年末からのやり残し第２弾。
この番組については、当初、独特のコミカル風味に乗り切れなかったものの、王道ヒーロー路線をうまく貫いてくれたので、最終的には高評価。
大魔王との決着は最終回の２話前に見せてくれ、残り２回で敵組織壊滅後の後日譚、それまで感じていた不満要素にきちんと決着をつけてくれたので文句はなし。
５１話
大魔王撃退後、復活したジャークムーンとの、ライバル決戦。
自分がケガした直後に見た話で、「剣二の身を心配して、ライバルとの決着を止めようとする周囲の配慮」が、
「ケガを押してまで仕事をしなければ、と焦っていた自分と、それをなだめてくれた家族の配慮」にかぶってしまい、物語の内容以上のインパクトを持って、感じ入りました。
剣二のことを想う鈴ちゃんの気持ちも、クリスマスの雰囲気もあって、うまくラブコメ的に昇華された様子だし。
最後の決着シーンは、時代劇の剣豪同士の対決にも通じる、力の入った映像でした。
最終話
魔法陣暴走を食い止めるため、魔弾龍との別離を余儀なくさせる魔弾戦士３人。
主人公たちがヒーローとしての役割を終え、変身能力を失いながらも、新たな生活に移る過程を、情緒豊かに描いてくれた傑作最終回となります。
普通、こういう別離は、ラスボスとの決着後の残り時間で、駆け足気味に描かれるのが特撮番組の常ですが*1、
リュウケンドーの場合、１年間共に戦ってきた友というべき魔弾龍との別離だけで１話を費し、ドラマにも決着をつけてくれた点で「斬新かつ納得できる試み」だった、と思います。
物語途中で成長を示しながらも、本質的に「２枚目半の熱血ヒーロー」という路線は崩すことなかった鳴神剣二。
主人公の先輩として、おっさん大人の風格を備えつつ、熱さも示してくれた不動銃四郎。
孤高のアウトローとして登場しながらも、主人公との触れあいで、人間的に（対人スキル的に）最も成長を見せた白波剛一。
それぞれが、ゲキリュウケン、ゴウリュウガン、ザンリュウジンと最後の別離を果たすシーンをたっぷり描き、
そして、特撮ヒーローらしいアクションも最後まで描いてくれた最終話は、児童向け特撮ヒーロー作品としての要素を過不足なく取り入れてくれた理想的な結末、と評価しておきます。
*1:昔は残り５分ぐらいが相場でした。最近は、それに要する時間も長くなっていますが、その分、ラスボスとの決着の盛り上がりに欠けたりするなどの弊害も感じたりも。
