White NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガールというオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

時空魔術師VS太陽星輝士(ラーリオス編 1話)

本編前雑談「ラーリオスって何?」


NOVA「さて、7月に入ってしまったが、久々に翔花伝の続きだ」

翔花2号「メガネンジャーとの掛け持ちは大変ね」

NOVA「まあ、これも地震が悪い。あの地震のせいで、6月のスケジュールは結構狂った感じだ。内海さん並みにな」

翔花2号「げんとくんのファッションほどではないわよ」

NOVA「何を。今朝は真面目な氷室幻徳さんだったじゃないか。内海マッドローグの執拗な言葉責めに対しても立ち直り、仮面ライダーは不滅だ、と啖呵を切る。これがヒーローでなくて何と言おうか。そう、ヒーローはピンチからも雄々しく立ち上がらないといけないんだよ」

翔花2号「内海さんだって、また立ち上がるわよ」

NOVA「エボルの命に従って、尻尾を振っているうちはダメだな。まあ、一応は反旗を翻すフラグも立ててはいたが、とりあえずはエボルが強すぎるため、やられ役として重宝するのがマッドローグって感じだ。以前の幻徳ローグに付いてきたブロス兄弟の立ち位置を見事に踏襲した形になっている。何だか強敵ぶって調子づいているんだけど、すぐに逆転され、『バカな。性能的にはこちらが有利なはずだ、奴のこの力は一体?』とヒーローサイドに華を持たせてくれる存在。裏読みをすれば、負け癖のついたげんとくんに発破をかけ、感情の高まりによってハザードレベル向上に寄与してくれる深謀遠慮で親切な内海さんだ。煽ることで相手を発奮させ、本気の書き込みを引き出そうとする、議論系の掲示板なんかでもたまにいるようなイヤミキャラだな。まあ相応の実力がなければ、難しい立ち位置なんだが、大抵は憤った相手に罵られるだけに終わる」

翔花2号「もう、内海さんの話はいいから、それより私が聞きたいのはラーリオスよ。何、それ?」

NOVA「ああ、ヒーローになり損ねたダメな奴の話だ。具体的には、ラーリオスには3人の書き手がいてな。1人は言い出しっぺの原案者、もう1人は俺ことWhite NOVA。3人めは、2人の話に感化されて試し書きした自称・女子学生だな。ええと、昔は3作とも、こちらのサイトから読むことができたんだがな。管理人のK.K氏が、原案者の人生相談メールその他に付きまとわれるのに嫌気が差したとのことで、原案者の作品のみ今は見られない。本来なら、原案者が自分でこういう作品発表サイトを作るべきだったんだが、結局のところ、原案者もそこまでラーリオスにはこだわりを持っていなかったようで、2018年現在、ラーリオスのことを思い出の作品として、しきりに書いているのは俺だけじゃないかな。一応、俺の書いた作品、前日譚の『プレ・ラーリオス』はホビー館の別館のこちらのサイトで読むことができる。2008年スタートなので、今年で十周年。最後にアップしたのが2014年6月なので、4年間放置しっぱなしということになる」

翔花2号「つまり、花粉症ガールが倒すべき悪霊候補の最新版といったところね」

NOVA「ああ、元々はラスボス候補だったんだが、気が変わった。花粉症ガールの話が当初の想定よりも話が膨らむ感じなので、いつまでもラーリオスなんぞに縛られることが創作上の足枷だと思うようになってな。企画開始十周年というメモリアルイヤーでもあるし、この辺りで昔の因縁から脱却したいと考えた次第だ」

翔花2号「つまり、1号ちゃんとNOVAちゃんで、過去の遺物の化け物をボコボコにして、合点承知の必殺供養をしようって企画なのね」

NOVA「いや、それは俺のラーリオス企画最初の作品『太陽の失墜』で、すでに完了している。風の星輝士ソラークが竜巻槍レイ・ヴェルクで、超電磁スピンのように化け物ラーリオスを貫いて撃退しているんだ。その後で書いた『夜明けのレクイエム』において、化け物ラーリオスの前日譚と、いかにして暴走に至ったかという背景、そして、死後の魂の救済まで書くつもりだったんだが、未完だったわけで」

