盗人老人の後を追う
クローディア(翔花)「待て〜」
EJ(ジュニア)「パラグラフ81番は十字路ですぅ。左と中央、右に続いていますよぉ」
クローディア「わたしから予備の剣を盗んだ爺さんはどっちへ向かったの?」
晶華「右だけど、お姉ちゃん、落ち着いて。前置きもなく、いきなり物語を始めたら、読者の人も話に付いて来れないと思う」
クローディア「前回の記事を読めばいいだけよ。それよりも今は爺さんを追いかけないと」
晶華「前回、城砦都市カーレに入った聖勇者クローディアは、出会った老人から『このカーレを脱出するためには、4行詩の合言葉が必要だ』と聞いたけど、その老人にアイテムを1つ盗まれてしまったのね」
クローディア「女神リーブラ様の聖勇者から物を盗むような犯罪者には、リーブラ様の公正な裁きに基づく罰を与えなければ。右の路地に入ります」
晶華「道の両側に2つの建物があります。老人は左手の小屋に入りました。一方、右手の小屋からは美味しそうな匂いが漂って来ます。どちらもスルーして道を進み続ける選択肢もありますが」
クローディア「爺さんの後を追って、左の小屋に入ります」
晶華「小屋の扉の中央には、『鎖職人』と書かれた表札があります。扉を開けると、一見、誰もいないようですが、部屋の奥に裏口の扉が開いています。部屋は天井から何本も鎖が吊り下がっていて、それに触れずに通り抜けることは難しそうです。主人の鎖職人を呼ぶか、慎重に部屋をすり抜けるかの2択です」
クローディア「余計な時間をかけるつもりはない。さっと、部屋の中をすり抜けます」
晶華「運だめしをどうぞ」
クローディア「運点13が12になって、ダイスを振る必要はないってことで」
晶華「部屋をすり抜けようとして、壁際のテーブルの小箱に気づきました。中に入っていた金貨3枚を着服します」
クローディア「え? 別に盗みを働くつもりはないのに、手が勝手に? これがカーレの街にかかっている呪いだとでも? ごめんなさい、と呟きながら、金貨3枚を財布に入れました。これで所持金は14枚」
EJ「聖勇者ともあろう人が盗みですかぁ?」
クローディア「大丈夫。ドラクエでは、よくあることだから」
晶華「さらに家捜しを続けることもできますが」
クローディア「老人のことは忘れて、お宝探しに夢中になります」
晶華「運だめしをどうぞ」
クローディア「運点が11になりましたが、ここまでは無条件で成功です」
晶華「魔法の触媒アイテムになる【ブリムベリーの果汁】と【にかわの入った小瓶】を入手しました」
クローディア「わたしには使えないアイテムだけど、物々交換には使えるかもしれないので、もらっておきます」
晶華「さらに調べることもできますが」
クローディア「これ以上の盗みはやめておくように、リーブラ様のお告げが聞こえたような気がしたので、部屋を出て行きます。これじゃあ、お爺さんを断罪する前に、自分を裁かないといけない気がするので、鎖職人さんに心の中で謝りながら、外に出ました」
郷に入らば郷に従う
クローディア「思わず盗みを働いた自分に動揺しながらも、ここは無法の街ということを思い出します。そう、法がないということは、わたし自身が法になればいい。物を盗まれるということは、盗んだ奴よりも盗まれるようなところに物を放置した間抜けが悪い。自分の持ち物は自分で守れ。これこそがカーレの流儀ってことね」
晶華「いきなり、カーレの流儀に染まっているし……」
009「解説しよう。原初の都市冒険ゲームブックとして、本作と『盗賊都市』が挙げられるが、要はダンジョンを都市に置き換えただけの話なんだな。通路があって、部屋があって、部屋の中にあるものは略奪の対象になるのが原初のダンジョンアドベンチャー。都市の場合は、部屋の代わりに建物だったりするが、基本的には建物に入って、中のモンスターを倒したり、イベントを解決したりして、略奪品をゲットするゲーム。それゆえの『法がきちんと整備されていない無法の街』という設定なんだ」
