祈り歌の詩をアレンジする作業の途中。
今のリアルな気持ちで作ると、どうしてもネガティブな内容になってしまうと悩むカノン。
とりあえず、元の歌詞で歌ってみんろ、とタイヘイやブチンコに促されて、試しに歌ってみるわけですが、
ブチンコ→田舎のタマッコがトランシーバー効果で、カノンの歌をブジンサマに伝えます。
そして、目覚めるブジンサマ!
しかし……、
「うるさ〜い。せっかく人がいい気持ちで眠っているのに、下手くそな歌を聞かせるんじゃない! おまけに、その歌詞も嘘くさい。2度と、そんな歌を歌うな!」(意訳)と駄目出しをされてしまいます。
なるほど、「眠っている子を起こしてはいけない」というのは、村井家のルールでもありますな。「朝は寝床でグーグーグー♪」とか、「オンバケにゃ学校も試験も何にもない♪」とか、いろいろ『ゲゲゲの女房』と話がかぶってきます。
なお、そちらに出演していたタイヘイさんは、マンガ雑誌の編集長から昇進して、出番が終わったようですが。
それはともかく、せっかく目覚めたブジンサマ、本名オオマヒトさん*1、カノンの下手くそな未熟な歌に怒って、もう一度眠りについてしまいます。まあ、怒って暴れるよりマシですか。
今回の件でブジンサマの存在を初めて知ったカノン(遅い^^;)、自分の歌が「嘘」だと指摘されたことで、またも考えることが。
まあ、「祈り歌」って基本的に、「つらいことがあっても、親のところに帰ろう」って歌ですから、「お父さんが迎えに来ても、田舎に帰ることを拒むカノン」にとっては嘘ですな。
祈り歌の歌詞のとおりにするなら、前回、カノンのお節介を拒絶して、母親の意志に従う決断をした「くらら」が正解ということになりまする。
オンバケ地方編
前回のエピソードでは村人を虐殺したイパダダ。
今回は依り代を乗り換えて、田舎町での虐殺劇を敢行。被害の規模が広がっております。
どうしても、後手後手に回るイパダダ退治チーム(サワモリ、ハシタカ、カエンジ、タメキチ&ドウカン)ですが、「カノンの歌に駄目出しをしたブジンサマに抗議に向かう途中のタイヘイ」と出会って、ブジンサマが動こうとしないことを知ります。
もしも、ブジンサマが動かないなら、ゴンベエさんの力でも借りないと、と発言。ゴンベエさんって誰? とか気になりつつ、それよりも先にキリノハの登場を期待してみる。
で、タイヘイと別れ、その後、山寺の坊さんを虐殺したイパダダを追って、僧形姿のイパダダと対峙するサワモリさんたち。
まあ、また適当にアクションして見せた後、逃げられるんだろうなあ、と予測してみる。イパダダは死なない〜、病気も何にもない♪
タイヘイVSブジンサマ
ブジンサマに文句を付けようと、バイクで故郷に向かったタイヘイ。
まあ、ブジンサマに対面するのは、次回の話になるので、今回は「いつの間にか田舎に帰っていたジュウゾウ爺さん」に当たります。
しかし、ジュウゾウ爺さん曰く、「あの歌姫(カノン)の歌には、やはり何かが足りねえ。ブジンサマにも、それが分かるんじゃろ」と。
何かが足りないどころか、根本的な資質の問題とか、そういうツッコミにはならないのだろうか?
