悪意の神スラングについて
晶華「前回は、スラング神殿のイベントまで攻略し、4行詩の2つめを入手。これで大体、カーレの半分までクリアした形ね」
翔花「『シャムタンティ丘陵』は1週間ほどの長い旅路だったけど、カーレは街一つが舞台なので、たった1日か2日ほどの冒険譚。だから、残り食料については、それほど気にする必要はないんだけど、体力点を回復できる機会が少ないのが問題になるのかも。意外と、食事をする機会がないもので」
009「戦闘するイベントもなくはないが、それよりも交渉で解決できる機会の多さが、単純なダンジョンアドベンチャーとの違いかもしれない。というか、スティーブ・ジャクソンのゲームブックは、相方のリビングストンの作品と比べても、やはり戦闘の比重が小さく、交渉とパズル、謎解きの機会が多いと改めて実感した」
ジュニア「だから、EJも戦闘よりも、助言キャラとしての出番が多い感じですぅ」
翔花「ところで、前回はスラング神殿の謎解きで、48番にパラグラフジャンプできたから良かったものの、もしも謎が解けなかったら、どうなっていたのかしら?」
晶華「IFルートってことだけど、答えが分からなかったら、パラグラフ248番に進むことになるわ」
●パラグラフ248
「兄弟姉妹よ! 我々はここに、新たな悪意の神のしもべを迎えた」司祭は叫んだ。
約束どおり、きみはリーブラへの信仰を捨ててスラングを崇めなければならない。
これはつまり、きみはもう二度とリーブラの助力を求められないということだ。この先のカーカバードの冒険もきみは一人で進めなければならない。
きみは信仰の誓いを立て、聖堂を後にする。
運点を二点失う。
その後、165へ。
翔花「それだけ?」
009「それだけだな。目につくペナルティーとしては、リーブラの奇跡が得られないことと、運点を失うことだが、最大の問題は、4行詩の1つが入手できなくなったので、実質的にこのカーレの攻略が失敗に終わったことだ。ただし、ここに裏技が一つある」
翔花「何?」
009「4行詩の3つには、それぞれ数字が記されている。例えば、ロータグさんから聞いた『深く封じる2つの掛金』だと2だな。しかし、スラング神殿でもらう詩の1行には数字がない。つまり、北門を開くパラグラフジャンプの謎を解く手がかりにはならないんだ。数字パズルという意味では、ここの詩は取りこぼしても、北門の扉を開けられる(パラグラフの行き先は分かる)ということになる」
ジュニア「物語のピースとしては必要だけど、数字パズルのキーにはならないわけですねぇ」
翔花「作者(SJ)の意図としては、リーブラ様の信仰を失って、悪意に染まる=ゲームオーバーだけど、プレイヤーが望めば、スラング信者として〈王の冠〉の探索を続けてもいい、と」
009「悪堕ちプレイが望みならな」
悪堕ちIFルートの可能性
009「『ソーサリー』執筆時点では、正義の女神リーブラも、悪意の神スラングも、そして優雅の神コーガも、後の『タイタン』で描かれたような設定が構築(あるいは発表)されていないから、リーブラからスラングへの強制改宗といっても、プレイヤー的にはイメージがあまり湧かなかったろうな」
晶華「少なくとも、ゲームブックの記述からは、スラングって『歩けない子どもの脚の障害を癒してあげたり、信者に対しては良い神』っぽく描かれていると思う。あまり、邪神って雰囲気じゃないのよね。〈悪意の神〉って二つ名以外は」
009「『タイタン』の記述では、スラング神官のまとうローブはオレンジで、頭を剃り上げているとのことなので、カーレのスラング神官のように白ローブ、白髪の聖者然とした姿とは異なっている。もしかすると、彼は元々、別の神の司祭だったのが洗脳されたり、自らの意思で改宗したのかもしれん。あるいは、表向きの装いと、邪神官としての本性は別なのかもしれんが、典型的なスラング神官は、武器や拷問道具を持ち歩いているそうだ」
