Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

妖精郷の、崩壊の危機(SWフェアリーガーデン4ー11)

空の上(スカイハイ)から見る世界

 

 空にピシッとヒビが入った。

 地上の人間たちなら、ガラスが割れるようにって言うのかな。

 ガラス……よく分からないけど、ミーミルの作るような氷みたいなものらしい。

 透き通っていて、キラキラで、きれいと言えばきれいなんだけど、窓に張り付けられると、風が入れなくなる。地上の人間どもは、風があまり好きじゃないらしい。

 もちろん、気持ちいい風っていう人もいるから、そんなに気持ちいいんだったら、もっと気持ちよくしてやろうか、と強く吹き込んでやったら、キャーッと歓声を上げて喜んでくれる。

 それは歓声じゃなくて悲鳴だ、お前はやり過ぎだ……と頭の固いタイタンなんかは口うるさいけど、歓声と悲鳴の違いなんて、どうやって分かる? どっちも同じキャーッじゃないか。

 まあ、ぼくに分からなくても、タイタンには分かるのかもね。だってタイタンは地上にいるんだし、人間だって地上にいるんだから。

 こっちとは住む領域が違うってことだし。

 ぼくは空の守り手として、自分ができること、やりたいこと、やるべきことをしっかりやるだけさ。風らしく自由に、楽しく、気の向くままにね。

 それが、このぼく、風の大妖精ジンの心意気ってものさ。

 

 さて、今やるべきは、ひびの入った空の修復だけど。

 普通は空にひびなんて入らない。空は空、どこまでも広がっていて、地上のガラスみたいに風を遮ったりはしない。際限なく、果てしなく、大らかだ。

 だけど、妖精郷の空は違う。それなりに広くはあるけれど、それでも閉じた世界だ。

 妖精郷はラクシアの上空に隠された小世界で、空に浮かぶ小島みたいになっている。だけど、世界そのものが魔力の結界に覆われていて、ラクシアの空と妖精郷の空は直接、行き来できない。ぼくたち妖精郷の住人は、たとえ空が飛べても直接の脱出はできないんだ。

 脱出しようと思えば、〈転移の魔法陣〉を使うか、それとも異世界への壁を破るか。どっちにしても、自然ならざる力なので、ぼくたち妖精にとってはよく分からない。

 妖精魔法とは異なる秘術(古代語とか神聖とか召異とかいろいろ種類があるらしいけど、ぼくにはちんぷんかんぷんさ)の達人が関わっているんだろうけど、そういう大それたことができるのは、ネアン様とか、アラマユ様とか妖精郷を作った方々(クリエイターとも言う)、それに妖精郷を壊そうと目論む異界の魔神ども(こいつらはデーモンと呼ぶのが一般的だ)ぐらいだろうな。

 そして、このひびの元凶が魔神どもだということは分かっている。だって、魔神の臭いが風に乗ってぷんぷん臭ってくるからね。

 やれやれ。

 魔神なんて連中には、あまり関わりたくないものだけど、妖精郷を守るために必要とあれば仕方ない。こう見えても、ぼくは自分の役目には忠実なんだ。できることなら、やりたいことなら、やるべきことを果たすのもやぶさかではない。ただ、できないこと、やりたくないことを求められても、そんなの無理、と逃げ出すけどね。

 できないことをやるべきなんて言われても、そんな仕事は他に回せって思うし。

 やりたくないことをやるべきなんて言われても、その気もないんだから無理しないって思うし、イヤだって言ってるんだから、空気読めって訴えるよ。

 だけど、異界の住人は空気なんて読まない。だから嫌いだし、関わりたくない。

 せめて、ぼくにできるのは、ひびの入った空の修復と、魔神が来たって警報を魔神退治の専門家に知らせることぐらいさ。妖精郷の外の地上には、魔神ハンターと名乗るような酔狂な連中もいるみたいだし、専門家でなくても冒険者や放浪者(ヴァグランツ)と呼ばれるような英雄候補、勇者みたいな奴らは、どこにでもいて、世界の危機に立ち向かってくれるらしい。

 今も、妖精郷にはそんな連中がいるみたいだね。

 タイタンが妙に肩入れしてるようだし、イフリートも認めかけているって、シルフちゃんが知らせてくれるけど、本当にアラマユ様の後継者なのかは、いまいち測りかねる。

 ぼくのいる大空まで来て、「お願い、ジン様」って頼まれたら、「うん、OK」って二つ返事で応援してやってもいいけど、今のところは明らかに力不足みたいだし、タイタンみたいにじっくり成長を見守ってやろうなんて根気は、ぼくにはない。風だから気はあっても、根っこがないんだから、無い物ねだりされてもね。

 

 もちろん、連中の行動が面白いのは何となく分かる。

 面白さは正義ってものかもしれないけど、面白半分で世界を掻き回されることもあるからなあ。

 封印された光の妖精力を連中が解放したのは、まあ、正義に近いんだろうけど、それで妖精郷の力のバランスの崩壊が進行したのも確かなんだ。

 今の妖精郷は、世界を維持する魔力が枯渇しかけている。だって、豊富な魔力を有するラクシアとの接触が絶たれているからね。

 入る物がないのに、出る物だけが増えてちゃ、そりゃ何でも維持できないさ。

 だから世界は自らを維持しようと、勝手に魔力の通廊を開く。

 管理する者がいないので、勝手に開いた通廊からラクシアの地上人や蛮族、そして異界の魔神どもが自然に、あるいは不自然に召喚されて来る。大抵の人族みたいにおとなしく平和に暮らしていればいいのに、蛮族や魔神にそんな慎ましやかさを求めても無駄っぽい。

 蛮族や魔神がただでさえ枯渇しかけている魔力を無駄遣いするものだから、妖精郷の崩壊がじわじわから、急激に進行しつつある。

 全力全開な崩壊の幕開けって感じ?

