3つめのミッション
GM(セイリュウ)「では、第3のミッションを開始するが、その前に時空魔術師よ」
NOVA「はい、何でしょうか?」
GM「今回のプレイでは、ルールをミスらないようにしろよ。ルール運用は、お前に一任しているんだからな」
晶華「そうよ、NOVAちゃん。NOVAちゃんがミスると、私までつられて一緒にミスるんだから」
NOVA「そこはつられずに、ミスる前に指摘してくれよ」
晶華「私はミスティック(占い師)じゃないんだから、NOVAちゃんがいつミスるかなんて予想できないわよ。私にできるのは、ミスったNOVAちゃんに花粉症バスターでお仕置きすることぐらい」
NOVA「そいつは勘弁して下さい。花粉症で意識が朦朧としたら、よけいにミスが増えてしまう」
ケイPマーク2『まあまあ、ミストレス。マスターNOVAもミスのたびに反省していますので、花粉症バスターは勘弁してあげてください』
NOVA「おお、かばってくれるのか」
ケイP『何なら、その花粉症バスターはおらに撃ってくれると、ありがたく頂戴するッピ』
晶華「仕方ないわね。くらえ、久々の花粉症バスター!」
ケイP『わ〜い、美味しい餌だッピ♪』
GM「たかがミスに気を付けようと言っただけで、どうしてお前たちは寄り道コントに走るんだ。早くプレイヤーモードから、冒険キャラモードに移らんか」
NOVA→サイバ「はっ。それではサイバ☆リオン。次なるネコ探しを検討します」
晶華→ミリィ「これまでケットシーのグラタンさんが運営する宿屋、おもてなし亭をパーフェクトにするために、施療院のペンネさん、魔法工房のドリアさんの2人を探して来たのよね」
ケイP→マークス「ついでに、お手伝い妖精のブラウニーを2人、見つけたりもしました」
ミリィ「ブラウニーがいると、どうなるんだっけ?」
サイバ「一人もいないと、ドリアさんが作れるのが魔法使い用のアイテム(魔晶石とか、ゴーレム作成用アイテムとか、アルケミスト用のカードとか)に限られる。ブラウニーがいると、その人数に応じてマジックアイテムが幅広く作れるようになり、10人いればマジックアイテム作成時の消費MMが1割節約できる」
ミリィ「なるほど。今は5000ガメルまでのマジックアイテムが作れるって言っていたわね。でも、あたしたちはまだそんなにたくさん稼いでいないから、せっかくの魔法工房も宝の持ち腐れだわ」
GM「だから、早くミッションを果たせと言っているのだ」
サイバ「しかし、ネコ探しミッションではお金稼ぎができないんだよな。経験点はくれるけど、金銭的報酬は一切なし。魔物を倒した戦利品や剣のかけらで細々と食いつないでいるだけ」
GM「その代わり、おもてなし亭では食事と寝泊まりが無料となっているではないか。タダ飯タダ泊まりの引き換えに、宿の職員探しをしていると思えば、十分つり合いが取れているというもの」
サイバ「それでつり合っているかどうかはともかく、他にストーリーを進める方法がありませんし。ええと、現在が6日めの昼でしたよね。次のミッションは、厩舎のパスタと、武具工房のニョッキのどちらにしようかな」
マークス「それは、武具が優先ではないですか?」
サイバ「しかし、武具はとりたてて急ぐ必要はないんだ」
マークス「どうして?」
サイバ「最初のグラタンだけでもBランク武具が作れるからな。ニョッキがいると、Aランク武具が作れるようにもなるんだが、我々の中に〈武器習熟〉や〈防具習熟〉の戦闘特技を覚えているものがいないので、現段階でAランク装備は使えないんだ。おまけに金もないしな。ニョッキの工房を役立たせるのは、ドリアの魔法工房よりも先の話になりそうだ」
ミリィ「だったら、厩舎のパスタさんで決定ね。騎獣が使えるようになって、ライダー技能を活かせるようにもなる」
サイバ「我々の中には、ライダーがいないけどな」
マークス「いつでもライダーになれるように、厩舎を使えるようにしておきましょう」
パスタを探せ
GM「グラタン曰く、『パスタは白と黒のブチ模様の毛並みで、紫色の帽子をかぶっている。風の妖精シルフたちの噂では、屋根付き橋の辺りをペガサスに乗って飛び回っている』らしい」
ミリィ「ペガサス! 私もペガサスに乗りたい!」
サイバ「しかし、白と黒かあ。まるでファングジョーカーかアークワンだなあ」
GM「グラタン曰く、『パスタは気弱で、おとなしい性格のケットシー』ということだ」
サイバ「白と黒でおとなしいということは、これかな」
GM「無理やり特撮ヒーローや怪獣につなげるな」
サイバ「とにかく、屋根付き橋に向かえということですね。ミリィ、エリアを決めてくれ」
ミリィ「25。ということは北東エリアね」
