Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

妖精郷、5人めのケットシー(SWフェアリーガーデン1ー7)

第1部終了に向けて

 

GM(セイリュウ)「いよいよ、第1部も大詰めだ。お前たちの妖精郷での冒険も10日を越え、妖精郷同化度が上昇した結果、このままだと帰還できない可能性が出てきたわけだが」

サイバ(NOVA)「まだまだ1点だからな。3点までは問題ない」

ミリィ(晶華)「あたしは2点よ。日数を経過しなくても、妖精郷同化度が増えるイベント罠が仕掛けられているので油断できないわ」

サイバ「おや、もう、女の子に戻ったのかい?」

ミリィ→ミーレス「おっと、いけねえ。前回の話で、オレは男になったんだった。まあ、1日経ったら元に戻るんだが、それまでは男キャラのミーレスで行くぜ」

サイバ「確か、先月、カシュミーラと一緒に作ったシロ君のキャラ、ホリー&ガルドが男女の二重人格キャラだったよな。設定かぶってしまったじゃないか」

ミーレス「こっちは一時的なものだけどな。向こうは慢性的に二重人格だから、ロールプレイも大変そうだ」

サイバ「とりあえず、こちらの第1部が終わったら、次はコンパーニュで、マッスル太郎の続編が動き始める予定だと、作者モードで言っておく」

マークス(ケイPマーク2)「その前に、こちらはエマお嬢さま(=翔花ママ)を見つけたいところです」

サイバ「白百合の谷にいるという手掛かりが入ったな。だけど、そこには強大な力を持つヴァンパイアリリィがいて、一筋縄ではいかないと思われ」

ミーレス「ヴァンパイアリリィを倒すには、オレが妖精王の力に覚醒しないといけないんだな」

サイバ「いや、そういう話じゃないはずだけど」

GM「だが、お前たちの冒険次第では、そういう話にシナリオをアレンジしてもいい」

サイバ「マジですか?」

GM「こういうのは、プレイヤーとGMのノリと勢いで物語が生み出されるのがTRPGの醍醐味だからな。シナリオはあくまで物語の素材に過ぎず、ダイス目とプレイヤーの想像力、創造力で思いがけない展開になる可能性も少なからずあるわけだ」

サイバ「それには同意しますが……GMとして上手く裁定できますかね?」

GM「わしが困ったときは、お前が辻褄合わせをすればいい。良きに計らえ」

 

11日めの旅程

 

ミーレス「では、夕方に鉱山を探索して、目的のニョッキが南西エリアの【崩れゆく場所】に向かったことが分かったわけだ」

マークス「今夜は一度、大神殿で休んで、それから朝に南西エリアへ向かうことにしますか」

サイバ「いや、少しでも早く探索を進めるために、今夜は強行軍だ。夜に西エリア、深夜に南西エリアの風車の谷に到着して、そこで泊めてもらって、朝から鳥籠の木→白百合の谷→崩れゆく場所まで一気に攻略だ」

マークス「では、11日めの夜、火柱の塔へ向かう途中で、ランダムイベントは……発生したようです」

GM「小さな川が流れていて、小さな橋が掛かっている。誰が渡る?」

マークス「では、警戒しながら私が」

GM「すると渡っている途中で不意に橋が消滅して、マークスは2メートル下の川に落下する。ダメージはないが、ずぶ濡れになってしまう。小妖精の笑い声が聞こえてきて、どうやらイタズラだと分かった」

マークス「船乗りとしては、これぐらい日常茶飯事。川の深さはどれくらいでしょうか?」

GM「せいぜい膝までだな。歩いて渡ることができる」

ミーレス「だったら、オレは馬のノマちゃんに乗って、難なく渡るぜ」

サイバ「ぼくも同乗させてくれないかな。戦闘時じゃなければ、二人乗りしても問題ないはず」

GM「二人乗りの際は、行動判定にー4のペナルティーを受けるがな。騎芸【タンデム】を習得していれば、騎手のペナルティーがなくなり、同乗者もー1のペナルティーで済むようになる」