翔花「武器はともかく、拷問道具って……」
009「スラングの教義は『非信者を徹底的に憎み、暴力を振るえ。他の寺院を焼き、多くの民を殺せ』という教えらしい」
翔花「そんな野蛮な神さまの割に、カーレのスラング神官は慇懃というか、普通に会話できたわよね」
009「AFFの設定でも、タイタンの記述に基づいていて、『可能な限り、恐怖や苦しみを広めることに力を注ぐ』とあって、暴力的な神さまだな。そして、ぶっちゃけ頭が悪そうだ。スラングの固有神術は〈憎悪の呪い〉で、仲間に対する怒りを掻き立てるもの。しかも、運だめしによる回避もできないらしい」
晶華「それは厄介よね。回避できない呪いなんて」
009「呪いは祝福によって中和されるが、基本ルールだとリーブラは祝福の神術を教えてくれない」
翔花「どうして?」
009「祝福を教えてくれるのは、母神シンドラであり、それを受け継いだのは上の妹のアスレルだ。まあ、AFFの設定はともかく、『カーレ』で描かれるスラングの姿は、『タイタン』以降のイメージとはずいぶん異なる様相を示していて、どうも別の派閥なのかもしれない、と考えている。暴力的なスラング派閥がある一方で、もっと暗躍してそうな狡猾派閥とでもいう一派が、カーレで力を付けているのではないだろうか?」
晶華「もしかすると、二重信仰かもしれないわね。表では知恵を説き、裏では暴力に邁進する分裂人格みたいな神官とか」
009「少なくとも、暴力的な野蛮神官だったら、賢人会議のメンバーには選ばれていないだろうな。これは例えば、カーレにおけるスラング信仰は何らかの理由で特異性を帯びた可能性があるが、その辺の解釈も後のAFF神さまサプリでフォローされることを期待しよう」
翔花「それで、もしもクローディアがスラング信仰に堕ちていたら、どう振る舞ったらいいのかしら?」
009「逆らう者は皆殺しウリィィィィ、と狂戦士みたいになる」
翔花「それはイヤね。もう少し理性を残したい」
009「あら、我が神に逆らうと言うの? 面白い。どこまで抵抗できるか見物ね。せいぜい、抗ってわたしを楽しませなさい」
翔花「少しイメージが違う」
009「だったら、自分で考えてみろよ」
翔花「我が神は、わたしに女王として全てを支配するよう命じられました。だから、あなたたちは我が覇道の犠牲になるのです。付き従う者は生かしてあげる。従わないなら、その血肉をスラング神に捧げるとしましょう。さあ、掛かって来なさい。悪意の神の御許に導いてあげるわ……って感じ?」
009「じゃあ、それで。ここからは悪堕ち魔戦士クローディアの冒険ってことで」

翔花「ちょっと。これはあくまでIFルート。わたしのクローディアは悪堕ちなんてしていないんだから。リーブラ様の聖勇者クローディアの冒険は、まだまだ続きます」
〈旅の宿〉にて
晶華「悪堕ち妄想話はそこまでにして、本編です。まだ聖勇者の資格を失っていないクローディアは無事にカーレ南半分の探索を終えて、街の中心を通るジャバジ川の近くに建てられた〈旅の宿〉に到着しました」
クローディア(翔花)「ずいぶん長い1日だったと思いながら、ようやく、落ち着ける場所に来た気分。マンティコアと戦ったのが、ほんの2日前とは信じられないわ」
晶華「パラグラフ番号は110番。宿の雰囲気は、川辺らしくて、船乗りたちがたむろしているような感じですね」
クローディア「さて、ここにフランカーは来ているかしら。110番から、どこに行けば良かったか、覚えていないのよ」
EJ(ジュニア)「222番ですよぉ」