案外、サキの歌う「ToTheTop」を聞かせる方が、ブジンサマの気を惹きつけたりして? と、NOVA的には思います。
で、その期待のサキちゃんですが、この数週間の間に、バンドグループが解散の憂き目にあって、ニューヨークに歌の勉強に行ったそうです。
何と。
このまま、フェードアウトすることなく、帰ってくるのを楽しみに待ちます。
幸太郎&かなめ
イパダダから解放された幸太郎。
眠り続ける体調不良と、その後の検査入院を経て、再起した彼ですが、その間にバンドは解散という状況を聞かされ、もう一度、一から出直すことをマネージャーから告げられます。
それでも懲りない幸太郎。
カノンの聞いた噂では、「付き合っている女の子に、危ない薬を売らせている」とか。
さらに、大学で会ったカノンに、「シカトすんなよ。また、オレといっしょにバンドやらねえか」と声をかける図々しさ。
「あなた、前よりもますます非道くなっているのね」と拒絶したカノン。
どうも、イパダダから解放されても、彼の性格が改まったということはないようで。
そして、カノンは、今、幸太郎と付き合っている女の子の一人が、以前、自分に嘘をついて代返させたかなめであることを知ります。
かなめに対してもしっくり来ない気持ちを抱くカノンですが、幸太郎との付き合いで傷つくかもしれない彼女のことが気になって、持ち前のお節介癖が出てきます。懲りないなあ。
あまりよく知らないかなめのことを知るために、ストーカー探偵まがいの調査活動を開始するカノン。そして、高校時代にかなめが書いたプロフの存在を知って、それをチェックするのですが、それには思いがけない悲劇が記されていた……ってナレーションでつづく。
7話感想と比べて
前回も触れましたが、7話というのが、自分にとって、カノンのその後の希望をいろいろ書いた記事ということで、現状と比較するのが楽しいかな、と思っています。
主人公がうじうじしていると、いかに話のテンポが悪いか実感しました。
今回の話では、前回の失敗からカノンがうじうじせず、お節介な行動を続けることになります。まあ、そうしないと、さすがに全26話でまとまらないですしね。今となっては、うじうじしている時間もないということで。
幸太郎と、かなめと、2人ともカノンにとっては、人を信じられなくする要因となったキャラですね。その2人と、きちんと向き合う気になったというのは、これまでの逃げカノンよりは成長した、と言うことでしょうが、前回のくららの話を考えると、段階が逆だな、と思ったりも。
まずは、自分の周りの問題を克服してから、赤の他人の相談相手になるのが筋と思うのですが、カノンの場合、「自分の問題を棚に上げて、他人に関わって失敗したことで、反省したことから、ようやく自分に向き合う覚悟ができた」というか、そんな感じ。
何だか、異様に遠回りしているような気がする。
これ以上、カノンにスポットを当てず、周囲の人間を描いて、事件をどんどん進めるのが、作劇上は正解
その意味で、リストラ男の話や、くららの話は、正解になるのですが、
自分の予想と違うのは、それらのエピソードで「成功体験を積む」ことで、「自分の問題に向き合う勇気と力を得る」のが王道だと思っていたのに、
カノンの場合、他人と関わって痛い思いをしてばかり、なんですね。で、散々落ち込んで、ようやく「自分の覚悟が足りない」ことに気付いて、「自分の問題に向き合う」……ちょっと、よく分からない覚悟の決め方かな、とも思います。
失敗から学ぶのは悪いことじゃないと思うけど、カノンの場合、失敗から学んでいるのかどうか、いまいち不明瞭で。
今のイパダダは、まだ幼少期で、特定の人物に身を潜めながら、成長中と。これがもう少し成長した後では、「宿主を次々と乗り換え」という段階になるみたいですが、そういうのは期待したいところ。
ここは期待どおりですが、やっていることはただの連続殺人で、何だか「悪霊」って感じがしないのですね。
悪霊に取り付かれた場合、「霊能力を使った怪現象」とか、「もっと陰湿で心理的な恐怖」ってものを期待するのですが、イパダダの場合、ナタとか、メスを振り回して、人々を虐殺して回る……はっきり言えば、頭の悪い物理的殺人を繰り返しているだけ。まだ、「13日の金曜日」のジェイソンとか、「エルム街の悪夢」のフレディといったスプラッター殺人鬼のほうが、手の込んだ殺人劇を繰り広げていましたぞ。
怪現象発生→今度のイパダダはどんな手を企てている? →調査活動の末、イパダダに取り付かれた依り代発見→イパダダ撃退……ってルーティンを期待していたのですが、
実際は、
イパダダによる大虐殺現場に遭遇→追いかけて行ってバトル→逃げられる……って、逃げる方も、追う方も、単なる力任せな頭の悪さを露呈。段取り構成が為されておらず、アクション部分の展開が完全にドラマのおまけ程度の扱いにしかなっていないのが現状。
他人の悩み解決に勝手にしゃしゃり出て、かえって事態を混乱させるドタバタコメディー調の話もあるけれど、現状はそういう方向性にも踏み切ってないし。
「他人の悩みに勝手にしゃしゃり出て、かえって事態を混乱させた」のは、前回のくららの話に顕著だけど、それがドタバタコメディーじゃなくて、鬱日記にしかなってないのがカノン調。
カノンというキャラに、何の問題解決能力もないうえ、オンバケもその特殊能力を人間社会でうまく使いこなさないため、痛快感がないんだよね。これが、カノンが必死に動き回って、それをフォローしようとオンバケが状況をかき回して、ゲストが右往左往させられているうちに、何となく問題が収束していって、みんな仲直り、というのが不思議コメディーのドタバタな方向性なんだけどね。
幸太郎絡みのドラマは、そろそろ決着がついて、イパダダが別キャラに取り付いたり、増殖したりで、被害を拡散してくれることに期待しつつ。
このままじゃダメだ〜、ブジンサマ、何とかしてくんろ〜にならないとね。
幸太郎絡みに決着がつかないのに、イパダダが被害を拡散しているのが現状。
でも、「ブジンサマ、何とかしてくんろ〜」とならずに、何となく、「ブジンサマも頼りないな〜」って思わせる現状。
果たして、この後、どんな展開になるんだろう?