ミーレス「仕方ないな。二人乗りの訓練はしていないから、判定が必要なら、すぐに降りてもらうので、そこのところよろしく」

GM「では、特に問題なく、騎乗したまま川を渡ることができた」

マークス「私も徒歩で、濡れてしまいましたが、歩いて渡れますね」

GM「そうだな。そして、この経験で★1つを進呈しよう。妖精郷では、全てが見たままとは限らないということだ」

サイバ「怪しいと思ったときは、センス・マジックで魔力探知した方がいいかもな」

マークス「私もマナサーチを使えますので、覚えておきます」

 

GM「では、夜に火柱の塔に到達するが、入ってみるかね?」

サイバ「いや、今は先を急ごう。さらに南下して、南西エリアへ向かう」

マークス「今回はランダムイベントは発生しませんでした。無事に風車の谷に到着したようですね」

サイバ「深夜だけど、知り合いのビッツさんのところに泊めてもらおう」

GM「泊めるのはいいが、ランダムクエストが発生したぞ。どうやら、同じエリアの崩れゆく場所に魔物インプが出現して、村まで飛んできて軽いイタズラをして困っているので、退治して欲しいとのこと」

サイバ「インプだって? 魔物知識は14」

GM「レベル2、HP16のザコ魔神だが、崩れゆく場所という地形が危険らしい」

サイバ「どっちにせよ、ぼくたちはそこに行かなければならないので、その仕事は引き受けた」

GM「報酬は★2つと300Gってことで」

 

12日めの朝(鳥籠の木)

 

サイバ「深夜に泊めてもらい、1tb(4時間)眠って、翌早朝に軽い食事をとって出発だ。朝には鳥籠の木に到着する」

ミーレス→ミリィ「じゃあ、そこであたしはやっと女の子に戻れたわ。ワイルドなオレキャラから、みんなのアイドル、見目麗しいカシュミーラの復活よ」

サイバ「見目麗しい……ねえ」

ミリィ「エルフだから見目麗しいのは確定事項なんだから」

エルフ村 第2村人 シーカ 1/6スケール PVC/ABS製 塗装済み 完成品 フィギュア
 

サイバ「何だ、お子さま体型のエルフ・イメージなのかよ」

ミリィ「仕方ないじゃない。短剣を武器にしているフィギュアが、これしか見当たらなかったんだから。本当はあたしも、こういうイメージにしたかったわよ」

サイバ「なるほど。ミリィは大人に憧れる、まだまだお子さまエルフのイメージだったんだな」

ミリィ「だったら、NOVAちゃんのサイバ☆リオンはどういうイメージよ。弓を持った魔法使いって感じのフィギュアはある?」

サイバ「こんなところかな」

聖闘士聖衣神話EX 聖闘士星矢 サジタリアス星矢 約170mm ABS&PVC&ダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア

ミリィ「いやいや、聖闘士は魔法使いじゃないし」 

サイバ「じゃあ、こっちか」

ミリィ「まだ、そっちのホークアイのイメージかもね」

サイバ「あるいは、こっちも」

ミリィ「グリーンアローさんか。アメコミで弓使いを探すと、どうしても暗殺者っぽくなるわね」

マークス「魔法と弓というと、これなどいかがでしょうか?」 

サイバ「ああ、アポロンはいいかもな。詩歌文芸の神でもあるし。だったら、キャプテンはどういうイメージだ?」

脇役艦長の異世界航海記 ~エンヴィランの海賊騎士~ (アース・スターノベル)

脇役艦長の異世界航海記 ~エンヴィランの海賊騎士~ (アース・スターノベル)

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マークス「こんなところでしょうか。問題は、この妖精郷で私が操る船が手に入るか、という ……」

サイバ「船にしても、飛空船にしても、フェアリーガーデンでは手に入らなかったと思うぞ」

マークス「よって、私の船長設定は、ただの背景でしかないのです。でもロールプレイとしては、エマお嬢さまを助けて、いつか広い海原を自由に旅したいという願望だけで十分。まあ、それを邪魔する悪役貴族への復讐も考えてはいますが、それは妖精郷とはまた違う物語ということで」

