１８日に見てきました。
黒部、森次、団、高峰の４氏の登場に感涙し、
彼らの登場シーンのＢＧＭが過去の作品主題歌やＢＧＭモチーフであることに聞き惚れ、
戦闘ＢＧＭが『ウルトラ六兄弟』アレンジだったりする点にも燃えました。
それに、ウルトラの諸先輩がミライを諭すセリフで、
郷さんが「星人は卑劣な策略で、我々の心の隙を突いてくる。心を強く持たなければならない」（うろ覚え）と言ったようなセリフに、ナックル星人戦を思い出したり、
メビウスのピンチに際し、率先して飛び出そうとする北斗に、熱血漢の彼らしさを感じたり、
本編中に過去のウルトラの名シーンが挿入されていたり、
もうマニア泣かせな映像が続出。
それでいて、基本は「少年とメビウスの成長譚」を崩さず、バランスがとれていると思います。
さて、以降は、戦闘シーンにしぼって、解説も含めた感想をば。ただし、ここから先はネタバレ注意ってことで。
対Ｕキラーザウルス
劇中、最初から初代マン、セブン、新マン、Ａのウルトラ４兄弟が、宇宙でＵキラーザウルスと戦いを繰り広げています。もう、最初から旧作ファンに対するツカミはＯＫ。
で、このＵキラーザウルス、デザインモチーフは「ゴツく威圧感溢れるエースキラー」だそうで、
そう言われてみると、なるほど、と思ったりも。
ヤプールの怨念のこもった、この究極超獣は、４人のウルトラマンでは撃破できず、ほとんどのエネルギーを費やす封印技「ファイナル・クロスシールド」で神戸沖に封じ込められます。それが２０年前とのこと。
対テンペラー星人
神戸で働くウルトラ兄弟、
そして神戸で観測される謎のエネルギー現象を調査に来たミライのガンウィンガーなど、兵庫県人のＮＯＶＡをいろいろ喜ばせる設定やら映像を見せた後、
Ｕキラーザウルスを復活させようとする異星人連合、最初の刺客が出現します。それがテンペラー星人。自分の力量に絶大な自信を持つテンペラーは、メビウスを倒して、他のウルトラ４兄弟をおびき出そうとします。
う〜ん、タロウの時と同じじゃん。
ただし、異なるのは、このテンペラー星人、メビウス一人にあっさり倒されます。いや、まあ昔よりも造形はよくなってるし、ＣＧを使った飛行シーンなど格好良かったし、戦闘シーンも健闘していたとは思うけど、
結局のところ、かませ犬に過ぎなかった、と。
「メビウスを倒した者が異星人連合のリーダーだ」と大口を叩いておきながら、他の宇宙人に「口ほどにもない」と言われ、それでも「メビウスの戦闘データを取る役には立った」と。
つまり、今回のテンペラーは、囮怪獣アロンや、再生ベムスター、シーゴラスと同じような役どころってことですな。
対ザラブ星人（にせメビウス）
力押しのテンペラーに対し、今度は知能派のザラブ星人です。
まず彼は、今回のヒロイン役である樹らんるもとい、ジングウジ・アヤさんを誘拐し、彼女に化けます。
そして、ミライ君に「しびれ薬入りのコーヒー」を飲ませます。う〜ん、フジ隊員に変身して、アラシ隊員を「眠り薬入りのコーヒー」で眠らせていたことを思い出す。
その後、にせメビウスに変身して、神戸の街を破壊。初代マンの時と同じじゃん*1。
しかし、全くの同じではなかった！
メビウスが暴れているのを見て驚くクルーＧＵＹＳの面々。しかし、我らがサコミズ隊長曰く「よく見ろ。あれは偽者だ。目つきが悪い！」
スゴイ！ 「特撮ドラマの劇中人物は、ヒーローの偽者を、外見の相違から見抜くことはできない」というお約束を破ってくれましたよ。さすがは、サコっち*2！
ともあれ、体が痺れたミライ君、何とか無理に変身して、苦戦しつつもニセメビウス、そして正体を現したザラブ星人を撃破成功。しかし、エネルギーを使い果たして……。
対ガッツ星人＆ナックル星人
力を使い果たしたメビウスを十字架に捕らえるのは、異星人連合残りの２人です。「十字架に捕らえる」というキーワードですと、エースキラー、ガッツ星人、ナックル星人……ということで、過去作品に対する見事なオマージュっぷりに脱帽です。
メビウスのピンチに、いよいよ我らがウルトラ４兄弟の出陣です。エネルギーを消耗した４兄弟が、命を掛けて後輩のメビウスを助けるべく、最後の変身を決意する……旧作ファンにとって、燃えるシチュエーション！
ベーターカプセルを掲げるハヤタ。
ウルトラアイを装着するダン。
右手を天にかざす郷。