クローディア「つまり、ここはカーレという名前のダンジョン。ダンジョンの中は、文明圏と異なるルールが働いている。だから、わたしはそのルールに則って行動しただけで、何も悪くはない。リーブラ様だって、黙認してくださる。そうでしょ?」
晶華「リーブラ様は何も言いません。彼女の司る正義と真実に照らし合わせて、あなたの言葉をどう受け止めるか、審査の真っ最中かもしれません」
クローディア「正義と真実ってことは、盗みは正義に違背するってことよね」
009「悪人から物を盗むことは、正義か悪か、というジレンマがあるな。手段は悪だが、目的は善という可能性だってある。もっと極端な例だと、人殺しを殺すことは善か悪かという倫理観の問題があるが、少なくともカーレにおいては盗みや人殺しは日常茶飯事だという事実だ」
クローディア「とりあえず、人はまだ殺していないので、初犯の軽犯罪みたいなもの。いわゆる万引きってことね。アナランドじゃ許されないことだけど、カーレだと許される。かすかな良心の呵責には悩まされるけど、これもミッション遂行の大義のため、と思えば……うん、大義のために犠牲は付き物なのよ、きっと」
EJ「あまり、主人公らしいセリフとは思えないですぅ」
クローディア「悩んでいるうちに、お腹が減りました。そう言えば、昨日から何も食べていなかったのよね」
晶華「鎖職人の小屋の向かい側から、美味しそうな匂いが漂ってきます」
クローディア「フラフラ〜と誘われるように、そちらの小屋に入っていきます」
晶華「扉を開ける前に中の人に声をかけますか? それとも、不意を討てるように、素早く扉を開けますか?」
クローディア「悪意はないので、一応、声は掛けてみます。すみませ〜ん。お邪魔しま〜す」
晶華「中から『どうぞ、お入りなさ〜い。でも、扉の上にはご用心を〜』と返事があります」
クローディア「扉の上?」
晶華「用心しながら開けると、液体の入ったガラス瓶があって、危うく頭に浴びるところでした。もしも浴びていれば、髪の毛がごっそり抜けて、スキンヘッドになっていたことでしょう」
クローディア「スキンヘッドの自分を想像します」

クローディア「こうならなくて良かったわ。危うく手痛い精神的ダメージを負うところだった。とにかく、部屋の中を見てみると」
晶華「こんな不思議な風体の生き物が料理の準備をしている台所ですね」

クローディア「そ、それは、正気度判定が必要っぽい……」
晶華「幸い、ホラー系のゲームブックではありませんので、恐怖点は増やさなくてもいいです。この奇妙な生き物に話しかけるか、怪物だと思って戦うか、慌てて逃げ出すか、の選択肢ですね。一応、呪文をかけるという選択肢も用意されていますが、VIKの文字はありません」
クローディア「さっきは罠を警告してくれたんだから、そいつに悪意はないのよね。警戒しながら、話しかけてみます」
晶華「相手も見ず知らずのあなたを警戒しつつ、頭部の触手で持っていたお玉とスプーンをテーブルに置きます。選択肢は、武器で脅してテーブルの下の箱を寄越せと言うか、食べ物を買いたいと言って、油断させて騙すかの2択です」
クローディア「どうして、そんな物騒な選択肢しかないのよ。もっと、にこやかに食べ物を恵んでください、とお願いしたいんだけど」
晶華「食事の代金は金貨5枚です、と触手頭の料理人は言います」
クローディア「高い。金貨2枚にまからないかしら?」
晶華「まかりません」
クローディア「あ、そう。だったら、金貨2枚にしてくれたら、あなたは命拾いできるんだけどなあ……と、にこやかに微笑みながら剣を抜きます。EJじゃなくて、普通の剣を。EJを抜いたら、聖勇者ともあろう人が……ってうるさく責められそうだから、汚れ仕事には普通の剣を使う」
EJ「ちょっと、クローディアさん。一般住民を脅すようなマネは……」