フランカー(009)「よう、チャンピオン様じゃないか」

クローディア「早速、出たわね、フランカー。あなたに教えてもらったロータグ様の件。ここで話せる?」
フランカー「オレも忙しいんだが、あんたの件はいろいろ重要っぽいからな。優先させてもらう。奥に密談用の部屋を借りてるんだ。そっちに付き合ってくれないか?」
クローディア「こいつと2人きりで大丈夫かしら?」
晶華「フランカーは、まだクローディアさんが女性だと気づいていません。ただ、酔っ払っているのか、親しげに肩を組もうとしては来ますね」
クローディア「暗殺者の彼をそばに近寄せたりはしない。鞘に入ったEJを突き出して、警戒心を示す。馴れ馴れしくするような仲じゃなかったはずでしょう。3日前には、殺し合った仲だってのを忘れたとは言わせない」
フランカー「ああ。香ばしさナンバーワンって言ってたか?」
クローディア「……それは忘れて。とにかく、警戒心は崩さないまま、フランカーに誘われた部屋に入っていく。ええと、ゲームブックとは少し違う展開になっているよね」
晶華「うん。ゲームブックだと、フランカーは〈ヴラダの賭博場〉のギャンブルで勝って、羽振りが良くて、上機嫌のまま、主人公に金貨5枚を渡すの。その後、この宿で飲むエールについて、少し警告したりもするんだけど、当記事ではナイン君が少し設定を変えたんだって。このシーンはオリジナル展開でいくわ」
フランカー「まずはゲームブック同様に、金貨5枚を払おう」
クローディア「これで金貨41枚。1日でずいぶんと稼げたものね」
フランカー「それでロータグ先生からは、例の呪文は聞き出せたのか?」
クローディア「ええ。あんたの読みどおり、彼は賢人会議のメンバーだった。それと、スラング神殿の神官もね。これで満足?」
フランカー「やっぱり、そういうことか。だったら、ロータグ先生の身の安全を守らないとな」
クローディア「って、どういうこと? ロータグ様に危険が迫っているってこと?」
フランカー「ああ。今、カーレには最高権力者のサンサスがいない。そういう状況では、賢人会議の内部では苛烈な権力闘争が勃発しやすいんだ」
クローディア「睨みを利かせているトップがいないうちに、権力の奪い合いが発生するって話?」
フランカー「裏の話で、賢人会議のメンバーと思しき者が呪いを受けたとか、そんな話が飛び交ってるんだが、いろいろきな臭いことになっているみたいだ。ロータグ先生が賢人会議と無関係なら杞憂だったんだろうが、心配が的中したようだ」
クローディア「……あんた、ロータグ様とどういう関係?」
フランカー「オレは先生の教え子だよ。昔、世話になったが、ヴィックの兄貴みたいには、教わった学問も物にはならなかった。だけど、オレなりに先生のピンチは見過ごしにはしたくねえのさ。恩には報いるのがオレのポリシーだからな」
クローディア「……ってことは、ロータグ様と、ヴィックさんと、フランカーはみんな知り合いってこと?」
フランカー「先生には絶対に言うなよ。オレがこんな仕事をしているってことは」
クローディア「言うわけない。とにかく、あんたがロータグ様の敵じゃないって分かっただけで、少しは信用してあげるわ」
フランカー「それはともかく、クローヴィスの兄貴も、身辺には気をつけた方がいい」
クローディア「こっちまで火の粉が飛んで来てる!?」
フランカー「街に来たばかりで、目立ち過ぎだぜ。祭りの場で、チャンピオンを打ち負かすわ。スラング神殿の神官に恥をかかせるわ。街中に女神リーブラの噂が飛び交ってるぐらいだ」
クローディア「それは……望むところよ。リーブラ様の信仰が広がるのは、使徒として喜ぶべきところだし」
フランカー「もう一つ、確認したい。お前、女か?」
クローディア「どうして、それを?」