 特に酷いのが、あの【虹の根元】にある魔神召喚の門だ。あの門は実のところ、〈風の水晶塔〉に貯えられた魔力を利用しているみたいで、風と言えば、ぼくの担当するところであり、力の根源でもあるわけなのさ。

 ぼくが何とかするのが筋だと思うんだけど、力の根源を魔神どもに抑えられている以上は、ぼくが直接出向いても、戦う前に力を封じられて終わり、という未来が目に浮かぶ。

 つまり、ぼくができないことは、ぼくにはどうしようもないので、他に回せって話なんだな。

 ぼくはタイタンと違って、頭が固くないから、できないことに固執したりはしない。できないけど、やるべきことなら、それができる者の助力を借りるのが柔軟な物の考え方って奴だけど、できないから助けてって言うだけじゃ、人はなかなか動いてくれないってことも分かっているつもりだ。

 空気をしっかり読むなら、読んだ上で熟成させるつもりなら、まずは相手に貸しを作るなり、相手の仕事を手伝ってやるふりをしながら、巧妙に自分の仕事の手伝いをするように仕向けるなり、それぐらいのことは考えた上で、どっちも得するような流れを作る。

 自分だけが得することしか考えられないようじゃ、頭の悪い蛮族や、世界の異物たる魔神と変わりない。

 

 って、何だよ、この大きな力の流入は?

 えっ、タイタン、正気か?

 大地の妖精力だけじゃなくて、世界の壁を超えて、星の力、月の力、音の力、その他諸々の力を注ぎ込んで、一人の少女を覚醒させただって?

 妖精郷を守る聖戦士さまってマジ?

 タイタンがどんな希望を見出したのか分からないけど、とにかく凄い力を注ぎ込むなんて、頭の固い奴にしちゃ、大胆すぎるだろう。

 失敗すれば、力の無駄遣いってものじゃなくて、ますます世界の崩壊が進むじゃないか。

 

 ほら、空のひび割れが激しくなった。

 異次元から恐ろしい怪物(テリブル・モンスター)とも言うべき、魔神が襲来しようとしている。

 大丈夫なのか、本当に?

 いつもなら、ケセラセラ(何とかなるさ)って陽気に、軽やかに、さわやかに流すところだけど、この事態、何とかなるのか?

 

 やれやれ。

 タイタンの落ち度を、ぼくが取り繕う羽目になるとは予想もしていなかった。

 こうなったら、不本意だけど、ぼくが地上に干渉しないといけないみたいだね。

 まあ、連中が本当に妖精郷の救世主だってことなら、ここらで顔つなぎぐらいしておいてもいいか。

 

異世界から来た怪物

 

GM(NOVA)「では、妖精郷第4部の完結編の始まりだ。今回は最初からクライマックスだぜ」

ミリィ(晶華)「だけど、冒頭の1人称小説もどきから察するに、風の大妖精ジン様が助けてくれるのね」

GM「バトルが終わってからな。一応、シナリオギミックの一つだが、それは第4部から、次の脱出編EXODUSにつなげるための橋渡し程度の扱いで、バトルそのものは君たちで対処しないといけない」

サイバ(009)「ベルゼンさんは助けてくれないのか?」

GM「助けてくれる。ただし、ベルゼン、ポピン、マルキの3人はチームを組んで、襲来する魔神部隊の一角を倒してくれる形だ。君たちは君たちの担当する敵を倒してくれるといい」

サイバ「NPCNPCで戦っている。PCは自分の敵に専念するだけってことだな」

GM「念のため、各キャラのデータを示すと、ベルゼンは少なくともマギテック15、セージ13を持つとあるが、シナリオ描写から察するとライダー技能も高レベルで持ってそうだな」

マークス(ケイP)「冒険者レベル15って最高ですね」

GM「妖精郷の味方NPCでは最強だな。もちろん、アラマユとか妖精王とかタイタンたちみたいな大妖精はもっと強いけど、データがなかったり、モンスターデータの表記だったりで、冒険者レベル表記のベルゼンたちとは別格の扱いということになる」

ミリィ「他のキャラは?」

GM「ポピンが少なくともバード10、レンジャー8を持つとあり、マルキは少なくともバード5、フェアリーテイマー2を持つらしい」

サイバ「見事に後衛だらけだな。そんなので魔神に勝てるのか?」

GM「壁役は、森の動物たち、幻獣たちも担ってくれる。タイタン自身はエマ覚醒の儀式で消耗して動けないが、一応、森の世界樹若木を守るための総力戦と思ってくれていい」

エマ(翔花)「わたしの初陣に相応しい晴れ舞台ってところね。みなさん、敵は強大ですが、わたしたちには妖精郷の平和を守るための義があります。胸に秘めた愛と勇気と希望がある限り、決して負けはしないでしょう、と緑のオーラを放ちながら、皆を激励します」

