Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

仕事人2009新春スペシャル感想

 1月4日放送の新春スペシャル。
 時代劇マガジンを読んだり、
時代劇マガジン Vol.19 (タツミムック)
 年末再放送された前作「2007」を再見したり、年明けに、いろいろな宣伝特番を見たりしながら、わくわくしておりました。
 で、若干、遅ればせながら感想書きになるわけですが、これを読む前に、以前に書いた「2007」の感想を読むことをお勧めします。こちらとしても、それを読みながら、記事書きしておりますので。

ついに念願の連ドラ化

 今回の一番のトピックは、92年3月に終了した『必殺仕事人 激突!』以来、17年ぶりの連ドラ復活という点。
 そもそも、うちのサイト『ホビー館』のコンテンツの一つに「必殺シリーズの間」というのがございまして、NOVAの「必殺好き」というのは、サイト製作時から確定しておりました。本当なら、「全シリーズの殺し屋リスト」とか「劇場版やTVスペシャル版も含めた完璧ラインナップ」なんてのも作る計画はあったのですが、他にもいろいろと作っている間に、番組そのものに動きがないため、結局、「TVシリーズの作品リスト」を作ったまま放置していたわけで。
 今度、久々に第31作目として「必殺仕事人2009」を追記しないといけないなあ、と思いつつ、今週金曜からのレギュラー放送を楽しみにしている最中だったりします。


 ええと、『激突!』のコメントに、こんなことも書いておりますな。
「求む! 必殺の復活! 
 今さら、無理に主水は出さなくていいから」

 いや、こんなことを書いても、主水さん、出てきてくれたら、やっぱり嬉しいわけで。

仕事人2009新春スペシャル感想

 さて、前作2007の折には、復活を喜びつつも「意外と地味な仕上がりだった」と述べております。そして、「新たな仕事人の紹介編になっていて、このまま第1話にしてもいい」と書いておりましたが、その後、今回まで続編が作られなかったので、いろいろやきもきしておりました。
 で、待望の続編だったわけですが、やっぱ今回は派手な作りになってました。ただ、BGM選曲から感じ取られる雰囲気が、「仕業人」〜「からくり人」で、なかなか渋め。「仕事人」の中でも最盛期と言われる「かんざしの秀」や「三味線屋・勇次」の活躍する「III」以降の派手なアクション活劇よりも、ハードなギスギスした匂いが濃厚でしたね。
 中でも、チーム内での連携が必ずしも取れておらず、主水・小五郎の奉行所同心派閥(壮年組と見なしても可)と、涼次・源太の町人派閥(若手組と見なしても可)に分かれているのが、今後の軋轢ドラマを期待させる流れです。
 でも、今回で一番驚き、かつ残念だったのが、前作で気になっていた「伊賀忍者の玉櫛のその後」。まさか、ああいう悲劇の結末を迎えてしまうとは、いと哀しです。一番アクティブに動き、涼次との素直になれないツンデレ関係も含めて、非常に萌えキャラだったのに、あっさり使い捨てられてしまうとは……。
 キャラ供養の意味も込めて、女優さんの今年のカレンダー画像でも飾っておきます。
水川あさみ 2009年カレンダー
 玉櫛さんに代わって登場したのは、妹の如月ですが、演じるは『WoO』が印象的な谷村美月嬢。
生物彗星WoO (ウー) 1 [DVD]
 今回の放送では、ラストに顔出ししただけなので、評価はレギュラー放送を見てから。
 放送前は、「抜け忍となった姉や涼次に、追っ手として対立→でも、すぐに和解→美女くノ一として仕事人を補佐する」って展開を期待していたんだけどなあ。いやはや、ヒロインだろうとあっさり散らせる、ハードな作風を表明したってことで。

渡辺小五郎

 ここから、キャラ別感想。
 今回、小五郎さんは、旧友の剣客・権堂さんを斬ります。
 ただ、あのシーン、権堂さんは最後まで小五郎さんが仕事人だと気付かず(冗談と思い込み)、木刀を持ったまま、斬られてしまうのが残念。ここは、やはり真剣勝負の剣劇が見たかった。
 ドラマ面でも小五郎さんよりは、権堂さんの方がいいキャラしてましたな。過激な理想主義の正義漢で、本気で「長屋の老人たちの力になろうとしていた」んだけど、力及ばずに結果として、(保身と出世のために)裏切る形になってしまう。そのため、小五郎からは「最初から薬屋と手を組んで、老人たちを陥れた」と見なされたまま、斬られてしまう。
 小五郎には権堂の気持ちが伝わらず、権堂には小五郎の真の姿が伝わらず、何だかままならなさを感じてしまいました。


 あの対決シーンで、権堂が小五郎の正体を察し、「クズは斬る」とでも発言していれば、それに対する小五郎の「お前もクズだ」の受け返しもうまくハマッてカタルシスが昇華されたのになあ、ともったいなく感じます。

