入浴イラスト感想タイム(みたいな混迷空間)
ヒノキ「サブロー殿から、イラストをいただいたぞ。わらわは幸せじゃ。これでいついかなる時も、笑顔を絶やさずに生きていけるのじゃ、ヒヒヒ」
翔花「良かったね、ヒノキちゃん。あれ、でも私も載せてもらっているんだけど、この絵の感じ、確か前にどこかで見たような。ええと、たさ様?」
ヒノキ「何、コナっちゃんは、たさという名をご存知か?」
翔花「ご存知も何も、私にヒノキちゃんのことを紹介してくれたのは、たさ様だよ。その際に、イラストもプレゼントしてくれて」
ヒノキ「そういうことであったか。たさという名は、サブロー殿の別名義なのじゃ。White NOVAと白新星とWhite Wizardとボーグナインと白城真利が同一人物であるのと同様にな」
翔花「え? NOVAちゃんって、そんなに名前を持ってるの?」
ヒノキ「他にもあるぞ、白子屋新右衛門とか。SNE時代には当時、白川とか白井とか白の付くペンネームの先輩がすでに複数いたので遠慮したのか、さらに別の名を使っていたはずだが、それは本人が秘密にしたいらしい。何を今さらって気もするが、まあ本人の意向は尊重しないとな」
翔花「前から気になっていたんだけど、NOVAちゃんが伝説の魔術師っていうのは、どういう意味?」
ヒノキ「ふむ。あれは、わらわがTRPGを始めた90年代じゃ。SNE、すなわちシークレット・ネビュラ・エンチャンターズ(神秘の星雲魔術師団)という秘密結社があってな。ウォーロックを自称する大魔術師を首領に結成された一団で、多くの異世界を研究・紹介、そして創造しておったのじゃ」
翔花「ふむふむ。SNEってのは、そういう秘密の魔術師結社だったんだ」
ヒノキ「あくまで、この妄想ブログ内の設定でな。リアルを元にアレンジぐらいはしないと、関係者に怒られてしまうやもしれんからの。微妙だが、ささやかな配慮って奴じゃ」
翔花「うん。それで?」
ヒノキ「新星殿は、その魔術師結社に見習いとして所属していた過去があってな。自身の名のつく書物こそ発表する機会は持てずにいたが、ボーグナインを始め、いくつかの隠れた記録を残しておる。
「所属時期が阪神・淡路大震災やTSR*1消滅、その後のTRPG冬の時代に至る激動期であったため、『ハイパーT&T ドラゴンズ’ヘヴン』のコンピュータRPG版のシナリオライターの一人としても原稿書きしていたとのことじゃが、肝心のゲームが未発売という憂き目にあっての。この時期に彼が為した仕事の多くが運悪く未発表のまま終わっている。
「まあ、被害は彼一人ではなく、例えばウォーロック殿の翻訳したD&D文庫版の上級ルールも、TSR消失による翻訳権問題のゴタゴタで出版できなくなるなど、90年代末期のSNEは多くの仕事から撤退し、業務縮小せねばならなくなったと聞く。SNEは組織再構築のために、表立った仕事を持たない一部メンバーを切り捨てる必要に駆られ、やむなき事情とは言え、新星殿は別の舞台での再出発を余儀なくされたのじゃ」
翔花「ヒノキちゃん、ずいぶん詳しいのね」
ヒノキ「そりゃ、ソード・ワールド旧版以来のSNEファンじゃからな。いろいろ異世界研究の参考資料にも使わせてもらったし。さすがに内部事情までは知るよしもないが、新星殿と花粉症ガールの件で連絡を取り合っているうちに、彼の過去の忘れられた仕事の話に行き着いての。そこで本人が控えめながら口を割った情報じゃ。一応、『言葉の半分が妄言』と言っている人物の発言ゆえ、どこまで信じていいか、本人の妄想の可能性もあるし、事実誤認や思い込み、あるいは想像力豊かな一ファンの単なる願望という可能性もあるがな」
翔花「だけど、ヒノキちゃんは信じているんだよね」
ヒノキ「まあ、本人の時空魔術師や言霊魔術師としての資質やこだわりからすると、あながち嘘と切り捨てるわけにもいかん、と思っておる。
「少なくとも『自分はプロとして仕事をした人間だ』とか『専門学校で学んだ人間だ』と称する者が、いざ原稿なんかを書かせてみると、『まともな仕事のできない体たらく』を見せたりした場合、どこがプロなのか、何を学んだのかと疑わざるを得ないが、