左右のウルトラリングを胸の前で合わせる北斗。
そして、新撮された各ウルトラの変身登場映像！
この後は、４兄弟ＶＳガッツ＆ナックルの激闘。しかし、兄弟に残されたエネルギーはあまりにも少なく、すぐに点滅を始めるカラータイマー＆ビームランプ。
それでも、何とか２星人に必殺光線を浴びせる星の勇士たち。
その後、囚われのメビウスにエネルギーを分け与える４兄弟ですが、その隙を見計らって（実は生きていた）ガッツ＆ナックルに囚われることに。
異星人の目的は、初めからウルトラ４兄弟を捕らえ、その光のエネルギーを逆利用し、Ｕキラーザウルスの封印を解くことにあったのです。用なしとなったメビウスは、あっさり捨てられ、人間に戻ったミライの上には瓦礫が降り注ぐ始末。
復活のメビウス
ここでメビウスに力を与えるのは、アヤさんの弟のタカト君。怪獣ケルビムの出現の際、恐怖から愛犬を見捨ててしまった少年*3は、自分の心の中の勇気を信じることができず、引きこもっていたものの、ミライの激励、そしてウルトラ兄弟の激闘に、もう一度、勇気を取り戻したのです。
その姿に、一度は諦めかけていたミライも、逆に諭されて、もう一度、メビウスに変身。ガッツ星人を撃退し、兄たちの救出に成功します。しかし……。
究極超獣との決戦
ナックル星人がウルトラ兄弟から吸収したエネルギーは、時すでに、Ｕキラーザウルスの封印を解くに至っていました。
２０年ぶりに復活したＵキラーザウルスは、さらに成長し、全長３００メートルを越す、その異形の巨体は、まるでデビルガンダムのごとし。
いや、伸びる触手とか、いろいろ似ているんですよ、これが。ヤプールの怨念を受けて動き出した究極超獣は、自らを復活させたナックル星人をあっさり瞬殺。星人をただ利用しただけのヤプールに、慄然とするウルトラ兄弟。解放されたとはいえ、エネルギー不足の状態で難敵相手に打つ手が見出せずにいたその時。
遅ればせながら、ゾフィー兄さんと、メビウスの教官役だったタロウが、地球に舞い降りてきます。何とも美味しい役どころ。
二人からエネルギーを補充されたメビウス＆ウルトラ４兄弟。
メビウスも含めた「ウルトラ７兄弟」が、巨敵Ｕキラーザウルス・ネオに挑みます。襲い来る無数の触手をかいくぐり、アイスラッガーやブレスレット、八つ裂き光輪などの切断技で切り崩していきます。そして、ブレストファイヤーもといストリウム光線を放つタロウと、伝説の必殺光線Ｍ８７光線を発射するゾフィー。
そして、とどめを刺そうとするメビウス。しかし、Ｕキラーザウルスの頭部に、囚われの身になっていたアヤさんを発見し、攻撃を躊躇。その隙を突かれて、巨獣の大顎につかまれてしまいます。何とか、大顎に挟み込まれるのを両腕で食い止めようとするメビウス。それに対して、最強威力の光線を浴びせようとする究極超獣。
その時、メビウスの成長を実感したウルトラ兄弟は、自分たちの力をメビウスに集めます。「ウルトラ７重合体」して誕生した、その超人はメビウスインフィニティー。
無限の力を得た超人は、究極超獣の破壊光線をものともせず、その体内を突き破り、アヤさんを救出、その勢いのままに内部から巨獣を粉砕するに至ります。
大団円
こうして、戦いは終わり、ウルトラ兄弟たちは各自の居場所に戻ります。
メビウスは、ミライ隊員としてＧＵＹＳ基地へ。タカト君の勇気と笑顔を取り戻した彼は、新たな戦いに立ち向かう力を得たことでしょう。
神戸で、地球人として暮らしてきた４兄弟は、故郷へ帰る選択をとらず、今まで同様、地球人としての生活を継続。
そして、ゾフィーとタロウは、一度、宇宙へ帰ります。
*1:なお、この記事内における「〜〜と同じじゃん」は悪口ではなく、旧作のエピソードをうまく換骨脱胎したことへの賞賛の気持ちが込められています、念のため。
*2:劇中で、らんるちゃん、もといアヤさんは、サコミズ隊長のことをそう呼ぶ。
*3:回想シーンで、瓦礫の直撃をまともに受けた愛犬。それでも奇跡的に生きていた！ というのは驚きました（笑）。何か「怪しい宇宙生物」でも宿っていないか、気になります。ウルトララビドッグとか……。
*4:この後、ＴＶ版の２４話に続く設定。なお、エンディングのスタッフロールはいろいろな意味で、ウルトラシリーズの歴史を味合わせてくれるため、本編以上に燃える映像だったりします。今からＤＶＤで、じっくり再見できるのを楽しみに思いつつ。
