WショーカとShiny NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

ゲームブック『王子の対決』改め『王女の対決』準備編

未攻略FF最後の2冊に挑戦

 

晶華「今回からFFゲームブックに挑戦するわ」

NOVA「おお。何だか知らんが、頑張れ」

晶華「知らないことはないでしょ!? この記事を読んでよ」

NOVA「2023年秋からプレイしようと思ったまま、何だかんだ言って、できないまま、ここまで来たんだな」

翔花「ゲームブックといえば、ここでは『モンスターの逆襲』よね。2022年10月に始まって、2023年8月に終わったわけで」

NOVA「ああ。その後で『王女の対決』で企画を始めようと思ったけれど、結局、ウルトロピカルの方に夢中になったのが去年だ」

晶華「あっちでは、年間7冊もFFゲームブックを攻略したのに、どうして、こっちではたった2冊のゲームブックが立ち上がらなかったのよ」

NOVA「別に、ここはゲームブック専用のブログじゃないからな」

晶華「私が管理人をする以上は、ウルトロピカルに対抗して、こちらもゲームブックという強力な連載企画を立ち上げます」

NOVA「おお、頑張れ」

晶華「他人事みたいに言わないで。NOVAちゃんには、GMおよび解説役を担当してもらうんだから」

NOVA「俺が!? ゲームブックぐらい、GMいなくてもできるだろう? お前たち姉妹でプレイするんじゃなかったのか?」

翔花「ええと、わたしは兄の戦士クローヴィス、改めて王女戦士のクローディアをプレイすればいいのね」

晶華「そう。私は双子の妹の魔法使い、ロタール改めロザーラ、いいえ、ロザリンで行くわ」

NOVA「クローディアとロザリンの2人で王位継承権を賭けた冒険を始めるんだな」

晶華「で、NOVAちゃんは王様のガンダーボック16世の役ね」

NOVA「俺が王様だと?」

晶華「そう。年老いた王の退位の儀式を前に、双子の王子、改め王女のどちらが後継者に相応しいか決めるゲームブックなの」

翔花「王様ならぬ、ここの管理人は、わたしじゃなくてアキちゃんが受け継いだんだけどね」

晶華「そんなわけで、管理人としての覚悟を定めるためにも、この王様後継ゲームブックをクリアしておこうと思うのよ。たぶん、その方が妖精女王ズよりも早く終わるだろうし」

NOVA「まあ、頑張るか。今年の初ゲームブックのプレイってことで」

 

プレイ前の四方山解説

 

NOVA「実のところ、この作品をクリアすれば、俺は手持ちのFFゲームブックを全て解いたことになるわけで」

翔花「それって凄いことなの?」

NOVA「FFゲームブック社会思想社から33巻出て、東京創元社のソーサリー4部作と合わせて、全37巻が80年代(一部は90年代始め)に邦訳されたわけだな。その後、ゼロ年代にも一部の作品が新訳で復刊したり、萌えアレンジされたりしたものの、公式に新刊が訳されることはなかったわけだ。2021年にFFコレクション1集で、50巻の『火吹山の魔法使いふたたび』が訳されるまでは」

晶華「ええと、1集に収録されたのは、以下の5冊ね」

●1巻:火吹山の魔法使い

●2巻:バルサスの要塞

●5巻:盗賊都市

●24巻:モンスター誕生

●50巻:火吹山の魔法使いふたたび

 

晶華「昔の邦訳は33巻で止まったので、それ以降が新刊ということになるわけね」

NOVA「で、俺は31巻までは昔、クリアしたんだが、32巻の『奈落の帝王』と33巻の『天空要塞アーロック』、そして今回の課題である『王子の対決』2冊分が未攻略のまま長らく封印されていたんだ。しかし、2023年にアーロックを、2024年に奈落の帝王を攻略記事にしたことで、残すところが『王子の対決』のみになっているのが現状だ」

