White NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSF、TRPGの趣味と、「花粉症ガールというオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

ジョエル・トレントと光の杖

次元ドルイド、消失

   花粉症ガールの粉杉晶華は、次元ドルイドのハイラスや、アシモン(アシスタントモンスター)のケイPと共に、食材や飲料水などを求めて、新世界のフィールドを探索していた。

   平原を通過して、殺人ウサギのボーパルラビットの群れを撃退した一行は、まもなく一つの森に到達する。どこか懐かしさを覚えながら、森の中でフルーツを採取する晶華たち。その最中に木々の言葉に耳を傾けた彼女は、この森がかつて殺人鬼の悪霊ケイソンと戦った異世界バトルフィールド「クリスタルレイク風の湖畔にあるスギ林」であることに気付く。

   どうして、森なのにスギ林なのかって?

   だって、スギの生えた森=スギ森って言葉は日本語では普通言わないよね。スギがいっぱい生えたところはスギ林。だけど、小説やゲームでは森の探索はあるけど、林の探索ってあまり言わない。この辺は言葉の綾って奴なので、「スギ林=スギを中心とする森林」の略と解釈してくれ。少なくとも、作者はそう解釈した。でないと、つまらないことが気になって話が進まん。

 

   とにかく、ここは新世界と言いながらも、実は既知の場所だったわけだ。うまくつながったものだね。

   そして、晶華たちが前に見つけた山小屋に到着したところから、今回はスタートだ。そう、泊まった若者が次々とホッケーマスクを被った不死身の殺人鬼に殺されてしまう曰く付きの山小屋だ。

  さあ、最初の犠牲者は誰だ?

 って、 見出しでバレバレか。

  さらば、ハイラス。君のことは忘れない(まだ消えてません。勝手に殺すな)

 

晶華「やっぱり、あった。ほら、ここが私たちが泊まった山小屋だよ。一緒にドゴラの映画を見たりしたんだ」


ゴジラ伝説Ⅱ 天空の大科学戦

 

ケイP『ヒャー、晶華ママの言ったとおりだ。森の見分けは付かないけど、この山小屋は確かに見覚えがある。 この記事のときは日本語すらろくに話せなかった。続いて、この記事でマスターNOVAにいろいろ教えてもらった。そして、この記事でマスターと対決した挙句、今みたいに封じ込められてアシモン・ケイPが誕生したわけだな。何もかも懐かしいぜ』

晶華「KPちゃんは半年ぶりかもしれないけど、私にとっては3年半ぶりなんだから、懐かしさもひとしおだよ。改造される前の無邪気だった頃を思い出してしまったり(涙目)。あの頃は、私にお姉ちゃんができるなんて思わなかったし、九州に行ったり、未来に行ったり、吸血体質になったりするなんてことも思わなかった。思えば、遠くまで来たもんだ。さあ、ハイラスおじさま、私の懐かしい山小屋へどうぞ……って、おじさま、何だか気分が悪そうだけど、どうしたの?」

ハイラス「晶華殿。そなたが懐かしさを感じているのと同様に、私も懐かしい感覚を思い出したでござる。そう、私が次元ドルイドを名乗るのは、多元宇宙の理を知るゆえではござらん。私が初めてNOVA殿と対面したのは、この記事において。その際、私は自分の来歴を『大いなる力に呪われ、自分の意思とは関わりなく、異なる世界に強制的に転移させられる運命』と語った。どうやら、その呪いはまだ継続していたようでござる。晶華殿、短い時間だったが、別れの時が来たようだ。NOVA殿にはいろいろ世話になったが、ここで転移するのも何かの運命。よろしく伝えてくれ。ハイラスが大変、感謝していた、と」

晶華「そ、そんな、ハイラスおじさま。いくら何でも早すぎるよ。だんだん、おじさまの人となりが分かって来たところなのに、こんな形でお別れするなんて。お願いだから、行かないでよ。おじさまがいなければ、誰がNOVAちゃんから血を抜いて、私のブラッドドリンクを作ってくれるの。こんなところでいなくなっちゃやだ(涙目)」