マークス「さすがは、エマお嬢さま。凛々しいお姿に、すでにバイクモードの私もブルンブルンと興奮気味です」

ミリィ「こっちも負けていられないわね。ノーマルホースのノマちゃんに乗って、女王らしく毅然と叫びます。皆の者、聖戦士どのの言うとおりです。そして何よりも、あたしたちには妖精女王アラマユ様の加護がある。敵は強い。だけど、それは裏を返せば、戦利品もそれだけ高価だということ。敵を倒せば、報酬は思いのままである。武勲を挙げよ。そうすれば一財産も作れよう。勝って名を挙げるチャンスである。励むがいい」

GM「おい、そのセリフ。相手が傭兵部隊とか、せめて人族の騎士団だったら有効かもしれないけど、放浪の研究者とか吟遊詩人とか森の動物たちとかに言っても意味がないだろう。激励や応援をするなら、相手の立場や信条に合わせないとダメなんだ。自分が言われて嬉しいことを、違う主義や性格の相手にそのまま言っても、通じないことを学べ」

サイバ「そりゃあ、ミリィは金のためなら頑張れるけど、森の動物たちにそれじゃあな」

ミリィ「じゃあ、どう言ったらいいの? 軍師役のリオン様が見本を見せて」

サイバ「そりゃあ、森を守るため、でいいんじゃないかな。大体、ミリィはドルイドだし、エルフだし、妖精使いだろう? 自然を守ることよりも、先に金の話をしてどうするんだ?」

ミリィ「そうだった。トライダーG7さんの心理よりも、グレンダイザーさんの心理に合わせればいいってことね」

GM「俺だったら、誕生日プレゼントに持ってないTRPGのルールブックをもらったら嬉しいけど、大抵の人はそうじゃないもんな。相手の価値観と自分の価値観のギャップを理解して、上手く重なる部分を中心に交流しないと、ズレが大きすぎて話が噛み合わないということになる」

サイバ「要は、相手が想定できる場合は、相手の価値観をある程度、見極めた上での自己主張が望ましい。初対面とか付き合いが短い相手ならいざ知らず、10年以上も付き合っていて、いまだに相手の価値観が分かっていないのなら、学習能力の欠如を疑われても仕方ないだろう」

GM「まあ、どうしようもなく、ウマの合わない相手もいて、相手の生き方を100%否定するような物の言い方しかできない、それでいて自分の過ちは一切認めない頑固一徹な人間も世の中にはいるんだが、そういう人間とはそもそも話をしたいとも思わないわけで、適度な距離感をとって敬して遠ざける形になるかな」

マークス「人間、話せば分かる相手ばかりとは限りませんからね。相手の主張は理解できても、それが自分の生き方にはそぐわない場合、いちいち反論するか、適度に聞き流して、押しつけて来なければよし、と割り切るか。人付き合いも難しいです」

GM「フィクションだったら、100%相手を否定する人物とのやり取りを延々と描いても面白くないので、上手く通じる会話なら味方になれて、通じない会話相手なら力づくのバトルで倒してザマァするのが快ってことなんだが、リアルだと不毛な会話は即刻打ち切るのが賢明ということになる。

「もちろん、相手が一定量の見識を持っているなら、自分とは合わない意見でも、なるほど、そういう考え方もあるのか、と感じ入れることも多いので、自分とは違う意見だからと即座に切り捨てるのも偏狭だろうが、相手の見識(知識量や幅、生き方の根底にある信条などなどの総和)がどれぐらいか見極めることが、人付き合いの一つのポイントかな、とも思ったり」

マークス「その辺が人間というものの難しさなんですよ。そう綺麗に割りきれるものかどうか」

GM「だからこそ、感情を訴える前に、場に合わせた社交マナーを示すことが時として、しばしば求められるんだよ。まあ、ドラマではマナー以上に切々と感情を訴えることが正義という場面もあるが、それもTPOのお膳立てを整えた演出あればこそだからな。さて、人に何かを訴える上での注意点はこれぐらいにして、相手が問答無用で理不尽な侵略者なら話は簡単。戦って倒すことで、大切なものを守る。それに異を唱える者は少ないので、守ることが正義という作品は多い。

「現実は、正義の名の下に攻めるケースも多いんだが、その場合も攻めるための大義名分として、自分や仲間(同盟国)が傷つけられたから反撃することで奪われたものを取り返す、回復するため、というのが非常に多い。何が正義かは一言では言えないが、いろいろなケースをリストアップすれば、10個から20個以内にはまとめられると考える」

エマ「今は、細かいことはどうでもいいわ。異界から攻めてくる魔神は単純に悪で、森を守るために戦うわたしたちは正義。だから、敵はファルシオンで遠慮なく切り刻んでいい。ヒャッハー、汚物は焼却だ〜が正義ってことよね」

GM「そのセリフを言うだけで、正義が世紀末の時代に吹っ飛んでしまうから、控えるようにな。何度も同じネタをやると、さすがに飽きる」

 

怪物との戦い開始

 

GM「では、戦場は森の外。時間は夜明け前。君たちの上空、薄明かりの曙光が差し始めた頃合いで、オーロラめいた光のカーテンが揺らめくと共に、次元の裂け目が発生する。そして、登場したのは、魔神と蛮族の混成集団っぽい。君たちが戦うのは……(ダイスを振って)黒い影のような体長2メートルの魔神と、同じく体長2メートル越えの大きなゴブリンだ」

