ある男へのコメント禁止処分
NOVA「さて、昨夜、俺はあるコメント欄への投稿にブチ切れて、コメント禁止処分を下した」
晶華「まあ、いつもの特定人物ね。何にブチ切れたのかしら?」
NOVA「お前も知っているはずだろう? 『プライバシーに関する問題を根掘り葉掘り聞いてくること』だよ」
晶華「具体的には何を聞かれたの?」
NOVA「そうだな。とりあえず、コメント内容の全文ではなく、切り文って形で、差し支えない範囲で公開してみるか」
私のラーリオスの拙い描写がNOVA様が女性キャラとリアルな格闘描写へ興味をもちきっかけになり、それが十数年の時を経て花粉症ガールになったそうで光栄です。 格闘描写の方はプレラーのソラークと魔神カート君のバトルですか?
NOVA「この部分は特に問題ないな。創作の話だし、ラーリオス原案者としての彼の立ち位置なら妥当な質問だと思う。ただし、質問への答えはノーだ。俺がプレ・ラーリオスというタイトルで最初に書いた『太陽の失墜』は、ラーリオスという作品名と、星矢+仮面ライダーBLACKオマージュの物語というアイデア以外、彼の影響は一切受けていない。むしろ、ソラークと相棒のランツ、プレ・ラーリオス(カートの名前はまだない)の対決イメージは、『必殺シリーズ』と『スパロボ』を強く意識して描いた。
「あとは、ノリヒコさんという人がアイデアを出したリメルガというサブキャラのハードボイルド巨漢キャラだな。だから、最初の作品については、俺はノリヒコさんにアイデアありがとうね、と今でも思っている。自分で書いていて、リメルガというキャラは気に入ったし、今でも不破さん好きというところに名残りがあるな」
晶華「リメルガさんは確かゴリラだったわね」
NOVA「コードネームはハヌマーンだけどな。リメルガ描いて、ハードボイルド方面に興味を持って、描写の参考にするために、北方謙三氏の小説に飛びついたわけだ」
晶華「ああ、自分の勉強するジャンルを一つ見定めたってことね」
NOVA「あと、原案者は勘違いしているかもしれないが、俺は別に原案者の描写そのものを参考にしたわけじゃない。原案者がラーリオスの物語を進めていく際に描いてみせた『ヒロインの見せ方』と『空手か何かの試合での足運び』などを読みながら、ああ、こういう部分の細やかさは俺には書けないな、と感じたので、そこを補うための勉強はしようと思ったんだ」
晶華「原案者さんの作品を模写した?」
NOVA「いや、俺は原案者の作品の誤字脱字を含めた推敲はした(させられた)りはしたが、描写そのものまで取り込んだわけじゃない。あくまで原案者の書ける部分で、俺の持ち合わせのない要素は何かな、と分析した上で、必要なのが『日常的な女の子』と『地に足ついたリアルな格闘描写』のイメージだと判断した。そこで、そういうジャンルを勉強できる何かで、自分に合った(興味が持てる)ものを探したわけだ。原案者をそのまま真似しても、劣化コピーにしかならないから、あくまで自分らしく、そのジャンルを別の作品(複数)から見つくろうきっかけにしたわけだ」
晶華「その一つがプリキュアだったと」
NOVA「そうだ。原案者が日常的な女の子を描く→俺にはそういう興味がなくて引き出しがない→だったら何を勉強しよう→おっ、ニチアサの延長にプリキュアがあるじゃないか。変身前の彼女たちは日常生活のドラマも丁寧に描写されている→よし、後学のために勉強しよう→結構ハマったってところだな」
晶華「つまり、ラーリオスを書く際に足りない女の子成分を補うために、プリキュアを見るようになったわけね」
NOVA「ああ。そして、原案者がプリキュアを全く見ていない(まあ、別に見る必要はないのだが)ことが分かって、その部分は原案者の影響を全く受けていないとも言える」
晶華「じゃあ、格闘描写は?」
NOVA「グリーンアローなどのアメコミヒーローも結構、参考になったな。他には、やはり北方謙三氏の水滸伝なんかに見られる中国武術のエッセンスとか、ゲキレンジャーなどの拳法特撮とか、その元ネタの香港映画などだな。それまではただ漠然と見ていたものを、自分が描くための参考資料という視点で見るようになったわけだよ。中国拳法の指南書なんかも買ったりしたし」
晶華「つまり、原案者さんの描写は?」
NOVA「きっかけにはなったが、そのままパクったりはしていない。もちろん、設定要素のすり合わせなどは掲示板で行ったりしていたが、作品そのものや細部の描写は盗んでいない。だから、プレ・ラーリオスの描写そのものは(各種SF作品のオマージュの多い作品だが)、原案者の作品ではなく、俺の好きな各種の要素と、にわかに興味を持って勉強した新規の知識を、俺のセンスでブレンドした作品と言える。
「……とまあ、これだけの話なら、コメント禁止処分を下す必要はなかったんだな。この後は、何が原因か掘り下げて、コメント主に半年間の書き込み自粛と反省を促すとしよう」
NOVAをブチ切れさせたもの
NOVA「俺がリアルの女性に興味がない、というようなことを書いた点を、さらにしつこく追及して来たんだよな。まるで、そういう人間がレアな稀少種であるかのように、興味本位の質問を付け加えた上で。
「俺から言わせれば、コメント主は創作家志望だったのに、世界観が狭すぎるよ。世の中の男が全て、女性にガツガツしているわけじゃないし、むしろ、その分のリビドーを全然違うジャンルに注ぎ込んでいる男だって、よくいるんじゃないか、と思うよ」
晶華「まあ、女性に興味の薄い草食系男子って言葉があるくらいだしね」