ハイラス「ハハ、私は血の準備係ではござらんよ。それはともかく、出会いがあれば別れあり。涙よりは、ニッコリ笑顔で見送って欲しいものでござる。これは私自身の新世界への旅立ちであるがゆえ。あるいは長年思い続けた故郷への帰還がいよいよ叶う時が来たのやも知れんな。そう思わば私の探索の旅も、いよいよ終わりに近づいたのであろう。そなたを弟子として十分に導いてやれなんだは、いささかの心残りだが、私は師としては力不足。そなたはNOVA殿といつまでも幸せにな。心の中の悪には惑わされぬよう明るく前向きに生きて行ってくれ」

ケイP『おっちゃんの姿がだんだん消えかかっている。晶華ママ、何とかできないのかよ』

晶華「こんな時に、NOVAちゃんだったらどうする?  あの時は確か、言霊魔術で相手と魂の契約を果たし、自分にしっかりつなぎ止めた。そう、消えかけた私を救ったように、KPちゃんをKカプセルに封じ込めたように。だったら私も、このKカプセルの力で、ハイラスおじさまを封じてみせる。おじさま、私のアシモンになって(カプセルをハイラスに向かって投げる)」

ハイラス「こら、こんな物を人に投げるな(パシッ)。晶華殿、いくら何でも我儘が過ぎるぞ。私も一人の人間として、次元ドルイドとして誇りがござる。そなたのアシモンとして不自然な生を生きるよりは、潔い消失を選ぶ。別れを惜しんでくれる気持ちは嬉しいが、世の中には思いどおりにならないこともある。それを受け入れて、なお最善を尽くしてこそ、大人への道と言えよう。ただ、このカプセルは餞別として受け止めておこう。次の世界でも役に立ちそうだからな。では、さらば」

 

DORON!

周囲に溶け込むように消失す。

 

晶華「そんな。ハイラスおじさまがいなくなっちゃったよ(涙目)」

 

 〈事象の分岐点〉にて

 

NOVA「ふう。新たな座標の設定は終了。思ったより手間が掛かったな。やはり、エネルギー不足で、周囲の観測システムがうまく働かないのが不都合だ。多元宇宙の他の世界との相対距離が効率よく測れん。それに今のままだと、転移どころか監視・通信システムも満足に機能しない。せいぜい近場の世界のみにしか転移も通信も働かん。時間をかけてエネルギーが自然回復するのを待つか、あるいは、この世界でエネルギー源になる強力な資源ないし物品を発見するか。観測システムでアストラル流が読めれば、そこから取り込むことも可能なんだが。前の位置座標はおあつらえ向きの場所だったんだけどな。この世界でのエネルギー確保問題は、きちんと考えないといけないか。チッ、問題山積みだぜ」

 

カフカカフーン、カフカカフーン♪

 

NOVA「何だ? 晶華に渡した時空通信機が鳴っている? 何かあったのか?  (ピッ)おお、晶華か?  どうした? 何、ハイラスがいなくなった?  お前、迷子にでもなったのか?  そういうところはまだまだ子供だな。相変わらず危なっかしい娘だぜ。って違う?  お前じゃなくて、ハイラスの方が次元ドルイドの宿命とやらで、どこかに転移した?  まさか、このタイミングで?  いや、このタイミングだからか。時空の歪みがいろいろ激しい時期だからな。

「何?  アシモンとして封じようとKカプセルを投げたら、断られた?  そりゃ、断るわ。何やってんだ、お前。あれは生き物を捕まえる用には作ってないって言ったろうに。無理矢理詰め込んでも命の保証はできん、と言ったはずだ。ああもう、分かった、分かった。泣くな。今から、そっちに行く。場所はこっちで探知できるはず。何、クリスタルレイク風の湖畔のスギ林の山小屋だって?  何で、そんな場所にいるんだ?  ああ、新世界がそこを中心に構築されたのか。デイヴ・アーネソンのブラックムーアが後にD&Dのミスタラ世界に組み込まれたり、ゲームブックのFFシリーズの火吹き山やポート・ブラックサンドの街がタイタン世界に組み込まれたりするようなものだな。納得」

 

 