サイバ「魔物知識判定をするぞ。影に対しては21、ゴブリンは16」

GM「影はレベル8魔神ダルグブーリー。HPは剣のかけら入りボスで86点。弱点は炎ダメージ+3。ゴブリンはレベル8のハイキング。HPは54点。弱点値は抜けず」

ミリィ「レベル7冒険者4人に対して、レベル8の敵が2体か。前に戦ったインプとは格が全然違うわね。相手にとって不足なし。では、先制判定行くわよ。16」

GM「こっちは15だから、そっちが先行だ」

サイバ「ぼくから先に行動させてくれ。全員後衛スタートで、まずは軍師の鼓砲を使う。【怒涛の攻陣】と叫んで、物理ダメージ+2、回避マイナス1の効果だ。

「続いて、【ファイアボール】と言いたいが、先にエマさんとミリィとキャプテンの3人に【ファイアウェポン】を掛けておく。炎ダメージ+3を活かさない手はないからな。

「最後にゴーレムのバージルに命じて、ゴブリンに雷撃だ」

GM「ゴーレムを作る宣言はしていなかったはずだが?」

サイバ「前回の最後で、エマさんが敵の存在を感知したから、急いで作ったんだよ。第4部の最終回なんだから、それぐらい大目に見てくれよ」

GM「深智魔法の【インスタントゴーレム】を使ったということなら、認めよう。ただし、制限時間は6ラウンドだけだ」

サイバ「それだけあれば、たいていは敵を全滅できると思うんだけどな。とにかく、ゴーレム作成判定も成功して、雷撃放射。行使判定は11だ」

GM「ゴブリンハイキングは抵抗したのでダメージ半減だね」

サイバ「ダメージは8点の半分だから4点か」

GM「雀の涙、と言いたいが、防護点で減らせないから、4点を丸々くらった。残りHP50点」

ミリィ「続いて、ミリィ行きます。《ファストアクション》で2回行動できるので、今回は後衛から魔法を使いまくるわ。【フレイムアロー】を《魔法拡大/数》で2体に放ち、さらにもう1回放って、全部で4発の炎の矢が飛んでいく。MPも一気に24点消費して、大きな花火を打ち上げるわね」

GM「こちらの抵抗は魔神19で、ゴブリン18だから」

ミリィ「魔力8じゃ、抜くことは難しいわね。(コロコロ×4)全部、抵抗は抜けず、ダメージは半減。でも、炎の弱点+3は半減されないのよね。ええと、魔神には11点、10点。ゴブリンには7点、7点といったところかしら」

GM「魔神の残りHP65点、ゴブリンの方は36点だな」

エマ「では、わたしとマー君は前衛に突撃します。後ろからグレネードを撃つのもいいけど、そうすると前衛がいないので、相手に攻め込まれて魔法使いがピンチだもんね。そうなる前に、先に前に出て、壁になる。今宵のファルシオンは血に飢えているし。ウリィィィ」

GM「だから、それは正義の聖戦士のセリフじゃないだろう」

エマ「吸血鬼だからいいじゃない。それがダメなら、優しい狂戦士(バーサーカー)よ」

ミリィ「オルソンさんね。お姉ちゃんがロードスも履修済みなんて」

エマ「伊達に時空を越えた旅を続けてきたわけじゃないわ。ええと、今はまだ夜明け前なので、《太陽光での弱体化》は考えなくていい。乗機のマー君に祝福をかけて、抵抗+2、防護点+3、魔法ダメージ3点減少を宣言しておく」

マークス「おお、エマお嬢さまに祝福されるなんて。お嬢さまの匂いに包まれて、ヤル気マンマンだぜえ、でございます」

エマ「何だか変態チックな言動でキモいので、黒いオーラを放ちます。祝福解除よ」

マークス「そんな、お嬢さま。二度とこのような発言は口に致しません。キモい発言は封印しますです〜」

エマ「それならよろしい。祝福復活」

マークス「お嬢さまの光に包まれて、幸せ満開でございます」

エマ「うん、それならOKね。では、いよいよファルシオンでなぎ払う番よ。リオンさんの魔法で火炎剣のように燃えています。まず魔神斬り! 命中判定は13」

GM「17と言って回避」

エマ「くっ、おのれ。だったら次はゴブリン斬り! 命中判定は15」

GM「やはり17と言って回避」

エマ「ちょっと、このファルシオン、もしかして不良品じゃない? ちっとも攻撃が当たらないわよ」

サイバ「エマの命中基本値は9だから、ダイス目で9以上を出さないと当たらないのか。これは意外と厄介かもな。さすがはレベル8の格上モンスターと言ったところか」

エマ「うう、目覚めたばかりだから、まだ体が鈍っているだけなんだから」

マークス「お嬢さまの無念は私が晴らします。まずはお嬢さまを庇う宣言して、攻撃は全部、私が食い止めます。そして、【マッスルベアー】【ビートルスキン】【ジャイアントアーム】でいろいろブーストアップ。バイクから腕がジャキンと伸びて、ヘビーアックスとスパイクシールドでゴブリンを先に殴りつける。斧は14で外れ、盾も17で外れ。意外と当たらないものですね」

