う女戦士のイメージを結集して、いろいろとお力をお借りしてみせることで、読者の皆さんに美少女戦士の歴史の系譜を味わってもらって、ああ、これなら花粉症ガールの魂を持つ美少女聖騎士が覚醒するのも納得だな、と感じ入らせることにした。それこそが、百万言の描写を越える、当ブログならではの記事テクニック。そうよね、NOVAちゃん」
GM「ほう。よくぞ見抜いた、さすがは我が娘。アシスタントガールの面目躍如とは、まさにこのこと」
ミリィ「当然よ。NOVAちゃんの考えのボケて至らないところをフォローして、上手く話をまとめ上げるのを助けるのがアシスタントガールの仕事なんだから」
GM「ということで、エマ・ショーカの中に、星の力や、月の力や、音の力、魔法の力、秘密の力、ラブな警察パワーに加えて、ゲームなキラメキシャイニーな力が全部集まって、全身が光り輝いて、とうとう目が覚めるわけだ」
エマ「う〜ん、何だかよく分からないけど、とにかく凄い力がいろいろ集まってきて、わたしが起きたってことね」
GM「ああ、そして、今こそこれを読み上げろ(ハンドアウトを手渡す)」
エマ「え、何? ええと……『皆さん、わたしを闇から救っていただいてありがとうございます。だけど……どうやら早速ですけど、のんびりはしていられないようです。この地に迫る強大な魔物の気配、はっきりと感じられました。これより一戦交えて、この聖なる森を邪悪の手から守らないといけません。さあ、戦いの時です』」
サイバ「何だと、クライマックスバトルに突入するのか?」
GM「ああ。ただし、これまで消耗したMPは全て回復していい。運命変転もだ。エマ・ショーカ覚醒のために注ぎ込まれたパワーの一部が、君たちにも作用して、全力全開で戦えるように回復したってことだ。そういうことで、次回、クライマックスバトルを経て、第4部を終結するとしよう。そして、妖精郷の脱出編は新章EXODUSとして描き、第一シーズン完、と締めることができたらいいなあ、と考えている」
エマ「フフフ、とうとう、あたしがファルシオンを振るえる時が来るのね。不死鳥の剣を高々と天に掲げます」
マークス「さすがはエマお嬢さま。凛々しい」
ミリィ「うう。この物語の主役はあたしなんだから。エマさんには絶対に負けない」
GM「じゃあ、今回はここまで。クライマックスバトルの相手は、フェアリーガーデンではなくて、敵が強いと評判のミストグレイヴの『魔窟遭遇表レベル7』からランダムに決定する予定。クライマックスに恥じない強敵が出てくることを期待してくれ」
サイバ「どうして、フェアリーガーデンじゃないんだよ?」
GM「だって、フェアリーガーデンにはランダムモンスターの出現表がないからね。別ブログの『魔神ハンター』より先に、魔窟モンスターと戦ってもらうのも一興かと」
エマ「魔窟モンスター、まとめてファルシオンの餌食よ」
ミリィ「強敵を倒したら、戦利品もいい物が手に入るのよね。ワクワク」
果たして、覚醒した聖騎士エマを加えた一行が直面するのは、いかなる強敵か?
次回は、寄り道脱線することなく、最初から最後までクライマックスを駆け抜けたいと思うが、そんな夢物語が本当に実現できるのだろうか?
妖精郷リプレイ、過去最強の敵(フレーバーバトルの百合吸血鬼を除く)との戦いが待っている。
(当記事 完)