フランカー「クローディア・ガンドバッドって名前が裏の世界で流れて来たんだが……」
クローディア「カーレの裏の世界、どれだけ情報が伝わるのが早いのよ!? 普通、こういうのって、2、3日は間を置くってものでしょう?」
フランカー「街の至るところに、間者が潜んでいるからな。少なくとも、リーブラの使徒を名乗るクローヴィス、もしくはクローディアに対して、スラング神殿が裏から何かを仕掛けて来るかもしれないって、もっぱらの評判だ。宿に泊まるなら、天秤の聖印を隠して、偽名を名乗った方がいい」
クローディア「だったら、ロザリンで……」
晶華「ちょっと、私のキャラまで巻き込まないで」
クローディア「大丈夫。この世界の時間軸では、クローディアの妹がロザリンだって知られていないから」
晶華「使うなら、アリアンナとか、フレシアとか、NPCにしなさいよ」
クローディア「あっ、やっぱり男装しているんだから、男名にしないと。ええと、剣士トマスが地味でいいかしら。サイトマスターの軍曹さん、お名前、お借りします」
フランカー→009「ということで、フランカーは警告をして、去って行ったのである」
続〈旅の宿〉にて
クローディア「とにかく、思ったよりも話が大ごとになっている気がする」
晶華「これだけ目立って行動していたら、〈七匹の大蛇〉に秘密の任務がバレても仕方ないわよね」
クローディア「何の話?」
晶華「カーレをクリアして、3巻をプレイしたら分かるわ」
009「実のところ、スラング神の聖印って、先の割れた蛇の舌なんだわ。蛇とスラングって相性がいいみたいで、悪堕ちクローディアのイラストにも、天秤の代わりに蛇のシンボルを採用した」
EJ「いろいろと伏線がまかれているんですねぇ」
クローディア「とにかく、警戒はするにせよ、宿で食事はしないと、体力は回復しないから、今から食事タイムです」
晶華「金貨4枚で、美味しい食事にありつけます。体力2点回復してください」
クローディア「残りの所持金は37枚。体力点は17点」
晶華「フランカーが去ったので、目立たないように一人飯を食べていると、荒っぽい見た目の船乗りが来て、エールを1杯おごってくれます」
クローディア「どうして、ぼくに? 警戒の姿勢を崩さない」
晶華「お前、ここでは見かけない顔だよな。新顔には一杯おごってやるのが、ここらの流儀って奴だ。さあ、遠慮なく飲め、と無理やりジョッキを渡します。飲むと体力を1点回復しますよ」
クローディア「飲んだ。体力点18点。毒とか眠り薬は仕込まれていないでしょうね」
晶華「ただの美味しいエールですよ。気分がすっきりします。それでお前さん、このカーレに何をしに来たんだ? と尋ねられます」
クローディア「腕だめしの旅って奴だ。バクランドに行きたいんだが、北の門が開かないってんで困ってる。何とかならないだろうか」
晶華「こいつはただの噂話だが、と前置きしたうえで、船乗りの男はこう言います。『門を開く呪文は、地下にいる死霊(デス・レイス)ってのが持っているらしい』」
クローディア「その噂に飛びつきます。ちょっと、何で死霊が?」
船乗り(晶華)「俺も詳しい話は知らないが、船乗りの噂では、上の方で権力争いがあって、最近、呪いで殺された貴人ってのがいるそうだ。そいつが夜な夜な化けて出るともっぱらの評判だ。ふう、おっかねえ。さあ、もう一杯飲むか?」
クローディア「噂の先を聞きたいので、もう一杯飲みます」
晶華「気分が陽気に朗らかになったので、体力点が2点回復します」
クローディア「これで20点。ほぼ全快ね。呪いとか、死霊の話をもっと詳しく」