翔花2号「じゃあ、今度こそ完結させるつもり?」

NOVA「いや、プレ・ラーリオスの悲劇そのものをなかったことにする」

翔花2号「何それ?」

NOVA「まあ、時空魔術師にして、作者だからこそできる技だがな。一応、プレ・ラーの番外補完編という方向を狙ってみるつもり」

花粉症ガールは火炎魔神の夢を見るか

前回のあらすじ

花粉症ガール、粉杉翔花(1号)は、仮想ワールドの九州の地、阿蘇の麓にそびえるコンパーニュの塔で、ついにもう1人の花粉症ガール、ヒノキちゃんこと日野木アリナと対面した。
フィリップ・K・ディックの小説なんかに影響された、夢と現の入り混じった状況に戸惑いつつも、ヒノキちゃんと仲良くファンタジーおよびヒーロー談義をしていた翔花は、修行の一環なのか、それとも成り行き上の作者の思いつきなのか、ヒノキちゃんの技「朱雀幻魔拳」を受けて、幻夢界に送られてしまう。別にマドーの仕業じゃないし、ヒノキちゃんの正体が魔王サイコだったという設定は一切ないけどな。

一種のホワイトホールじみた幻夢界では、時空魔術師のNOVAが、自分の生み出した殺人鬼ケイソンに襲われていた。NOVAを守るために、修行で会得した「チグリスニードル・フィンガーボムズ」で応戦する翔花。
しかし、炎に包まれたケイソンのオーバーボディの中から現れたのは、さらなる強敵、暴走した火炎魔神ラーリオスだった。

>ロイド「あ、あれは炎の魔神イフリートですよ。いや、バルログかな? ゲームで何度か戦ったことがある……」(『太陽の失墜 8章 炎の魔神』より引用)

>洞穴の暗闇の中から、炎の魔神が姿を現した。
>リメルガに匹敵するような巨体。
赤と黒の鎧は、上位星輝士の甲冑とも、一般の星輝士の生物様の表皮とも違い、固まったマグマをそのまま身にまとったような、ゴツゴツとした鉱物感覚を漂わせている。鎧に覆われていない箇所は、まだ固まっていない溶岩のようにドロッと流体じみており、そこからシューッと蒸気が噴出している。
>固体と液体、気体の全てをまとった姿は、どことなく不安定で、いかにも異質な世界から来た魔物じみていた。
>ラーリオスが雪原に姿を現すと、周囲の雪がたちどころに蒸発し、周囲がおぼろげな白い煙に包まれる。
(中略)
>その姿に圧倒され怯えないのは、よほどの鈍感であるか、それとも勇気ある者、あるいは強い決意や復讐の誓いを固めた者だけと言えた。(以上、『太陽の失墜 13章 対決ラーリオス』より引用)


翔花「あ、ああ、これがもしかして、伝説の……」

NOVA「そう、ラーリオスだ。翔花、今すぐ逃げろ。お前が勝てる相手じゃない」

翔花「そんな。倒れているNOVAちゃんを放っておいて、私一人だけ逃げるなんてできないよ」

NOVA「フッ、これは現実じゃない。お前の恐怖を具現化した悪夢の世界だ。何でそんな世界にラーリオスが登場するのかは知らんがな。とにかく、今のお前じゃラーリオスに勝てる要素がない。何とか恐怖に呑まれずに、悪夢の世界から脱出するんだ。さもないと、お前の心そのものが破壊されてしまう。肉体よりも精神の要素が大きい精霊にとって、心のダメージは馬鹿にできない。逃げるんだ」

翔花「私にとって、一番の恐怖はNOVAちゃんの死よ。それとも、NOVAちゃんに見捨てられるか、NOVAちゃんを見捨てるか。これがヒノキちゃんの用意した試練なら、ここで私がNOVAちゃんを見捨てるという選択肢は有り得ない。逃げるにしても、NOVAちゃんも一緒よ、何とか立ち上がって!」

NOVA「無理を言うな。どういう状況か、俺にもよく分かっていないところがあるが、ラーリオスの物語を考えた時の俺は、2006年末に左脚を骨折した後で、その記憶が強く残っている時期なんだ。だから、その時の心情を反映しているのか、今の俺は左脚を骨折してしまっているらしい。つまり、こうやって地面に倒れ伏して、喋るだけが関の山。ましてや、このプレクトゥス、失われし神代の言葉で日本語にするなら《星近き峰》の斜面を歩いて脱出することは不可能。大丈夫だ、相手がラーリオスだったら、俺を攻撃することは論理的にあり得ん。何故なら俺は……」