NOVA「先日も、コメント主は別ブログで『同性愛という発想が普通ではない』的な発言をしていた。何というか、世の中には自分と性的価値観の違う人間がいっぱいいるということを理解していないのか、自分と違う価値観を示された際に『それが異常である的なニュアンスを露骨に示した驚きと、そこから興味本位丸出しの執拗な詰問を重ねる』悪癖がある。冷静かつ好意的に受け止めるなら、『知らない世界に触れて、子供のような衝撃と、そこからの知的探究心を持って、相手のデリケートな世界にズカズカと踏み込んで当然と見なすマナー知らずな図々しさ』があるわけだな」
晶華「ええと、子どもが珍獣を見たときのように、触らせて〜と寄って来るような態度?」
NOVA「そして、ハリネズミの針に刺されて泣きじゃくるような子どもなら、ウザいけど、まだ可愛げがあるんだがな。俺から見ると、『コメント主の許容範囲の狭さが(創作志望者という意味で)驚くほど呆れる』し、『相手の自己開示に対して、いちいち露骨に驚きを表明して、続いて質問に移る態度』って、やられた方は相当に不愉快だ」
晶華「NOVAちゃんはリアル女性にあまり興味がなくて、だからと言って、男色家ってわけでもない。つまり、性というものに対して淡白というか、冷淡というか」
NOVA「娘からそういう風に言われると、複雑な心情だが、普通に女の子を可愛いと思う感情は持っているぜ。それじゃないと、キラメイグリーンの瀬奈ちゃん可愛いなんて言えないだろう」
晶華「うっ、NOVAちゃんの目下の注目は、グリーンの娘というわけね」
NOVA「ああ。『私をキラキラさせてくれてありがとうね』のセリフに、俺のハートは撃ち貫かれた。そのセリフを書いてくれた荒川稔久さんに、今の俺はメロメロだ」
晶華「って、あれ? その人、男よね」
NOVA「ああ、感じ入る文芸に男女の区別はない。荒川さんは戦隊愛と萌えヒロイン愛で、キラキラしてる素晴らしい脚本家だ。この人から、この20年の間、俺はいろいろとキラキラをもらった、と認めるよ。少なくとも、仮面ライダークウガ以降はな」
晶華「ええと、NOVAちゃん、この項の小見出し覚えている?」
NOVA「『俺をキラキラさせるもの』だろう?」
晶華「いつの間にかすり替わってるし……」
NOVA「だって、『俺をブチ切れさせたもの』なんて考えても、つまらないだろう? そんなものは見なかったふりをして、次元のはざまの不思議時空ゴミ箱に放り捨ててやりたいぜ。ズデンと叩いて、蹴飛ばして、転がして、深い谷底に突き落とし、突いて、つねって、投げ飛ばし、ズルズル引きずって、深い湖に放り込みたくなる」
晶華「それって、珍獣、不思議獣の精神ね」
NOVA「少なくとも、アニーにおまかせしたくなるぐらいには、俺だって女性キャラに興味があるということは主張しておこう」
NOVA「ただし、アニーよりも、スピルバンのヘレンの方が、俺的には感じ入るものが多かったのも事実だ。前半のヘルバイラも、後半のヘレンレディも、どちらもドラマティックな設定で、やはりシチュエーション萌えの要素が大きいな。その意味で、女性キャラは演じ手の魅力も大きいが、そういう物語を描いた脚本家の筆力もあってのことだと考える」
Spielvan - Kanashimi no Helen - Naomi Morinaga
晶華「ええと、ストーリーやセリフも含めて感じ入るのであって、女性キャラ単独やビジュアルに萌えるわけじゃないってこと?」
NOVA「そういうことになる。例えば、これは俺の幼少期のフェチ的な萌えシチュエーション妄想だが、『自分が正義の組織か悪の組織にサイボーグとして改造されて、そして隣に同じように改造されたパートナーガールがいて、一緒に戦ってくれる』というのは、かなりドキドキしたわけだ」
NOVA「あと、アイゼンボーグも兄妹だけど、そういう設定だな。これが少し歪むと、原作版の仮面ライダーのコブラ男とヘビ姫メドウサの関係になる」
晶華「つまり、NOVAちゃんにとっての疑似恋愛イメージって、そういう特殊な妄想シチュエーションを共有してくれる女性じゃないと成立しないってこと?」
NOVA「無理やり、リアルに落とし込むならイメージクラブとか、そういう形になるのかもしれないが、むしろバーチャルリアリティーの方向性になるかな。 『シムピープル』などのゲームで、ヴァンパイア用の追加パックなどは結構ツボだと思うが、そっちの世界に夢中になりすぎると、さすがに現実世界に帰って来れなくなりそうだから、なかなか手が出せずにいるわけだ」
「The Sims 4 Vampires」:公式ゲームプレイトレーラー「ヴァンパイア・パワー」編
晶華「つまり、NOVAちゃんは架空世界に生きたいってことね」
NOVA「いや、100%バーチャルがいいってわけじゃないんだが、少なくとも、ネットで書き込みをしている間は、リアルに縛られず、自分の空想やフィクションの世界に浸っていて、それを通じて同好の士と交流したいと思っているわけだよ。悪い意味では、現実逃避の感覚もないわけではないが。そこに、異常にリアルにこだわって、あれこれ突いてくるような輩は、本当に白けるし、邪魔なんだ。
「俺はわざわざネットで、他人からリアルをどうこう突かれたくない。創作論を語るならまだしも、『リアルの女の子をどう思うか』『リアルの恋人欲しい』『リアルで金がない』などなど、いちいちそんなことを持ち出すような奴と一緒には趣味話は安心して楽しめないし、『リアルをどう自分なりの物語にアレンジして、フィクションとして楽しめるものにするか』がエンタメ創作芸の骨子なのに、『空想の世界に生きたり、観察しながら、それを酒の肴にして談義を楽しむ』という風流を解さず、自分の広がらないイメージだけをもって世の中にいろいろある価値観を異常視し、詰問糾弾するような振る舞いは、オタクやマニアにとって敵だぜ」