エマ「あと、一応、バイクで体当たりもできたのよね」

マークス「おお、3回攻撃でしたか。では、体当たり行きます。18」

エマ「やっと当たった。このまま一気に轢き殺しましょう」

マークス「いや、それは正義の聖戦士のセリフとしていかがなものでしょうか」

エマ「もっと丁寧に言えってこと? では、謹んで轢き殺して差し上げましょう」

GMサイコパスかよ」

エマ「ゴブリン死すべし。行けえ、マークストライカー蹂躙クラッシュ!」

マークス「ダメージ18点ですね。練技や魔法の追加ダメージは加えられないのでしょうか」

GM「それらはバイクユニットにではなく、キャプテン自身の強化だからな。ただ、鼓砲の分は乗る」

マークス「だったら20点ですね」

GM「ゴブリン王の防護点は8点だから、12点くらって、残りHPは24点だ」

ミリィ「さすがに瞬殺というわけにはいかないみたいね」

 

さすがは8レベル、厄介だ

 

GM「よし、1ラウンド裏の、こちらの番だ。まずはゴブリン王行くぜ。こいつは特殊能力のウェイトアクションで、1ラウンドめ後攻になると2回攻撃ができるんだ。 そして《全力攻撃》でダメージ+4、回避マイナス2。全力全開で行くゴブゴブ〜」

ミリィ「こいつ、まるでゴブゴブトピアから来たみたいね」

エマ「回避マイナス2で、次からは当てやすくなったけど、ダメージ+4が2回だなんて、マー君大丈夫?」

マークス「これでも防護点は14点に上昇しています。お嬢さまの祝福を受けた私は無敵のスーパーバイクですから心配無用」

GM「だったら、遠慮なく2回攻撃を叩き込もうか。まずは19点」

マークス「5点くらって、残りHPは54点」

GM「2撃め。25点だ」

マークス「くっ。11点くらって、残り43点。まだまだ、こんなことで、私のお嬢さまへの愛は折れません」

GM「さて、次は影の魔神ダルグブーリーの手番だが、こいつは特殊能力・影渡りを持っていて、乱戦状態に邪魔されずに移動することができる。つまり、このまま後衛に突き進むことができるのだ」

サイバ「何だと? こっちに来ると言うのか?」

GM「フッ、魔神は狡猾だからな。それぐらいの知恵は働かせるさ。さて、ミリィとサイバと、あとノマちゃんがいるのか。どれを狙うかはダイスでランダムに決めよう。おっと、良かったな、ノマちゃんだ」

ミリィ「よくない。あたしのノマちゃんを傷つけると、絶対に許さないんだから」

GM「俺だって、ノマちゃんって名前だと自分を攻撃しているみたいで嫌なんだが、今の俺は魔神だから、涙を流さない。爪攻撃17をくらえ」

ミリィ「そんなの避けられない」

GM「ヒャッハー、ダメージは15点」

ミリィ「防護点4だから11点くらって、残りHPは23点」

GM「さらにこいつは《連続攻撃II》持ちだから、攻撃が当たり続ける限り、あと2回まで攻撃を続けられるぜ」

ミリィ「そんな。避けるには出目11が必要なの? だったら、こんな時のために剣の恩寵ルールがある。女王の乗騎に手を出すとは、この下賤な者め、と鋭く睨みつけます。これで判定+4されて、はい、出目7で回避成功」

GM「何だと? 女王の威厳に一瞬怯んだ魔神は、攻撃の手を緩めた」

ミリィ「ホホホ、女王の威光は魔神相手にも通用するようね」

GM「だけど、先ほどの爪からは毒が体内に入ったようで、ノマちゃんは生命抵抗16を行ってもらおうか」

ミリィ「ペガサスだったら、毒無効だったのに。残念だけど、9以上なら抵抗できる。でも、8だった。惜しい」

GM「じゃあ、ノマちゃんは毒を受けたけど、これはダメージ毒じゃない。以降の回避にマイナス1するだけだ。ともあれ、これで、こちらの手番は終了」

 

起死回生の反撃態勢

 

サイバ「しかし、見事にやられたな。魔神が後衛に飛び込んできたことで、完全にこちらの作戦が崩れた。2体まとめて【ファイアボール】で殲滅させるつもりだったのに」

エマ「とりあえず、わたしとマー君でゴブリンを倒して、それから後ろに戻るわ」

サイバ「いや、それじゃあ、こちらが保たない可能性が高い。相手に3連続攻撃がある以上、ぼくやミリィがターゲットにされる危険性は避けたい。だから、このラウンド中にゴブリンを倒して、せめてキャプテンだけでも後衛に戻ってきて、かばう態勢を整えて欲しいんだ」

エマ「つまり、わたしがゴブリンを仕留めればいいってことね。任せて」

ミリィ「任せてって、エマさん一人でできるわけ?」

エマ「わたしは聖戦士よ。たかがゴブリン一体に遅れはとらないわ」

ミリィ「さっきは攻撃を当てることもできなかったじゃない」

エマ「それは過去のわたしでしかない。真の主役は、常に成長するものなの。そう、この物語の主役になるには、ここでわたしが輝く必要がある。まずは《マルチアクション》を宣言して、武器と魔法を同時に使う。そして、必中を期して剣の恩寵を願うわ。決めゼリフは、聖戦士らしく必殺のオーラ斬りだーーーッ。これで命中+4して、命中達成値20」

GM「それは当たったな」

エマ「フフフ。見せてやるわ。ファルシオンの恐ろしさをね。出目10でクリティカル! 次は出目3。まあ、いいわ。これで11点の基本ダメージに、追加ダメージ+11、鼓砲で+2、火炎付与で+2、合計26点ダメージよ」