翔花「ラーリオスさんの作者だからってんでしょう。でも、ケイソンさんの時だって、創造物がNOVAちゃんに攻撃してきたじゃない。花粉症ガールの私だって、NOVAちゃんに花粉症バスターで攻撃できる。作者だから安全だなんて思い込んでいたら、油断もいいところよ。相手がNOVAちゃんを攻撃するような悪霊なら、私がNOVAちゃんを守る。NOVAちゃんの過去の妄想が生み出した悪霊と戦うために、NOVAちゃんのヒーロー魂と花粉症を混ぜて生まれたバトルヒロイン、それこそがこの私、粉杉翔花の存在理由なんだから」

NOVA「ああ、初めてケイソンと戦う前の4月14日の土曜日にそんなことも言ったよなあ。お前が初めてブルー・スタンドに覚醒したときの話だ。懐かしいぜ。そう言えば、今月、7月も13日が金曜日で、14日が土曜日だから、ケイソンが帰ってきたりするのかな?」

翔花「そんなケイソンさんのことはどうでもいいから、目前のラーリオスさんに対処しないと」

NOVA「本気で対処するつもりか? だったらアドバイスしてやる。ラーリオスに接近戦は挑むな。全身が炎に包まれているから、お前じゃ近づくだけで致命傷だ。遠距離から適当に牽制して、時間稼ぎに専念しろ。そうすれば、そのうち夜が明けて太陽が昇る。今の闇に包まれたラーリオスにとって、夜明けの光は毒そのものだ。ラーリオスは太陽の星輝士と言われているが、今の奴の太陽は偽りだ。真の太陽の光には勝てない。それこそが小説『太陽の失墜』の大仕掛けだ。ラーリオスに選ばれた少年は偽りに過ぎず、本当のラーリオスは本編の主人公、上座雄輝だってことがな。まあ、原案者の本編小説の方も結果的に失墜しちまったもんだから、今となっては上座雄輝の物語も偽りとしか言えない状況だが、そこまでの補完は俺の仕事じゃねえ。俺は俺のために、プレ・ラーリオスの物語の補完に努める。この決着だけは、翔花一人に背負わせはしない。始末を付けるのは俺の仕事だ」

翔花「動けない体で口だけは達者なんだから。戦うのは私に任せて、おとなしく目立たないようにしていてよ」

NOVA「分かった。しばらく時間稼ぎを頼んだぞ。いいか、ラーリオスの見た目は鈍重っぽいが、こいつはアメフトをやっていたからな。強烈なタックルを仕掛けてくるから、距離をとったので安心だって思うんじゃないぞ。円を描くような動きで、かく乱するんだ。それと……」

翔花「ああ、もう怪我人は黙っていて。私だって、あれから実戦経験は積んだんだから、戦い方だって心得ている。行くわよ、アストロパワーで生成したチグリスウィップ! 失墜した哀しき火炎魔神ラーリオスさん、これでも喰らいなさい(ビシッ)」

ラーリオス『ラララララーイ!』

NOVA「ラーリオスが喋った? まさか」

ラーリオス『コノ鞭、植物ナノカ? モシカシテ、イヤ、ソンナハズハ……』

NOVA「本編中の暴走ラーリオスは喋らなかったが、こいつはケイソンから派生した一面も持っているからな。有り得ん話ではないが……」

翔花「会話ができる相手なら、こっちだって名乗り甲斐があるってものね。だったら、こちらもお約束に応えて、お披露目するわ。草木の想いを力に変えて、示せ緑のエコロジー。変身できなくても、心はカ〜レンジャー、じゃなくて、花粉SHOWガール。アストロ翔花とでも名乗っておこうかしら。星と緑の力で宇宙にきらめくエメラルド、足りない勝率は勇気で補うガッツィ・ジオイド・ガール、略してGGGの精神よ!」
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NOVA「アストロ翔花だと? 何だかアストロメリアみたいだな。正式にはアルストロメリアなんだが、ネットではアストロメリアと誤記されていているケースも多い。その意味は百合水仙。夢百合草とも、南米インカの百合とも呼ばれる。名前の由来は、分類学の父カール・フォン・リンネの親友クラース・アルストレーマーにちなむもので、宇宙のアストロとは何の関係もない。なお、アルストロメリア花言葉は、未来への憧れ。うん、悪くはない。アストロだったら、ジャコビニ流星打法とか、そっちの球団を思い出すが、必殺技ネタが限りなく広がりそうなのでパス。素の状態の翔花は、以降アルストロ翔花と名乗りたまえ」
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ラーリオス『あるすとろめりあ? 植物? 心ハか〜れんじゃー? ヤハリ、かれんサン? ばかな、かれんサンガ生キテイルハズガナイ。ボクガろいどトイッショニ、コノ血塗ラレタ手デ貫イテ……ボクハ取リ返シノツカナイコトヲシテシマッタ……』