 NOVA「ふう、ハイラスがどこに飛ばされたかは分からんが、捜索するにしても〈事象の分岐点〉が完全復旧しないと無理だよな。うまく故郷のアレクラストに飛ばされてくれればハッピーエンドだが、それを確認するにしても、復旧用のエネルギーが必要だ。ここがクリスタルレイク風のどこかであるなら、かつて知ったる場所。エネルギー源が何か見つかるかも知れん。ええい、エネルギーもないままに屋内に引きこもっていても、何も分からんし、俺も外の世界の様子を見に行くとするか。この世界の知ってる場所なら、ドラクエのルーラみたいに自由に飛べるしな」

 

そして山小屋

 

NOVA「本当に、例の山小屋だったんだな。ジェイソンとかケイソンとか、出たりしないだろうな」

ケイP『おお、マスター。相変わらず神出鬼没だな。殺人鬼のことなら、でえじょうぶだ。今月の13日は木曜だからな。次に13日が金曜日になるのは、来年の9月までねえぜ』

 NOVA「そいつは良かった。お前にマーク2がいるように、ケイソン・マーク2とか、Zケイソンとか、ケイソンZZとか、νケイソンとか、ユニコーン・ケイソンとか、どんどん出てきたら、いくら正体が分かってると言っても、うんざりだからな」

ケイP『いや、ケイソンの魂の欠片も受け継いだおらだから言うが、ケイソンはそんなに出現しねえよ。ケイソンは1983年時のマスターがオマージュ創作した殺人鬼だが、その当時、ガンダムシリーズはそんなに放送されていない。何しろ、シリーズ2作目のZガンダムで、マーク2が黒いガンダムとして鮮烈デビューした時が85年だからな。83年だと、まだダンバインの時代。つまり、ケイソンに後継機が出たとしても、ウォーカー・ケイソンとか、ビルケイソンぐらいしか思いつかないはず』

NOVA「ああ、そうか。あるいは、偉大な勇者グレートケイソンとか、宇宙の王者グレンケイソンとか、そっち方面にパワーアップするかもしれんが」

ケイP『そんなことより、マスター、晶華ママのことを慰めてやってくれねえか。目の前で、ハイラスのおっちゃんが消失してしまったことで、相当ショックを受けているからな』

NOVA「それで当人はどこにいるんだ?」

ケイP『マスターに連絡をとった後、一人で部屋にこもっている。おらじゃ何て声をかけていいのか、見当もつかねえ』

NOVA「分かった。不安定な娘のメンタルケアは俺の仕事、と。ふう、問題山積みだぜ。受験生にでもなった気分だ」

 

  明かりもつけない、薄暗き部屋の中。

  ズズッ、ズズッと何かの液体をすする音がする。

  部屋の扉を開けたNOVAが最初に見たのは、薄暗がりに赤く光る充血した涙目だった。

 

晶華「フフ、フフフ、NOVAちゃんだ〜。私の山小屋にようこそ。歓迎するわ〜」

NOVA「ああ〜(バタンと扉を閉める)」

晶華「ちょ、ちょっと、NOVAちゃん。いきなり出て行かないで〜」

NOVA「(扉を開けて)お前、ちょっと怖いよ。ホラー映画の世界に来たかと思ったよ。何をすすってるんだよ」

晶華「ああ、これ。ハイラスおじさまが遺してくれたフルーツよ。メドラー、別名セイヨウカリンって言うんだって。おじさまを偲んで、果汁をいただいていたの。この私を置いて、一人で旅立ってしまうなんて、罪作りなお師匠さまね。私のアシモンになっていれば、消えることもなかったのに。バカな男だわ」

NOVA「お前、そりゃ悪の女帝か何かのセリフだ。ハマーン・カーンとかが言いそうだな。ハイラスが転移したのは、あいつの宿命であって、別にお前のせいってわけでもないだろう。まあ、お前があいつを下僕にするため無理やり血を吸い取ろうとして、逃げられたってことなら話は別だが」

晶華「そんなことしないもん。そりゃウサギの血は吸ったけど、美味しくなかったし。私が吸いたい血はNOVAちゃんのだけだもん」

NOVA「ああ〜(もう一度、バタンと扉を閉める)」

晶華「ちょ、ちょっと、NOVAちゃん、何度も出て行かないで〜。今はブラッディー晶華じゃないから。フルーツだけで満足してるベジタリアン晶華だから。血が飲みたくなるのは二週間後だから。それまで我慢するから。今この場でNOVAちゃんにまで見捨てられたら、私、バットクイーンになって引き返せなくなっちゃうから」