翔花「つまり、『王子の対決』がラスボスみたいなものか。そいつを倒したら、全作クリアの快挙だと」

NOVA「いや、今度の2月にさらなる新刊3冊が加わる予定だから、快挙には至らないだろうけどな。とにかく、FFコレクションも次回で5集まで登場して、旧作復刻だけでなく、新作も積み重なるのが現状だ。2022年の2集がこれで」

●6巻:死の罠の地下迷宮

●10巻:地獄の館

●17巻:サイボーグを倒せ

●34巻:魂を盗むもの

●66巻:危難の港

晶華「旧作の復刻が3冊で、新作2冊かあ」

NOVA「2023年の夏に出た3集、通称リビングストンBOXは以下の5冊」

●3巻:運命の森

●7巻:トカゲ王の島

●9巻:雪の魔女の洞窟

●68巻:アランシアの暗殺者

●71巻:巨人の影

NOVA「ここまでは昨年で全部クリアした。ウルトロピカルで、攻略記事もバッチリだ」

翔花「FFコレクション4集はバッチリじゃないの?」

NOVA「これは2023年の年末に出る予定が、少し遅れて2024年の2月になったんだが、結果的に夏発売から冬発売ながら年5冊というペースが続いて今に至る、と。通称ジャクソンBOXのラインナップは以下の通り」

●ソーサリー1:シャムタンティ丘陵(旧題「魔法使いの丘」)

●ソーサリー2:罠の都カーレ(旧題「城塞都市カーレ」)

●ソーサリー3:七匹の大蛇(旧題同じ)

●ソーサリー4:王の冠(旧題「王たちの冠」)

●70巻:サラモニスの秘密

NOVA「新作の『サラモニスの秘密』は攻略済みだし、ソーサリー4部作は攻略記事がまだだけど、昔クリアした作品だから、未攻略には該当しない。よって、現時点でFFシリーズの邦訳未攻略は『王子の対決』を残すのみなんだ」

晶華「私たちの責任は重大ってことね」

翔花「目標は、次のFFコレクション5集が出る前に、『王子の対決』を攻略することね」

NOVA「そこまで焦ることはないと思うけどな。むしろ、まだ未クリアの楽しめる作品が残っていると思う方が幸せだし」

●4巻:さまよえる宇宙船

●8巻:サソリ沼の迷路

●54巻:火吹山の魔法使いの伝説

●62巻:狼男の遠吠え

●69巻:嵐のクリスタル

晶華「今度のは、新作が3冊もあるのね。今までは5冊中、1〜2冊だけだったのに」

翔花「昔の本を持っているNOVAちゃんにとっては、新作がないと割高な買い物ってことね」

NOVA「昔はゲームブックって500円ほどで買えたんだ。しかし、今の相場は1冊2000円弱で、昔の3倍から4倍ぐらいする」

翔花「これも消費税が3%から10%になった影響ね。3倍から4倍も税金が増えて、買い物するたびに陰鬱な気分にさせられる」

NOVA「まあ、消費税を上げるということは、庶民の首を真綿で締めるようなものだからな。せめて、食料や生活必需品、および文化を守るために書籍には税をかけないでくれたら、いいんだが」

晶華「まあ、消費税だけで値段が高騰したわけじゃないと思うけど。80年代のゲームブックブームの時は、それだけいっぱい本が売れたのだろうし、文庫本だから安く買えたってことでしょ? でも、ゲームブックって作るのに非常に手間が掛かるから、ただの小説とかよりも値段を高くしないと割に合わないって研究していた人もいたよね」

NOVA「これかな。かつてウォーロックという雑誌の編集長を務めた冒険企画局の近藤功司さんの研究論文だ。ゲームブック研究者を自認するなら非常に重要な一級資料だと考える」

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/286268/1/jarps_4_05j.pdf

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/286268/1/jarps_4_05j.pdf

 

NOVA「研究記事としては、こちらも興味深く読めるな」

晶華「って、ここまでマニアックな研究が当記事の趣旨じゃないし。『王女の対決』が本題なんだから、さっさとゲームブック本編に入るわよ」

NOVA「ううっ、俺としては見識ある人様の研究記事を読んで、『ほほう、なるほどな』と感じ入るのが趣味なんだが」

翔花「感じ入るだけじゃなくて、自分でもお客さんを感じ入らせる研究記事を書こうとは思わないの?」

NOVA「まあ、感じ入らせることよりも、気軽に雑談記事を書きながら、読者さんも楽しみながらマニアックな知識を学べる場ならいいな、と思ったり」

 