クローディア「こんな怪物が一般住民? アナランドの常識じゃ考えられないので、ここはカーレの流儀に合わせるわ。すなわち、弱肉強食、自分の身は自分で守れ」
晶華「では、戦いになります。相手の名前はフレイヤー、またの名を鞭叩き。あの恐ろしいブレイン・スレイヤー(頭脳殺し)と似たような外見ですが、よりおとなしい温和な生き物です。料理人として優秀で、珍味を愛する貴族に召し抱えられ、設備の整った厨房で稀に働いている姿も見かけると『モンスター事典』に書いています」
クローディア「悪いモンスターじゃない?」
晶華「そう誤解されて、攻撃されることも多いそうです」
クローディア「だったら、わたしも誤解して攻撃します(笑)」
フレイヤーの技術点は6で、体力点は7。
頭から伸びた触手を鞭のように振り回して攻撃し、その先端の毒針が命中すれば3点のダメージを与える。
しかし、クローディアの剣技は、EJを使わなくても、技術点13相当。すなわち、7差なので、当たらなければ怖くない。
事故ることなく、相手を撃退できた。
晶華「フレイヤーを倒すと、テーブルの下の箱から【金縁の鏡】と、謎の言葉が書かれた【羊皮紙の巻き物】、そして金貨2枚が入手できました」
クローディア「それもいいんだけど、わたしが欲しいのは食べ物よ。そっちは手に入らないの?」
晶華「完成した料理は、戦闘中にグチャグチャに踏み荒らされて、食べられそうにありません。他は生の食材ばかりで、すぐに食べられそうにありません」
クローディア「つまり、肝心の食料は手に入らないってことね。無益な殺生をしてしまったわ。おとなしく、食事を提供してくれれば、死なずに済んだものを」
EJ「そのセリフって、どう聞いても悪役にしか思えない……」
クローディア「うう、悪意の神スラングの思念が伸びて来るのを感じる……」
無法の街の流儀に、早くも馴染みつつあるクローディアであった。
フランカーとの再会
晶華「犯罪行為を立て続けに行なって、聖勇者から転落の危機にあるクローディアさんですが、道を先に進むと分かれ道にやって来ました。このまま真っ直ぐ進むか、それとも左に折れるかの選択です。真っ直ぐ進んだ先には市場があるようで、騒がしい雰囲気ですね」
009「念のため、真っ直ぐ進んだパラグラフ番号は244番。左に折れると328番だ」
クローディア「244番? 確か、お祭りがある場所だったんじゃないかしら?」
晶華「正解です。真っ直ぐ進んでから、道は左にカーブして200メートルほど進むと、大勢の人々(中には人間でない異種族もいろいろ混じっていますが)で賑わう通りに変わりました。道の脇にテントが設けられ、色とりどりの旗がなびいています」
クローディア「ここだと、食べ物も売ってそうね。屋台を覗いてみたいけど……」
晶華「人混みに巻き込まれて、思いどおりには歩けません」
EJ「こういうところではスリに注意ですよぉ、クローディアさん」
クローディア「そうね。財布はしっかり握りしめる。背負い袋は前に持つようにするわ」
晶華「食べ物を売っている屋台を探そうとしましたが、パッと見、目に飛び込んで来たのは、楽師の一団の曲に乗って舞う踊り子たち。ドワーフが芸を仕込んだ熊の舞い。それに特設リングで行われる格闘技の試合です。どちらを覗いてみますか?」
クローディア「どれも覗かない。パラグラフ79番をチェックして、244→111へのパラグラフ・ジャンプを確認。暗殺者の気配を探ります」
晶華「すると、どこかで見た覆面姿が見つかり、先方もあなたに気づいたようで近づいて来ます」
フランカー(009)「ということで出番だ。『おお、我が命の恩人にして、好敵手になるべき友ではないか?』と、親しく笑う。ええと、覆面姿だと笑顔を見せられないから、ここで覆面を外そう。思ったよりイケメンということで。こんな感じ?」

クローディア「イケメンというか、何だかモブっぽい顔立ちね」