NOVA「(扉を開けて)面倒くさいことを言ってないと、涙をふいて部屋から出てこい。これからケイP交えて、今後の作戦会議をするぞ。ハイラス捜索作戦とか、課題は多いんだし」

晶華「え、おじさまを探してくれるの?」

NOVA「当たり前だ。あいつとは約束したんだからな。どこの世界に飛ばされようと、必ず探し出してやるって」

 

水晶湖の魔術師

 

晶華「それで、どうしてクリスタルレイク風の湖に来ているのよ。転移でもしたの?」

NOVA「作戦会議とか、ここまで歩いて来るシーンは、書いててつまらないから削ったんだよ。とりあえず、まだ汲んでいない飲料水の確保と、どこかにエネルギー源になるような伝説級のアーティファクトでも落ちていないかと思って、ここに来たんだ。他に行く当てもないしな」

晶華「そんな凄いアーティファクトが、そこら辺に落ちているはずがないでしょうに」

NOVA「いや、分からんぞ。こういう湖には神さまとか仙人がいて『お前の探し物はこれかな?』とタイミングよく、お宝をくれることもファンタジーの定番だ。ただし、あまり欲を張るとダメなので、『いえいえ、違います。私の落としたのは、プレミアが付きそうな金の兎でも、銀の龍でもなく、どこにでもあるただの時空ドライバーです』って言わないといけない」

 

 

晶華「つまり、時空ドライバーさえゲットすれば、問題解決と言いたいわけ?」

NOVA「そんな玩具で解決できるわけないだろうが。時空間移動するためには、せめて『ろぼ 』でも呼んでこないと。だけど、残念ながら、タイムマジーンはまだ玩具が発売されていないんだ」

晶華「それも結局、玩具じゃない。タイムマシンの玩具でいいなら、こっちにしたらどうなの?」

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謎の声「そんな21世紀の最新鋭の機体よりも、タイムボカンといえば元祖のこっちがおすすめですよ」

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NOVA「誰だ、お前?」

晶華「NOVAちゃん、この人、昔のNOVAちゃんだよ」

NOVA「ああ、それは分かっている。だが、83年の俺、通称『必殺仕事人にハマったばかりの秀』じゃないな。白いローブの魔法使い風の姿。少なくとも、高校時代以降の俺と見た」

白ローブの魔法使い「さすがです。ぼくは1988年のあなた。ジョエル・トレントと言えば、思い出していただけるでしょうか」

NOVA「ああ、思い出した。俺が87年に書いた小説『光の杖』の主人公の少年魔術師だったな。俺が初めて『白の魔術師』という呼称をつけたキャラだ。何で87年じゃなく88年を選んだ?」

ジョエル「そちらが2018年だから、ちょうど30年前の方がしっくり来る。おまけに昭和最後の年ということになるので、平成最後のそちらと対になる」

NOVA「秀の時と違って、いろいろ未来の事情を心得ているようだな。いちいち説明してやらなくて済むのは、手間が省けていい。誰から聞いた?」

ジョエル「平成のさらに先の未来のあなたです。いわば、ぼくは昭和を生きた集大成の昭和NOVA、2018年のあなたは未来のあなたにとって平成集大成の平成NOVAと呼称されることになり、いずれ三世代NOVAが共闘することにもなろう、と未来NOVAが仰っていました」

NOVA「ややこしいな。未来の俺は、よくもそんなタイムパラドックスを引き起こしかねん行動に出たもんだ」

ジョエル「だから、リアルのぼくではなく、夢世界の無意識で仮想のキャラであるジョエル・トレントを装う必要があったのでしょうね。そして、あなたもいずれ、ジョエルの父、ジョーニアス・トレントとして未来の戦いに参加することになる」

NOVA「ジョーニアス・トレントだと?  その名前は確か、アーティファクト〈光の杖〉を息子のお前に遺した伝説の魔法使いじゃないか」

ジョエル「そうです。それがあなたなのですよ、父さん」

晶華「へえ、やっぱり今のNOVAちゃんは、伝説の魔法使いなんだ」

NOVA「ちょっと待て。話がややこしい。今から31年前の高校時代に、D&Dにハマった俺は、その勢いでオリジナルファンタジー小説の世界を構築し、そこを舞台にいくつかの小説を書いていた。それでいいな」

