熱血ロボット好きとしては、本来、もっと早く書くべき作品でした。
でも、近ごろはアニメアンテナが鈍感になっていて、これほど「燃える作品」に気付くのが遅れてしまい、残念です。
NOVAがこの作品を見たのは、17話以降。すなわち、第3部に入ってから。
全27話だから、上中下の下巻だけ見たことになります。
もちろん、そこから、いろいろ資料を調べて、兄貴ことカミナの死に様とか、第2部のテッペリン決戦とか、ストーリーの中核部分は確認しましたが、リアルタイムで前半の燃えストーリーを味わえなかったのは、取り返しがつかないことをしてしまいました(苦笑)。
電王見た後、チャンネルをTV大阪に変えるだけで良かったんですけどね〜。
よって、ここでは、第3部および第4部の最終決戦のみを見た者としての感想を残しておきます。
ええと、第3部は、第2部の7年後。それまで少年だった主人公シモンは、21歳の立派な若者に成長しております。
でも、第3部の当初は、それまでの熱いスーパーロボットノリが沈静化しており、革命の勇士たちが新たな秩序を構築している文明化の時代。雰囲気も政治家チックな話題が飛び交うリアル系のノリ。シモンたちも、「スーパーな熱いノリは時代遅れ」と若年パイロットに揶揄されていたりします。
その中で、世界の秘密が解き明かされ、世界の危機が勃発。
必死に、科学や政治手腕を駆使して状況の解決を図る政府の責任者、ロシウ君。
彼は社会の混乱を最低限に食い止めようと、シモンを犠牲にするという苦渋の決断まで下すわけですが、状況はどんどん悪化。
最終的に、状況を解決したのは、シモンの熱いスーパーな魂と、それを具現化したドリル(笑)。地球のピンチを打開したシモンと、彼の乗るグレンラガンは、そのままの勢いで、仲間とともに、深宇宙へ突っ込むことになります。
かつてのライバルも協力し、
敵に捕らわれ、洗脳された恋人を救出するため、
月に封印された伝説の宇宙船をGETし、
さらに、その宇宙船とグレンラガンが強化合体し……
「SFロボットアニメとして燃える要素」をごった煮にして、物語は第4部に突入。
そして第4部。
ラスボスは、シモン率いる大グレン団に対し、物理的、そして精神的な妨害を次々と繰り出します。それを、わずかな科学的分析(SFフレーバーとして、これも大事)と、それを凌駕する熱血魂で打ち破っていくシモンたち。
もちろん、物語終盤では、仲間たちも次々と自己犠牲のドラマを披露します。
最終的には、「敵は自分の行為こそが正義であり、人類がこのまま進化を続ければ、宇宙さえ滅ぼしてしまう」と哲学問答。
それに対するシモンの主張は、「そういう狭い物の考え方で、未知の可能性を閉ざしてしまうのが、貴様の限界だ。人類はあきらめない限り、宇宙を滅ぼさない進化のあり方を見つけ出すことができる」という超絶熱血楽観主義。
とにかく、漢らしい勢いのままに、希望あふれるエンディングでラスボス倒して幕……と思ったら、100%のハッピーエンドには至らずに、ちょっとした別れの寂しさも感じさせる余韻あるエンディング。
そして、最後に20年後の世界をちらっと描いて、シモンたちが守ってきた世界と、それを受け継いだ者たち、そして老成した後も何かを伝え残そうとしているシモンの姿を描き、一種、歴史ロマンの雰囲気もかもし出しながら、完全に幕、と。
「燃え」と「SF要素」と「往年のロボット・スポ根アニメのパロディー」と「フレーバーとしての萌え」と、いろいろな物を詰め込みつつ、うまく混ぜ合わせた傑作ロボットアニメとして、NOVAはグレンラガンを評価します。以上。