翔花「何、こいつ? いきなり訳の分からない泣き言を口にしたりして。暴走状態が解けて、正気に戻っているの?」

NOVA「いや、ずっと正気のはずだ。まあ、現実と夢想の二つの世界を行き来して、闇の女トロイメライに魅入られた時点で、狂気に陥りかけたとも言えるがな。そして、闇の導きに乗せられて、星霊皇クリストファーと精神世界で対決して敗北。それから星霊皇の目論見どおりの呪縛を掛けられて、暴走状態に陥った自分を制御できずに好きな女や親友を殺害に及ぶのを止められなかった状態で、正気を維持できているかどうかは疑問だがな。『夜明けのレクイエム』で書こうと思って、書けなかった主人公の内面描写だ。こいつはこいつで、暴走した悪魔の仮面の下で、涙を流し続けたんだよ。アルティメットクウガの五代と同じようにな」

翔花「誰よ、そんな辛い話を考えた悪魔のような人は?」

NOVA「すまん、俺だ。元々は、原作コミック版の悪魔人間デビルマンにインスパイアされて、『太陽の失墜』の暴走ラーリオスの背景にあるヒーローになり損ねた不幸な少年の物語を一人称で書くところからスタートしたんだが、書いているうちにいろいろと感情移入しすぎて、初期プロットの悲劇をそのまま描写するのが辛くなり過ぎてな。突き詰めて書けば、自分が狂気と鬱に飲み込まれてしまうように感じたこともあって、書けなくなった。本来なら、そこまで主人公に感情移入する前に、さらっと仕上げて、原案者のラーリオス本編にバトンタッチする心つもりだったんだが、原案者の方が企画を捨ててしまったものだから、俺が全て後始末をしないといけなくなった。そこでキャラや物語に、感情を込め過ぎたんだな」

翔花「クールに徹しきれずに、フィクションのキャラに情を込めすぎるところがNOVAちゃんらしいと言えば、らしいけど」

NOVA「そういうキャラに向けられた情念を、うまく分散できるような共同製作者がいれば良かったんだけどな。原案者がそういう共同企画者の想いを汲み取る人間ではなかったのが、一つの大きな問題だったわけだ。大体、ゾディアックの背景とか、星霊皇の思惑とか、そういう要素は原案者が構築するべき設定のはずなのに、敵のバックボーンである宗教的要素に関して、原案者が全くの無知で、勉強する気持ちさえ見せなかった。だから、こっちでフォローしないといけなかったわけだが、いずれにせよ、こちらの考えた設定を原案者が受け入れて活用するほどの器の大きさもない。そこをしっかり受け入れるだけの器量でもあれば、原案者は大いに成長できたはずなんだがな。企画原案から想像できる大風呂敷に比べて、原案者の描きたい物語はミニマムな代物。まあ、こればかりは経験値の差が思ったより大きかったわけで、さっさと力量をこっちが見限るべきだったんだが、『プロの創作家志望の人間で、創作用の専門学校で学んだ経験も持つ男なら、これぐらい当然できて然るべきだろう』と相応のレベルを期待していたわけだ。実際は、当時の女子学生の方がまだ精神的に熟成していて、壮大なイメージの膨らませ方ができる人材だったんだがな。原案者は、根幹のアイデアこそ稀有壮大なものを考えがちだが、空想に現実の文章力とか細部の描写が追いつかないタイプで、だったら最初から風呂敷を広げずに済ませればいいものを、やたらと世界の危機を煽ってくる物語が好きな人間と来ている。つまり、『世界の危機を描きたいのに、その前段階の世界そのものを構築することができない。ビルドできないのに、デストロイしたくなる性分』なんだな。だから、ラーリオスの物語も、本質的に破滅志向になる必然を帯びたわけで」