とりあえず、キャラ作り

 

NOVA「では、語りたい蘊蓄はいろいろあるが、連載記事の最中に寄り道するネタとして小出しにすることにしよう。さっさとプレイを始めるぞ。まずは、ルールに従ってキャラを作れ」

翔花「どうやって?」

NOVA「サイコロを1個振れ」

翔花「10」

NOVA「20面ダイスじゃねえ。6面に決まってるだろう?」

翔花「決まってないわよ。世の中には、4面、8面、10面、12面、20面のダイスがあるのは、アナログゲーマーの常識なんだから。6面ダイス1個だったら、1D6って言ってくれないと通じないわ」

NOVA「世間一般じゃ、1D6の方が通じないんだよ。特殊な事例は特殊なものと理解することも大事だ。世間一般では、『サイコロを1個振れ』と言われたら、『サイコロなんて持ってません』というのが大多数だ」

晶華「まあ、手に届くところにいつもサイコロが置いてある状況が普通じゃないことは分かるけど、とりあえず、私が例を示すわ。(コロコロ)3。うん、これじゃダメね。(コロコロ)6。よし、これに決めた。これに6を足して、技術点12からスタートよ」

NOVA「おい、晶華」

晶華「何、NOVAちゃん? 低い出目を勝手に振り直すなって頭の固いことを言うんじゃないでしょうね。ゲームブックなんだから、弱いキャラにしようが、強いキャラにしようがプレイヤーの自由。出目3の期待値以下のキャラだと楽しめそうにないから、せめて最初の能力値決めは4以上にした方がいいと判断したまでよ」

NOVA「いや、それはまあプレイヤーの自由なんだが、お前のキャラは魔法使いのロザリンだろう? だったら、1Dに足すのは6ではなく、4なんだ。その辺はソーサリーと同じ」

晶華「おっと、そうだったわね。だったら、私のロザリンは技術点10ということで」

翔花「すると、戦士のクローディアは1D6+6で技術点を決めるのね。(コロコロ)5。うん、技術点11よ。6が出るまで振り直すってのもありだけど、別に最強能力じゃなくても解けるわよね」

NOVA「たぶんな。ただ、作品によっては、最強能力でもキツいものもあって、事前情報が分かっていれば、技術点12と最初から設定するようにする」

晶華「これ、下手をすれば、戦士の方が魔法使いよりも技術点が低いこともあり得るのよね」

NOVA「技術点8のヘッポコ戦士と、技術点9以上の魔法使いじゃ、戦士のプレイヤーが可哀想だな。まあ、今回のハウスルールとして、出目が期待値以下なら1回は振り直していいことにしよう。それでも期待値以下なら、期待値(1Dなら4、2Dなら7)ってことで。さすがに王位争奪戦だから、期待値未満のヘッポコに国を任せるわけにはいかんだろうし」

 

晶華「次は体力点ね。2D6+12ってことで(コロコロ)6。振り直して5。う〜ん、双子の弟の魔法使いって、いつでもゴホゴホ咳き込む虚弱体質ってイメージがあるけど、ハウスルールに合わせて7にするわ。私のロザリンの体力点は人並みの19ってことで」

翔花「(コロコロ)わたしは9。期待値以上は振り直しできないのね。だったら、クローディアの体力点は21点」

 

晶華「最後に運点ね。(コロコロ)6。1D6+6だから運点12」

NOVA「ラッキーだが、1つ間違いがある。お前は魔法使いだから、運点で終わりじゃなくて、魔法点を2D6+12で決めないといけない。ついでなので、今、決めてしまえ」