晶華「ここではリアルを気にせず、自由に空想妄想に浸って、いろいろ書きたいのに、そこにリアルを下手に持ち込まれると、白けるし、邪魔だし、そういう無粋な人の相手はしたくない。だから、断固として拒絶の意思を示すってことね」
NOVA「『ゲームを楽しんでいるのに、仕事の電話が入って興を削がれた』ということなら、まあ、仕事は大事だからな、と切り替えられる。『映画を楽しんでいるのに、友だちが急に遊びに来た』というのも、まあ、友だちは大事だからな、と大目に見ることもできる(映画以外の楽しみを持ってくる友だちであること前提)。さて、コメント主はこういう場合、何に例えたらいいのかな?」
晶華「パソコンで作業しているときに、急にじゃれてくるネコ?」
NOVA「ネコは可愛いから、例えとして不適」
晶華「パソコンで作業しているときに、急に現れたゴキブリ?」
NOVA「感情的には近い気分だが、ゴキブリは新聞紙でバシッと叩きつぶして、大して罪の意識を感じないから、例えとして不適」
晶華「パソコンで作業しているときに、急にピンポーンとベルを鳴らして、偏狭な世界観で神の教義を語り出し、こちらが神など信じないと言うと、『そんなのはあり得ない。なぜ信じないのですか?』と詰問糾弾し、平行線の議論を吹っかけようとする、しつこい宣教師?」
NOVA「実は、宣教師的な押しかけ宗教勧誘者とは、仏教者の立場で宗教談義をするのが俺の趣味の一つだったんだけどな。彼らは彼らで、自分の教義をしっかり勉強して、理論武装しているから、こちらが時間をとって相手できるなら、宗教に関していい勉強になるんだ。セールスマンと同じで、彼らは彼らの仕事や真面目な信条があるし、多くの家を回った経験で空気が読めるので(まあ、未熟で空気の読めない、引き際の分からない者もたまにはいるが)『今は忙しいから』ときっぱり断ると、大抵はあっさり引いてくれる。目的もはっきりしているので、こちらも応じやすい。彼らにとっては、相手が受ける受けないはさておき、勇気を出して神の言葉を語ることそのものが修行であり、善行だと信じているんだ。彼らの善意と修行機会は受け止めつつ、断るときにはきっぱり断る。それが俺なりの宗教的礼儀って考えだ」
晶華「宣教師あるいは説法師については、NOVAちゃんは基本的に好意的ってことね。じゃあ、原案者さんは何に例えたらいいの?」
NOVA「そうだな。『ゲームを楽しんでいたら、突然、窓ガラスを割って飛び込んでくる野球のボール』みたいなものか。そこに悪意はないんだろうけど、『野球はよそでやれ』とボールを飛ばした近所の子に怒ったら、『野球を楽しめない人がいるなんて驚いた。失礼ですが、あなたはスポーツが嫌いなんですか? 高校野球がなくなっても平気なんですか?』と返してくるような感じか」
晶華「うわ、ウザ」
NOVA「まず、『相手に迷惑かけたことを謝って、二度としないように約束して、その上で野球はよそでするように考える』のが筋だろうが。その上で迷惑を受けた家主が昔、高校野球球児だったと知ると、なおさら図々しく絡んで、自分たちを指導してくれと言うとか、特異なシチュエーションはいろいろ考えたくなるが、例え話はこの際、どうでもいい」
晶華「で、実際のところ、何を聞かれて、NOVAちゃんはブチ切れたの?」
NOVA「『リアルの女性に興味がないんだったら、子どもを持ちたいとは思わないのですか?』とさ」
晶華「何それ? 花粉症ガールの存在を否定しちゃってるわけ?」
NOVA「普通なら、『余計なお世話だ。お前なんかに語る義務はない』と切って捨てて終わりだが、俺にはそれ以上に突き刺さった。つまり、オタクやマニアの空想や妄想趣味を表面上でしか解しない彼は、花粉症ガールとの会話をリアルと同程度に楽しんで、日々を営んでいる俺という男を根本的に理解できないで、あからさまに否定する態度を示したのさ。他人のブログのコメントに、そのブログの世界観を根本から否定するようなことを書いてきたら、そりゃあ、こちらはため息をついて門戸を閉ざすしかない」
晶華「まあ、創作好きだったら、相手が創作遊びを楽しんでいる時に、そのキャラのことを否定するようなリアルの質問を投げかけることが不粋だって分かって欲しいわね」
NOVA「創作作品から、その奥にある作者の背景を読み取ろうという研究活動の末のインタビューなら分かるよ。しかし、文芸批評でそれが許されるのは、まず作品の世界観を理解し、そして研究を重ねた上で、作者の信頼を得たりしてから、背景である思想信条とうまく結びつけるだけの論理を構築した場合だ。先に作品ありき、作品愛を表明してから、奥に踏み込むのはその後だ。
「ただ、コメント主の場合、花粉症ガールという創作作品を大して気にかけるでもなく、俺個人の直接触れて欲しくないリアルにいきなり踏み込んできた。その態度に、不粋なマスゴミが犯罪を犯しているわけでもないオタクやマニアに対して、『自分が理解しないものに異常者のレッテルを貼りつける』のと似たような傲慢かつ偏狭な臭いを感じるわけだよ。
「なお、『傲慢かつ偏狭』というのは、コメント主が何かを批判するときにしばしば使う表現だが、俺はその表現を鏡のような自己投影だと考えている。というのも、それは『自分の価値観を受け入れようとしない世の中』へのルサンチマンと認識しているが、実際に世の中から受け入れられないような言動をしている人間がしばしば用いる言辞でもある。ニワトリが先か、卵が先かは知らんが、自分はこの多様な価値観の偏在する世の中をどれだけ受け入れているのか、見つめ直してから発言して欲しい」
創作って何?