 

GM「話を進めるぞ。12日めの朝、鳥籠の木に到着したわけだが」

サイバ「おおい、ディーラさん。先日、白紙の本をいっぱい進呈したサイバ☆リオンと仲間たちだ。あの後、ここに妖精王に関する面白い本があると聞いてきたんだが、読ませてもらえないかな?」

ディーラ『だったら、私たちの頼みも聞いてくれる?』

サイバ「どんな頼みだい?」

ディーラ『火柱の塔に魔動機師ダレスという人間が住んでいたんだけど』

サイバ「ああ、そうらしいな。今は住んでいないのか?」

ディーラ『ダレスは寿命で亡くなったから、彼の塔は危険な迷宮になってしまったのよ。その中にダレスが書き記した〈ダレス写本〉という資料があって、私たちの執筆のためには大変貴重だと考えているの。彼の写本を持って来てくれたら、私たちの本も見せてあげるわ』

サイバ「なるほど。大変、興味深い情報だ。ダレスの本も、君たちの本もね。では、君たちと同じ書物をこよなく愛する者として、そのクエストは引き受けた。ただし、火柱の塔を攻略するには、今の我々では少々力不足と思われるので、すぐというわけにはいかない。また、そのうちに、とお約束しよう」

ディーラ『ええ、私たちも急がないし、他にもいろいろ書きたいことがあるし、あなたたちの冒険の話もまた聞かせてね』

サイバ「ああ、分かった」

ミリィ「それにしても、この妖精郷って冒険譚に飢えているNPCが随分と多い気がするんだけど」

GM「基本は平和な世界だからな。刺激となるエンタメに飢えているのだ。もっとも、最近、妖精郷の各地で異変が生じているという噂も流れてきて、人々が外の情報を気にしているというケースもある。危険は冒したくない、しかし情報は欲しいとなれば、お前たちのような旅人、冒険者に期待が集まるということだろう」

サイバ「では、クエストを受けて、火柱の塔を探索するモチベーションがさらに高まったところで、次は白百合の谷へ行くとしよう」

ミリィ「移動判定は成功したわ」

GM「では、お前たちは昼に白百合の谷に到着した」

 

白百合の谷(12日めの昼)

 

GM「断崖に挟まれた細い谷の間に、小川が流れている。小川のほとりには、純白の百合が咲き乱れていて、周囲には甘い香りが充満している。谷底は常に霧で閉ざされているため、昼間でも太陽の光は届かない。点在する金属柱の上に灯された魔法の明かりが、乳白色の闇を照らしている」

サイバ「ああ、昼間だったらヴァンパイアは寝ているか、と思ったが、霧で太陽の光が届かないのか。厄介そうだな」

GM「では、1Dを振ってもらおうか。これによって、お前たちの運命が決まるかもしれない」

ミリィ「じゃあ、あたしが。5」

GM「(4以下なら警告があったのだがな)では、百合の濃厚な甘い香りに、意識が朦朧としてくる。目標値20で精神抵抗力判定をせよ」

サイバ「目標値20だと? 基準値6のぼくにどうしろというんだ? いや、ぼくの運命はこんなところで終わるわけにはいかない! そう叫んで、スペシャルルール『剣の恩寵』を使うぞ。これで+4の判定ボーナスがもらえる。後はダイス目で10以上出せばいい。(コロコロ)惜しい、9だった」

GM「サイバ☆リオンは抵抗虚しく、眠りに落ちてしまった」

サイバ「せめて、ここに入る前に【カウンター・マジック】で精神抵抗力+2にしておくべきだった、グーグー」

マークス「お嬢さまと再会するまでは、私は倒れるわけにはいかない! これで私も『剣の恩寵』を使います。基準値9で、11が出れば! (コロコロ)4で失敗。ZZZ」

ミリィ「みんなッ! あたしも『剣の恩寵』を使うわ。ええと、希望の光よ、あたしを守って! 基準値9で11以上! (コロコロ)3。おやすみなさい💤」

GM「こうして、お前たちは百合の魔力で、全員熟睡することとなった。では、お前たちの中でランダムに吸血鬼に血を吸われることになる。1〜2でサイバ、3〜4でマークス、5〜6でミリィとなるが(コロコロ)3でマークスだな」