ジョエル「ええ、最初の作品は『レンフィールド戦記』続いて『レンフィールド幻想録』。ここまでが友人たちとプレイしたゲームのリプレイって感じの物語でした。その後、ぼくの空想は広がり、派生作をいくつか書いたり、設定だけ作ったりしながら、世界だけは頭の中でどんどん広げて行った」

NOVA「ああ、覚えている。英雄王のクライオン・レンフィリッツが治めるレンフィールドを中心に、邪神アルスを崇める北の帝国アルセニア、伝統重視の南の大国デリア、南西の島国グロリア、そして西の辺境開拓村カラトームまで設定して、善神に祝福されたレンフィールドVS邪神国家のアルセニアの戦争勃発に至る背景までを考えた。そして、邪神討伐に必要な4大アーティファクト、〈炎の剣〉〈大地の聖印〉〈水の竪琴〉そして〈光の杖〉にまつわる外伝エピソードと、それぞれの所有者の物語まで構想を練っていたわけだ。アルセニアのレジスタンスの少年剣士レイク・パトレティスと、レンフィールド王女にして大地母神の祝福を受けし巫女クレアリース・レンフィリッツと、デリアの楽人剣士にして夢幻の紡ぎ手カイン・クレナトールと、伝説の魔術師の息子のジョエル・トレント。とにかくいろいろ考えたもんだぜ、当時は」

ジョエル「それから30年を経たはずなのに、よく覚えていますね。さすがです、と言っていいのかどうか」

NOVA「まあ、当時はジョーニアス・トレントの設定なんて、何も考えていなかったがな。ただ何となく、凄い魔術師を父親に持つ未熟な少年がいて、父の遺した伝説の杖を巡って、試練にさらされて、仲間とともに成長する王道ファンタジーを考えていた。そうか、それから30年を経て、俺自身がジョーニアス・トレントになるのか。ジョーニアスの名前は『ザ☆ウルトラマン』が元ネタだが、最近のビルドでのジーニアスフォームにも通じて、実は時空魔術師だったとはな。つまり、俺が〈光の杖〉をこしらえて、過去のお前に託せばいいわけだな」

ジョエル「結果的にはそうして欲しいんですけど、今は逆です。ぼくがあなたに〈光の杖〉を届けに参りました」

NOVA「へっ、どうして?」

ジョエル「いや、ぼくも詳しいことは聞いていないのですが、2018年のあなたがこの地でエネルギー源になりそうなアーティファクトを必要としていると伺って、それで父が遺した杖をお返ししようと待っていたわけです」

NOVA「つまり〈光の杖〉、英名ブリリアント・スタッフをくれる、と?」

ジョエル「ええ、ぼくにはもう必要ない物ですから。邪神を倒して、世界が平和になった以上、時の彼方に眠らせようと考えていた矢先に、未来のあなたが啓示を授けてくれたのです」

NOVA「未来の俺、偉い。っていうか、後から辻褄合わせをしないといけないんだよね、これ。しっかり記録しておかないと、すべきことを忘れてしまいそうだな。昔のことはいっぱい覚えているけど、新しいことがなかなか覚えられなくて、しっかりメモしないとミスってしまう」

ジョエル「父さんなら大丈夫ですよ。何しろ、偉大な伝説の魔法使いですから」

NOVA「小説の中では、ジョーニアス・トレントって故人なんだよな。杖に残留思念だけ宿らせて、ジョエルを導いてくれるけど。たぶん、ジョーニアスは死んだんじゃなくて、イモータルとして時空の彼方で違う次元に生きているのかもしれん。今の俺みたいに」

ジョエル「じゃあ、父さん。これ、〈光の杖〉です。これを使って、しっかり世界を正しい方向に導いてやって下さいね。時空を司る魔法使いの王として」

NOVA「ちょっと待て。お前も、俺を時空の魔王にしたがっているの?  俺、そういうのは断っているのに」

ジョエル「あれ、高校時代のぼくは素で、そういうことを考えていますよ。母校の校訓に『英知と情熱を持った世界の指導者に育て』的なフレーズがあって、そういうのを真面目に受け止めているんですから。もしかして、挫折して諦めたとか?」