NOVA「俺にとっての創作活動は、リアルでできないことをイメージ代替してくれる知的作業であり、精神的充足感を得るための娯楽であり、人生を豊かに飾ってくれる果実だと考えている。もちろん、リアルはリアルですべきこともあるし、他人の人生の土台を応援指導する仕事は俺なりに充実していると思うが、それはそれとして、俺自身の自己実現とは違うんだよな。趣味と仕事の両輪をバランスよくこなして生きているんだし、White NOVA改めShiny NOVAは原則として趣味人格を意味するハンドルなんだよ」
晶華「まあ、塾講師っていうリアルの仕事を混ぜ込んでいるけどね」
NOVA「その意味で、リアルの考え方、感じ方を表現しているんだけど、人に公開する上で、多少ともオーバーに表現したり、見せていない部分だってある。俺の記事は、俺が自分の趣味人としてのパブリックイメージとして『ここまでは見せてもいいだろうと判断したギリギリのライン』で書いているのであって、もしも、そこに質問するということは『見せたいと思わないドロドロした暗部、混沌』に踏み込むということだ。俺を理解したいと思うなら、まず書いてあることを否定することなく、『ああ、こういう変わった奴もいるんだな』ぐらいに聞き流しておいて、理解できる部分だけで付き合うぐらいが無難だ」
晶華「NOVAちゃん自身、自分を理解できずに書いている時だってあるし、書いてから、赤面して消すことだってあるわけで」
NOVA「俺が迷っている雑多な想念を、他のキャラとの会話でまとめている時だってあるしな。『創作=自分探しの旅』と定義する作家もいるわけだし。ただ、一つ思うのは、創作あるいは創作物への感想を書くことで、自分の感じ方を見つめ直したり、好きなものを再確認したり、感想そのものが人格の深みや理想を語ったりできるわけで、テーマが何であっても、そこに感じ入る気持ちの吐露は、その人らしさが現れるんだろうさ」
晶華「その時その時で楽しんでいるものを書き連ねるだけで、その人の想いが見え隠れするものね」
NOVA「俺が翔花、あるいは晶華を生み出したのは、俺の中の子ども要素を体現するキャラとか、いろいろあるんだろうけど、妻や恋人たるヒロインよりも娘が欲しいというのは、まあ本音なんだろうな。そのことは俺自身も当初は驚いたが、娘を仮想的にも構築することで、一歩大人として構えられる自分が構築できたと自覚する。いわゆる役割ロールプレイってことだな。創作って、自分と異なる価値観のキャラを複数、想像かつ創造することで、自分の考え方、感じ方の幅を広げる働きがあると思う。
「作者の許容範囲(器)が少ないと、キャラの幅も狭くなるし、会話のやり取りを読んでいても、ステロタイプなキャラだけじゃ、なかなか深まらない。作者の中に燃える漢(おとこ)のイメージが煮えたぎってないと、キャラも漢にはならないし、クールも同じ。そのイメージを構築するために、リアルで生きるなり、フィクションの世界に耽るなり、人それぞれだけど、自分で書いた文章や物語で自己発見し、反省し、それを叩き台に自分の物語をステップアップさせ、自分自身の人格や感じ方、考え方を磨き上げ、その振る舞い方が少しでも人を楽しませるエンタメ芸に昇華できてこそ、面白いエンタメ小説が書けるのだと思う。
「他人のリアルをあれこれ気にし、エンタメを楽しめないのは、まあ、自分のリアルが充実していないからだろうとか、いろいろ推測するのみだけど、一つだけ言えるのは、自分のリアルは他人のリアルと同じじゃない。リア充な他人の価値観を理想と思って生きていると、自分らしさを見失うことになる。俺は他人の価値観と違う自分だけの個性を持ちたいと思って生きてきたし、好きなものはとことん追求し、嫌いなものは歯牙にも掛けないと思っていた時期もあるけど、それだけじゃ偏ると思ったので、自分が嫌いと感じたものを楽しんでいる人間の話を聞くことで、『嫌いだけど悪いものじゃない』『価値観は人それぞれ、ただ幅広さや深さには相応の差がある』とか、今にしてみると当たり前の哲理を20代後半から30代のうちに習得できたと思う」
晶華「好き嫌いと良い悪いは違う、というのは批評の上で大切よね」
NOVA「どうしても、好きなものは質も良くて、嫌いなものは質も悪いと思いたがるもんな。『質は良くないけど、自分には合っていて好き』とか『個人的には嫌いだけど、良く評価する者も多く、その点は認めよう』とか、そういう評価ができて初めて、いい評論も創作もできるんだと思う。価値評価の基準が単純すぎると、どうしても愚かに見えてしまうわけで」
晶華「リアルとバーチャルの対比が、コロナ禍の影響でより引き立つ世の中になると思うけど、NOVAちゃんはどう考える?」
NOVA「理想は、どっちも充実していることだろうが、この『充実』という価値観が異性との交流一辺倒なのが動物的で、ラノベのパッと見、頭の悪さにつながるんだよな。『可愛いは正義』とか『萌え絵の受容と弊害』とか、いろいろなテーマで語れると思うんだけど、とりあえず、可愛いで多くの男は釣れるし、売れると良いものという商業主義も決して否定はできない。でも、俺はどんなに可愛く描かれていても、そのキャラの言動がダメなら萌えれんわ。女の子については、シチュエーションや関係性や、いろいろ吟味する要素も多いし、『可愛い』という言葉も、人によって受け止め方が違うわけで、何をもって可愛いとするかで、受け手それぞれの個性が出ると思う」
晶華「じゃあ、NOVAちゃんは、私の何を可愛いと思っているの?」
NOVA「いきなり難しいことを聞くなよ。だけど、とりあえず三つ答えてみよう」
晶華「ワクワク」
NOVA「それは、お前が俺の娘だからであり、俺がお前の父親だからだ。両者の関係性ゆえに、父親たる俺は娘たるお前を可愛いと思う」
晶華「じゃあ、お姉ちゃんとどっちが可愛い?」
NOVA「その質問は却下だ。お前にはお前の、翔花には翔花の、それぞれ固有の可愛さがある。どちらかを選べと言われても、それはD&Dとソード・ワールドのどっちが好き? と問うようなもの。もちろん、個別分析して、それぞれの長所と欠点を比較対照することはできるが、どっちも違ってて、どっちもいい、という結論にしかならないし、それでいいと思っている。だが、今この時点ではお前に軍配が上がるな。何しろ、ロードスについて語ってくれるのはお前だし、翔花には帰ってきたらいろいろ教えるべきことがあるので、手が掛かるのは大変だ。人は、手の掛かりすぎる子をうんざりする気持ちもある」
晶華「じゃあ、私の可愛さその2は?」
NOVA「今、言ったろう。ロードスという趣味を語ることのできる間柄。お互いのロードス愛を認め合っている仲だぜ。互いの愛を確認し合える関係ってのは、可愛いだろう」
晶華「じゃあ、私がロードスの悪口を言ったら?」
NOVA「お前のロードス愛は所詮その程度か。期待した俺がバカだったぜ。ロードスを捨てたお前に価値はない。可愛さ余って憎さ百倍だ」
晶華「そんな、ひどい(涙目)。NOVAちゃんは私とロードス、どっちが好きなの?」
NOVA「そりゃ、ロードスだろう。生まれてまだ2年の花粉症ガールが、30年以上の歴史を持つロードスに張り合おうなんざ、28年ぐらい早い。悔しかったら、お前も30年続いてみろよ」