GM「防護点で8点止めて、18点ダメージ。残りHPは6点だ。ふう、死ぬかと思ったぜ」

エマ「最後に、神に懺悔する時間を与えたのよ」

GM「何だと?」

エマ「あなたは魔神とつるんで、この妖精郷を穢した。その罪や万死に値する。だから、あたしが代わりに祈ってあげる。次こそ、まともな命に生まれ変わってやり直しなさい。【フォース】。魔法行使は14」

GM「それは抵抗できた。ダメージ半減だ」

エマ「チッ、罰当たりな蛮族め。ダメージは12点の半分で、6点」

ミリィ「すごい。ぴったり相手のHPを0にするなんて」

エマ「これが真の主役の力ってものよ」

GM「あ、ああ。俺も驚いた。この文章を読む読者の皆さんは嘘だと思うかもしれないが、俺はダイス目に関しては、一切の嘘は書いていない。他のセリフは妄想だらけと言っても過言ではないが、ダイス目だけは真実一路。それじゃないと、書いている方が面白くないからな」

マークス「とにかく、エマお嬢さまが宣言どおり、邪魔な大ゴブリンをお一人で華麗に仕留めてくれたおかげで、フリーになった私がお嬢さまを乗せて、後衛に戻ることができます。さて、《ガーディアン》の特技によって3体まで庇えるのですが、お嬢さま、ミリィさん、リオンさん、ノマちゃんの誰を外しましょうか?」

エマ「HPが高くて余裕があるから、わたしを外してくれていいわよ。聖戦士は弱者を守るものだし」

マークス「おお、さすがは気高い御心。では、今回は、その気高さに感じ入った私がブルンブルンと言って、影の魔神にライダーブレイクを仕掛けます。ライダーブレイク、略してラブ攻撃❤️ 命中は15」

GM「それじゃあ、当たらないなあ」

マークス「今のは、牽制。次はくらえ、斧。6ゾロ命中! ヘビーなアックスが、熱く燃え上がるぜ。ダメージは15点」

GM「思ったよりも少ないな」

マークス「いや、【ジャイアントアーム】を宣言しなかったので、+2できなかったのです」

サイバ「いや、違う。さらに《魔力撃》の宣言を忘れていたろう」

マークス「いや、《魔力撃》は《かばう》と併用できず……って、今は《かばうII》に昇格していたんだったあ。これによって、《かばう》は他の宣言特技と併用可能になっていたのに、うっかりしていたでごわす〜」

エマ「まだ、遅くはないわ。シールドで殴りながら《魔力撃》と言ってもいい」

マークス「それには、命中判定で10以上を出さないと。一応、やってみますけどね。魔力撃シールドスパイクって。(コロコロ)出目8でした」

サイバ「キャプテン、ここで当てたら豪快だなあ、とぼくの作家魂が訴えているぜ。剣の恩寵で+2してくれ」

マークス「おお、リオン様。あなたの小説のネタになるよう、豪快に、かつ痛快にダメージを与えます。1回クリティカルして基本19点ダメージに、火炎と鼓砲で7点足して、さらに魔力撃分も足したりなんかして+8点で、豪快シールドファイヤークラッシュは合計34点になりました。あと、大変申し訳ないのですが、さっきの斧も追加ダメージ10点足し忘れていたので、25点でお願いします」

GM「ええい、紛らわしい。とりあえず、防護点7点引いて、斧18点、盾27点の合計45点ダメージを受けたってことだな。何てこった。65点もあったダルグブーリーさんのHPがあっという間に残り20点に」

サイバ「さあ、ミリィ。残りわずかだが、どっちが先に攻撃する?」

ミリィ「いつもは大体、あたしが先に攻撃して、リオン様に美味しいところを持って行かれるのよね。今回はリオン様からでいいわ。露払いをお願いするわね」

サイバ「間違えて、倒してしまったらごめんな。まず、バージルの雷撃。どうせ抵抗されてダメージ半減して4点ダメージ。あと16点か。威力30の【ブラスト】よりは、弱点の炎ダメージが追加される【ファイアボール】の方が、ダメージ期待値は大きいな。では、収束火球でピンポイントに魔神を焼く。抵抗されたけど、ダメージは10点。いや、セージの特技のおかげで弱点ダメージは倍加算されて、13点か。残り7点だな」

ミリィ「よし、ここで倒して、真の主役の座はあたしが取り戻すわ」

エマ「できるかしらね」

ミリィ「やってみるわ。たかがゴブリンを倒してドヤ顔してるエマさんよりも、魔神を倒すあたしの方が上だってことを証明してみせるんだから。まずは《変幻自在》を宣言して、特技を2つ使用できるようにしてからの《マルチアクション》。これで先に【フレイムアロー】を撃つ。あ、出目11で達成値19よ。相手の抵抗を抜けたわ。もしかすると、これだけでとどめを刺せる?」

GM「いや、剣のかけらでブーストされて同値なので、抵抗は抜けていない」

ミリィ「そうなの? 仕方ないわね。でもダメージ次第では何とかなるわ、きっと」

エマ「お願い。ダメージダイスでピンゾロ出して」

ミリィ「聖戦士ともあろう方が他人の不幸を祈るな。光の戦士なら、せめてハッピーを祈ってよ。(コロコロ)よかった。無難に7が出て、合計ダメージは13点の半減で7点。それに炎弱点で+3して10点。やったわ。どうやら、これであたしたちの完全勝利のようね」