マークス「私はルーンフォークですよ」

GM「……きっと、その吸血鬼はメカフェチにして、メガネフェチなのだろう。あるいは、ルーンフォークの血を珍味と思ったか。とにかく、マークスは夢の中に理想の女性が出て来て、目くるめく体験をした」

マークス「いけません、エマお嬢さま。そんなところを噛むなんて、ああ……」

GM「そうして、お前たちが目覚めた時には夕方になっていた」

マークス「何てこと。お嬢さまが吸血鬼になって、私を誘惑してくるなんて……」

サイバ「ぼくたちは、そういう被害は受けていないんだな」

GM「『誘惑の吸血』を受けたのはマークスだけだ」

ミリィ「さて、この後、あたしたちはどうしたらいいのかしら?」

GM「選択肢は2つ。このまま何もせずに引き返すか、それとも先に進むか」

マークス「先に進みましょう。エマお嬢さまを見捨てて引き返すわけにはいきません」

サイバ「精神抵抗判定20なんて、明らかに耐えられないけどな。せめて冒険者レベル5以上なら基準値8、そこにカウンターマジックとか、月光の魔符を使って、何とか成功の目があるかどうかって感じだし」

GM「一応、『剣の恩寵』はまだ使えるぞ。判定に失敗した場合は、消費したことにならないからな」

サイバ「そうは言ってもな」

マークス「お願いです。せめて、エマお嬢さまの姿を一目だけでも見ないことには、このキャプテン・マークス、何のために妖精郷に来たのか」

ミリィ「あたしたちはただ眠っただけで、被害を受けていないのよね。だったら、大丈夫じゃない?」

サイバ「う〜ん、GM。次に精神抵抗を必要とする気配を感じたら、先にカウンターマジックを使う宣言できるか?」

GM「事前に、そうするように警戒していれば、可能としよう」

サイバ「だったら『剣の恩寵』を入れて、ぼくは8以上、他は9以上で成功するか。ぼくに運命変転が使える以上は、出目7以外は成功できる。それなら、次に全員が眠る可能性は6分の1以下……と直感的に計算してから、宣言するぞ。よし、ここはキャプテンに免じて、先に進むとしよう。その代わり、再び今のような眠りの危険が生じたら、それまでだ。

「ぼくは今、怖いもの見たさ、作家としての取材を求める情熱と勇気に突き動かされているが、自殺願望は持っていない。だから、明らかに死ぬような災厄に見舞われたときには、遠慮なく仲間を置いて逃げるからな」

マークス「ええ。お嬢さまのために死ぬのは、私一人で十分です」

サイバ「うむ。そこまで君が忠義を尽くすお嬢さまがどれほど魅力的なのか、それには興味がある」

ミリィ「あたしは楽観的に考えるわ。シャイニーな妖精の加護がある限り、吸血鬼が自分に手出しすることはできないって信じてるし」

 

GM「では、お前たちが無謀にも霧の奥に進み続けると、やがて小川のほとりに出た。そこには、キャプテン・マークスが慕い求めて来た亜麻色の髪の少女、エマ・ショーカ・ローズワースが膝を抱えて座り込み、ぼんやりと虚空を眺めている姿が目についた。ここまでたどり着いたことで、★2つを進呈しよう」

マークス「ええと、本当にお嬢さまですか? 吸血鬼になっていたりは?」

GM「いや。そのような気配はない。まだ、普通に生きてはいる。ただし、心ここにあらず、と言った感じで恍惚とした状態だ」

マークス「起こそうとします」

謎の女性の声『およしなさい』

マークス「誰ですか?」

GM「そこに立っていたのは、緑色のドレスをまとい、ブラウンの長い髪と、きらめく真紅の双眸を持つ妖艶な女性だ。『お初にお目に掛かります。わたくしは、この百合の谷の主人で、ディアナ・ラフィーダと言います。あなた方は外の世界からの来訪者ね』」