晶華「それだけNOVAちゃんが続けなさいよね」
NOVA「そうしたら、俺、78歳ぐらいだぜ。その年で花粉症ガールなんて書いていたら、俺はその爺さんを尊敬する」
晶華「でも、30年も続いたら、もうガールって名乗れないわよね。ええと、花粉症ウーマン? 花粉症レディー? 花粉症マザー? どれがいい?」
NOVA「マザーって、子どもができているのかよ」
晶華「チビショーカって感じかな? またはミニショーカ? プチショーカ?」
NOVA「お前の可愛さその3。一緒に会話していて日常雑談も楽しめる。これ大事よ。一緒にいても楽しくない間柄は、ダメだ。とりとめのない雑談が盛り上がるというのは、アシスタントガールとして有能だ。やっぱ、トークの相方として使えない奴には、可愛いという称号は与えたくない。綾波レイは、俺には合わん。無口系ヒロインは俺向きじゃない」
晶華「じゃあ、誰ならいいのよ?」
NOVA「エヴァにはいないなあ」
晶華「ガンダムだと?」
NOVA「セイラさん、ファ、リィナ、ルー、マルチナさん(実は姉のエリシャと混同していたことが後から判明)、レイン、アレンビー、ティファ。ここまでが20世紀」
晶華「ティファさんは無口系ヒロインじゃないの?」
NOVA「いやあ、それはガロードに感情移入したら必然的に影響を受けるじゃないか。あ、もう一人、エニルさんを忘れていた。あれはあれで大人の魅力が素晴らしい。声優さんがプルと同じで、もう故人なのが残念だ……って、おっとプルと、プルツーと、マリーダさんを忘れてちゃいけないな」
晶華「全然、好きなキャラの統一感がないじゃない?」
NOVA「そうなんだよ。不思議だなあ。まあ、ガンダムは感情移入した主人公と関係性の強いヒロインに目が行くってことか。20世紀は俺もまだ若かったし、自分の好きなヒロインの傾向性も深く考えていなかったんだよ。だけど、今、並べて共通点を見出そうとしても、ちっとも分からん。まあ、マルチナエリシャさんはオデロつながりだって分かるんだけど、どうしてシュラク隊のメンバーに一人も推しがいなかったのかが不思議だ」
晶華「とにかく、NOVAちゃんがアニメのヒロインに心惹かれることもある健全な青少年だったことが分かって何よりね」
NOVA「それを世間で健全というかどうかは知らんが、20代の時はリアルよりもTRPGという夢と、その周辺のサブカルチャーを追っていたし、21世紀に入った30代の頃はホビー館という趣味サイト作りをネット活動の中心にしながら、リアルの仕事を頑張ってきた。そこに女の子のことを考える隙間はなかったよ。俺が萌えという言葉を使うようになったのは遅くて、ラーリオス以降だった」
晶華「では、NOVAちゃんと女の子の接点は全然なし?」
NOVA「ゼロじゃないが、俺がリアルで接する女性って、家族を除けば、塾の教え子の学生とその母親ぐらいで、それ以外は趣味のサイト作りやコンテンツ作りに励んでいたから、女性というのは自分の創作リプレイで描くヒロインキャラのイメージソースぐらいにしか考えていなかったなあ。
「もしも、仮にコメント主が念頭に置いてそうな『女に飢えるような衝動』か何かに駆られていたら、俺は生徒に手を出す犯罪者になり兼ねない環境だろうし、そんなことよりもこっちは趣味が大事だという自制心があったわけだ。むしろ、ごく一般のオタクって、そうじゃないのかな。マスゴミが貼った犯罪者萌え豚オタクのようなステロタイプイメージは多数派だと思いたくないわけで。
「もちろん、リア充オタクだと、たまたまサークルなんかで同じ趣味の女の子と意気投合したり、リアルの職業で出会いの場があったり、合コンとか見合いとかの縁でゴールインしたり、まあいろいろあるかもしれないが」
晶華「NOVAちゃん自身はその後、脚の骨折とか、自分の塾の立ち上げとか、いろいろあったわね」
NOVA「ああ。その時期にラーリオス執筆に注いだ時間とエネルギーを、彼女作りに費やしていたら、また違う流れになっていたかもしれないが、たぶん、俺は内省的な性格なので執筆にエネルギーを費やすだけで満足できる性質だし、外向きのエネルギーは教育業という仕事で発散できていたし、それで十分充実していたんだな」
晶華「そういう人間がいることが、コメント主さんにとっては驚くことだったみたいね」
NOVA「俺は逆の受け止め方をした。創作志望の人間がどうして、『人間というものが多様な人格を備えていて、それぞれ固有の人生観や思考癖を備えている』ことを知らず、考えられないんだって。俺だって仕事以外は引きこもりがちの世間知らずな人間だが、いろいろと創作物を読んだり、鑑賞したり、それなりに若い子たちとも接したりしているうちに、世の中いろんな奴がいるもんだなと理解しているのに、仮にリアルで接点がなくても、いろいろな創作物を読んだり鑑賞していれば、感じ考えるだろう? 仮にオンラインでの情報のやり取りに不慣れだったとしても、リアルで会えば、また深みのある人間として接することができるんじゃないか、とか期待したんだがなあ」
晶華「でも、そうではなかった」
NOVA「趣味の分野で幼児性が抜けないと自負している俺から見ても、何というか、高校生レベルで思考能力が止まっているのではないか、というぐらい、考え方が浅いんだなあ。まあ、俺ぐらいの年になると、考え方が若くてアクティブというのは褒め言葉なんだが、短絡的で浅いというのは意味が違う。もちろん、それでセンスも若くて、どんどん新しい若者の流行を吸収できるぐらい柔軟だったら、それはそれで長所にもなるが、『センスが古臭いおっさんレベルで固まっていて、その割に考えの浅さや世間知が社会に出ていない高校生レベル』というのはどう評価したらいいのか。
「ただ、一番難儀なのは、世界が狭いのは自覚しているはずなのに、新しいことを吸収できないのでは、エンタメ作家として致命的だろう。万が一にも運良くデビューできたとしても、1作2作書いてネタ切れになりかねない程、引き出しがないのも話していて分かったし、執筆動機が『過去に失敗した高校時代のやり直し、理想的な高校ライフを仮想的に描くこと』のみと聞いて、俺とは真逆を向いていると考えるに至った」
晶華「NOVAちゃんの場合は?」
NOVA「自分の世界を広げ深めること。変身願望。未知の世界の探索と合わせ、過ぎ去りしものを懐かしむこと。内面世界の充実。自己発見と確立。思考信条の伝達……と思いつくままに並べると、こんな感じかな」
晶華「いろいろあるのね」
NOVA「一言で言うなら、温故知新に尽きるんだが、別に今さら過去をやり直して、別の自分になりたいとは思わない。SF思考実験的にIF世界の自分を想像する遊びはするが、今の自分の歩いてきた道程と経験を捨てて、あるいは維持したままとしても、人生をやり直したいとは思わない。過去の原因が今の自分につながり、今の自分ができることをした先に未来の自分がいるし、未来の自分が死んだ後の輪廻転生を信じているからな。そして今をなるべく善良に(闇モードは抑えつつ)、賢明に(時にバカなことも交えつつ)、懸命に(時には休息もしながら)、自分らしく歩み抜いたその先に、まあそこそこの善業を積んだ次の自分の人生が再スタート……するだろうという楽観的信条、いや信仰があるわけだよ」
信仰って何?
