劇場版で、兄たちと共に究極超獣Uキラーザウルスを撃退したメビウス。しかし、超獣を生み出したヤプールの怨念は、消えていませんでした。
タロウとゾフィー
ヤプールの気配に気付いたタロウは、メビウスの支援を提案しますが、ゾフィー兄さんは「メビウスは一人じゃない」と発言し、タロウを制止します。
う〜ん、この発言の真意が今のところ不明ですねえ。
メビウスを助けるのが、「クルーGUYS」の面々なのか?
あるいは、地球に残った「ウルトラ4兄弟」なのか?
それとも、「サコミズ隊長」? ゾフィーが宇宙に残っているなら*1、サコミズ隊長の正体は何? 単に、ウルトラ一族に理解を示しているだけの地球人なのか? それとも、実は80だとか? そう考えるなら、ミサキさんも「ユリアン」に見えてきたり*2。
そう考えると、謎の総監は実は「真夏竜」氏だという可能性も考えたくなるわけで。
この辺り、まだまだ謎は尽きませんねえ。
ミライの成長
ヤプール編第1回の今回は、セブンのビラ星人や、新マンのゼラン星人に匹敵する精神攻撃の達人ヤプール相手に、心理戦では未熟なミライ君は翻弄される回だった、と。
ところで、以前、NOVAはこういうことを書いていたのですが、
本来、『メビウス』は「新米ウルトラマンの成長物語」の要素があったはずなのですが、これまで「クルーGUYSの面々」や「ツルギ→ヒカリ」の物語が主流になっていたため、肝心の主人公「メビウス(ミライ)」が脇に回っていました。(8月10日)
最近、雑誌記事で読んだミライ君役の「五十嵐隼士」君のインタビューによれば、
(劇場版はTV第1話以前に撮影したものなので)映画公開までのテレビではできるだけ映画と演技が変わらないようにしておいて、映画が終わってから、ちょっとずつ変えていこうと思ってたんです。今その折り返し地点で、これからミライがまた大きく成長していくんで、楽しみにしていて下さい。(ハイパーホビー誌10月号)
つまりは、「ミライをしばらく成長させない」は、シリーズ構成上の既定方針だったんでしょうかね。だったら、初期メビウスの欠点としてNOVAが考えていた、「GUYSメンバーにばかり焦点を当てて、主人公が脇に回っている」は、不作為な欠点ではなく、必然だった、ということになります。
となると、今後、ミライに焦点が当たり、成長していく物語が大いに期待できるわけで、「ミライの過去編」からヤプール編を経て、「ミライの成長」へと加速していくドラマも楽しみにしたいところ。
ファイヤーウィンダム
この回は、ヤプール復活もそうですが、このカプセルマケット怪獣も見どころですな。電気属性のミクラスに続き、炎属性のウインダム登場となると、次は氷属性のアギラなんてのも期待したくなるわけですが。
炎の元ネタは、「ゼットン」「パンドン」「ブラックエンド」と壮々たるメンツが並んでいたわけですが、その期待に恥じることなく、模擬戦でムカデンダーはあっさり撃破。しかし、自慢の炎もバードン相手には通じず。さすがは火炎怪鳥。
さすがはサコミズ隊長
さて、ミライを精神的に追いつめ、リュウさんに憑依までするヤプールですが、
それを見抜いたのは、我らがサコっち。本当にすごいよ、この人。「ダークザギ」に取り付かれた部下を見抜けず、また副官に反逆者が続出したりするナイトレイダーの隊長とは大違い……なんて、他作品を槍玉に挙げたりします(苦笑)。まあ、某シャドウの隊長の「カゲ○マ」氏や、元隊長でやさぐれた「ヤグ○マ」氏よりは、それでもマシなんですけどね(笑)。
とにかく、ツルギ(ヒカリ)の正体や、ニセメビウスの正体や、ヤプールを見抜く洞察力の鋭さは、常人をはるかに超えたところにいるこの人。これで、「ただの地球人でした」なんて言われたら……同じ地球人として嬉しいような、にわかに信じがたいような複雑な気分になりますので、精神的安定のためには、是非ウルトラ人であっていただきたいわけで……(苦笑)。
胸の炎を撃て!
ヤプールに憑依されたリュウを救うため、葛藤の末にリュウを撃つミライ。
もちろん、リュウが胸に「お守り」を仕込んでいるという伏線を了解した上で。
こういう「分かりやすいお約束ごと」は、作品を安心して見ることができますね。 「パターンの美学」は、伏線をどう「美しい演出」で見せることができるか、に掛かっているわけで、リュウの場合「胸の炎」というキーアイテムが光っています。
もちろん、最後の最後で、「ミライが心に描いた『妄想リュウ』は『胸の炎を撃て!」』と言った」けど、「リュウ本人はそんなことを知らずに、『胸の炎を撃った』ミライに怒る」というドタバタオチは、少し意外で笑えました。ミライは「リュウの心の声が聞こえたつもり」になっていたのに、リュウは「心の声なんて発信していない」わけですから(笑)。