船乗り(晶華)「物好きな奴だなあ。ここから先は眉唾だと思うから、話半分に聞いてくれ。何でも、カーレの上の方の貴人にモーリステシア出身の吸血鬼が潜んでいて、そいつの不興を買った貴人が呪われたらしいが、どこまで本当なんやら。呪いと言えば、もう一つ。北にあるコーガ神殿な。あそこの神さまの像に口づけすれば神託が得られるって噂だが、俺のダチの友人のそのまた従弟ってのが、神さまの頬に口づけしたら作法がなってないってことで、呪いだか神罰だかで命を落としたらしい」
クローディア「呪われた死霊と、コーガ神殿。北の探索だと、それらが手掛かりになりそうね」
晶華「これ以上の情報が欲しければ、あなたの方からエールを奢らないといけません」
クローディア「それは、お金がもったいない、とケチくさいことを考えながら、そろそろ眠くなって来たから、と暇(いとま)を告げます。良い航海を」
船乗り(晶華)「ああ。もしもあんたがカーレを出たいと考えているなら、開かない北門よりも、船を使って川を渡る手もあるんだぜ。良かったら、付いて来るかい?」
クローディア「それは親切なお誘いだと思うけど、付いて行って大丈夫かしら?」
EJ「何やら危険な臭いがしますぅ。具体的には、奴隷船に拉致されて、ヴィックさんの手助けがなければ、ゲームオーバーになる危険がぁ」
クローディア「そんな罠が! だったら誘いを断って、宿に泊まります。旅の剣士トマスという名前で宿泊代を払って、今夜はゆっくりお休みするわ」
晶華「金貨4枚で、2階の寝室に案内されます。そして……」
この宿の主人は、危険人物である。
身元不明の行きずりの旅人を、ギロチン仕掛けの罠で惨殺し、その肉を料理の食材として活用しているのだ。
この宿に泊まると、二者択一のロシアンルーレットみたいな仕掛けにつながれ、正解を選ばなければ、首を刎ねられてバッドエンドという初見インパクト抜群のイベントに遭遇する。
正解は「腕のロープを引っ張らずに、そっと抜く」方なのだが、ロープを引き上げないとギロチン刃が落ちて来る、と直感的に判断して、バッドエンドに陥ったプレイヤーも多いのではないだろうか。
ここから後半に移るにつれて、罠の都の名に恥じないデストラップ(バッドエンド)が次々と設けられているのが見受けられて、この宿屋および奴隷船イベントがその端緒になるのだ。
橋を渡った北側(レッドアイの脅威)
クローディア「ふう。何とか正解を選んで、生き残ったわ。目覚めスッキリとはいかないけれど、これで体力点、全回復よ」
EJ「ごめんなさい、クローディア様。AFFシナリオでは、この宿のギロチントラップについては、何も記されていませんでしたぁ。フランカーのイベントと、船乗り→奴隷船イベントは採用されていたのですがぁ」
009「即死につながる罠は割愛するのが、TRPGにシナリオ改変する際の傾向っぽいな。あと、AFFシナリオの奴隷船では、ヴィックさんの思わぬ正体と過去エピソード(グランドラゴル氏に命を救われたとか)が判明して、公式設定ではなかなか驚かされるんだが、そちらはロザリンの攻略記事で触れるとしよう」
クローディア「え? ヴィックさんは、トラブル解決の仕事をしている親切な正義の味方じゃないの?」
009「それは表の顔ってことで、ヴィックさんにも裏の顔はあるわけだよ。あと、アプリ版ソーサリーについて、じっくり攻略解説しているサイトを見つけたので、そちらも原作との改変部分が面白いなあ、と思っている」
009「長いので全文はまだまだ読めていないのだけど、原作では2巻で出番終了のフランカーが、4巻でもしっかり登場して主人公の相棒みたいな立ち位置になるなどの改変が、なかなか面白そうだと思う」
晶華「アプリ版や、AFFシナリオ版は公式2次創作って感じだけど、『ソーサリー』みたいな年季の入った作品は、いろいろな別バージョンの物語がプレイヤーごとに紡がれているのかもしれない。だから、ここもゲームブックを原作としながら、一部を改編したり、拡大解釈したりもありってことで」