NOVA「これは、ファンタジーにしてもリアルにしても、人間の生きる基盤だと思っている。神話とか哲学とか主義信条とかぶる部分もあるが、善悪の基準や死生観、そして、どんなスキルや呪文を習得できるかも含めて、宗教で決まってくる要素はそれなりにあると思うぜ」
晶華「スキルとか、呪文ってゲームみたいなものね」
NOVA「ゲームは現実をシミュレートしている要素も多々あるからな。例えば、キリスト教徒なら〈聖書知識〉とか〈歴史伝承知識:聖人〉とか普通に持ってそうだし、仏教徒でも〈経文知識〉とか〈宗派ごとの教義体系〉とか〈座禅への耐性〉とか〈加持祈祷〉とか、いろいろ現実でも習得できるわけだよ。もちろん、〈ラテン語読解〉とか〈サンスクリット語読解〉とか言語系を極めるアカデミックな道もあるな。
「まあ、現実社会でどこまで役に立つかは微妙なものも多いが、『経典をそらで暗じ、同じ信仰の信徒に例えとして引用して、激励説法できる能力』なんかは聖職者の必須技能だろう。教団内で一般的に知られている説話の登場人物名を間違えて覚えていたり、うかつに言い間違えたりしただけでも、信徒からの信頼レベルが下がってしまうわけで、もちろん、聖書や経文をどこまでスラスラつかえずに読めるか、アミュレットや数珠なんかの道具をどのように扱うか、祈りの儀式の際にどちらの方角を向いて何回頭を下げるかなど、常日頃から経験して修得していなければ、上手くこなせない作法は宗教ごとにいっぱいあるんだよ」
晶華「つまり、物語の中に信仰キャラを登場させる際にも、その宗派の教義の概要とか、特徴的な世界観、儀式のあり方とかを何となくイメージ構築しておかないと、上手く描けないってことね」
NOVA「まあ、そのために神話とかのファンタジー資料をあれこれ紐解いたり、歴史を勉強したり、いろいろするんだけどな。ラーリオスという作品は、仮面ライダーBLACK+星矢が元ネタで、敵対するのが『正義を騙る宗教的背景をもった秘密結社ゾディアック』という設定だった。この際、例によって原案者の、創作家にあるまじき言葉足らずのせいで『正義の宗教結社が敵組織』という言い方で、???な説明だったわけだ。で、モデルがゴルゴムと、星矢の教皇率いる聖域を混ぜ合わせたものということで、ますます???だったりする」
晶華「ゴルゴムは正義じゃないし、星矢の背景のギリシャ神話とは宗教観からして全然違うし、今それを聞くと、この人はバカ? ってなるわね」
NOVA「まあ、実際、掘り下げると、『宗教に対しては本当に無知で偏見に満ちていて、しかも根本的に見下していた』から、リアルやフィクション両方の宗教研究家でもある俺に徹底的に論破されていたなあ。何しろ、自分の原案作品で奉じる宗教が一神教なのか、多神教なのかという根幹設定すら、自分では決められなかったわけだし、彼の当時の宗教イメージは90年代に湾岸戦争で話題になった『イスラム教』や、地下鉄サリン事件の『オウム真理教』のマイナスイメージがこびりついて、『宗教=テロリズムに通じる無知ゆえの迷信の産物』という、こっちから見たら、無知なのはお前だとツッコミ入れたい程度の知識。
「宗教には功罪それぞれがあるのは、まともに歴史を勉強していたら分かることだし、宗教が日本や世界の文化に多大な影響を与えたことも考慮すれば、そしてロードスなどのファンタジー世界を知っていれば、そこまで極論をぶちまけたりしないはずだと俺の常識では思ったわけだが、俺も別に宗教論争をしたいわけじゃなかったので、『物語のプロットさえ提示してくれれば、それに合わせてゾディアックの根幹設定は経験者の俺が作るわ。細かいところは追々詰めていこう』ってな感じで、苦心した記憶はある」
晶華「はあ、NOVAちゃんがラーリオスという作品にこだわる理由が分かった気がするわ。原案者さんの無経験と無知ゆえの至らないところを、当時は創作経験者の立ち位置でいろいろとフォローして行ったのね」
NOVA「まあ、それはそれで楽しい作業だったから、恨み言じゃないんだけどな。問題は、彼はその当時から宗教関係で多くの攻撃的な失言をネット上でかましているんだよ。一応、業(カルマ)というものを信じる俺としては、彼の魂というか命というか、相当、諸宗教の呪いというか自業自得の罪悪がこびり付いていると思うんだよね。この辺は、どの教えが正当かという宗教教義の問題は置いておくにしても、神や仏に敵対する発言をした者は罰が当たる、というのはどの宗教でも割と共通している。俺は呪いを肯定するわけではないが、濁業はあるとの立場だから、なるべく他人の悪口は言わないように努めているし、バカという言葉を使うにしても、その分のフォローはして差し引きがマイナスにならないように考えている。
「宗教嫌いなので、あえて距離を置いて関わらないようにするのなら、それは生きる知恵だが、何も知らないのに偏見だけで攻撃する悪癖のある人間は、俺の目から見ると、相当な悪業を重ねているんじゃないか、と信仰的に心配するわけだ」
晶華「でも、宗教をネタにしているフィクションはいっぱいあるよね」
NOVA「罰が当たらないように、というか現実の宗教団体から抗議を受けないように、架空の神話体系を構築するなり、悪徳宗教家もいれば善玉の宗教家も登場させてバランスをとったり、破戒僧という設定で王道の宗教家ではないとしたり、宗教の専門家をオブザーバーに招いて問題が生じないようにしたり、そして一番、罰当たりになりそうな『全ての神話体系を悪魔という呼称で網羅した女神転生シリーズ』は、作品を作るに当たって神社での厄払いを慣習化していたとのこと。一応、迷信かも知れないが、それでも形式上でも信仰による加護を求めているわけで、まあ最初のメガテン的世界観では『日本の神道は基本的に味方』だし、悪魔も仲魔になったりして敵対的存在というばかりではないという意味で、包括的にバランスはとっているわけだ」