エマ「そ、そうね。ええ。チームワークの勝利だわ」

ミリィ「さっき、人の不幸を願ったのは誰よ」

エマ「それもこれも、あなたが本気を出せるように仕向けた愛ゆえなのよ」

ミリィ「はいはい。今回は、そういうことにしておいてあげるわ」

GM「いやあ、まさか8レベルの強敵と思って登場させた敵が、2ラウンドで倒されるとは思わなかったよ。この辺のレベル帯のプレイ感覚は、俺にはよく見えていなかったからな。特技の組み合わせとか、戦闘中の敵味方の移動も含めた駆け引きとか、公式リプレイで読んで分かっていたつもりだったが、見るのとやるのとでは大違いってことを実感している」

サイバ「剣の恩寵ルールも大きかったよ。ここぞというところで、攻撃を当てることができたのは大きい。攻撃を外すと、それだけ戦闘ラウンドが延びるからな」

ミリィ「たぶん、今までで一番、剣の恩寵ルールを派手に使いこなせたわね」

 

青い空(ブルースカイ)から来た愉快な奴

 

GM「さて、君たちが戦闘を終えた頃には、ベルゼンたちも自分たちの戦いを終えて、平和が戻ってきたんだが、同時に夜が明けて朝になる頃合いだ」

エマ「うっ、半分吸血鬼のわたしは太陽光に弱いの」

GM「ああ、その弱点だが、無事にアウトローサプリを手に入れて、新種族アルヴの能力が分かったんだ。エマのデータは、ヴァルキリーとラルヴァを混ぜたラルヴァルキリーと言うべき暫定仕様だったけど、今後は太陽光の弱点のないアルヴと組み合わせたアルヴァルキリーに乗り換えてもいいものとする。詳細は後で相談しよう」

エマ「つまり、星の力や月の力、その他、ラブパトリーナとかキラメキパワーズの加護を受けて、エマは闇の呪いから解放されたってことね」

GM「まあ、アルヴは星神ハルーラの加護を受けたって公式設定だからな。あと、ラルヴァは血を吸う設定だけど、アルヴは血(HP)ではなくてマナ(MP)を吸う設定に変わった」

エマ「だったら、邪悪な敵を斬れば斬るほど、わたしは浄化されて自分の光を取り戻していくってことにしましょう。かのウルトラマンティガさんが、ダークから色を取り戻していくような演出でいくわ」

ミリィ「そんなことよりも、あたしたちには大切なことがある。敵を倒したなら、やることは一つ。それは戦利品判定よ」 

サイバ「じゃあ、ゴブリン王の分は、ぼくが振ろう。(コロコロ)よし、150G分の宝石を6個手に入れて900G。さらに自動取得の首飾りで2000Gだ」

ミリィ「さすがは8レベル、合計2900Gなんてゴージャスね。では、影魔神の方はあたしが。(コロコロ)よし、悪魔の血晶(800G)来たわ。自動取得の悪魔の血(100G)を合わせて、合計900G。ちょっとショボいわね。ゴブリン王の方がお金持ちだった、と」

GM「他には剣のかけら8個で、1600G分になるぞ」

ミリィ「合計5400Gかあ。4人で割って1350G分ってところかしら」

エマ「よく、そんな計算がスラスラとできるわね。わたしには絶対に無理だわ」

ミリィ「加減乗除は計算の基本よ」

エマ「加減ならできる。乗るのはライダーの基本だし、九九もマスターしたんだから。でも、割るのはまだ無理。せいぜいダメージ半減で、2で割るぐらいなら何とかなるかな。でも、4で割るのは尊敬に値するわ」

ミリィ「2で割れるなら簡単よ。4で割るのは半分の半分ってことだから、暗算でも簡単にできる。5400の半分は2700で、さらに半分して1350」

エマ「半分の半分かあ。なるほど、アキちゃん、頭がいいわね。そうと知ったら、わたしも分け前計算ができそうよ」

GM「算数の時間はそれで終わりにしてくれ。それより、戦闘後の残務処理を終えて、疲れたからそろそろ休もうかと考えている頃合いに、上空から巨大な影が舞い降りてくる。『みんな、ボンヌ・バタイユ〜♪ 素晴らしかったよ』と軽やか、かつ大らかな声が響き渡る」

ミリィ「ああ、セイバーのタッセルさんね。ワンダーワールドの守護者の人。まさか、こんなところに登場するとは思わなかったわ」

GM「俺だって、思わねえよ。何で、この局面でタッセル、本名ビクトールが出てくるんだよ」

ミリィ「だって、この場には小説家の人だっているし、不死鳥の剣士だっているんだし、ボンヌ何ちゃらってあいさつはタッセルさんしかいないじゃない」

GM「フランス人は、ボンジュールとか、ボンソワールってあいさつするだろうが。それに、タッセルさんのあいさつはボンヌ・レクチュール。意味は『良い読書を』だ。今回のボンヌ・バタイユは『良いバトルだったね』ぐらいの意味だと思ってくれ」

ミリィ「で、誰よ。その空の彼方から降りる影は? 白い翼のガッチャマン?」

GM「何で、こんなところに大鷲のケンが登場するんだよ」

ミリィ「もちろん、亜星さんに敬意を表してに決まっているじゃない」

GM「先日まで、亜星さんをよく知らなかったにわか知識で、知った風な口を聞くな。だったら、先日場違いだと貼り損ねたすぎやまさんの主題歌をこの機に貼ってやる」

サイバ「どういう話の展開で、ティガさんからガッチャマンまで話が流れたのかは分からんが、寄り道脱線時空に突入すると、話が終わらないだろうが。今回で最終回じゃなかったのか?」