サイバ「ちょうどいい。そこには羊ヶ原があるので、今から向かって、夜には泊めてもらう。そして、朝から屋根付き橋の辺りを探索しよう」
GM「正確な地名は『小川と屋根付き橋』だがな。では向かうがいい」
北東エリア:羊ヶ原(6日め夜〜早朝)
夕方に停留所を経由した一行は、夜に羊ヶ原に到着。その間にランダムイベントは発生せず。そして、先日、深夜に馬小屋に泊めてもらったドワーフのスホイさんに改めて自己紹介する。
サイバ「3日前は、ろくにお礼も言わず、バタバタして申し訳なかった。改めて自己紹介と、感謝の言葉を述べに来た」
スホイ『ほう。エルフとルーンフォークは礼儀知らずかと思うておったが、わざわざ出向いて来るとは見直したぞ』
サイバ「ぼくは、冒険小説家のサイバ☆リオン。こんな耳をしているが人間だ。今はケットシーのグラタンの〈おもてなし亭〉の食客として、手伝いの探索やお使いをしている冒険者さ。連れは、エルフの妖精使いのカシュミーラと、ルーンフォークの戦士キャプテン・マークス。冒険者へ頼みたい仕事があれば引き受けるが」
スホイ『ならば、一つ頼むとするか。骨の丘へ行って、〈魔力を帯びた骨〉を6個集めてきてくれ。報酬は★2つと300Gだ』
サイバ「骨の丘? それはどこにある?」
ミリィ「12。北西エリアね」
サイバ「少し遠いな」
スホイ『近場だったら、自分で集めて来るわい』
サイバ「それもそうだな。分かった。その代わりと言っては何だが……」
スホイ『今夜は泊めろと言うんだろう? いささか図々しいが、冒険者たる者、それぐらいの押しの強さがあってこそ、良い仕事もできるというもの。昔の自分もそうだったしな、ガハハ』
ミリィ「おじさんも冒険者だったの?」
スホイ『今は引退して、武具屋と雑貨屋を営んでいる冒険話好きの職人にして商人だけどな。わしの若いころの冒険譚を聞きたいなら、家に泊めてやってもいい』
サイバ「冒険譚ですか。それは是非、お聞きしたいですね」
スホイ『いささか長くなるぞ』
ミリィ「大丈夫。長い話なら慣れているから」
スホイ『では、泊まって行くといい』
その夜、スホイのところで各自の冒険譚を披露し合った一行は、スホイの娘ミクとも知り合いになりつつ、彼女の作るドワーフ料理を味わってから、ゆっくり休んだ。
そして、翌朝。
サイバ「ここは冒険者の義理として、先に北西エリアの素材集めに赴こうと思う。その後で、自分たちの仕事のネコ探しを進めるとしよう」
ミリィ「どうして? 先に近場を片付けてから遠出をする方がセオリーだと思うけど」
サイバ「ネコ探しだけじゃ、いまいち稼ぎが悪いからな。この世界で金を稼ぐには、村人たちの信用を集めて、小まめにご用聞きに走るのが吉と見た。金をくれるスポンサーの仕事は大切にする。これが商売人の基本だ」
ミリィ「ふうん。あたしは商売人じゃないから、よく分からないけど、リオン様がそう言うのなら」
7日めの骨探し
7日めの朝、道伝いに北エリアの停留所へ。
7日めの昼、道伝いに北西エリアの大神殿へ。
そして、7日めの夕方、移動判定に成功して、骨の丘に到着した。
GM「遠目で白い丘に見えたそれは、実は全長が数百メートルにも及ぶと思わせる巨大な獣の骨だった。その巨獣の骨の周囲には、無数の骨が敷きつめられている」
サイバ「数百メートルですと? それはゴジラ様以上の巨体ですな。初代ゴジラ様で50メートル。その後、平成に入って100メートル前後にスケールアップしたわけですが」
サイバ「あるいは、マンダみたいな蛇体スタイルかもしれませんが、とにかく、か〜な〜りデカい骨の丘だというのは分かった」
ミリィ「では、仮称『ジャンボ・シーボーズの丘』と名付けましょうか」
GM「ともあれ、そんな丘のどこかで、いびきが聞こえてくる」
サイバ「はい? こんなところで寝ている奴がいるの? もしかして、骨が生きている?」
GM「そんなわけがあるか。よく見ると、アーチ状の巨大な骨の上にブラウニーが眠っている」
ミリィ「また、ブラウニー?」
マークス「いろいろなところに出てくる妖精ですね」
サイバ「おい、ブラウニー。起きろ」
GM「ブラウニーは『もがっ?』と寝惚けた声を発すると、『うわっ!』と悲鳴を上げて、ヒューンと骨の上から落下する。『あいたたたっ』とうめきながらも、ヒョコッと起き上がると、『もう朝ですか?』と尋ねてくるぞ」
サイバ「夕方だよ」
ブラウニー『そうですか。では、もう一眠り』
サイバ「寝るな。かくかくしかじかで、おもてなし亭が再開された。妖精郷各地のブラウニーに、ドリアさんが召集を掛けている。お前もすぐにおもてなし亭へ帰れ」
ブラウニー『了解です。すぐにドリア様の元へ』
GM「そう言って、ブラウニーはとっとこ駆けて行った。ブラウニーを見つけたので、★2つを進呈しよう」