晶華「つまり、宗教を題材にしている以上、それぞれが各宗教の敵意、ひいては神さまの怒りを過剰に招かないよう、気を使っているということね」
NOVA「そうそう。神がいるかどうか、どの神が真実かどうかは各人の宗教観にもよるし、この場で愚見を示すつもりはないが、少なくとも有名な神はそれを信仰する者も多いので、そういう信仰者の思念、想念、怨念の集大成が神に力を与えるという世界観に準じるなら、下手に神の悪口は言わない方がいい、というのが真っ当な常識人だと思うぜ」
晶華「触らぬ神に祟りなしってことね」
NOVA「宗教の問題は、どこに飛び火するか分からないので、社会的常識をもった日本人は冠婚葬祭などでお世話になる場合を除き、極力関わらないようにするか、学問やフィクション物語という体裁をとるか、あるいは自己の信仰に徹底して依存して神仏の加護を信じるか、のどれかだと考える。ろくに勉強もしていないのに、防護手段もなしに、うかつな気持ちで触るなら呪われてしまうのが、物語世界の常識だな。まあ、ニュートン以降の科学信仰で防護するという考え方も一理あるが、科学も信仰の一領域と解釈するのが現代の大人の常識かもな。もちろん、科学では対処できない問題もあると理解したうえで」
晶華「NOVAちゃんは何を信じているの?」
NOVA「自分、そしてあらゆる生命の中に宿る仏界という信仰教義だな。だから、どんなに悪人でも仏に縁して救われるべきだと考えているし、どんなに善人でも悪縁に紛動されれば悪堕ちする可能性だってある。その中で、悔い改めて悟りを求める者もいれば、地獄の中に仏を見据える者もいるだろうし、順縁・逆縁いろいろな形で救われる者もいて、まあ人それぞれの物語があるのだろうさ。それに、お前の名前にも仏教的な要素も込めているし、俺的には書写行もこれまた仏道修行なんだわ、これが」
晶華「ウソ、私の名前にも仏教の要素が?」
NOVA「日本では廃れたが、華厳宗というのがあって、奈良の大仏にも通じているんだぜ」
晶華「じゃあ、お姉ちゃんには仏教要素ってある?」
NOVA「いや、特にないな。翔の字を持つ仏菩薩でもいればいいんだが、俺の知る限り、つながらない。翔花の名前を考えたときは、仏教とつなげようなんて思いもしなかったからな。翔という字は、空を飛び翔け巡るって意味があるなあ」
晶華「今ごろ、どこを翔け巡っているのかなあ」
NOVA「さあ、それは作者にも知れない大宇宙の謎だなあ」
後書き
まあ、何というか、変なコメントを契機に、いっぱい書いたものだと思います(苦笑)。
正直に言って、コメント主はNOVAに「リアルのお悩み相談に乗って欲しい」と考え(正月辺りからそんなことを言って、NOVAに断られた)、隙あらばと今回、リアルの話題を持ち出してきたのだと思います(意識したにせよ、しなかったにせよ、結果は同じ)。
そして、自分はリアルのお悩み相談だと、彼のような罰当たりな人間には、神仏の加護を祈るしかどうしようもない、と考えますので、そういう話には乗りたくないのです。
だって、NOVA名義では、あまりリアル宗教の話に深入りしたくないですし、ネットでの趣味活動に「いちいちリアルの話題を持ち込む男」と関わりたくないんですな。興醒めで、こっちが楽しくないから。
これはラーリオスでの創作活動を共同でしていた時から発生した問題で、ネットでの趣味語りの場に何かとリアルを持ち込みがちな習性のある彼のマナー違反ととらえています。
で、そういう話題を持ち出した時点で、こっちはしばしの距離を置くことを決めております。
だって、正直、彼のリアルには、まともに踏み込んで相手できないし、したくもないですから。
ただ、まあ、聞かれたことは誠意をもって答えたつもり。
リアルの女性関係とか、そんなことをわざわざ答える義理もないのですが、変な誤解を招くのもイヤなので、その辺は趣味活動重視で、恋人とか、ややこしい恋愛なんかは、あまり視野になかったということで。
大体、NOVAは自分のことを在家修道士みたいな奴と認識しておりますので、まあ、その道が特撮とか必殺とかTRPGとかスパロボというように20年前に決めております。硬派な禁欲主義で趣味ライフをエンジョイしていた男が、何の因果か、ラノベ作家になりたいと夢を語った男と関わって、相手に合わせる必要から「萌え」という道に入門して、その結果が「花粉症ガール」という流れ。
恋人を作る前に、娘がPONと誕生したりしたわけで。
いや、恋人といえば、ラーリオスのカレンとかスーザンとか、他にもコンピューターゲームのリプレイ記事で、ドラクエの馬姫さまとか、PORのエオウィンとか仮想キャラで書いてみたのですが、どうも女の子を追っかける自分(を投影したキャラ)なんて、やっぱりしっくり来ないわけです。
だったら、女の子が付きまとってくる(ラノベでよくある)オタクの夢と思しきものはどうだ? と試してみたら、やっぱり50近いこの年で、そんな物を書いても、これじゃないというか、正直、自分にベタベタ絡む女ってのが、想像しても、ちっとも嬉しくない。
じゃあ、何が自分にとって自然なんだと考えてみたら、娘、幼子という結論に。
この場合、ロリコンとか、そういう対象ではなくて、養い子なんですね。かんざしの秀さんが、お民ちゃんの面倒を見てるような。
他にも、娘のために奮闘する父親というイメージだったら、自分の中のハードボイルド硬派像も納得できる。仮面ライダースカルですよ。
大体、フィクションを見ていても、女のために頑張る主人公ってものに感情移入できたのは、90年代。物語終盤のドモン・カッシュとか、少女との出会いが運命を決めたガロード・ランとか、その辺り。
そこから20年も経って、自分が好きな(感情移入できる)フィクションキャラも、弟子より師匠とか、おやっさんとか、若くても世話焼き先輩キャラに移っていく。リアルで女に現を抜かすような人生を送らないまま、趣味に人生を捧げているマニアが、創作の分野で女に現を抜かす?