サイバ「つまり、ヴァンパイアリリィなんだな。勝てないのは明らかなので、流れるような仕草で土下座をするぞ。ぼく、ドゲザえもん🙇‍♂️」

ミリィ「リオン様を蔑んだ目で一瞥し、それからディアナさんを強気に睨みつけます。あなたはこの谷の主人と言いましたね。しかし、あたしは将来、この妖精郷全てを統べる女王になるの。カシュミーラ・ミルモワール、この名を覚えておくといいわ」

ディアナ『カシュミーラ・ミルモワール。たいそうな野心家ですのね。己の力量も顧みることなく。しかし、そういう人は嫌いじゃない。わたくしに協力するのなら、妖精郷の真の女王の地位に近づけさせてもよくてよ』

ミリィ「真の女王? それは一体? アラマユさんのこと?」

ディアナ『アラマユは偽りの女王よ。真の女王は……って、あなたにまだ語ることではありませんね。そう、この妖精郷は虚飾と幻想が渦巻く場所。光の差し込む世界の影で、闇が息づき、やがて世界が崩壊する危機にある。死を恐れるなら、不死の神メティシエに祈りなさい。そうすれば、闇の世界で永久(とこしえ)に、力を持って生きられる』

ミリィ「不死の神メティシエとは、また物騒な名前を聞きました。だけど、あたしが今、望むものは一つ。あなたが捕らえたエマさんを解放すること。それ以外の欲しいものは、自分の手でつかみ取るわ。闇の神さまの力を借りなくてもね」

ディアナ『あなたも光に祝福されているのね、カシュミーラ。エマ・ショーカと同様に。今すぐ手折ってやりたいけれど、それでは面白くもないし、美しくもない。わたくしはあなたたちが光を捨てて、闇に膝まずく姿が見たいわ。そう、そこの情けない男のようにね』

サイバ「ぼ、ぼくのことか? いや、これは単に美しい淑女に対する礼儀としてだな……と、慌てて立ち上がる」

ディアナ『あなたも力を求めているのかしら?』

サイバ「いや、力はどうでもいいが、素晴らしい物語の素材をだな。光と闇のコントラストを為す壮大なファンタジーロマンを描きたい。そう、光だけでも闇だけでも、物語は単調でつまらない。ぼくの求めるのは、光と闇の果てしない闘争の末に生まれるウェイクアップ、ヒーローで、愛に勇気を与えてくれる英雄譚だ。光にも偏らず、闇にも苛まれず、双方を客観的に見つめる中立視点の物語こそ我が美学」

ディアナ『そういう中立を口にする輩は、信用できないわ。まだ、光に与する者の方が反転させやすいので好ましいぐらいよ』

マークス「とにかく、ディアナさん。エマお嬢さまを返して下さい。そうすれば、私はどうなっても構いませんから」

ディアナ『しかし、エマ・ショーカは今、幸せな夢の中にいます。その眠りを覚まさせるのは無粋なことと思いませんか? わたくしは自分の庇護下にある者が、幸せな夢を奪われて苛酷な現実に呼び戻されることを望みません』

サイバ「永遠の夢にまどろみながらの生か。物語のテーマとしては悪くないが、それだけだと、いかにも単調だ。物語には変化が必要なんだよ。安らぎだけでは死んでいるのと同じだ。安らぎの後には試練、そして試練を克服してこそ、安らぎにも価値が出て来る。永遠の中にも彩りを、安らぎの中にも刺激を、日常の中にも非日常を、これこそ物語の魅力なんだ。ぼくは、そういう刺激を楽しく紡ぎ出せる人生でありたい」