クローディア「ヴィックさんの正体を気にしつつ、9日めの旅を開始するわ」
晶華「宿を出たクローディアさんは、目の前の〈ハーバー橋〉を渡って、ジャバジ川の北岸に到達します。そこから道は左右に分かれていますが、どちらへ進みますか?」
クローディア「地図を確認します」

クローディア「左はノームの家で、右は記念塔と牢屋かあ。こういう選択だと、ノームの家の方が良さそうなので、左へ進みます。右の探索はロザリンちゃんに任せた」
EJ「そっちに行く場合には、レッドアイという恐ろしい敵に気をつけてくださいぃ」
クローディア「レッドアイって? ええと、ロザリンちゃんの話で聞いたことがある気がする」
晶華「盲目の元看守の話ね。こちらの記事を参照」
クローディア「ロザリンちゃんは、牢の鍵(206)を入手したのね。わたしは、それを入手し損ねたから、レッドアイに捕まると大変ってこと?」
晶華「レッドアイは好戦的な種族で、集団で寄ってたかって他所者を痛ぶる性質があります。EJがそれをクローディアに警告してもいいでしょう」
クローディア「1対1なら戦って負けることはないと思うけど、ディレクターがそこまで言うのなら、戦いは避ける方が無難だと察します。ドキドキしながら、その区画に入りますが」
晶華「レッドアイは見たところ、エルフに似て痩せた、ひょろりとした印象の顔が長い種族ですが、閉じた瞳が特徴です。目は閉じていても、物は見えているようで、そんな種族が朝の日常生活を過ごしています。水桶の前で顔を洗ったり、髪をとかしたり、窓から顔を出して深呼吸をしたり、穏やかな光景に見えます」
クローディア「よそ者としては、騒ぎにならないように、そっと通り過ぎることにするわ。目的はノームの家であり、レッドアイとケンカをすることじゃないし」
晶華「だけど、通りの少し先でたむろしていた若者たちが、あなたの方に顔を向けて、何やらコソコソ話し合っているのに気づきました。どうやら、以前に出会ったエルヴィンのような雰囲気を感じます」
クローディア「それは……イタズラの的にされて、ドングリを投げつけられた記憶が蘇るわ」
晶華「選択肢は、軽く挨拶して側を通り過ぎるか、攻撃に備えて身構えるか、それとも連中を避けるために横道にそれるかの三つです」
クローディア「EJ、どうしよう?」
EJ「AFFシナリオによると、関わらないのがベストですぅ。連中はウザ絡みする気が満々なので、側に近づくだけで、いろいろとちょっかいをかけて来ますからぁ」
クローディア「つまり、横道にそれろ、と。そうします」
晶華「左の脇道に入ると、レッドアイの若者集団は獲物を逃がすまい、と追いかけて来ます」
クローディア「懸命に走って、撒きたいんだけど?」
晶華「ここは連中のテリトリーなので、そう簡単には行きそうもありません。選択肢は3つ。右左右の順に横道に入るか、右右左の順に角を曲がるか、左右右の順に道をそれるかのどれかです。魔法使いなら、呪文をかけるという選択肢もありますが」
攻略記事の都合で、呪文をかけた場合の話を先に。
アイテムがなくて使えないのが、透明化のYAZと、石化のROK。これらを使った場合、戦闘になって、応戦するも多勢に無勢で取り押さえられて、牢屋に捕まってしまう。
【竹笛】があれば、JIGの呪文で集団を踊らせることに成功して、この区画から無事に脱出を遂げる。
【巨人の奥歯】があれば、YOBの呪文で巨人を召喚できるが、レッドアイは特殊能力である目からの火炎放射を集団で浴びせて、たちまち焼き滅ぼしてしまう。だが、巨人が足止めをしている間に、ノームの小屋に逃げ込むことができた(一時的な避難の形)。