GM「うむ。諸事情で最終回の前編になってしまった。ウルトラセブンの『史上最大の侵略』やTDG3部作以降の最終話トリロジー(3部作)展開を考えるに、最終回が1話で終わると考える方が間違っている。そう、真の傑作物語は最終回が1話完結で終わらないんだ」

サイバ「それじゃあ、まるで初代マンのゼットン回は傑作物語じゃないみたいじゃないか。セブン以外の昭和ウルトラは基本的に最終回が1話完結だったぞ。まあ、ジョーニアスは最終4部作だったりしたが」

GM「なるほど。最終4部作にしろってリクエストか」

サイバ「そうじゃなくて。寄り道脱線に陥ることなく、予定どおりに綺麗に終わらせろってことだよ。とにかく、無意味にだらだら引き伸ばすのは、物語としては美しくない。

「空から風の大妖精ジンさんが降臨してきた。それぐらいのことは読者さんだって話の流れで分かるだろう。だったら、ここはジンさんが重要な話を語ることを普通の読者さんは期待するはずだ。どこの読者さんが、『うわあ、タッセルさんが出てきたよ。さすがは妖精郷、セイバーとのコラボを謳っているだけはある』と感じ入ってくれるんだ?」

GM「一人ぐらいはいるかもしれないが、俺はあまり嬉しくないな。タッセルさんが当リプレイに出て来ても。どうせのスペシャルゲストだったら、『こんばんは、徳川家康です』と北大路欣也さんが出て来てくれた方が、俺が喜ぶ。サブタイトルもブルースカイ(青天)なんだし」

マークス「青天からドラクエ竜王につなげるなんて、大河ドラマを見ている人にしか分からないネタですね」

GM「うむ、そしてドラクエにつなげたことにも意味はあるんだよ」

ミリィ「そりゃ、妖精郷はドラクエともコラボしているところがあるものね。主にダイ大とかだけど」

GM「それだけじゃない。今回は第何話だ?」

エマ「11話よね」

GMドラクエのナンバリングは今、11まで進んでいて、先月、新たに12が発表されたばかりだ」

ミリィ「それがどうかしたの?」

GM「だからだよ。ドラクエ12を記念して、妖精郷第4部も12話で完結にすると美しいのではないか? と、さっき急に思いついた」

サイバ「さっき急に思いついたという段階で、全力行き当たりばったり全開で、ちっとも美しくないよな」

GM「うむ、正に妖精郷の物語が崩壊の危機に瀕しているので、今話の話はここまでだ」

ミリィ「何よ、それ? 言葉の意味がよく分からない」

エマ「だけど、とにかく凄い幕引きの仕方よ」

 

 こうして、「寄り道脱線しないクライマックス」は夢物語に終わった。

 しかし、当リプレイ最強の敵と戦ったのは事実である。

 虚実入り混じる妖精郷にて、青天から降臨した風の大妖精ジンさんは、何だか放置されたまま、話が次回に先送りにされた。

 果たして、彼はミリィたち一行にどんな話を持って来たのか?

 妖精郷の枯渇した魔力を回復させるために、彼が語る奇策は無事に第1シーズン最終部EXODUSに通じる話として結実するのか?

 ケセラセラの精神で、次回、妖精郷第4部・真の最終回を予定。

 

●フェアリーガーデン第4部11話の状況

 

日数経過:33日め朝(大樹の森)

 

経験点:インプからブラウニーを助けた★2個

    聖戦士エマが覚醒した★3個

    世界樹若木を魔神から守った★3個

    魔物退治分240点

収支:戦利品6930ガメル分

妖精郷同化度3(カシュミーラのみ4)

ブラウニー発見数:6体

 

遂行中のミッション

・エマの眠りを覚ませ→達成

 

受注したクエス

・マルキのペンダントを故郷のロッテに渡す。

・ベルゼンをシーリィと再会させる(手紙配達と兼ねて)。

・凍結海のフラウにスイーツ5個買ってくる。

・光の樹のお宝を取り戻す。

 

その他の冒険目的&情報

「火柱の塔の魔力炉で〈妖精郷の鐘〉を鋳造できる」

「火柱の塔のエインセルにラナスイーツを渡せば、

〈炎精鉱〉をもらえる」

「火柱の塔に〈炎精鉱〉を持ってくれば、火の封印が解除できる」

「水晶塔の情報6ヶ所」(光は封印解除済み)

「大神殿の信者を解放できるよう成長」

「エマの吸血鬼化症状を治癒するため、【大樹の森】に向かう」→達成

「アラマユの遺産、光の魔剣マクリール・ルーの手がかりは【光の樹】のスプライトに」

「雲海の岬でジンに会う」(レベル11以上で達成可)

「凍て付く山でスカディに会う」

「凍結海でミーミルに会う」

「ヒックリカエルはダジャレで世界をひっくり返し、闇に包む」

「雪山にドラゴンゾンビがいる」

「鳥籠の木には偽女王が捕まっている」

 (レベル11以上でイベント発生)

「虹の根元には、魔神召喚の門が築かれている」

「魔女の名前はネアン。邪妖の女神を目指している」

「崩壊しかけている妖精郷を救う」

 

冒険達成度:合計37%

(当記事 完)