Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

マックス・バルタン星人論1

 『アイアンキング』で、宇宙虫人間や、忍者について話をした後のお題ということで、
 先日、『ウルトラマンマックス』に登場したバルタン星人について、書いてみようと思い立ちました。バルタン星人……と言えば、過去からの伝統を持つキャラなんですが、あくまでネタは、マックスに登場した2種のバルタン(タイニーとダーク)が中心ということで、カテゴリーも新しく最近の話題を論じるものを追加。

魔法少女タイニーバルタン

 さて、今夜は、正統派バルタンというべき侵略宇宙人のダークではなく、むしろ異端派のタイニーについて書いてみます。ほら、レディーファーストとも言うことですし(笑)。

 まず、このタイニー、やたらと科学力を誇示するダークと違い、属性としては「魔法少女」として描かれております。タイトル表記した「A・C・クラーク」の言葉もあるわけで、我々の科学で分析できなければ、それは魔法と変わりありません。とにかく、「バルル〜♪」という呪文を唱えて、不思議な事象を起こし、マックス世界をファンタジー世界に誘う存在。それが、タイニーバルタンだったりします。「E・T」のように自転車を浮遊させたり、伝説の鐘の音(何だかウルトラベルを連想)でダークの戦意を喪失させたり、科学ではなく、魔法だから何でもあり、です。思わず、「マージ・マジ・マジーロ♪」と別番組の歌さえ歌いたくなります。

善玉宇宙人

 次に、このタイニー、善良です。
 善良なバルタン……の系譜は割と最近で、劇場版「ウルトラマンコスモス」のシルビィの後継者に認定されます。
 元々、劇場版「コスモス」に登場したバルタン(ネオバルタンに強化)は、邪悪な侵略者であったにも関わらず、コスモスとの戦いで結局死ぬこととなった際、「バルタンの子供たち」によって、悲劇のキャラとして弔われます。種族エゴの暴走で突き進んだ大人の悲劇と、それを癒す役割を持つ子供たちの未来と平和への想いが第1作のメッセージ。
 その後、バルタンの子供は、劇場版第1作で憑依したヒロインと文通を続けていたことが、第2作で明らかになり、その名前も「シルビィ」と分かるわけですが(シルビー・バルタンは、そもそもバルタン星人の名前の元ネタになったフランス人アイドルの名前で、これ自体、特撮ファンをニヤリとさせたネタ)、
 このシルビィの後継者が、マックスのタイニーバルタンになるわけです。

すなわちファンタジーの住人

 善良で平和を模索するファンタジーワールド。
 科学とリアル路線を突き詰めて、重くなった前作「ネクサス」に欠如していたものが、これです。
 科学重視のセブン路線との対比ともなるべき、ファンタジー性も備えた初代マン路線。その一つの象徴が、「魔法少女のタイニーバルタン」と言えるかもしれません。セブン路線では、侵略者として排除すべき存在である異星人ですが、マックスでは「異星人との友情」も第25話のネリル星人キーフ以降、頻繁に描かれるようになってきており、単に過去怪獣のリバイバルを越えた独自のマックスらしい世界観(あくまで科学に根ざしつつ、ファンタジーと、異星文明との融和をも含みうる寛容な作品世界)を示しております。

 リアルな怪獣退治の物語も好きですが、「タイニーバルタン」のようなファンタジックな存在も許容しうるマックスの世界観が、今のNOVAにはお気に入りとなっています。(つづく)