「夏休み料理大会」後編。
闇料理人・生簀一郎による「天使の輪増殖計画」に対する、天道のリベンジがテーマ……なのか。
井上脚本による天道は、「常に高みに立ったオレサマ的余裕」ではなく、「ライバル登場に張り合う報復者」のイメージが強調されるわけですが、今回は生簀に勝った後の頂点ぶりと、田所さんの漢っぷりを活かしたギャグ(笑)など、はじけっぷりが素直に楽しめました。いや、この人がメインライターで、こういうバカ話ばっかり見せられると、つらいけど、一時のギャグ編だと思うなら、各キャラのディフォルメっぷりと、その脚本を活かしたシュールな映像効果は大いに楽しむべきと思う。
しかし、じいやの双子の料理人師匠に従い、「雑巾料理」に頭を絞った挙句、
「素材の特性を見抜くこと=雑巾は料理の素材ではない」ことに気付いたことで、「白包丁」をGETしたはいいが、
本番の決闘シーンでは、結局、「白包丁も、黒包丁も関係ない!」と言い放ち、「そよ風を調味料に」と伏線を無視した唐突な解決を示す天道。
その場の勢いと、けれん味だけの薀蓄描写でストーリーを押し進め、計算された全体構成とか予定調和とかは一切無視した展開は……正直言って、真面目なストーリー作家がブチ切れてもおかしくない(笑)。こういうのは、あくまで堅苦しく考えないギャグストーリーとして受け止めるべき、とは思うわけで*1。
剣坊ちゃま
料理対決とは縁遠い世界で、加賀美とともに戦っております。
「ミサキーヌ*2を守る!」とか、時おり、おかしな発言はあっても、本人はいたって真面目。
もう、この人と加賀美がいなければ、今回の話は「仮面ライダー」として成立しない、と思われる超重要キャラ。
でも、そろそろ物語が収束していきそうで、生命の危険が感じられたりも……。
加賀美
「仮面料理人カブト」と化した物語世界の中で、
坊ちゃまと二人で「仮面ライダー」らしく行動している正義のヒーロー。
ただ「サソード=ワーム」という正体を知ってしまい、「龍騎」「ファイズ」「ブレイド」といった先代たちと同種の悩み「戦って敵を倒すだけでいいのか?」に陥ったりもします。主人公がこの手の悩みに没入しちゃうと、話が重くなるんだけど、カブトの場合、「達観した天道」と「悩む加賀美」に役割分担が行われていますので、適度なところで歯止めが効くか、と思っています。
今回のラストでは、坊ちゃまを助けるべく、天道との対立で幕となったわけですが、加賀美らしい自然な対立構造とも思ったり*3。
キュレックスワーム
生簀一郎の変身する蚊のワーム。
TV朝日の公式サイトによると、
地球に棲む蚊に似た能力を持つ。主に夜間に活動しており口腔より伸ばした管で人間の体液を啜る事を好む。また左腕の棘で敵の身体を突き刺してウイルスを注入して自分の思うままの操り人形として扱う事が出来る。
おおい、劇中では料理しているだけで、「ウイルスを注入」している場面なんてなかったぞ(笑)。
……いや、もしかすると、「あの料理の中にウイルスを混ぜて、人の感情を操作しているのかも」と想像力をかきたてるほど素敵な設定でございます。
しかし、カブトとの戦闘シーンでは、やたらと「ブンブンブンブン」という効果音が耳について、爆笑してました。何だか、料理人の時の貫禄はどこへやら、一方的にカブトにぼこられていたし。人間体とのギャップもあって、非常に印象的なワームだと思いました。
新ライダー
謎のハイパーフォームに少しずつ、光が向けられることを期待する中で、
児童誌やホビー誌で、6人目と7人目のライダーが発表されました。
その名は、「キック&パンチのダブルホッパーライダー」。
キックを得意とする緑色のキックホッパーと、パンチを得意とする黒色のパンチホッパーの二人組です。
このうち、キックホッパーに変身するのが、劇場版で「パーフェクトな死」を迎えたザビー矢車さんだ、とのことで、NOVAの心は浮き立っています。
TV版ではザビーゼクターに見放され、劇場版ではヘラクスに殺されるという不幸続きの矢車さんに、ようやく「バッタのライダー」という栄光が訪れたことを、NOVAは大いに歓迎いたします。お帰り、矢車さん、と。
もう一人のパンチホッパーの正体が謎なのですが(三島さん?)、矢車さんの復活によって、物語が面白くなることを期待しつつ、サソードの運命をドキドキしながら、次回の放送を見守るとしましょう。