晶華「分かったわ。(コロコロ)4は振り直して、6。ダメね。結局、魔法点も期待値どおり19点かあ」

翔花「わたしは運点だけを決めればいいのね。(コロコロ)1。振り直しができなかったら終わってたわ。2度目は6。ラッキー♪ 振り直しルール万歳ってことね」

NOVA「結局、まとめるとこうだな」

●姉のクローディア(戦士、プレイヤー:粉杉翔花)

 技術点11、体力点21、運点12

 

●妹のロザリン(魔法使い、プレイヤー:粉杉晶華)

 技術点10、体力点19、運点12、魔法点19

NOVA「このブログでのFFゲームブックは初めてだから、じっくりキャラ作成を解説したが、それでもTRPGに比べてサクサクと終わったな」

晶華「TRPGだったら、1記事でキャラ1人が完成するかどうかだもんね」

NOVA「決めなきゃいけない能力値の数も多いし、スキルや背景など、いろいろ設定できる項目があるからな。FFゲームブックだと、最低でもサイコロ3回振れば、キャラ完成だから、慣れたら30秒以内にキャラが作れる」

翔花「TRPGだと、1時間は掛かるわね」

NOVA「シンプルなシステムのクラシックD&Dだと、キャラの骨組みは10分ほどでできたと思うが、装備の買い物とか、パーティのバランスなんかを考えると、30分ほどは掛かるかな。TRPGのAFFなんかも、スキル選択や呪文選択などで時間を食うから、やはり30分から1時間ほどは掛かると見た方がいい」

晶華「昔のゲームは、サイコロを振って自然に決まるシステムが多かったけど、今のゲームはプレイヤーの選択で決まる部分が多いから、どんな能力やアイテムを持つかで結構、悩むのね」

NOVA「まあ、能力や職業は自分で選べて、出自や背景などはランダムに表とダイスで決めるシステムが定番だな」

晶華「ゲームブックだと、出自や背景は最初から決まっているのが普通だけどね」

NOVA「作品によっては、性別も決められているものがあるが、その辺はプレイに支障のない範囲で、プレイヤーが自由裁量してもいいだろう」

翔花「ゴブリンをタヌキにするみたいにね」

NOVA「まあ、あれはイジくり過ぎたというか、去年にやったら、原作改変で怒られかねない」

翔花「王子を王女に変えるのも原作改変じゃないの?」

NOVA「性別変更を問題にすると、世界名作劇場なんてアウトな作品があるからな」

晶華「フローネさんとか、家なき子レミとかね」

 

本作の魔法システム

 

NOVA「さて、FFシリーズの魔法システムは、大きくソーサリー形式とバルサス形式に分かれるんだが」

晶華「ソーサリーは、魔法を使う際に体力点を消費するシステムで、48種類の魔法をプレイヤーが記憶しないといけないとか、必要アイテムが設定されているとか、いろいろ複雑なのよね」

NOVA「魔法を使う際に体力点消費というシステムは、昔のT&Tがそうだったけど、それが体力ではなく精神点とかMP消費というシステムに発展したわけだな。一方、D&D伝統の魔法システムは回数制限で、それがバルサスに受け継がれている」

晶華「冒険で使用する魔法をあらかじめ準備して記憶する。好きな魔法を自由に選ぶのではなくて、知っていても準備していない魔法を使うことはできないって形式ね」

NOVA「ゲームブックでは、パラグラフで指定された魔法しか使えないって制限もあるから、『君は◯◯の魔法を覚えているか? 覚えていて使えるなら23へ。覚えていないか、使わないなら45へ』とか指示される。一方で、ソーサリー形式なら、『君はどの呪文を使うか? FOF→288、JIG→308、BAM→327、LAW→348、YAZ→371』って感じで、選択肢が結構多い」

晶華「本作は……どちらでもないのよね」

NOVA「戦闘用の魔法と、他の魔法があって、前者は12種類の魔法を戦闘中に自由に1つだけ選ぶことができる。後者は、魔法が使える際にパラグラフでその都度指示されるのを選ぶのみ。どちらも魔法点を消費するというシステムで、あらかじめ記憶する必要もない。ただし、魔法を使う際は、必ず1Dを振って6が出たら失敗する。1〜5で効果を発揮するシステムだ」