自分にとってはリアリティーを感じないし、有り得ない。
でも、娘に現を抜かすなら、有り得てしまったのが、このブログ。
まあ、リアルよりもバーチャルなネット世界で、自分の趣味を楽しんでいる姿を残したいという価値観で、20年を生きていた男にとって、何かとリアル云々を持ち込んでくる輩には用はありません。
お悩み相談? だったら、仏に帰依せよ、で終わってしまいます。もちろん、信仰者は祈った後に、状況解決の知恵を出して行動するものですが。それとて、妄想じゃないかと言われたら、自分は妄想を肯定して、お気楽極楽に生きている節もありますからね。
信じる者は救われる、と、マジで信じちゃってるのが信仰者たる所以。まあ、それ故の苦労もしちゃってるわけですが。
そして、リアルの仕事や、信仰の研鑽とは別に、自分は趣味ライフも大事にしたいと考えているわけで、そりゃ物事は分けて考えるようにしてますよ。
真面目に信仰だけしてちゃ、いろいろな神さまの出てくるファンタジーRPGの物語なんてハマれません。若いときはその折り合いで多かれ少なかれ苦心した時期もありましたが、信仰は自身がハッピーになれるためにやるのです(その延長で、自分に関わる人もハッピーにできたらいいな、なんて気持ちもあるけど)。そして、自分がハッピーになれるのは、創作含む趣味ライフをエンジョイしている時。
仕事4割、趣味3割、家族&信仰3割ってバランスかな。自分の信仰は教義云々だけでなく、家族や昔からの交友関係にもつながって来るので、それも生活の一部。まあ、自分の意思で選んだものじゃないけど、それを簡単に捨てちゃ、人生の土台があれこれ崩れるぐらい大事なもの。
でもそういう自己主張だけはしておいて、趣味の場所で、いちいち引けらかさないように考えつつ。趣味は趣味として、ファンタジーRPGの宗教観とか、リアル宗教の研究(やはり、歴史とか勉強していると、自分ところの宗派と他の違いとかあれこれ調べたくなるもの)なんかは真面目な遊び心としてネタにしたくもなります。
他にも、ウルトラマンの表情のアルカイックスマイルは仏像に由来するとか、キカイダー01は仁王像を割って出現したとか、フィクションの中の宗教とかは、文化の流れで時たま話題に出せますしね。
比較神話学みたいな学問も大好きです。
そもそも、そんな信仰観をわざわざブログで書かないといけない羽目に陥ったのも、コメント主がリアルの問題を持ち出してきて、何というかあれこれ悩んだ末の決断。
まあ、信仰問題で散々、罰当たりな発言を続けた御仁ですから、リアル悩みの話題に関しての厄除けにはなるかな、と。で、こちらの善意を求めるなら、それは信仰すれば大丈夫、という単純な答えで終わらせられる。
別に、この場で本気で勧めているつもりではなく、リアルネタを回避するための防護用信仰呪文って奴ですな。まあ、この場限りの方便って奴です。
ともあれ、今年はうちのサイトも20周年なので、平成の終わりと同様、いろいろ振り返っているわけですが、
自分探しというか、趣味を中心にアイデンティティー確立とかを目指して、それなりに実現できた20年でした。大切な趣味仲間(一部そうでない人)と出会ったり、別れたり、この道、我が旅、果てしなく続くと歌いたい現状ですが、
今後とも、趣味話を主軸に、明日へ明日へ、歩き出して行きたいと思っております。
ここまで、いろいろなことを書き連ねた長駄文ですが、最後に。
リアルのことを持ち出した時点で、こちらはコメント主さんを「自分の趣味ブログおよびサイトの世界を脅かす邪魔で興醒めな御仁」と認定し、この辺が潮時と考えております。
ですから、一方的な決定になりますが、自分の管理する場所全てで、以降は書き込み不可、あるいは見つけ次第、削除の対応を取らせてもらいます。
度々、管理人のリアルに関わることを公の場で問い質し、きちんと相手するならば、ブログ運営を大幅にかき乱すことがはっきりしたわけです(管理人の精神安定にも悪い)。
こちらは、今後ともコメント主さんのリアルには一切タッチしないことを明言し、その人生がどうなろうと、個人として何も助けることができない、相談に乗る義理もないし、これまで散々やらかしてきたような質問に答える義務もないことを、改めて通告します。
少なくとも年内いっぱいは、誰かのリアルにわずらわされることなく、趣味のブログ書きを続けるつもりですので、わずらわしてきた常習犯とは、一切関わりを持ちたくありません。
それでも、リアルの話題とは関係なく、趣味の話のみの関係修復を望むなら、来年の年明けから仕切り直すぐらいが妥当かな、と。
いろいろコメントしたいこともあるかもしれませんが、リアルを執拗に持ち出された時点で、「そちらが趣味話を利用(悪用)して、リアル話に持ち込むのが本命だった」と解釈しますので(弁明は聞かない)、趣味を本流と考えるNOVAとしては度々のマナー違反を厳しく戒めるための処置とさせていただきます。以上、長文失礼。ここまでお付き合いいただき、お疲れさま(m0m)
(当記事 完)