ディアナ『あなたの言っていることは、すなわち刺激的な人生を送り、また、その刺激を世界に伝えたいということですか。それなら取り引きをいたしましょう。あなたたちはエマ・ショーカを解放したい。ならば、わたくしにも解放したい者がいます。我が最愛の妹、シーラ・ラフィーダの解放を、あなたたちに依頼します。それで対等な交換条件と考えますわ』

ミリィ「シーラさんを解放すればいいのね。お安い御用だわ」

サイバ「おい、ミリィ。安請け合いするな」

マークス「私も、その依頼を引き受けます。それでエマお嬢さまが解放されるなら」

ディアナ『シーラは、北の大神殿に封印されています。大神殿には、妖精神アステリアの封印が施され、わたくしには手が出せませんが、闇の穢れを持たない人族のあなた方なら大丈夫のはずですわ。妹を助けてくださいませ』

 

GM「そう言って、ディアナ・ラフィーダは、お前たちにクエスト『シーラ・ラフィーダを大神殿の封印から解放せよ』を授けた。このクエストを達成するかどうかは、お前たちの自由だが、何はともあれ★2つを進呈しよう」

 

12日めの夜〜未明(迷走タイム)

 

GM「ディアナ・ラフィーダとの交渉が終わったと思うや、お前たちはいつの間にか白百合の谷の外に出ていた。空はいつしか夕日が落ちて、夜になろうとしている。次はどこに向かうか?」

サイバ「風車の谷に戻るか、それとも、夜に明かりをつけたまま崩れゆく場所を探索するか」

ミリィ「急いだ方がいいと思うので、移動判定。🎲🎲」

サイバ「急ぐと言っていて、それかよ。ピンゾロで、エリアを越えて道に迷うとは。どこに出たんだ?」

ミリィ「ええと、西エリアの【凍てつく山】ね」

サイバ「こんな夜中にどうして、雪山登山をしないといけないんだ? お前は自殺願望でもあるのかよ?」

マークス「我らは闇に毒されたみたいですね」

サイバ「ええい、今は雪山には登らず、そこから風車の谷に戻る。移動判定はぼくが振るぞ。4。ええと南西エリアの【砂に埋もれた街】に出た」

マークス「どんどん、新しい場所が開示されて行きますね」

ミリィ「深夜の妖精郷を迷子になって、さまよい歩くあたしたち。まるで、闇の妖精に魅入られたよう」

マークス「次は未明ですね。私が振ります。今度は成功。明け方にようやく風車の谷に帰って来ましたよ」

サイバ「朝は寝床でグーグーグーだ。ニョッキ探しは、13日めの昼から再開ってことで」

 

13日めの昼(世界崩壊の危機!?)

 

ミリィ「では、崩れゆく場所への移動判定よ。今度こそ成功。ここに寄せつけない呪いが解除されたわ」

サイバ「移動判定に失敗したのは呪いのせいかよ」

ミリィ「うん、呪いよ。大体、場所の名前からして呪われているわ。『一筆啓上、崩壊が見えた』って感じね」

サイバ「そんな必殺マニアにしか分からないような例えを持ち出されてもな。しかし、言葉の意味は分からなくても、とにかく最終回っぽいことが伝わればいい。で、この呪われた場所にニョッキがいるのかな?」

GM「ニョッキと遭遇する前に、2体のインプが現れた。『キキー。ここは妖精郷を侵食する異界の力の溜まり場だ。死ねえ』と魔神語で言って襲いかかって来るぞ」

サイバ「しかし、魔神語は分からない。何やら襲い掛かって来たが、こいつらが村で請け負った仕事の的だということは分かった」

ミリィ「先制判定は12よ」

マークス「では、マッスルベアーと魔力撃を宣言して、殴ります。命中判定は15で当てて、ダメージは……低くて14点」

GM「残りHPは4点だ」

ミリィ「じゃあ、とどめは任せたわ。あたしはあたしの敵を狙う。まず、魔力撃を宣言してから、命中判定は14。当たったので、ダメージ行きます。クリティカル1回で17点ダメージ」