翔花「NOVAちゃんだって、破滅志向なところがあるわよ」

NOVA「そりゃあるさ。太陽と月、ソーラーNOVAとルナーNOVAの二面性は否定しない。ゾンビとか吸血鬼好きだし、デビルマンがラーリオスのイメージソースになるくらいだからな。心の闇とは無縁でいられるとは思っていない。ただ、そういう気持ちは創作上のリビドーにはなっても、現実は破滅しないように懸命に生きているぜ。そういうバランス感覚は維持できていると思うので、破滅とか世界の危機という要素は物語のクライマックスを盛り上げるのに必要であって、常時そういう物しかない世界は願い下げだと考える。ただ、10年前は今よりも鬱屈していたからな。やはり、原案者の鬱屈した感情にシンパシーを感じた部分はあるわけで」

翔花「今は?」

NOVA「平成ライダーが2期に入って、明るい作風のものが多くなったし、ラーリオスの方向性はアマゾンズの方になるだろう? 決して嫌いじゃないが、楽しいかと言われると重い気分になるのでスカッとしない。それに今はプリキュアの影響もあるから、ラーリオスで描きたかった要素は今の俺が書きたい要素ではなくなってしまった、と。はっきり言ってしまえば、ラーリオスは原案者の鬱屈した心情(当時のNOVAもシンパシーを覚えた心情)を取り込んだ作品ではあるが、いつまでもそこから一歩も踏み出せず、鬱屈を抱えたままじゃいられない、と俺自身が考えるようになったわけだ。だから、いっそのことラーリオスの抱えた鬱屈をも浄化したいなって」

翔花「その割には、さっきからラーリオスさんのことをスルーして、私たちばかりで話しこんじゃってるけど」

NOVA「話している間は、ウェイトモードが機能しているようだな。そもそも、ラーリオスの物語って、プレ・ラーリオスが2016年、本編が2017年という時代設定なんだぜ。企画を始めた時期には、近未来という話だったんだが、今となっては過去。だから、時間が常に止まっていると言ってもおかしくはないわけだ。無印ソード・ワールドアレクラスト大陸が新王国暦521年で針を止めたまま、公式ではほぼ動かすことなく、小説のリウイだけが地道に歴史を進めていたのと同じようにな」
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翔花「そんなことを言ったら、聖闘士星矢はどうなるのよ。今のNDも2006年スタートで、地上暦1990年、そこから240数年前に遡ったけれど、過去編に滞在できる期間はわずか数日のはずなのに10年近く聖域十二宮を進み続けているわ」
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NOVA「だから本編でも言っているんだろう? 女神のせいで時空に歪みが出ていると。だったら、このブログでも、ラーリオスの周りの時間が止まっても不思議じゃない。何しろ、神に匹敵する時空魔術師が話している場所なんだからな」

翔花「ええ、いつの間に、神?」

NOVA「いや、公式設定でラーリオスには、星王神って神さまがいるらしいんだが、原案者に『星王神って、どんな神? キリスト教みたいな一神教? それとも星矢みたいな多神教の神? あるいはゴルゴムの創世王みたいな奴?』と尋ねても、きちんとした回答が返って来なかったんだわ。原案者の中では、『正義を僭称する秘密結社ゾディアックが、ラーリオス上座雄輝を改造した敵対相手。その崇める神が星王神。だけど、星王神の設定はあやふやで、元ネタの星矢寄りなのか、ライダーBLACK寄りなのか、それすら決まっていない』という状況だったんだ。まあ、敵サイドの設定は、物語で必要が生じてからじっくり決めるつもりだったのかも知れんが、共同企画ってそういう曖昧なものに話し合いで先に形を構築しておくのが醍醐味なのに、原案者の中では敵対組織がそれほど重要な立ち位置だという認識もなかったんだろうな。だから、結局、敵の背景は本編ではなくて、プレ・ラーで決めたものが多かったし、原案者の持つ知識の中には『社会上の組織に関するもの、およびリアルっぽい宗教組織のイメージ』が欠如していたことは後から分かった次第だ。フィクションで宗教を題材に扱うときは慎重を要するという常識すら持ち合わせていなかったわけだし。まあ、そんなわけで、今回も俺が決める。ラーリオス世界の星王神は、王神星と並べ替えて白新星にアレンジする。すなわち、White NOVAの分身だ」

