何となく惰性で、続けてみたってことで(オイ)。
第6話「手折られ花は怨み花」
この回。
ストーリー部分は、まあ、普通の出来です。普通に、必殺風の話を作ってみましたって感じで。
ええと、おせいと新次の知り合いの芸子が心中に見せかけて殺される一方で、主水と正八が田舎から出てきた子供と知り合う。その子は、江戸に出稼ぎに出て帰らない父親を探していて、その父親は大名屋敷の中元として、そこの奥方といい仲になっていた。奥方は、その中元を利用して、芸子の心中相手の大名家の養子を殺害していたのだ。
偶然、その悪事を立ち聞きしてしまった子供を、奥方は殺すように中元に言う。奥方に惚れていた中元は葛藤するけれども、結局、実の我が子を殺すことはできない。それでも結局、奥方の本当の愛人だった侍に子供は殺され、抗議しようと赴いた中元も殺される。
ドラマ上で独特なのは、実の息子を殺せとそそのかされた中元の葛藤シーン*1ですが、まあ、息子殺しは結局、描かれず、また子供の死も、「いつの間にか殺され、川から水死体となって上がった」と。その瞬間だけ、「あ? 結局、父親が殺したの?」とミスリード風味でしたが、まあ、すぐにそうではないと分かるので、こちらの深読みしすぎだったかも*2。
一応、おせい&新次サイドの知り合いと、主水&正八サイドの知り合いがそれぞれの事情で殺され、ドラマとしてはうまくつながっているのだけど、ただ、それだけ。悪くもないけど、良くもない特徴のない話だったってことで。
脚本家は、岡本克己氏。必殺ではこの回の他、新仕置人33話「幽霊無用」を書いただけ。必殺という観点では、語るところがありません。
正直、今回は、感想書くのやめようかなと思ったのですが、たった一つ、大きなネタがありました。
商売人で初めて、主水、新次、おせいの3人がそろって殺しに参加したわけですが、その際、侍を斬る主水、悪徳商人の首筋を突く新次、奥方を匕首で刺すおせいそれぞれのとどめシーンが、画面三分割で同時に披露。
今年の「仕事人2009 第16話」で、「画面分割は、必殺であまり見ない映像演出で新鮮」なんて書きましたが、商売人にもあったんですね。
左に大きく、中村主水。
右上がおせいで、右下が新次。
アクティブな同時仕置演出に、自分としては拍手。そう、基本どおりの話でも、たった一つでもインパクトがあれば、その回の評価は大きく上がるってことで。
なお、サブタイトルは、オープニングナレーションの流用ですが、本編ストーリーとは全く関連がない、と思います。この辺からも手抜き色を強く感じる回でした*3。