ミリィ「これで3人めね」
GM「では、この後、周囲を全員で探索判定してもいいぞ。目標値は9だ」
ミリィ「あたしは成功」
マークス「私も成功しました」
サイバ「ぼくは探索系の技能を持っていないが、出目11を出したので成功だ」
その結果、見つけたアイテムは、ミリィが〈手入れの行き届いた武器〉(1000G)、マークスが〈大きな武器〉(300G)、サイバが〈魔力を帯びた骨〉(250G)となった。
ミリィ「あたしが一番、値打ち品を見つけたみたいね。それに引き換え、リオン様は一番、安物じゃない。何をやっているのよ?」
サイバ「いや、1000Gのアイテムを見つけたのはお手柄だけどね。ぼくはぼくで、真面目にクエストアイテムを探してるんだよ。責められる覚えはない」
GM「今のは、クエストとは関係ないランダム入手イベントだ。さらにクエスト関連の探索が行える。難易度は同じ9だ」
これでミリィとマークスは〈魔力を帯びた骨〉をそれぞれ見つけ(合計3つ)、サイバのみが失敗した。
GM「夜になっても探索を続けるかな」
サイバ「ライトの呪文をかけて探索続行だ」
夜の探索は、ミリィのみ成功。4つめの骨を見つけて、さらに深夜も探索続行。こうして、クエスト目的である6つの骨を見つけたのだった。
夜明けごろには、宿泊できる大神殿で朝まで仮眠をとり、保存食も1日分を消費し、7日めの探索行は終わった。
8日め:羊ヶ原への帰還
8日めの昼、停留所を経て、8日めの夕方、羊ヶ原へ帰還する一行。
ただし、その際にランダムイベントが発生する。
GM「森の中を小道が続いている。頭上の枝からは、たくさんの美味しそうな金色の果実がぶら下がっている」
ミリィ「リオン様、果実を採って」
サイバ「何でぼくが?」
ミリィ「食べたいと思わない?」
サイバ「そう思う奴が採ればいい」
ミリィ「じゃあ、2Dのダイス目の低い人が採ること。あたしは……5か」
サイバ「ぼくは9だ」
マークス「私は7です」
ミリィ「仕方ないわね。あたしが採ります。何か罠ってことはないわよね」
GM「果実を採ろうとしたら、不意に実が弾けて、真下にいたカシュミーラは果汁まみれになる」
ミリィ「そんな、ベトベトよ」
サイバ「仕方ないな。村で風呂に入れてもらおうか」
GM「そうすることでキレイにはなるけど、匂いの痕跡は1日残って、一部の魔物に狙われる原因となる」
ミリィ「つまり、9日めの夕方までは敵の的になりやすいってことね」
GM「それでも、このイベントで★1つを進呈しよう」
ミリィ「まだ、ラッキーな方なのかな」
サイバ「スホイの旦那。頼まれていた品物を取ってきたぞ」
スホイ『おお、ご苦労さん。では、約束どおり★2つと300Gの報酬だ』
サイバ「それで悪いんだが、うちのミリィが帰り道で果汁まみれになってしまってね。風呂に入れたいんだよ。用意できるか」
スホイ『風呂のサービスかあ。ならば、10ガメルで』
サイバ「金をとるのかよ」
スホイ『そりゃ、水は貴重品だからな。水汲みにかかる手間暇を考えると、決して高くはないはず。その代わり、食事と寝泊まりは無料にしておいてやる』
サイバ「仕方ないなあ。じゃあ、10ガメル払うとしよう」
スホイ『毎度あり』
GM「その夜、スホイはサイバにこういう話をしてくれる」
スホイ『お前さん、妖精郷の謎について調べていると言っていたな。聞いた話によると、鳥籠の木にいるディーラがいろいろな書物を持っていて、その中に「妖精王の秘密」に関するものもあるらしい』
サイバ「鳥籠の木かあ。この間、訪れたけど、彼女たちの本にそんな秘密が隠されていたとはなあ。すっかり忘れていたぜ」
スホイ『忘れていた?』
サイバ「ああ。これはプレイヤー発言だが、一度フェアリーガーデンはプレイしたことがあるとは言え、だいぶ前の話だし、細かいことまで覚えているわけじゃないので、何となくのきっかけで思い出すことだってあるんだ。ロールプレイ的に言うなら、サイバが昔、読んだ本に似たようなエピソードが書いてあったことにしよう」
GM「では、今回のプレイはここまでとしようか。9日めの冒険は次の記事ということで」
●フェアリーガーデン第1部4話の状況
経験点:★5つ
金銭収入:290ガメル、品物(1300ガメル分)
ブラウニー3人め
ミッション:屋根付き橋でパスタを探せ
クエスト&冒険目的
「エマのハンカチを見つけて、帽子とセットにする」
「煙草好きの森にパイプ草を持っていく」
「火柱の塔に〈炎精鉱〉を持ってくる」
「火柱の塔にいるレベル5魔動機ドゥームを倒せるよう成長」
「大神殿の信者を解放できるよう成長」
「鳥籠の木のディーラに本を読ませてもらう」
(当記事 完)