シリーズ60作ってすごいね
NOVA「前回の記事で、仮面ライダーメテオ役の吉沢亮氏が、新作大河ドラマ『青天を衝け』の主人公になったという話を聞いて、俺の中では久々に大河ドラマへの注目が高まっている状況だ」
晶華「ところで、大河ドラマって何? 牙狼の冴島鋼牙さんのお父さんに関係するの? それともウルトラマンタイガか、仮面ライダータイガか、ガオホワイト大河冴さんつながり?」
NOVA「お前、そこまで特撮マニアなのに、何で大河ドラマのことを知らないんだよ? 知識が偏り過ぎだろ?」
晶華「だってNOVAちゃんの娘だもん」
NOVA「俺の娘だったら、大河ドラマぐらい知っておけ。時代劇ファンでもあるんだからな。まあ、さすがに時代劇マニアを名乗るほどでもないし、大河ドラママニアとは到底名乗れんが」
009『せいぜい10作ぐらいしか見ていないもんな』
NOVA「さすがに新作合わせて60作全てを見ていますと言って、語ることのできる大河ドラママニアが日本でどれだけいるかは分からんがな。ウルトラマンや仮面ライダー、戦隊、必殺シリーズの歴史と比べても、基本は約1年間続けるTV番組で、60作ってのは凄すぎるだろう」
ケイPマーク1『とりあえず、大河ドラマに無知な晶華ママのために定義しますと、NHKの日曜日夜8時に放送されている、大体は時代劇中心の歴史ドラマの総称ですね。劇中のセリフがしばしば流行語になったり、出演役者がブレイクするきっかけにもなったり、大河ドラマを知らない日本人は、サザエさんやドラえもんを知らない日本人と同じくらいレアな存在だと考えられます(歴史に興味の薄い子どもは除く)』
晶華「まあ、花粉症ガールは人間じゃないし、日本人の枠にハメられても困るわね」
NOVA「しかし、娘が世の中の常識に全く無知なのも、父親としては困るので、ここは俺がきっちり教育してやらねば。まずはこれを見ろ」
晶華「最初の作品は、1963年の『花の生涯』かあ。タイトルから見て、花粉症ガールの話につながりそうね」
NOVA「無理やりつなげるな。当然、俺の生まれる前の話でよく分かっていないが、桜田門外で散った大老・井伊直弼が主人公の物語らしい。どちらかと言えば、悪役で出ることの多い大老が主人公とは、最初から冒険したシリーズだなあ、と思う」
009『さすがに、役者が古すぎて、特撮とはつなげにくいなあ』
NOVA「出演者を見ていると、仲谷昇さんの名前で、『おお、ゴーグルファイブの本郷博士か、ジャスピオンのエジンの人か』と反応してしまう俺がいる。他には、長門裕之さんの名前で『スケバン刑事の暗闇司令だな』とか」
009『特撮ネタにこだわらなければ、2代目黄門様の西村晃さんとか、眠狂四郎がハマり役の田村正和さんとか、映画THE必殺で名前を知った朝丘雪路さんとか、つながるんだけど、往年の時代劇スターの嵐寛寿郎さんの名前は知っててもピンと来ない世代だからなあ』
NOVA「そりゃ、俺が役者の名前とかを気にするようになったのは80年代ぐらいからだし、この人は1980年に亡くなったからなあ。再放送などで、『変身忍者嵐』の百地三太夫役とか、『新・仕置人』にゲスト出演したベテラン仕置人・天狗の鞍三なんかでちらっと見るぐらい。やはり、名前を知ってることと、実感を持って語れることの差は大きいと思う」
晶華「主演の尾上松緑さんってのも聞かない名前ね」
NOVA「『おのえ しょうろく』と読むそうだが、歌舞伎の世界では有名な名前で、この人は松緑の2代目だそうだ。大正時代の生まれで、平成に入った1989年に亡くなった御仁。テレビドラマだと、1961年にやった『半七捕物帳』で主演したりして、60年代から70年代に主に活躍した人らしい」
ケイP『現在の尾上松緑さんは4代目で、2代目尾上辰之助の名で2000年の大河ドラマ「葵 徳川三代」の主役の1人、徳川家光役で出演したようだッピ』
晶華「へえ。大河ドラマには、歌舞伎役者の系譜もあるのね」
NOVA「さすがに歌舞伎関係は俺の直接の趣味じゃないからな。そっち方面の有名人は名前だけ知っていても、演技とか知らないことも多い。やはり専門分野は、特撮か必殺ということになるので、本記事ではそちらに焦点を当てることになるわけだ」
NOVAの見た大河ドラマ
NOVA「さて、俺が実際に作品を見た大河ドラマは決して多くないので、まずはそれをリストアップしてみよう」
