Shiny NOVA&晶華のNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガールというオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

「第2章・ヒツジのあぶり肉」感想

 さて、ドワーフのまとめが終わったところで、物語のつづき。


 なお、この記事のために、瀬田訳と山本新版を同時並行で読んでいるのですが、今は14章の「火と水」。スマウグが湖の町エスガロスを襲撃して、バルドの矢で急所を射抜かれて撃退される章ですが、おそらく映画の第2部はここまでになるかなあ、と予想しています。
 サブタイトルが「スマウグの荒らし場」なので、当然スマウグは登場するだろうし、クライマックスは燃える戦闘シーンになるでしょうから。
 念のため、映画の第1部は原作の第6章「一難去ってまた一難(原題・フライパンから火の海へ)」まで。
 原作の最後は19章までなので、映画の第3部は章的に短くなりそうですが、その辺はクライマックスの五軍の戦いの背景やバトル描写をどこまで膨らませてくれるか、といったところ。


 まあ、そういう映画の展開と照らし合わせたり、予想したりしながら、感想を書いていこう、ということで。

第2章あらすじ

 ドワーフたちの思いがけない訪問の翌朝。
 寝坊したビルボは、自分が置いてきぼりにされたことを知る。
 意外な衝動に突き動かされて、ドワーフたちの後を追って走り出すビルボ。
 準備不足ながらも何とかトーリンたちに合流できた彼は、不慣れな旅に戸惑いつつも、当面の旅の仲間として受け入れられる。
 やがて、一行を最初の試練が訪れる。
 山に巣食う3体のトロルが、未熟な偵察行動中のビルボを捕まえ、さらに救出に来たドワーフたちも次から次へと捕らわれの身に。
 あわや、トロルの餌にされかけた彼らを、姿をくらませていたガンダルフが助ける。魔法使いは、行く手にあるエルフの土地〈裂け谷〉からの使いと連絡をとっていたのだ。
 日の光を浴びて石になったトロルの巣窟から、宝や武具を手に入れた一行は、〈裂け谷〉に向かうことになる。

 大枠は「トロル退治と武具獲得」。
 そこは原作どおりなんですけど、細かい描写の違いが多々見られますので、それを確認していきましょう。

ドワーフたちとの合流

 原作では、ドワーフたちがいなくなったことにホッとして、くつろいでいるビルボに対して、ガンダルフが「何をのんびりしているんだ?」と急かしております。
 自分の意志でドワーフの後を追ったのではなく、ガンダルフに急かされたから、勢いで走り出した形ですね。
 だから、原作ビルボは、しょっちゅう「こんな旅に出るんじゃなかった。故郷に帰りたいよ〜」とぐずぐずつぶやきます。もう、しつこいぐらい、「こんなことを考えたのも、これが最後ではありませんでした」と記されて。


 一方、映画のビルボは、ガンダルフの後押しなく、自ら家を飛び出して走って行きます。
 そして追いついてみると、ドワーフたちは「ホビットが追い掛けて来るかどうか賭けをしていた」という。しかも、ドワーフのほとんどは、「ホビットが来ない方に賭けていた」わけで(笑)。
 もちろん、ガンダルフは「ホビットが来る」方に賭けていたわけですが、原作よりも映画の方が、ビルボを信頼していることが窺えます。

昔話

 野営の場面。
 旅の行方を気楽に考えている若者に、トーリンが「戦いも知らぬ小僧が甘くみるな」と厳しくお説教。これは、ビルボにも向けられた叱責なわけで。
 原作トーリンは演説好きで、あまり寡黙という印象はないんだけど、映画トーリンは必要以上は口にせず、孤高のキャラクターになっています。周りを信用せずに、一人でも任務を果たそうとする破滅志向なところがあって、それをバーリンたちがフォローしている形。


 で、若者たちにオークとの戦いの困難さを教えるかたわら、トーリンの武勲を伝えるために、バーリンが語る昔話。
 これは、『指輪・追補編』の「ドゥリン一族」の章で語られる内容が元ネタ。
 映画の序盤で、「スマウグによるはなれ山のエレボール襲撃」を描写し、その際、「ドワーフの窮地を見ながらも、スマウグを恐れて助けようとしなかったエルフ王スランドゥイルの姿」を見せ、ドワーフ一族の因縁を伝えていたわけですが、
 さらにバーリンの話を通じて、オークとドワーフの戦争(アザヌルビザールの戦い)を映像化。ここで、トーリンの異名オーケンシールドの由来が語られる、と。追補編によると、

 トーリンの楯は割れ、かれはそれを投げ捨て、斧で樫の枝を切り落とし、それを左手に持ってあるいは敵の切っ先をかわし、あるいは棍棒代わりに使ったと伝えられている。

 このシーンの映像化に原作ファンとして拍手し、さらに第1部クライマックスで、この「樫の楯」を愛用し続けている描写がされ、感動。
 でも、あっけなくオークのリーダー、アゾグに敗退。しくしく。
 まあ、映画のアゾグは、ワーグ(魔狼)に騎乗していたし、トーリンも自分が倒したはずのアゾグが生きていたことを知って、逆上していたし……と、トーリンを擁護してみるわけですが、
 改めて、追補編をチェックすると、実はアゾグを倒したのはトーリンではなく、鉄の足のダインとなっています。ええと、これはつまり、バーリンさんの語った昔話は嘘だった?
 ダインの功績をトーリンのものとして捏造したとか? 
 もちろん、映画ではトーリンはアゾグを倒し損ねていたわけで、すると、映画でもアゾグを倒すのは、ダインに任されるのかな?
 一応、原作では、アゾグの息子のボルグが出てくるんですが、ボルグを倒すのは、熊人ビヨルンだし。