翔花「何それ、ひどい」

解放された太陽


ラーリオス「星王神? オ前ガ、ソウナノカ? ぞでぃあっくヲ生ミ出シ、ボクヤミンナヲ不幸ニシタ諸悪ノ根源ナノカ?」

NOVA「細かいツッコミ点はいろいろあるが、プレ・ラーリオスの物語を作ったのは俺だし、原案者が設定を考えるのを投げ出したゾディアックの細部設定をあれこれ考えたのも俺だ。ちなみに、不幸だけを生み出したわけじゃない。面白い物語になるよう、あれこれ考えたんだが、一応、ハッピーエンドで希望を感じるストーリーにしようとも思ったんだが、頭の中と大まかなプロット案だけで、発表には至らなかったことは謝る。っていうか、地面に倒れ伏しながら喋っていても、威厳の欠片もないよな。翔花、槍を作って俺に渡してくれや。それを杖代わりにして、自分で立つから」

翔花「うん、槍じゃなくて杖を作ればいいのね。ほい、チグリススタッフ。杉だけど松葉杖というのはこれいかに」
タケトラ ヒューゴクラッチ(2本1組) 038533 M 【竹虎 ヒューマンケア事業部】 【松葉杖・医療用】
NOVA「松葉杖は英語ではスタッフでなくて、crutchと言うらしく、また日本語の松葉という言葉も、材質とは関係なくて、杖の手元が二股なのが松葉に似ているから、という理由らしい。だから正式名称は、チグリスクラッチだな」

翔花「娘に杖を作らせて、いちいちどうでもいい蘊蓄を垂れないでよ。いやなら、杖を折ってやるわよ」

NOVA「お前は内海さんかよ。今の状態で杖を折られると、身動き取れそうにないので、謝ります。脚が折れている時の俺は、非常に謙虚だったと記憶します。もう、皆さんにいっぱい助けられたんで、その時のご恩は一生忘れないと心に固く誓ったほどだ。だけど、さすがにその時にお世話になったお医者さんや看護士さんの顔や名前までは覚えていないんだけどな」

翔花「退院した患者さんに名前や顔を覚えられて、ストーカーみたいに付きまとわれるのも迷惑だから、それはそれで正解じゃないの。お医者さんや看護士さんはあくまで仕事として、治療して下さったのだろうし」

NOVA「よっこらしょっと。ふう、ようやく立ち上がることができたぞ。ラーリオスさんや、お前さんにも礼を言わせてもらおうかのう。お前さんが持ち前の高熱で雪を溶かしてくれていなかったら、さすがにツルツル滑って、立ち上がるのにも難儀していたはずだからのう」

翔花「杖をついたからと言って、何を急に爺い口調になっているのよ。それより、そんなので大丈夫? さっきから、ラーリオスさん、おとなしいけど急に凶暴化して襲い掛かったりしない?」

NOVA「正気を取り戻しているみたいだし、大丈夫じゃないの? 少なくとも、俺と翔花にはラーリオスに襲われる理由がない」

ラーリオス『……一体、ドウナッテイルノカ、ボクニハチットモ理解デキナイ。ボクハ洞窟ノ中デ大勢ヲ殺シテシマイ、りめるがノ反撃ヲ受ケテ、崩レタ天井ノ生キ埋メニナッタハズナンダ。ソレデ死ンデイレバ良カッタノニ、星輝石ノ力デ生キ延ビテシマッタ。ソシテ星霊皇ノ呪イハ消エナカッタ。ボクハ上位星輝石ト星輝士ノ命ヲ奪ウタメニ、洞窟ノ外ニ出テキタ。風ノ星輝士そらーくト、大地ノ星輝士らんつノ二人ヲ倒スタメニ……』