NOVA「とりあえず、積極的に見ていたのは、これぐらいだな。まあ、家族の誰か(主に母親)が見ていたのをチラ見してたのを含めると、1989年の『春日局』とか2008年の『篤姫』とか2011年の『江』とかも見たことはあるし(そもそも俺にとっての初大河の『おんな太閤記』も母親が見ていたのがきっかけだ)、世間でしばしば話題になったり、ツイッターなんかで大河ドラマ感想なんかもチラチラ書く人をフォローしていたりするから、自分が熱心に見ていなくても、触れることはそれなりにある。例えば、作品を知っているというのが、どのレベルかを図るのに、『主題歌や曲を聞いて、ああ、知ってる、愛着が持てる』ってのもあると思うんだけど、毎回見ていると、テーマ曲を聞くだけでワクワクが込み上げてくるものだ」
009『主題歌ってものは、ドラマの最初や最後に流れるものだから、それをコンスタントに聞くってことはしっかり作品を追っているってことだもんな。家族の誰かが見ている番組を横からチラチラ見ていても、作品を見たことがあるとは言えるけど、主題歌が流れてきたときにワクワクして注目するモードには及ばない』
NOVA「たとえば、1991年の『太平記』なんかは、作曲もZガンダムの三枝成彰さんだし、役者陣を見ても、俺のツボに結構刺さる作品だと思うんだよ。ただ、当時は日曜夜も結構、忙しく動いていたから、家でTVを見ている間もなかったし、この作品とは縁がなかった。それに後からビデオやDVDで補完しようというほどの大河ドラママニアでもないしな。せいぜい、ネットで調べて、へえ、こんな作品もあったのか。見ていたら良かったな(でも、今さら見るつもりもない)程度の扱い。そういうのはマニアとは言えない。せいぜい、にわかに興味がある程度だ」
NOVA「2009年の『天地人』も大島ミチルさんの曲が良さそうだ。おい、NOVA2009、お前はどうして『天地人』を見なかったんだ?」
009『知るかよ。仕事で忙しかったんだよ、きっとな』
NOVA「嘘つけ。日曜日の夜だぞ。お前が当時、そのタイミングで忙しかったはずがない」
009『それもそうだな。すると……プレ・ラーリオスを書くのに忙しかったのかもな』
NOVA「う〜ん、プレ・ラーリオスを優先して『天地人』を見逃していたとは。何かを得るには、何かを捨てなければいけないってことか」
009『そんなに未練があるなら、DVDボックスや小説で、今からでも補完するって手があるだろう? 過去の自分を責めるより、今、どうするかを考えるのが建設的ってものじゃないか?』
NOVA「まあ、見なかったものを語るよりも、見たものを語る方が建設的なんだけどな。ともあれ、俺の大河ドラマ視聴記録よりも、もっと面白い蘊蓄話に展開するぞ」
大河ドラマの主役になった特撮ヒーロー
NOVA「ということで、仮面ライダーメテオが大河の主役になったことがどれだけ凄いのかを語るコーナーだ」
晶華「そういうのって前代未聞の快挙ってこと?」
NOVA「いや、過去に2人いて、さらに特別枠でもう一人、主役認定できるので、今回で4人めというのが俺ビジョンだな」
晶華「では、歴代大河で主役を演じた特撮ヒーロー第1号は?」
009『そりゃあ、藤岡弘、さんじゃないか?』
NOVA「調べもせずに印象だけで、間違いを抜かすなよ」
009『いや、しかし、ぼくの知識では、藤岡さんも大河常連だったと思うが』
NOVA「その知識は間違っちゃいない。1974年の『勝海舟』で坂本龍馬役を演じたのが初めで、その後、7作に出演している。『おんな太閤記』や『春日局』で織田信長を2回やったり、最近作が2016年の『真田丸』で本多忠勝をやったり、威厳ある侍役が似合う偉大な役者なのは間違っていないが、主役にはなってないんだな」
009『う〜ん、藤岡さんではないとなると、あっ、思い出した。最近、響鬼の細川茂樹さんが「日曜8時の男(朝夜合わせて)」と話題になってたな。それでどうだ?』
NOVA「お前の最近は、俺たちから見れば10年以上も前の話になるんだが、 2005年の『義経』のことだな。平清盛の五男、重衡の役だ。主役とは程遠い」
晶華「でも『義経』の平家って凄いよね。トップの清盛さんが渡哲也さんで西部警察の団長だし、長男がビルド映画の仮面ライダーブラッドだし、その子どもが仮面ライダーアギト。三男が仮面ライダーフォーゼのサジタリウスゾディアーツの我望さまだし、五男が響鬼さん。これだけの錚々たる仮面ライダー役者が集まっていたのに、何で負けちゃったのよ」
NOVA「そりゃあ、義経の配下の弁慶が上さまだからだろう? 仮面ライダーが集まっても、吉宗には勝てないんじゃないか」
Kamen rider ooo and the shogun together!