GM「残りHPは1点」

ミリィ「だけど、あたしにはノマちゃんがいる。蹄で蹴って、命中は10」

GM「それは避けられた」

ミリィ「ノマちゃん、しっかりしてよ」

サイバ「ぼくはしっかりするぞ。ええと、〈魔法拡大/数〉でエネルギーボルト2発を撃つ。魔法行使は、おお、6ゾロだ。ダメージは、無駄にクリティカルを重ねた17点と6点だが、どちらも撃墜したな」

ミリィ「戦利品は外れだけど、自動で得られる〈悪魔の血〉(100G)が2つね」

GM「では、場所の説明に移るぞ。平原の真ん中に大きな穴が開いていて、ゴオゴオと風が唸りを上げながら渦を巻いている。穴の中は虹色の空間になっていて、時折、縁の地面が崩れ落ちて行くのが見える。目標値13の見識判定をせよ」

サイバ「任せろ。ダイス目は6だが、運命変転で8に変えて、ちょうど成功したぞ」

GM「どうやら、妖精郷を維持する魔力が弱まっていることで、発生した亀裂らしい」

ミリィ「そんな。あたしが治めるべき世界が崩壊の危機にあるなんて。妖精郷の平和は、あたしが守らないと」

GM「すると、『お前たちも、この地の異変に気付いて調べに来たのか?』と声を掛けて来るケットシーがいる」

サイバ「ニョッキさんか?」

ニョッキ『ああ、そうだが。お前たちは?』

ミリィ「あたしはカシュミーラ。妖精郷の平和を守るために天より遣わされた者よ。グラタンがあなたを呼んでいる」

ニョッキ『天より遣わされただと?』

ミリィ「そうよ。すでにペンネも、ドリアも、パスタも、あたしの導きに応じて、おもてなし亭に集まっている。後は、あなたが来れば、『おもてなし戦隊ネコネコファイブ』の結成よ。いやとは言わせないわ」

ニョッキ『いや、仲間のケットシーが全員集結するのはいいのだが、そのネーミングは何とかならないか?』

サイバ「まあまあ。ネーミングが気に入らないなら、好きにして構わないんだけど、とにかくグラタンが君を呼んでいるのは間違いない。天より遣わされたのは彼女の妄言だけど、ぼくたちが運命に導かれているのは本当だ」

ニョッキ『何やら言っていることは分からんが、一つだけ分かっていることがある。今すぐ、ここから離れないと危険だぞ。崩壊が進んでいる』

サイバ「何だって?」

GM「では、これより『大崩落イベント』を開始する。お前たちは崩れる穴から5距離のところにいる。穴は毎ラウンド、1距離か2距離分、お前たちのところに進んで来る。お前たちは冒険者レベル+敏捷度で判定して、達成値9以上を出せば2距離分逃げることができるが、失敗すれば震動でふらついて移動できない。そして、5距離分移動すれば、脱出に成功するわけだ」

サイバ「つまり、穴(0)、ぼくたち(5)、ゴール(10)という配置になっていて、穴に追いつかれる前にゴールまで辿り着ければいいんだな」

ミリィ「あたしは馬に乗っているんだけど、どうなるの?」

GM「だったらライダー技能による騎乗判定に成功すれば、いいことにする」

ミリィ「それって基準値が低くて不利じゃない?」

GM「その代わり、馬は3倍の速さで走るので、1回成功すればゴールまでたどり着けるものとする」

ミリィ「普通に走って基準値6で3回成功するか、馬で基準値4で1回成功するか、ね。分かった。ライダーとしては、馬を華麗に操って逃げてみせるわ。よし、出目7で11。素早く危険から一目散に逃れる」

サイバ「って、一人だけ逃げるなよ。ぼくは基準値6だ。まあ、1ゾロが出なければ成功か。余裕だな。はい、成功。現在地は7だ」

マークス「私も基準値6です。問題なく成功して、7です」

サイバ「じゃあ、あと2回成功すればいいんだな。一気に振って、どちらも成功」

マークス「では、私も。ピンゾロは回避しました」

GM「何だ、つまらん。穴に追いつかれてしまったら、そのまま吸い込まれて、どこかの異界に飛ばされて見事にゲームオーバーになっていたのに」

サイバ「さすがに冒険者レベル判定で、難易度9には失敗しないだろうな。これがスカウトやレンジャー技能の判定なら、習得していなければヤバかったろうが」

 