悪臭呪文のNIFを使うと、レッドアイの追跡を遅らせることができるが、【鼻栓】がなければ、自分も3点のダメージを負う。それでも、ノームの小屋に逃げ込める。
クローディア「戦士のわたしは、魔法で対処することができないので、3択の中から、当たりを引くしかない。こういう時は、シンドラ様の運命のダイスを振ってみましょう。サイコロ1個を振って、出目は2。最初の右、左、右とジグザグに逃げるルートを選ぶわ」
晶華「残念。それはハズレで、袋小路に追いつめられました。正解は、2番めの右右左でノームの小屋に避難できます」
ノームの小屋では、アイテムの物々交換ができるのだけど、その機会をクローディアは逃すことに。
晶華「レッドアイの集団に追いつめられたクローディアさん。戦士なら抵抗するも、連中の目からビームが利き腕に命中して、ダメージを2点与えるとともに、思わず武器を取り落としてしまいます。あなたは抵抗もままならず、捕まってしまいました」
ここで魔法使いなら、呪文を使って抵抗できる。
ハズレ呪文は、HOWとDUD。
HOWは正しい逃げ道を教えてくれるが、追いつめられた状態で正しい道もありはしない。逃げる際に使うべきだった。
DUDは幻覚の黄金を見せるわけだが、レッドアイの視覚は特別なので、幻覚には騙されないというチート能力です。
当たり呪文は、GAK、KIN、MUDだが、いずれも触媒アイテムが必要なので、所持品次第。
【黒い仮面】があれば、GAKの呪文でレッドアイの連中を恐怖に怯えさせることが可能。悠々と脱出できる。
【金縁の鏡】があれば、KINの呪文でレッドアイの分身を作り出すことができて、互いを熱線で焼き滅ぼすこととなる。壮絶な結果になったが、無事に脱出を果たす。
【砂】があれば、レッドアイの集団を流砂に引きずり込んで、葬り去ることが可能。ただし、事前に金貨を奪われていた場合、この魔法だけは他と違って回収できず。
牢獄よりの脱出(女神の奇跡)
晶華「クローディアさんは魔法使いではないので、レッドアイの集団に抗うことができずに、捕まってしまいました。背負い袋も武器も奪われて、牢屋に閉じ込められています。牢屋には先客がいて、以前に憎らしいと思っていたエルヴィンの若者でした」
クローディア「それは……顔をしかめます。わたしがもしもスラング神に改宗していたら、その場でブチ殺していたろうと思いますが、今のわたしは聖勇者なので、理性の歯止めが利いています」
009「それは何よりだ。エルヴィンの若者は、シャムタンティ丘陵の村から好奇心で冒険の旅に出たんだが、レッドアイに捕まって、もう一月近い、と神妙に語り出す」
クローディア「エルヴィンって、確か魔法が使えるのよね。脱出はできなかったの?」
009「この牢獄では、呪文を打ち消す魔法が働いているみたいで、どうしようもないんだ、と説明する」
晶華「そうなんだ。だったら、私のロザリンも206の鍵を手に入れて良かったと思う。DOPの魔法では開けられない扉だからね」
クローディア「だけど、鍵を持っていないわたしは……仕方ないわね。ここで聖勇者としての奇跡を起こすしかないみたい。こんなところで、わたしの旅を終わらせるわけにはいかない。もしも、スラング神に改宗していたら、ここでゲームオーバーだったろうけど、とにかくリーブラ様、貴女の使徒が正義を遂行するために、この牢獄から脱出できるよう、奇跡を嘆願します」
晶華「聖勇者クローディアよ。あなたの信仰心に応えて、今こそ奇跡を示しましょう……そういう声が、心の中で響き渡ると、カチャッと鍵が開きました。206へ進め」
クローディア「奇跡にしては地味な効果だけど、それでも女神に感謝します」
