Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

アイアンキング3

 『アイアンキング』語りは、昨日で終わるはずでした。
 でも、『メタルダー』は3回まで続けて、次の『アイアンキング』が2回で終わりでは、あからさまに公正さを欠きますな。
 いくら、『アイアンキング』が視聴率的に苦戦した不遇の作品だったからと言って、うちのブログでまで、それほどの不遇さを味あわせては、世間様に示しがつきません。それに、ぼくの『アイアンキング』愛が昇華されない。


 ということで、ここは視点を変えて、『アイアンキング』の原典ともいえる時代劇『隠密剣士』について考えてみようと思う。
 隠密剣士 DVD-BOX
 『アイアンキング』の生まれる10年前の1962年、同じ宣弘社製作で『隠密剣士』は作られた。当時を生きていないNOVAは、さすがに時代の雰囲気まではつかめないのだが、「忍者ブーム」を巻き起こした初の時代劇ヒーローとして、ネット上では語られている。
 脚本家は『仮面ライダー』の伊上勝氏。主役の秋草新太郎を演じるのは、『月光仮面』の大瀬康一氏。相棒の忍者・霧の遁兵衛を演じるのは、『仮面の忍者 赤影』の白影や、『変身忍者 嵐』のタツマキの牧冬吉氏。このメンツを見るだけで、特撮ヒーローの匂いがプンプン漂ってくる。
 さらに、本シリーズの前番組が『月光仮面』、後番組が『ウルトラQ』ということも考え合わせると、現在のように、子供向け変身ヒーローのセオリーが固まっていない当時、『隠密剣士』を特撮ヒーローの亜流ならぬ本流と見なすことも十分できるのだろう。
 今までは寡聞にして、深く気に留めていなかったが、『アイアンキング』から、思わぬ収穫物を見つけた気分だ(60年代生まれの人にとっては、当たり前の作品だったのでしょうがね)。

 ともあれ、『隠密剣士』に始まった忍者ブームの直流が、『忍者部隊月光』であり、『忍者ハットリ君』であり、
 そこから特撮の遺伝子に溶け込んで、『赤影』『ライオン丸』『嵐』『忍者キャプター』『宇宙からのメッセージ 銀河大戦』『世界忍者戦ジライヤ』『忍者戦隊カクレンジャー』『忍風戦隊ハリケンジャー』に通じていると思うと、非常に感慨深いし、
 時代劇の方に向かうと、忍者ばっかりの『影の軍団』は言うまでもなく、『水戸黄門』『暴れん坊将軍』などメジャーどころでも、しっかりとその遺伝子が息づいているわけで……うわあ、話広げすぎだよ、自分。


 忍者フィクション史にまで大風呂敷を広げると、話が終わらないので、最後はひっそりと『アイアンキング』に引き戻して、終わりたい、と思います。
 静弦太郎のモデルは、公儀隠密の美剣士・秋草新太郎。大和政府ならぬ幕府の安泰を脅かす敵忍群と戦います。特技は、柳生新陰流。さすがにムチを使ったりはしないようです(そりゃ、そうだ)。
 そして、霧島五郎のモデルが霧の遁兵衛。白影よろしく、凧に乗って空中から爆弾攻撃……って、こちらが原点なんですが。アイアンキングがどうして「霧の中から〜♪」と歌われるのかも、今にして納得できました。アイアンキングは、忍者なんですな。そう思えば、頭や胸の十字架マークも手裏剣のように見えてくるから不思議。


 そんなわけで、『アイアンキング』について書いていて、思いがけず、忍者フィクション映像のルーツまで知ることができました。ニンニン