「新星殿の場合、ゲーム関係の知識や記事書きの質や執筆スピードなど、『セミプロを自称するに足るもの』を示し得ていると考える。何よりも、わらわは彼の愛情に溢れたゲーム話やヒーロー話、蘊蓄めいた裏事情や考察、妄想を聞くのが楽しい。時々、話の展開がぶっ飛び過ぎて、付いて行けんこともあるがの。
「要は、過去にどうであったか、未来にどうあろうとしているかも大事だが、今現在、実際に何をしているか、何ができるか、何をしようと計画しているかなどが、その人間を表していると考える。昔とった杵柄と言いながら今は無能に陥ったり、未来にこうしたいと言いながら何らの計画性を示し得ずに気持ちだけ空回りしたり、そういう今が光っていない人間よりは、今、一生懸命に頑張っている人間を、わらわは信じておる。過去の栄光も、未来の希望も、今現在につながってこそ意味を為すとは、新星殿も語っていたな」
翔花「うんうん、それでこそ、翔花の好きなNOVAちゃんだよ」
ヒノキ「ところで、あれ、何とかならんかの?」
2号「あんた、何を物陰からこっそり不気味に覗いているのよ? この陰険未成熟なトラ忍者」
シロ「お前こそ、どうしてちゃっかり一番目立つところに収まっているんだ? この腹黒魔女め」
2号「あら、それは私が一番、アダルトな雰囲気で絵になるからじゃないかしら。あなたみたいなチンチクリンと違ってね」
シロ「アリナ様を差し置いて、何がアダルトだ。たかが分身のくせに」
2号「悔しかったら、私たち姉妹みたいに分裂してごらんなさい」
シロ「クッ、おのれ、ボクが妖怪ネコマタなら、お前は病原体も同然の不定形じゃないか」
2号「へえ、それは花粉症ガール全てを敵に回す爆弾発言ね。あなたのご主人様が聞いたら、どう思うかしら」
シロ「ア、アリナ様の起源は、由緒正しい樹木の精霊だ。お前たちみたいな病気をもたらす花粉生まれじゃなくてな。花粉症ガールを名乗るのは、新時代の流行を模索せんがための一時的な戯れに過ぎん。花粉症ガールなどと妙な肩書きなどなくても、アリナ様はアリナ様というだけで輝いている。それを惑わす粉杉翔花、ボクはお前たちを決して許さない」
2号「あなたとは決して仲良くなれそうにないわね」
シロ「それはこっちのセリフだ。ガルルルル」
2号「それで脅しているつもり? キシャーーーーッ」
翔花「……2号ちゃん」
ヒノキ「せっかく、サブロー殿に贈っていただいたイラストを眺めながら、ほんわかくつろぎモードでキャッキャウフフ談義を楽しみたかったのに、台無しじゃ(涙目)」
翔花「妹があんな風でゴメンなさい。私と一緒だと、もっと大人しく物静かで控えめな感じだったのに」
ヒノキ「大方、契約主の新星殿と引き離されて、気が立っているのじゃろう。コナっちゃんこそ、うちのシロが度々、突っかかって済まなかったな」
翔花「私は気にしてないよ。いわゆるツンデレさんって見ていたら分かるし。私は光を受けし花粉症ガールだから、凍てついた心は太陽のような大らかな気持ちで暖めてあげたいな」
ヒノキ「おお、おお。それこそ正に光の勇者の心意気。そなたの妹御と、シロの心に潜む闇を払うには、わらわたちが『愛』と勇気と希望の力で、助け合わないとな、ヒヒヒ」
翔花「いや、愛という言葉の妙な強調と、その笑い声はベストマッチに思えないんですけど」
ヒノキ「いや、わらわは別に可愛くて純真無垢なコナっちゃんを個人的に愛しているとか、是非ともお姉さまと呼ばせたいとか、そういう下心じゃなく、これは、そのう、いわゆるラブ&ピースな精神じゃ」
翔花「分かってるよ、ヒノキちゃんの気持ちは。その愛はサブローさんに捧げているんでしょう? 私だって、イラスト描いてくれるたさ様に憧れたりもしたけど、ヒノキちゃんの想い人と知ったら、憧れは憧れのまま胸の奥にしまっておこうと思うの。だって、私が世界で一番、誰よりも愛しているのはNOVAちゃんだもん」
ヒノキ「そ、そうじゃの」(チッ、あわよくばコナっちゃんを新星殿から寝取ろうと、秘めたる想いを抱いてはいたのじゃが、どうやら諦めるしかなさそうじゃの。そう、自身の欲望はうまく制御しないと、ああなってしまう)
2号「キシャーーーーッ!」
シロ「ガルルルルルッ!」