地道に読み進めていた『後巷説百物語』、読了しました。
前作までは、江戸時代が背景ですが、こちらは、明治時代に移ってます。時代背景や登場人物の変化が少しなじめなかったので、読み進められなかったんですね。
で、今回は前作の内容がだいぶ風化していたので、無事に読めた、と。
内容としては、明治時代の若者4人衆が怪談話の謎で口論になり、解決のため、物知り隠居の講釈を聞きに行く筋書き。その隠居が前作までのキャラの生き残りの山岡百介であり、前作の主要人物・又市らの関わった怪事件を昔話として語っていく、と。
又市らの物語は、必殺シリーズのスタッフによって映像化されてもいるわけですが、ぶっちゃけて言えば、「妖怪の仕業に見せかけて悪人を始末する」もの。よって、この物語に登場する妖怪は、必ず裏で何かの仕掛けがあるわけで、
「世の中には何ら不思議なものはない。不思議なものは、人の心が生み出す」といった約束事に基づいています。
こういう作品を読むのと同じ時間に
不思議な怪現象がテーマのこういう作品を見ていたりするのだから*1、筋書きの皮肉なギャップに、自分でも内心苦笑しながら、堪能していた先週でした。
なお、『後巷説百物語』を読む一方で、現在、同じ作者の最新刊『邪魅の雫』も半分まで読みました。前巻の『陰摩羅鬼の瑕』は後回し。
ここまでの感想。被害者の一人の女性が偽名を使っていたりして、全体像がつかみにくいなあ、と。
どうでもいい感想。主要キャラの苗字が「真壁」と「江藤」だったりして、こういう少女マンガを思い出しました。
一応、これも吸血鬼とか狼女とか出てくる「怪奇」ものだ。「ラブコメ」に分類されるんだけども。
*1:TVでは怪現象を肯定する一方で、CM時などに読む本では、どんな怪現象も最終的には種が明かされ、否定されているわけで。