009『まさか、暴れん坊将軍が仮面ライダーと共演するなんて、2009年には考えもしなかったぞ。それはともかく、藤岡さんでもなく、細川さんでもないとしたら、大河主演1号は誰なんだ?』
NOVA「そりゃ、太平記で足利尊氏を演じた真田広之さんだろう。真田広之さん主演の特撮番組はこれだな」
宇宙からのメッセージ・銀河大戦 FANMADE ANIMATION
009『暴れん坊将軍と銀河大戦を混ぜるネタが面白いなあ(笑)』
NOVA「まあ、同じ菊池俊輔さん作曲だからなあ。仮面ライダーにもうまくつながるし」
NOVA「仮面ライダーが所望なら、スカイライダーにして、花屋および鍛冶屋の政の村上弘明さんが、大河主演特撮ヒーロー2号となる。1993年の『炎(ほむら)立つ』において、3部構成のうち第2部の主人公、藤原清衡を演じている。第1部と第3部の主人公は渡辺謙さんなので、場つなぎ感もあるけど、それでも主演なのは間違いない」
009『1号が真田広之さんで、2号が村上弘明さんか。しかし、ぼくには異論がある』
NOVA「何だ?」
009『特撮の定義にもよるが、堺正章主演の西遊記を特撮に含めるなら、1号は猪八戒役の西田敏行さんではないか?』
NOVA「西遊記の猪八戒を特撮ヒーローの枠に入れていいかは悩むが、少なくとも番組が特撮アクション物であることは間違いないので、西田さんは0号と認定しよう。すなわち、西田さん初主演の大河時代劇ということで、『翔ぶが如く』をプッシュしないといけないのか?」
009『いや、西田さんの主演だったら、84年の「山河燃ゆ」が最初だろう?(時代劇ではないけど) その後、95年の「吉宗」、2000年の「葵」を合わせて4作、大河最多主演回数を誇る役者だ。大河ドラマを語るに際して、西田敏行の名を挙げないのはモグリもいいところだと思うが?』
NOVA「まあ、吉宗ってだけで偉大だよな。俺の初大河の『おんな太閤記』だって秀吉役で出ていたので、実質、ヒロイン物における男主人公の役だったからな。分かった。西田さんの凄さをお前がプッシュしたいなら、そこに異論はない。『武田信玄』の山本勘助役とかも印象的だったし」
晶華「ええと、特別枠って、西田敏行さん?」
NOVA「いや、俺が最初に想定していた特別枠は、ウルトラマンジードの濱田龍臣くんだ。何しろ、『龍馬伝』の主役(子供時代)だからな」
晶華「だったら、そのうち彼も大河ドラマに本格的に出演するかもしれないわね」
NOVA「ああ。仮面ライダーメテオが抜擢される時代なんだ。だったら、ウルトラマンジードが大河ドラマに出ても不思議じゃない。まあ、年齢的には、吉沢くんが94年生まれで27才だから(何でも彼が初の平成生まれの大河主演俳優らしい)、2000年生まれの濱田くんがそこに到達しようと思えば、6、7年は必要になるだろう。子役以外で大河の主役を張ろうと思えば、それだけの風格も求められるだろうしな」
009『そう言えば、ウルトラ役者が大河の主役を張ったことは一度もないな』
NOVA「脇役なら、時々見かけるんだけどな。ざっと数えたところ、最多出演者はウルトラマンタロウの篠田三郎さんの7作で、その次がウルトラマン80の長谷川初範さんの5作、森次晃嗣さんの4作かな」
ケイP『藤岡さんでも7作だから、大河出演回数ってそれぐらいが妥当なのかも知れないッピ』
晶華「戦隊代表の誠直也さんは?」
NOVA「5作だな。スペードAの丹波義隆さんで3作。特撮つながりだとヒーローよりはむしろ敵役を演った人の方が出演回数は多くて、石橋雅史さんは8作、スパイダーマンも演った藤堂新二(旧名・香山浩介)さんは7作……といったところだ」
晶華「他に多いのは?」
NOVA「特撮役者と言っていいのかどうか微妙だが、石坂浩二さんが11作になるな。時代劇つながりで、必殺役者を入れるとだいぶ増えそうだ。初期大河の役者さんは、俺が必殺シリーズのファンでなければ、知らない人もいっぱいだし、それを言うなら津川雅彦9作とか、伊吹吾郎10作とか、結構出てくる」
009『伊吹吾郎さんなら、特撮俳優に含めてもいいんじゃないかな? シンケンジャーに出ていたし』
NOVA「そうやって、役者ごとに調べていくと、キリがなさそうだから、とりあえず5作以上出演していれば多い方。10作を超えていれば、凄いと思うようにしよう」
晶華「女優さんだと、誰が多いのかしら?」
NOVA「パッと見て、多いなと感じるのは松坂慶子さんで9作だな。他に、この人は出演回数が10作を超える凄い人だという情報があれば、コメント欄でも教えて欲しいところ。ちなみに平成ライダーだとG3Xの要潤とかが今度3回になって多い方だと思うけど、インパクトあったのは電王の佐藤健が演じた『龍馬伝』の岡田以蔵だな。人斬り以蔵の役を演じた後、人斬り抜刀斎にまで昇格したのは笑った」
晶華「とにかく、主役以外では、キャスト最後に出る大トメ俳優さんをチェックするとか、大河ドラマの楽しみ方もいろいろあるみたいなので、私も少しは興味が出て来たかも」
(当記事 完)