NOVA「あるいは、2人に自分の仕出かした罪、悪行を裁いてもらうためにな。全ては、星輝戦争の秘められた目的にあった。時の星霊皇クリストファーは、自分の寿命をさらに500年延長するために、上位星輝士の純粋な魂5人分を必要とした。本来は代替わりの継承の儀式となるはずだったそれは、一人の聖人、しかし高慢な独裁者と成り果てた男の妄執によって、歪められた。世界は混沌を廃し、完全な秩序の織り成す時代となって、この500年の発展を遂げた。そして、さらなる500年が秩序と混沌の間で揺れ動くとき、今世のラーリオスの物語は始まったんだ。お前は、星霊皇クリストファーの妄執を止めるために、かつての星霊皇のパートナーであり対決相手であった元・月の星輝士の亡霊トロイメライの導きで、歪んだ儀式を正常化しようとした。そこで邪霊の王と契約をかわせば、星霊皇を圧倒して、お前が暗黒の王として君臨する時代が来ていただろう。それも物語の一つの終わり方であったかもしれないが」

ラーリオス『ドウシテ、ソンナコトガ分カル? アンタハ本当ニ神ナノカ?』

NOVA「少なくとも、お前が主役のプレ・ラー世界においてはな。神の定義にもよるが、創造主クリエイターであることは間違いない。本来の星王神はいないよな。元々はトロイメライがそうなるはずだったが、敬虔なクリスチャンであったクリストファーが、『人の魂が神となり、星霊皇との交感を通じて、世界に影響を及ぼす』という元来のゾディアックの在り方をカトリックの神学の立場から否定し、自らのルールで書き換えた。トロイメライを魔女として断罪し、自らが星王神兼任の星霊皇として君臨し、そうして続いた500年だ。殺されたトロイメライの魂は、邪霊たちの妃と言うべき立場になり、己の妄執、クリストファーへの歪んだ愛情を叶えるべく暗躍した。クリストファーの弱った魂を邪霊の王が責め苛み、同時にトロイメライは新たな儀式の当事者であるラーリオス、つまりお前に接触して、駒として利用しようとした。お前は、星霊皇にもトロイメライにも抗い、己の正義を貫こうとした。その結果の敗北と、呪われた生だ。素直にトロイメライの契約に乗って、彼女を神として崇める方が楽だったろうに」

ラーリオス『ソンナコトヲスレバ、世界ガ暗黒ニ呑マレテシマウ』

NOVA「中世以前の、魔法や精霊がはびこる時代に戻るだけさ。シャドウランのようなゲームで提示された世界。俺のような時空魔術師や、翔花のような精霊少女には、そちらの方がよほど住みやすいとも思えるのだが」

ラーリオス『オ前モ、とろいめらいノ味方ナノカ?』

NOVA「俺は中立さ。物語の作者としては、当然、主人公に肩入れしたくなるが、敵側にも当然、愛情を注ぐべきだと思っている。格好いい主人公が、下劣な悪党を退治して終わり、なんて話はつまらないとさえ考える。トロイメライにも、星霊皇クリストファーにも、同情すべき点はあるし、受け入れ難い面もある。その上で、何を選択すべきかの葛藤をお前さんにも感じてもらうつもりだったが、何を選んでも暗い話になってしまい、レクイエム(鎮魂歌)の名に恥じない苦い結末になってしまうのは、今更ながら可哀想と感じるようになってな。せめてもの罪滅ぼしとして、お前さんにも人としてのささやかな幸せを用意してやろうという親心さ」

ラーリオス『ヨク分カラナイ。うっ、頭ガ……』

NOVA「そろそろ夜明けが近いようだな。翔花に戦って時間稼ぎをしてもらおうと思っていたが、お前さんが思ったよりも素直に、俺の話を聞いてくれる奴なんで、不毛な戦いをせずに済んだようだ。まあ、星霊皇がお前に仕掛けた呪いは、俺や翔花を相手にしていれば、機能しないことは分かっていたがな。何しろ、俺も翔花も星輝士じゃないし、クリストファーが求める上位の星輝石なんて持っていないんだから。ロイドが死んだのは、カレンを攻撃しようとするお前の前に飛び出して、自らを楯にして庇おうとしたからだったんだよな」

ラーリオス『ボクハ誰モ殺スツモリハナカッタ……』

NOVA「分かってるさ。そんなお前の気持ちを、俺は書こうと思っていたんだからな。そして、それだけに哀しい悲劇の物語を。だが、それも間もなく終わる。お前はランツを殺し、ソラークに殺されて一つの物語が終わるはずだったんだが、ここには2人はいない。これは『太陽の失墜』の物語じゃなくて、涙目浄化OKの花粉症ガールの物語なんだからな」