009「エルヴィンも脱出できることで大喜びする。『へえ、神さまって本当にいたんだ。魔法の通じない扉もきれいに開けられるなんて。よし、決めた。ボクもリーブラ様を信じてみるよ。神の奇跡を使えるようになったら、面白そうだな。故郷の村に帰ったら、報告するんだ。旅先で出会った女神の使徒に助けられて、悪いレッドアイの牢獄から逃げ出すことができたって。ラブリーなリーブラ様、万歳』 こうして、エルヴィン族初のリーブラ神官が誕生することになる」
クローディア「そっかあ。イタズラ好きのエルヴィンも、リーブラ様に改宗すれば、心を入れ替えてくれるかもね。よし、将来のガンドバッド王国では、エルヴィン狩りを推奨しようと思っていたけど、リーブラ様の信徒が増えれば、考え直すことにするわ。そう、悪いのは正義と真実の教えに帰依しない悪いエルヴィンであって、リーブラ様の教えに従うなら、罪一等を減じてあげましょう。エルヴィンさん、名前は?」
009「ええと、そうだなあ。リーブラの奇跡、リーブラのミラクル、略してリックルとでも名付けよう」
クローディア「よし、リックル。あなたの魔法で、わたしを支援して。武器と装備を取り返して、脱獄大作戦よ」
晶華「では、一時的に仲間になったリックルの支援を受けて、看守を叩きのめして、クローディアさんは無事に装備を取り返すことができました」
EJ「クローディア様、無事で良かったですぅ」
クローディア「全てはリーブラ様のおかげよ。背負い袋から、かりそめの聖印を取り出して、リックルに託します。祈りの作法と、簡単な教義を教えて、後は自分の信仰が女神さまに届くまで毎日祈ること。あなたに素質があれば、100日めぐらいに神託が届くはず。早ければ、1週間ぐらいで奇跡を授かるかもしれないけど。途中で、スヴィンの村トレパーニで、フレシアって娘にあいさつするといいと思うわ」
晶華「そんなわけで、突然モブキャラから昇格したエルヴィンのリックルと別れを告げて、クローディアさんは北への道を進み続けました。リックルは南の故郷に向かって帰る旅だけど、もしかすると、ロザリンの物語にも登場するかもしれません」
クローディア「どうしてよ?」
晶華「その辺は、ロガーン様が面白がって、リーブラ信徒のエルヴィンをかすめ取ったりするかもしれないし。どちらかと言えば、エルヴィンってロガーン信徒になった方が似つかわしくない? イタズラ好きなのは、ロガーン様と相性が良すぎて」
クローディア「ダメ。せっかくリーブラ信仰に引き込んだ、わたしのリックル君を横取りしないで。リーブラ様の教えを、シャムタンティのエルヴィンの間で広めてもらうんだから」
ということで、レッドアイに捕まったのも転禍為福になったらしく、女神リーブラの布教活動につながるのだった。
●エルヴィンをリーブラ信仰に目覚めさせし聖勇者クローディア(9日めの午前、カーレのパラグラフ135番。レッドアイの牢獄から脱出した後)
・技術点11(剣ボーナス+1、腕輪+2で合計14)
・体力点19/21
・運点13
・金貨33枚
・食料3食
・所持品:背負い袋、普通の剣、上質の幅広の剣+1(精霊EJが宿っている)、ボンバの実(食事による体力回復効果が倍増する)、ラグナーの剣術熟達の腕輪(攻撃力+2)、ブリムベリーの果汁(体力3点回復)、羊皮紙の巻き物
・触媒アイテム:にかわの入った小瓶、金縁の鏡、緑色のかつら
・特別アイテム:未完成の肖像画
・手がかり
VIKの呪文で、ヴィックを呼べる
フランカー(110→222)
北の門を開くには4行詩の合言葉が必要
4行詩の1つ「深く封じる2つの掛金」
4行詩の1つ「我は命ず、大きく開け」
4行詩の3つめは死霊が持つ
コーガ神像の頬に口づけしてはいけない
(当記事 完)