晶華「失敗率6分の1か。ここぞというところで発動しなかったら涙目ね」

NOVA「発動ファンブルで、『おおっと表』を振る必要がないのは幸いだ」

晶華「それはTRPGのAFFのシステムでしょ。ええと、戦闘用なら12種類か。リストアップして」

 

  1. 弱体化(消費魔法点2):1体の敵の体力点を半分にする。
  2. のろま(2):1体の敵の技術点を2減らす。
  3. 爆発(2):1体の敵の体力点を1D点減らす。
  4. 電光(3):その場の全ての敵の技術点を1、体力点を2減らす。
  5. 眠り(1):その場の全ての敵にかける。それぞれの怪物の体力点の数字だけダイスを振って、1回でも6が出れば抵抗されて効果なし。6が出なければ、眠りに落ちた敵は戦闘不能になって、倒したことになる。
  6. まどわし(2):その場の全ての敵にかける。敵からダメージを受けた際に、1Dを振って出目が1〜3なら、相手が幻を攻撃したのでダメージを受けずに済む。
  7. 敏捷(2):自分にかける。敵からダメージを受けた際に、通常の2点を1点に半減できる。
  8. 体力強化(2):自分にかける。敵にダメージを与えた際に、通常の2点を3点に増加できる。
  9. 活力増加(1):自分にかける。戦闘のあいだ、技術点を1点増やせる。
  10. 無敵(3):自分とクローヴィス(クローディア)にかける。双方の技術点を1点増やせる。
  11. 影(1):戦士の精霊(技7、体4)を召喚して、代わりに戦わせる。
  12. 回復(不定):自分にかける。魔法点を3:2で体力点に変換できる。例えば、魔法点3消費で体力2点、6消費で体力4点を回復させる。

 

晶華「上手く決まれば、眠りが結構強力そうね。6さえ出なければ、消費魔法点1点で、相手を全滅させられる」

NOVA「一撃必殺の効果って、他にはないんだよな。強敵1体なら、のろまが有効で、他は活力増加がコストの割に安定感があっていい。ダメージ系は連発できれば強いけど、1戦闘で1回だけ中途半端なダメージを与えられてもなあ。防御呪文だと、まどわしと敏捷が違う意味でダメージ半減にしてくれるが、たった1回の呪文使用を防御に回すよりは攻撃に回す方がいいかと思う」

 

晶華「戦闘以外の呪文はどれだけあるの?」

NOVA「さあ。全パラグラフを解析して、メモをとればリスト化できるけど、まだやってない。攻略後の楽しみにしよう」

 

所持品の話

 

翔花「う〜ん、魔法の話は戦士のわたしには関係ないので、アイテムの話に行くね」

NOVA「アイテムか。初期装備は、馬、杖、背負い袋、金貨10枚で、あと体力点回復用の食料10食分だな。1食で体力2点回復する。FFゲームブックだと、1食で体力4点が定番だから、回復量がいつもより少ないことに注意しないとな」

翔花「戦士だから、剣の一本ぐらいは持ってるでしょ?」

NOVA「表紙イラストでは剣と盾を持ってるけど、初期装備は兄弟どちらも武器は杖なんだな。まあ、本文の記述に剣と書いていれば、持っていることにしてもいいだろう」

晶華「消耗品は、食料と金貨ってことね」

NOVA「他に、FFよくある初期装備だと、技術か体力か運のポーションが付いてくるのが定番だけど、本作ではポーションがない。あと、戦闘中の運だめしもルールに載っていないから、できないものとする」

翔花「普段と違う点に注意ってことね。もっとも、わたしはFFゲームブックが初めてなので、ルールをしっかり読んだからバッチリよ」

晶華「いつもと違うのは、2人用プレイで使う「状態(戦士)と行動(魔法使い)」の数値ね。1人用プレイだと、それらの数値は1で固定されるみたいだけど」

NOVA「ゲーム中に2人が別行動を取る際に、それらの数字が何かのフラグになって、冒険に影響を与えたりするようだ」

翔花「2人仲良くプレイを進めることはできないの?」

NOVA「最初に仲良く旅立つか、別行動をする。1人プレイだと、別行動ルートってことになるし、2人旅を選んでも不慮のアクシデントで別れることもあって、攻略記事を書く際もややこしくなりそうだ」