 ……ちょっと、先の展開がどうなっていくか気になるところですが、映画のトーリンは実のところ、渋いだけで強くはない可能性も想定。
 ダインが登場すると、そっちに浮気するかもしれないなあ(笑)。
 逆に、トーリンを盛り立てるために、ダインがファラミアのように格下げ改変されるかもしれないけど。

ガンダルフ失踪

 原作では、いきなり姿をくらませた魔法使い。
 後から、「道の先を偵察に行ったのじゃ。そこで、エルフと出会って、この辺りにトロルが出てくるから、と警告を受けて、気になって戻ってきた」と言い訳しているのですが。


 映画では、もっとはっきり「エルフに力を借りることをめぐって、トーリンとケンカ」しております。
 そして、「お前みたいな頑固者は知らん」といって、去って行くガンダルフ
 原作の、胡散臭くも神秘的なガンダルフのイメージ丸つぶれ。
 いや、まあ、これは「トーリンのエルフ嫌いであり、頑固者であるという性格」をしっかり体現していて、原作ファン納得の改変なんですけどね。
 映画のガンダルフも、原作より人間的に描かれている、という理由で納得だし、「白のガンダルフ」じゃなくて、「灰色」なんだから、まあ神秘性が欠けていたっていいのかな、と。

ビルボの失態

 トロル相手の偵察任務で、いきなり失敗するビルボ。
 ただし、原作と映画では失敗の仕方が違います。


 原作では、ホビット特有の隠密能力をしっかり発揮して、見つからずに行動できています。失敗したのは、調子に乗って、トロルの後ろポケットの財布に手を出したこと。この財布、しゃべります(笑)。
 スリとった瞬間、財布がご主人様に警告して、見つかってしまった、と。
 その際、「お前は何だ?」と尋ねられ、「忍びの者」と言いかけて、慌てて「ホビット」と言いなおし、「シノ……ホビット」と発音して、
 トロルには「シノビット?」と認識されてしまったり、まあ、愚鈍なトロルと、ユーモアある会話が楽しかったり。
 そう、おとぎ話なので、原作は危機感が薄く、コミカルなんですね。


 一方、映画では、単純に隠密能力がうまく機能せず、未熟なので呆気なく捕まった形。
 そもそも、映画の中つ国のリアリティを考えると、「トロルがズボンをはいて、後ろポケットに財布を入れている」などという描写が想像できません。
 だから、納得の改変。

13人の怒れるドワーフたち

 で、捕まったホビットを助けるために、ドワーフが何をしたか。


 原作では、様子を見に来て、次々と上から袋をかぶせられ、呆気なく捕まってしまいます。
 唯一、トーリンだけが抵抗するのですが、3対1の状況で結局、袋を被せられることに。


 映画では、ドワーフが戦士としての本領を発揮。
 3体のトロル相手に、13人のドワーフが一斉に突撃を仕掛ける大アクション展開。うおー、映画のドワーフたちは頼れる戦士だぜ、と見直しました。
 そんな彼らが捕まったのは、「こいつの命が惜しければ、おとなしく武器を捨てるんだな」とビルボを人質にされたから。


 ここで、トーリンは非情になれず、弱者をかばう形で武器を捨てます。
 このシーン、もしかすると、ガンダルフは陰で目撃していたんじゃないかなあ。
 もしも、ここでトーリンがビルボを見捨てていたら、ガンダルフもトーリンに期待するのはやめにした、とか。勝手な想像ですけど。

ガンダルフの支援

 原作では、ビルボは何もできず、ガンダルフが機転を利かせます。
 腹話術みたいな呪文の効果で、トロルを仲違いさせ、口論に追い込んで時間稼ぎ。
 その間に、太陽が昇って、トロル石化。
 ビルボは黙って、それを見ているだけ。


 でも、映画のビルボはさすが主人公。
 自分のせいで捕まった仲間がすぐに食べられないよう、口八丁で時間を稼ごうとします。
 「ドワーフの美味しい料理の仕方」を語りながら、相手の興味を惹きつつ、仲間からは「裏切り者」と罵られつつ、その中でビルボの思惑に気付いた何人か(トーリンとか、バーリンとか)を描写しつつ、
 原作とはまた違ったユーモアが楽しめたかな、と。


 で、ガンダルフは、日の光を隠している岩を断ち割って登場。
 映像的には派手な見せ場ですが、原作を知る者からすれば、ガンダルフ単独の活躍ではなく、ビルボとガンダルフの連携があってこそ、と思うので、
 この改変も納得。

名剣ゲットだぜ

 トロル3体をたおした。
 経験値○○点を獲得した。
 ○○ゴールドを獲得。
 さらに、トロルはアイテムを持っていた。
 剣が2本、小剣が1本、見つかった。


 ゲームでは御馴染みの展開ですが、『ホビット』原作が書かれた当時、そういうゲームはなかったですからね。ゲームみたいじゃなくて、ゲームが『ホビット』みたいなファンタジー物語を参考にした、と。
 なお、ゲームによっては、入手したばかりのアイテムの名前が分からないので、「不確定名」で表されます。
 もしかすると、「呪いのアイテム」かも知れないので、安心して使うためには、鑑定が必要だと。
 鑑定するためには、「職業・ビショップ」のキャラが必要なのですが、今のパーティーには、戦士とか魔法使いとか盗賊はいても、鑑定できるキャラがいないので、それができるキャラのところにいかないといけません。


 そんなわけで、鑑定士のいる〈裂け谷〉へ向かうのが次の章。
 まあ、映画では、その前に一波乱あるわけですがね。(つづく)