Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

ユニコーンガンダム2巻感想

 次いで、2巻めです。
機動戦士ガンダムUC 2 ユニコーンの日(下) (角川コミックス・エース 189-2)
 さらっと感想書くつもりが、物語の組み立て方や、描写についてもあれこれ踏み込んでしまったので、長くなりました。どうも、近ごろは、創作手法について、あれこれ考えさせられているんで。
 昔は、こういうの、結構、やったなあ。小説作品を細かく分析して、描写の仕方などをそのまま書き写して、その後、自分らしくアレンジしてみる練習。
 プロから盗め、と言うばかりに、乱雑にいろいろ書き散らしていた時がなつかしい。
 アニメで、気に入ったシーンだけを、文章に起こしてみたり、とか。


 誰に読んでもらうわけでもなく、単なる自己満足でしたが、
 今は、ネットで、「自己満足の文章」を自由に公開できる時代ですからね。
 もちろん、ネットだと、ただの自己満足に対しても反応はあるわけで、読んでくれる人を意識するなら、少しでも「読みやすいもの」「読んで面白いもの」を書きたいわけです。
 改めて、自分が書く原点やら、動機やらを見つめ直しがちな今日この頃。

ユニコーンの日(下)

 1巻目が、「平和な日常生活が徐々に崩れようとする予兆」で終わっていましたが、
 2巻目で、ついに「コロニーが戦火に巻き込まれる」こととなります。


 「ラプラスの箱」を巡る陰謀と、戦火を未然に防ごうとする「ミネバ」の行動が複雑に混じり合って、結果的に、連邦とネオジオン双方の戦力を衝突させる契機となります。
 そんな中で、主人公バナージのニュータイプ能力が覚醒、戦火の中を逃れつつ、思いがけない行動力、決断力、洞察力を発揮して、オードリー救出のために突っ走ります。といっても、あまり荒唐無稽な活躍ではなく、リアリティに裏付けされていますが。
 せいぜい、流れ弾が飛んでくるのを予見したりする程度ですが、それでも、それに気付かないハイスクールの学生や大人たちが、どんどん犠牲になっていく中で、決して臆することなく、行動を続ける胆力は読んでいて心地いいです。
 この辺、彼といっしょに逃げているルームメイトや、ガールフレンドが怖気づいたり、周囲に鈍感だったりする中で、いい対比になっています。


 もちろん、友人たちも、完全な役立たずじゃありません。
 ルームメイトのタクヤは、アナハイムのテストパイロットを目指しており、MSオタク。よって、戦闘中のMSについて知識を披露してくれます。こういう解説役キャラは重要です。
 主人公が何でも知っていると、主人公視点では解説することがなくなるか、あるいは主人公の独り言だらけになってしまいます。やはり、主人公の知らないマニアック知識を説明してくれる脇役キャラがいてこそ、自然なコミュニケーションで背景説明ができる。逆に、主人公や、その知人など物語の登場人物が知り得ない背景解説など、物語では必要ない、と言いきれるのです*1


 そして、ガールフレンドのミコット。
 1stで言うところのフラウ・ボウ相当のキャラですが、彼女の担当は「日常生活の知恵や知識」ですね。
 主人公がやや衝動的、ルームメイトが冷静だけどマニア、こういう組み合わせだと、やはり現実的に地に足ついたキャラは必要でしょう、ってバランス。地味なキャラで、こういう役どころをネットでは、しばしば「空気」と揶揄する向きもあるようですが、いないとリアリティに欠ける、とNOVAは思います。
 まあ、本作ではヒロインが「浮世離れしたお姫さま」だから、地味な彼女は、どうしても損な役どころになると思いますが、そのためにタクヤがいる(笑)。
 超人ばかりになりがちなバトル物において、こういう一般人代表みたいなキャラは、大事に思いたいですね。一般人がいて、きちんとリアクションしてくれるからこそ、超人の凄さが引き立つ、というもの。


 ともあれ、友人たちとの逃避行、およびオードリー救助の最中、
 主人公バナージは単独行動に至り、ついにユニコーンガンダムと遭遇します。
 そこで、ユニコーンを製作・管理していたビスト財団の幹部と邂逅、彼こそがバナージの「父親」であることが判明します。陰謀に明け暮れる財団から息子を守るために、バナージを連れて逃げ出した母親……という設定で、主人公は父親と離れ離れに暮らしていたんですが、これは「F91のセシリー」を彷彿とさせます。
 そのうえ、親がメカ開発に関わっていた、という設定は、ガンダムのみならず、多くのロボット物に見られるもの。本当に偶然、というケースはフィクションでめったになく、リアリティを増すため、「偶然のように見せかけた必然」は多用されます。
 良く言えば、「これも巡り巡った運命」となり、
 悪く言えば、「ご都合主義」となる。
 ただ、それら作劇上の都合を、いかに納得できるように組み上げるか、これが物語作者(ストーリーテラー)の腕前、と思いますね。


 こうしてバナージは、ユニコーンガンダムに出会い、瀕死の重傷を負った父親から、機体を託された。こういうシーンは王道で、素直に燃えます。
 ユニコーンガンダムの最初の敵は、クシャトリヤ
 これまでのコロニー内戦闘で強者ぶりを見せ付けているニュータイプ専用機ですから、単なるザコ戦ではない好カード。
 飛び交うファンネルに対し、高機動でかわすユニコーン。その様子に、相手のマリーダは、「真のニュータイプ」を感じ、畏怖します。
 さらに、戦いの激化に際して、ユニコーンの額の一本角が展開、V字アンテナのガンダムフェイスが出現。これも、フェイスオープン強化ですな。


 ユニコーンガンダムは、高機動だけでなく、パワーにおいても、クシャトリヤを圧倒。この時点で未武装なので、格闘と、高機動回避だけで、相手を翻弄しているんですね。
 ついに撤退するクシャトリヤ。マリーダの目的は、ミネバ救出だったのですが、それを果たせず、初の屈辱を感じるマリーダ。
 そして、ユニコーンおよび、正体を隠しているミネバは、連邦の船ネェル・アーガマに保護される形に。


 3巻は、「シャアの再来」と言われるフル・フロンタルが登場するってことで。(つづく)

*1:もちろん、裏設定を作る分には問題ない。