晶華「なるべく、別行動はしないようにしましょう」

翔花「うん。協力プレイを頑張ろうね」

NOVA「では、プロローグを始めるか。俺が父王ガンダーボック16世をロールプレイすればいいんだな」

 

試練への旅立ち

 

NOVA「君たち2人は、都市国家ガンドバッドの双子の王女だ。本当は王子が良かったんだが、時代が変わったので、王女にも普通に王位継承権が与えられるとしよう。剣士として優秀な姉クローディアと、魔法使いとして優秀な妹ロザリンの2人なら、どちらが王位に就いても国は安泰だ、と家臣からの信頼が厚いということで」

クローディア(翔花)「わたしは剣を振るうことしかできない脳筋おバカなので、国を統治するような面倒ごとは、頭の良いロザリンちゃんがいいと思うの」

ロザリン(晶華)「いいえ。ガンドバッドの王は武芸の達人が相応しいと考えます。私は宰相として、姉王を支える立ち位置が望ましい」

NOVA「……と、王女2人で相手に王位を譲ったりしながら、話し合いで解決するという手も、他国ではあるかもしれない。しかし、このガンドバッド王国には、『王位を継ぐ者は、失われた伝説の王冠の宝石を見つけるべし』という風習があるわけだ。父王曰く、『お前たち姉妹で協力して、宝石を見つければよい。あるいは旅の途中で、どちらかが命を落とすやもしれぬが』と心配そうな表情を浮かべるけど、すぐに厳格な表情に戻って、『弱き者、運なき者は国王と認められん。だから、必ず試練を果たして参れ』と言い放つ」

クローディア「もしも、2人そろって攻略に失敗したら、国は滅びますか?」

NOVA「そうならないよう、神に祈る。神に祈りが届けば、奇跡も生じよう。……具体的には、リセットしてやり直す奇跡がな」

ロザリン「大丈夫。姉上は死なせませんわ。そのための魔法です」

クローディア「だけど、その魔法では自分しか回復できないのよね。わたしが怪我しても回復してくれないんじゃ、治癒役としては微妙に使えないんだけど」

ロザリン「まあ、タイトルが対決って言ってるからね。協力はしても、最後は自分1人が試練を果たすよう、微妙に相手を蹴落とすことを要求しているわけで」

NOVA「つまり、協力していると見せかけながら、隙あれば相手を陥れようと企む腹黒い魔法使いなんだよな、ロタールって」

ロザリン「私は、そんな腹黒弟とは違うもん。そういう選択肢は選ばないんだから」

クローディア「うん。信頼してるから、ロザリンちゃん」

NOVA「さて、ここで国王は王冠の宝石の伝承について、昔話を語ってくれる。まず、このガンドバッド王国は、貪欲皇帝パシャ・ヴァルフォレイクの治める帝国の中心にあって、強さを示さなければ、簡単に攻め滅ぼされる周辺環境にある」

クローディア「貪欲皇帝って悪役っぽい称号ね。女王になったとして、上手く付き合って行けるのかしら」

ロザリン「隙を見て、皇帝を暗殺して、ガンドバッドが帝国の支配権を獲得するしかなさそうね」

NOVA「最初にそういう野心を示したガンドバッドの初代国王オシールがいるわけだが、彼の異名が有害王と言われている」

ロザリン「貪欲皇帝と言い、有害王と言い、ろくな二つ名がないんですけど?」

NOVA「う〜ん、この辺の権力者を小バカにするようなセンスは、本書の共作者マーティン・アレンの物じゃないかな、と思うんだ。彼の単独作の『天空要塞アーロック』もそんな感じだし。アンドリュー・チャップマン(『宇宙の暗殺者』『宇宙の連邦捜査官』『海賊船バンシー号』の作者)のセンスはまだまともだと思う」