ニョッキ『ふう。ここまで来れば安心だ。お前たちも命拾いしたようだな』

ミリィ「これって相当、大問題じゃないかしら? 妖精郷が異界の穴に引きずり込まれているってことでしょう?」

ニョッキ『おそらく、妖精郷を滅ぼそうとしている魔神の仕業じゃないか、と思う』

サイバ「魔神かあ。『リオン戦記』でも30年前の魔神戦争編が描かれていたなあ」

ニョッキ『正に世界の危機という奴だな。至急、対策を立てねばならん』

マークス「この穴は放置しても構わないのでしょうか?」

ニョッキ『今すぐ、この区画の外まで被害が広がることはないだろうが、20年から30年先には、このエリア全体が崩壊し、妖精郷全てが崩壊するには、ざっと100年後と言ったところかのう』

サイバ「100年後に世界が滅びる、と言っても、人間としてはいまいち実感が伴わないなあ。自分が死んだ後の話だし」

ミリィ「でも、エルフにとっては100年って他人事ではないわ。それにリオン様だって、ご自分の小説を後世に読んでくれる未来の読者さんのことを考えるなら、世界が滅びていいはずないわよね」

サイバ「ああ。未来の読者のために、ぼくたちはこの妖精郷の崩壊を防ぐ方法を探し求めねばならない!」

 

GM「そう決意して、今回の冒険はここまでだ。ニョッキと合流したので、★3つを進呈しよう。あと、インプ退治のクエストも達成したので、風車の谷に報告に戻ったということで、★2つと300Gも追加していいぞ」

サイバ「では、今回の冒険の後始末と成長の儀を次回に回して、第1部完ってところだな」

 

●妖精郷の探索範囲(第1部7話終了時点)

 (青字は宿泊可能

 

鉱山  骨の丘         屋根付き橋

 l   l            l

花迷路大神殿ーー停留所ーー花畑ー羊ヶ原ー魔法陣

     l    l

   火柱の塔   l薬草園ー鏡の池

   l      l l

凍山 l煙草の森ーおもてなし亭

ll l l

ll 風車の谷ーー赤い河

ll lll

l白百合l鳥籠の木

l の谷   l

l      l

砂の街ーl

    l

崩れゆく場所

  • 中央エリア:おもてなし亭、薬草園、鏡の池
  • 西エリア:煙草好きの森、火柱の塔、凍てつく山
  • 南西エリア:風車の谷、鳥籠の木、白百合の谷、崩れゆく場所、砂に埋もれた街
  • 南エリア:赤い河
  • 北西エリア:大神殿、骨の丘、花園の迷路、妖精の鉱山
  • 北エリア:停留所
  • 北東エリア:羊ヶ原、花畑、屋根付き橋、魔法陣の広場

 

●フェアリーガーデン第1部7話の状況

 

経験点:★14個、魔物退治分110点

金銭収入:お金300G、戦利品530G分

 

妖精郷同化度1(カシュミーラのみ2)

 

エスト&冒険目的

「エマのハンカチを見つけて、帽子とセットにする」

「煙草好きの森にパイプ草を持っていく」

「火柱の塔に〈炎精鉱〉を持ってくる」

「火柱の塔にいるレベル5魔動機ドゥームを倒せるよう成長」

「大神殿の信者を解放できるよう成長」

「火柱の塔にある〈ダレス写本〉を入手」

「鳥籠の木のディーラに〈ダレス写本〉を渡して、代わりに妖精郷の秘密に関する本を読ませてもらう」

「白百合の谷のエマを救出する」

「そのために、大神殿に封印された吸血鬼シーラを解放する?」

「崩壊しかけている妖精郷を救う」

 

冒険達成度:ニョッキを連れ戻した(+2%)

 合計8%

 

(当記事 完)