そして、「夏休み料理大会」と化した29話。
主役は、やはり迫真の演技で、超絶料理に舌鼓を打った「加賀美親子」ではないか、と。特に、「天使にまでなって舞い上がったパパ」には、見ているこちらもビックリ(笑)。
でも、井上脚本としては、ドレイクに次いで、サソードの去就に注目すべし、なんでしょうね。
剣坊ちゃま
前回は、岬女史に姉の面影を感じている、と語られ*1、
また、ワームを憎む理由が肉親の死であることで、同じ境遇にある加賀美の共感を買い、
今回は、「皿を割ることにおいても頂点に立つ男」となった挙句、
加賀美にワームの正体をさらしてしまったわけで、一気にストーリーが渦中に入ったような気がする。
果たして、「頂点に立つ坊ちゃま」の運命は?
じいや
天道の敬愛するスーパー料理人として、今回、スポットが当たりながらも、
パパに「豚のエサ」呼ばわりされてしまった気の毒な執事。
本人あるいは「書物による弟子」筋の天道によるリベンジに期待したいが、果てさて。
ハイパーフォーム
前回のラストに突如登場して、思わせぶりに去っていく謎のライダー。
一説によると、その正体は「劇場版パラレルワールドからやって来た、白い衣装の感情的な天道」と言われているが、果てさて。
なお、以前、NOVAは
今後のパワーアップは、「翼の付いた、クロックアップ可能なアーマー」にでもなるのかな?
と予想しましたが、翼については「光の翼」になっています。また、アーマーを展開する姿は、ファイズのアクセルフォームを彷彿とさせますが、劇場版のラストに示される、その超越能力は劇場版のストーリーの根本に関わる重大秘密のため、ここから先はネタバレ注意としておきます。
劇場版の顛末
ハイパーフォームは「時間を減速させて超高速行動」することに加え、
「時間をさかのぼること」が可能です。
劇場版の世界観は、「1999年、TVの渋谷隕石よりも巨大な隕石が太平洋上に落下し、地球の水を涸らせた破滅的世界」で、
天道も、妹の樹花を失い、TV版よりもハードな人生を送っております。
そんな彼がハイパーゼクターを手に入れた後、「ゼクトが人類を滅ぼすべく新たにもたらした隕石」と共に7年前にタイムスリップし、最初の巨大隕石と激突させることで破滅を回避。
その際のセリフは、「お婆ちゃんが言っていた。卓袱台を引っ繰り返していいのは、飯がどうしようもなく不味い時だけだ」
劇場版の展開は、ひよりが死に、加賀美も瀕死の重傷を負い、天道にとっては最悪の状況で、最後の手段として7年前へのリセットを敢行したわけです。
結局のところ、巨大隕石は破壊されたものの、残骸が地球に落下し、それがTV版の渋谷隕石となります。すなわち、劇場版のラストから、時間が遡ってTV版にリンクしている形になります。
そして、劇場版の天道は、7年前の自分にベルトを託し、光の中に消失します。
また、TV版でひよりが描く「自分を助けた天使のような姿」は、「ハイパーフォームの翼をまとい、光に包まれた未来世界からの天道」であることが示されます。
劇場版天道がリセットさせた新しい世界(すなわちTV版)は、「樹花が生き延び、また、もう一人の妹であるひよりが、命に関わる後遺症を免れた」世界。
「もう一人の妹」というのは、ひよりの母親が天道の母親と同一人物であるため。天道の両親については、TV版でもまだ語られていない設定ですので、別に劇場版と矛盾はしないでしょう。ただ、そうなると樹花の母親は、天道とは異なることになるのでしょうね(父親は共通*2)。
以上の設定を踏まえて、再度、TV版の各話を振り返ってみると……天道にとって「樹花」と「ひより」に対する態度に共通点が見られる、と思います。