経師屋の涼次

 表の職業は絵師にして、経師屋。
 ええと、前回の時点で、NOVAは「経師屋」ってのがどんな仕事か、分かっていませんでした。今回調べてみると……なるほど、「ふすまや障子の表装張り替え」をするわけですね。そのついでに「ふすま絵」なんかを書いていると。納得です。
 前回の感想では、「劇薬とか毒関係はどうもなあ」とか「針を使うなら、普通に突き刺すだけでいいのでは?」とか思いましたが、今回はそういう形に改善されました。ただ、よくある首筋を刺すのではなく、わざわざ左肩から刺して、心臓まで貫いて「それをレントゲンで見せる」手間を掛けます。
 レントゲンが見られたのはOKですが、もう少し技にスピード感があればなあ、と要望したりします。


 ともあれ、今回は玉櫛との絡みで、実質上、主役と言えました。最後の殺し相手が、玉櫛の仇の権堂さんではなく、事件の黒幕の薬屋だったのは、物語の流れ上、納得はできるんだけど、完全にカタルシスが昇華できたわけではなく、すっきりしないです。その辺の昇華は、次回の如月との絡みで何とかなることを願いつつ。

源太

 元からくり屋にして、今は手料理屋。
 でも、殺し道具はあまり変わらず、からくりの蛇。今度は紐を仕込んでの絞殺になりました。
 涼次とは違う形で、長屋の老人のために動き回る主役株。それでも、仕事料は安く、びた銭一枚。今回の仕事料って、年功序列の格差料金になっているなあ、と思いつつ。
 一応、涼次さん、彼に殺し道具の「針を仕込んだ筆」を作ってもらったのですが、ちゃんと料金を払ったのかも気になります。そもそも、からくり職人に道具を作ってもらうのだから、どれくらい凝った業物ができるのか期待していたんですが、ただの「針を仕込んだ筆」でした。それぐらい、自分でこしらえろよ〜と思いつつ*1
 もっと、凝った「仕込み三味線のバチ」とか「仕込み矢立て」とか、器用にこしらえていた故・糸井貢先生(役者は健在)の爪の垢でも煎じて飲ませたい……って、それは源太さんではなく、涼次さんの方ですか。


 殺しのBGMは前作を踏襲して、涼次さんが「思い出の糸車」。何でも、役者の人がお気に入りの曲らしい。雑誌インタビューでも、藤枝梅安先生や、かんざしの秀から「刺し技」を踏襲できたことを喜んでおりました。
 なお、秀演じる三田村邦彦氏も、梅安演じる故・緒形拳氏を尊敬しており、あの「かんざしを回す仕草」も、緒形拳氏の別キャラ「からくり人の夢屋時次郎」のヘラ回しを踏襲したものだとか。こうして、殺し技や、いろいろな演出は受け継がれていくわけですね。
 そして、源太さんは「旅愁のアップテンポバージョン」。
 でも、そろそろ殺しのテーマは、主題歌アレンジの新曲が欲しいなあ、と思いつつ。

中村主水

 一応、必殺の顔なんだけど、物語上の役どころは、いまいち地味というか、小五郎を立てようと思えば主水さんが立たず、逆もまたしかり、と微妙な扱い。
 これは、もう、小五郎さんにさっさと世代交替して、本人は元祖・仕置人当時の「知恵袋参謀役」に徹した方がいいのでは? と思えてきます。
 理由としては、かつてボスキラーだった八丁堀の役どころが全て若手に押さえられ、本人は「ザコキャラ」の始末に格下げになった点。やはり、仕事人の主水さんと言えば、顔見知りの与力やら、その他の権力者にペコペコと近づき、油断させてから、「意外な一言」を発して、「中村、貴様……?」と一瞬の反応だけさせて、すかさず刺す。そして、その後で「オチの一言」で締める流れが欲しいところ。
 あくまで、「顔見知りの意外な正体をかいま見せる」というのがポイントなんですね。一回会っただけの「もうろくじじい」に刺されて、死んだ後から「相手に聞こえずにオチを言う」のでは、演出がまだまだだと思ってしまいます。


 今後の主水さんの扱いがどうなるかは、若干不安ですが、小五郎との役割分担をうまくしてほしいところ。参考例としては、同心3人による暗殺劇「影同心」?
影同心 あなたが愛した殺し節
 まあ、同心なのに裏の仕事では刀を使わず、「女物の櫛で首筋を切り裂く」とか「ハマグリの貝殻で急所を握りつぶす」とか、変な殺し技で無理矢理差を付けるようなマネはしなくていいですが(苦笑)。

*1:なお、NOVA自身、中学時代、必殺にはまり始めた時代、「針を仕込んだシャーペン」なんてものを考案しましたが、芯の代わりに針が出てくる仕様にはならずに残念に思ったり。他にも、技術の時間に作ったドライバーを、「棺桶の錠」の手槍に見立てて、先端をヤスリで磨いて鋭利にしたり……梅安さんみたいに針を投げて、部屋のふすまを穴だらけにしたり……いろいろやんちゃに遊んでいたなあ、と。