NOVA「いや、たぶん諦めずに違う解釈をしたんだと思う。『世界っていっても、リアル世界でのリーダーになるのは大変だな。あ、空想世界をいっぱいつなげて、多元宇宙の指導者と仲良くなって、自分もそういう状況で世界のために活動すればいいんじゃないか。よし、俺は空想ワールドの管理役、マスターに成長するんだ!』って考えて、今に至る、と。確かに、英知と情熱は持っていると自認するぞ。時空魔術師として、王かどうかはともかく、少なくともウルトラマンキングの茶飲み友達ぐらいなら」

ジョエル「……つまり、30年後のぼくは、妄想世界で狂王になってしまったんですね」

晶華「少し違うわ。妄想魔術時空の王、略して妄魔時王。これこそがNOVAちゃんの生きる道」

NOVA「何でだよ。勝手に決めるな」

ジョエル「ええと、さっきから気になっていたんですけど、そちらの女の子は?  年の離れた恋人ですか?  母さんがいるのに、浮気ですか?」

NOVA「浮気じゃねえ。娘だ、娘」

ジョエル「娘、ということは、母さん以外の女性に手を出して、隠し子を作っていたということに。やっぱり浮気の証拠じゃないですか。父さんがそんな人だったなんて……」

NOVA「いや、そういう意味じゃなくてな。大体、俺はお前の父親じゃなくて、30年後のお前なんだから、俺の罪はお前の罪になるんだろうが。そもそも、俺は作者としてジョエルというキャラを創造したことは認めるが、俺自身がジョーニアス・トレントを名乗ったことはねえ。ジョーニアスと妻が夫婦になって、お前という息子を生み出したこと自体は、俺のした行動じゃないし、息子に浮気を責められるようなことも一切ない。とりあえず、俺をジョーニアスと同一視することはやめろ」

ジョエル「そうですか。ならば、この〈光の杖〉を託すことはできません。誰か別のジョーニアス候補を探します」

NOVA「ヘッ? 他にいるの、ジョーニアス候補?」

ジョエル「そりゃ、いますよ。多元宇宙なんですから。並行宇宙のどこかに、ぼくの父親になってくれる真のジョーニアス、〈光の杖〉の使い手となる時空の支配者、魔法使いの王にして、そのお嬢さんの言葉を借りれば、妄魔時王となるべく定められたWhite NOVAのドッペルゲンガーの一人や二人、見つかるでしょう。あなたは残念ながら適合者でなかったということで」

NOVA「ちょ、ちょっと待てよ。ここで俺がもしも〈光の杖〉をゲットしなければ、どうなるんだ?」

ジョエル「さあ。未来NOVAの話によれば、時空魔術を極めるのに〈光の杖〉が必須アイテムらしいですから、あなたは時空の物語から脱落して、ここで一生を過ごすことになるんじゃないでしょうか?  いわゆる、ゲームオーバーって奴です」

晶華「こうして、NOVAちゃんは花粉症ガールの粉杉晶華と、ペットのKPちゃんと一緒に、誰も知らない秘密の新世界でいつまでも仲良く幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし。『とある時空魔術師と娘の知られざる物語』完」

NOVA「終わらせるな。ちっともめでたくない。ここにずっといたんじゃ、パトレンジャーも、ルーブも、シンカリオンも、10月からの神牙も、アベンジャーズの映画の続きも、その他、楽しみにしている映像作品が一切、見られないじゃないか。それって、俺にとっては闇堕ちルートまっしぐらだぜ。『アナザーショーカ、俺の血を吸って俺を吸血時空魔術師にしてくれ。そうなれば、俺は今よりも強大な力を手に入れ、この囚われた世界から脱出してみせる。そして、何としてもパトレンジャーの物語の結末その他を見届けるんだ。正義のヒーローの物語を堪能するためには、俺は悪魔にだって魂を売り渡したって構わない』と言うぐらい精神的に追い詰められてしまいそうだぜ。俺から、正義のヒーローの物語を取り上げないでくれ」