翔花「そうよ。主役は私、粉杉翔花。それなのに、NOVAちゃんとラーリオスさんばかりスポットが当たって、私の出番が少ないのよ。旧作の主人公が出しゃばるのって、良くないと思うの」

NOVA「何、言ってるんだ。お前がチグリスウィップで攻撃したから、その植物の要素がラーリオスの注意を引きつけて、正気に戻らせたんだ。森の星輝士カレンのことは、エルリック・サーガにおけるサイモリルに匹敵するぐらいの悲劇だしな」
メルニボネの皇子白き狼の息子 永遠の戦士エルリックストームブリンガー 永遠の戦士エルリック
翔花「何それ、私、知らないし」

NOVA「ファンタジーRPGのファンなら、読んでおくべき小説の一つだ。魂を吸い取る黒の魔剣ストームブリンガーで、想い人を殺害してしまう悲劇の皇子エルリックの物語。それはともかく、ラーリオスにカレンのことを思い出させて、呪いから一時的に解放したのは、翔花のお手柄。ただし、その後、GGGがどうこう言い出した時はヒヤヒヤしたけどな。お前のことだから、そのまま勢いで緑色に輝くGストーンでも生み出すんじゃないかって。ラーリオスの前で、輝く力の石を見せたりしたら、また星霊皇の呪いがうっかり発動してしまって、難儀だと思ったから、慌ててアルストロメリアの話に展開した次第」

翔花「とにかく、不毛な戦いを避けられたのは、私のおかげってことね。さすがは私、神の申し子だけのことはあるわ」

NOVA「いつから、お前が神の申し子になったんだ?」

翔花「もちろん、NOVAちゃんが星王神なんて名乗ってからよ。NOVAちゃんが神なら、その娘である私が神の申し子を名乗って、何の不都合があると言うのよ」

NOVA「うっ、確かに理にはかなっているが、何だか理不尽なものを感じるのは気のせいだろうか。しかし、そんな不条理を気にしていては、不幸な少年を救うことなどできん。まずは、その化け物の姿を何とかしてやらないとな。さっきからカタカナ言葉で喋り続けるのも、ケイソンの時と一緒で正直うっとうしい。暴走していないんだから、いい加減に元の姿に戻れってんだ」

ラーリオス『ソンナコトヲ言ッテモ、らーりおすカラ元ニ戻ッタコトガナイカラ、ドウスレバイイノヤラ……』

NOVA「平成ライダーなら、ベルトを外せばいいんだが、仕方ないなあ。ここは久々にブルーアイズの出番だな。日輪の輝きを受けて、今、必殺の外道照身霊破光線! 汝の正体見たり、プレ・ラーリオス!」

ラーリオス『バーレーターカー!』

NOVA「逆から読めば?」

ラーリオス(転装解除中)『カーターレーバー!』

NOVA「もっとゆっくり!」

体の大きな少年「カート・オリバー!」

翔花「ハッ? 何、その名前ネタ? もしかして、最初から狙って、そういう名前を付けてたの?」

NOVA「いや、本当に偶然。バレタカを逆読みすると、カート・オリバーになることを発見したときは、こいつに一度、外道照身霊破光線を浴びせたいと思ったが、まさか、本当にそういう機会があるとはな。このネタだけでも、花粉症ガールの物語に彼を登場させた甲斐があったってもんだ」

翔花「NOVAちゃんが登場させたんじゃなくて、ヒノキちゃんの幻魔拳のおかげじゃない」

NOVA「本当にどうして、ヒノキちゃんの見せる悪夢にラーリオスなんて出てきたんだろうなあ。もしかして、ヒノキちゃんは隠れラーリオスファンだったとか? ラーリオスって赤くて燃えてるし」

翔花「……幻から醒めたら、ヒノキちゃんに聞いてみる」

NOVA「ああ、そうしてくれ。それよりだ、ラーリオス改めカート・オリバー君だったね。君には一度、言いたいことがあったんだ」

カート「え、ええと、何ですか?」

NOVA「デカい図体しやがって、いつまでもウジウジしてるんじゃねえ! おかげで話が進まず、作者としてはイライラし通しだったんだ。今は亡きジルファー先生とロイドに代わって、お前には説教とヒーロー講義をきっちり受けさせてやるから、覚悟しておけ!」

カート「え、ええ〜?」

(果たして、作者NOVAの説教攻撃を受けることになった少年カートの運命は? つづく)