クローディア「で、その有害な初代国王さまは何をしたの?」

NOVA「彼の妻の妃が妖精の出自なんだが、第三地獄の氷の平原ってところから、無数の宝石で飾られた王冠を盗んで来たんだな。その王冠はガンドバッドの権威の象徴として、オシール王の栄華を約束するかに思われたんだが、王冠を守る氷魔人(アイス・デーモン)たちの怒りを招いて、結局、ガンドバッドは魔の軍勢に包囲されて、国王は殺されて、王冠の宝石は国のあちこちにばら撒かれたそうだ」

ロザリン「それって、王さま本人よりも冠を盗んだ妖精妃が悪いんじゃないの?」

NOVA「まあ、そうなるな。この辺の理不尽なセンスは、マーティン・アレンっぽいと思うわけだが、その後、オシール王の息子の王子が失われた宝石の一つを冒険の旅路で見出したことで、ガンドバッドが再建され、王の過ちを正した勇者として名前を……残していないんだな」

クローディア「残してないの?」

NOVA「貪欲皇帝とか、有害王とかの名は書いてあるのに、国を再建した勇者王子の名前が不明なんだな。普通は、そっちの名前を重要人物として称えるものだと思うが、まあ、気にしても仕方ない。ともあれ、この国の再建物語にあやかって、歴代王族は継承の儀式に際して、国のどこかにまだ眠ってある離散した宝石を見つけ出すことを課されているわけだ」

ロザリン「王女でも問題ないわけ?」

NOVA「うむ。これは当攻略記事でアレンジした設定だが、君たち双子はオシール有害王の妃である妖精女王の血を色濃く受け継いだということにしよう。つまり、妖精妃の再来とも言われる双子の存在が吉と出るか凶と出るか、古の伝承を知る者は気にかけているんだな」

クローディア「妖精王妃の末裔かあ。国を栄えさせた王冠をもたらすとともに、破滅の原因ともなった」

ロザリン「すると、第三地獄の氷の平原に乗り込んでいって、氷魔人(アイス・デーモン)たちを滅ぼせばいいのかしら」

NOVA「う〜ん、どうだろうな。OP背景の伏線が、本編ではほとんど機能しないのが、マーティン・アレンの作品だからな。俺も未攻略なゲームブックだし、ラスボスが誰なのかも知らん。『王子の対決』の攻略記事も、ネットで調べたけどあまりないようで、一つ見つけたのがこれだ」

ロザリン→晶華「ええと、中山哲学さんと岡和田晃さんって、TRPG業界の人よね」

NOVA「ああ。尊敬するプロの人だな。前者はAFFコミックの人で、GMウォーロックでも絶賛連載中で楽しみな記事の一つだ」

NOVA「岡和田さんの方も、ウォーロックマガジンのT&T記事やFF記事なんかを楽しく読ませてもらったし、最近はウォーハンマーやFT書房関連でも翻訳などでよくお見受けする名前だな」

晶華「つまり、TRPG業界人のプロの人たちの対決ツイートを参考に、攻略記事を頑張る、と」

NOVA「いや、対決ツイートは、うちの攻略記事を終えてから読む。今、そっちを読むと、いろいろ影響を受けてしまいそうだからな。この『王子の対決』は攻略記事が非常にレアらしく、『王子の対決 攻略』でググると、まだ攻略していないのに2番めに挙がってしまうという現状。ちょっとニッチ層を極めた感じで嬉しい」

クローディア→翔花「実のところ、『モンスターの逆襲 攻略』でググると、うちがトップで挙がるのよね」

NOVA「そんな大昔の絶版ゲームブックを、今どき攻略記事を書く人間も、ネット上ではレアってことだな。よし、決めた。今だと日本で一番、『王子の対決』を極めたブログになりそうだ」

翔花「でも、うちは『王女の対決』でしょ? ファンの人に原作改変を怒られたりしないかしら?」

NOVA「プレイヤーに合わせて、性別を変えるのなんて、TRPGのプレロールド・キャラクターでは当然だからな。旬の作品ってわけでもないから、レアな記事であることを楽しもう」

(当記事 完)