ジョエル「何だかダメな大人を見ている気分になりました」

NOVA「だったら、お前の方だって『今年は大学受験生なんだから、TRPGは一切禁止。小説も書くな。ついでに、88年だったら仮面ライダーBLACK RXも、ジライヤも見るな。必殺シリーズの追っかけもダメ。もちろん、ロードスやドラゴンランスの小説を読むのもダメ』といろいろ規制されたらどうする?」

ジョエル「……気が狂って、世界なんて滅びてしまえって思いますね」

NOVA「そうだろ、そうだろ。さあ、息子よ。そのような娯楽のない絶望の世界は、我ら暗黒父子の力で滅ぼして、希望あふれる新世界を構築するのだ」

ジョエル「だから、そうなる前に〈光の杖〉を受け取って下さいよ。どうして、悪い方へ悪い方へ考えるんですか?」

NOVA「だって、魔王なんかになりたくないし。〈光の杖〉を受け取れば妄魔時王になってしまうが、受け取らなければ、この世界に囚われて確実に闇堕ちしてしまう。何だか究極の選択っぽいんですけど」

晶華「というか、NOVAちゃんは、とっくに妄魔時王になっていることに気づいていないの?  言い方を変えれば、妄想魔術時空の管理人。妄魔時管人(もうまじかんびと)なのよ」

NOVA「いやいや、そういう怪しいセンスの省略の仕方をするのが悪いんだろう。普通に妄想ブログの管理人でいいのに、あるいは、魔時空管理人(マジックマスター)だったら、目指してもいいなあ、なんて思ってしまう。とにかく〈光の杖〉を入手しなければ、最悪の未来が待っていることがほぼ確定しているんだから、俺は激しい葛藤の末に〈光の杖〉と、それに関わる責任をしっかり受け止めることにするぜ。ただし、条件が一つある」

ジョエル「何でしょう?」

NOVA「伝説のアーティファクトの割に、名前がシンプルすぎてつまらん。いや、30年前の自分のネーミングセンスに文句を付けることになるが、せめてもっと凝った名前にできなかったのかね。言霊魔術師として、俺が名前をもっと格好良く改めてやるぜ。〈光の杖〉はこれより〈白き栄光の杖〉、英名ホワイトグローリーに改める。こうして初めて、その杖はWhite NOVAの持ち物として魂に結び付けられることになるだろう。きちんと名前も書くぜ。『ほわいとぐろーりーのつえ』って」

ジョエル「どうして、ひらがな?」

NOVA「2068年の戦士の間では、装備にひらがなを使うのがトレンドらしい。こんな感じにな」

仮面ライダージオウ 時間厳斧DXジカンザックス

 ジョエル「よく分からないセンスですが、ぼくは昭和を生きるティーンエイジャーですし、未来ではいろいろ感じ方が違っているんでしょうね」

NOVA「そうかもな。俺だって、50年後の言霊センスがどうなってるかなんて、断定できるものでもないし」

ジョエル「じゃあ、確かに杖は渡しましたので、ぼくは去ります。また、時空のどこかでお会いしましょう。ジョーニアス父さん」

NOVA「ああ、またな。昭和の俺、なつかしい息子ジョエルよ」

晶華「……幽霊みたいにスッと消えちゃったね。17歳の時のNOVAちゃんだったら、私と恋人同士になれたかな」

NOVA「さあな。高校時代の俺は、まだ花粉症を発症していなかったから、花粉症ガールなんて存在が理解できたとは思えんが。とにかく〈光の杖〉改め〈白き栄光の杖〉をゲットしたから、これで何ができるか試したいところだな。そろそろ暗くなってきたし、明かりを灯すぐらいのことはできるだろうぜ。水を汲んで、さっさと帰ろうや。今夜は山小屋で夜を明かしても構わないな」

晶華「うん、今夜は焼き肉っしょ🍖🥩」

 

(こうして、NOVAと晶華は、過去の創作キャラからアーティファクトの杖を入手した。果たして、その杖の力はいかなるものか?  時空転移したハイラスの行方は? NOVAは妄魔時王と呼ばれる存在になってしまうのか?  未来NOVAは果たして何を目論んでいるのか?  多くの謎を残したまま、クリスタルレイクはただ静かにその光をたたえていた。つづく)


Final Fantasy IX OST - Melodies of Life (Japanese Version)


FINAL FANTASY IX あの丘を越えて (Over the Hill)