フランカー「商売柄、目立ったりするのは禁じ手だからな。それより、お前さんも早速やらかしたようだな。何だか血の匂いがするぜ。他には気づかれなくても、オレには分かる。一仕事、働いたってのか? くわしく話してくれよ、クローヴィスの兄貴」
クローディア「名前を教えたつもりはないんだけど?」
フランカー「知り合いの爺さんに聞いたんだよ。昨日、街に来た3本の剣を持った若い剣士と会って、そのうち一本を盗んだって。やっぱり、あんたのことだったんだな」
クローディア「あの爺さんとは知り合いなの?」
フランカー「ああ。何でもバカにしか見えない剣らしいじゃないか。暗殺者稼業だと、結構便利な暗器として活用できる。そんな剣を持っているってことは、やはりご同業ってことでいいんだな」
クローディア「ただのなまくら剣よ。いつの間にか変な魔法が掛かったみたいだけど。お爺さんには言っておいて。カーレの流儀を教えてくれてありがとう。その剣は情報料としてあげるから、もう追いかけたりはしないって」
フランカー「分かった。で、爺さんの話によると、北門を開く4行詩の呪文を探しているそうじゃないか。オレなら力になれると思うぜ」
クローディア「知ってるの?」
フランカー「確かなことは言えない。だがな、オレの知人にロータグって長老がいるんだが、賢者だって評判だ。もしかすると、カーレの秘密賢人会議のメンバーかも知れないと踏んでいるんだがな。だったら、4行詩の呪文を知っているかもしれない。ちょっと探り当ててくれないか? 素性の知れたオレには打ち明けてくれないが、もしもロータグ翁が賢人会議の一員だったら、重要なコネになるはず。その気があるなら、ロータグ翁の家まで案内するぜ」
クローディア「……こっちは4行詩のことを知りたい。あんたは、そのロータグさんが秘密の賢人会議のメンバーだと確証が欲しい。お互いの利益が一致したってことでいい?」
フランカー「悪い話じゃないと思うんだがな」
クローディア「分かった。そのロータグさんの家まで案内して」
こうして、フランカーの情報で、ロータグの家(パラグラフ140番)まで連れて行ってもらうクローディアだった。
ここまでのIFルート
009「さて、ここで一度、休憩しよう。実のところ、ロータグの家は最初の十字路(81番)で西ルートにある。だから、1巻でフランカーの命を助けていない場合、西ルートを進まないと、ロータグから重要情報を聞き出せずに攻略失敗に終わるんだ」
晶華「たった一つの正解ルートってことね」
009「だけど、フランカーと出会うことで、他のルートからでも攻略可能になって、物語の自由度が非常に高まるわけだな」
晶華「2巻だけだと、正解以外は外れルートになるけど、1巻からフラグを立てることで、攻略の幅が広がる。面白い仕掛けだと思う」
クローディア→翔花「っていうことは、本来、お爺さんを追いかけて、東ルートに向かうのは、外れルートに誘導されたってこと? 作者のジャクソンさんが巧妙な罠を仕掛けたってことかしら?」
009「2巻スタートだと、そうなるよなあ。ともあれ、東ルートのクローディアが選ばなかったIF展開について、呪文も含めて確認しておこう」
①鎖職人のイベント
クローディアのプレイでは、鎖職人と対面することなく進んだが、最初に主人を呼ぶと、店主がトレパーニ村出身のスヴィン(人オーク)だと分かる。
主人に北門を開ける呪文について尋ねても、答えは分からずに、相手の仕事を邪魔したせいで怒らせてしまう。
彼と友好的に接したいなら、彼の作った鎖を金貨5枚(もしくは2枚、または1枚)で購入するといい。鎖は【捕縛の鎖】といって、相手の体力を3点以下まで削ると、鎖に命じて相手を捕まえて、とどめを刺せる。1回きりの使い捨てアイテムだが、運だめし2回を成功させることで、再利用可能になる。強敵相手の切り札になり得るが、残り体力3点まで追いつめたら、大抵はそのまま戦っても勝てるので、実用的なアイテムかは微妙。
主人を怒らせた場合、即座に退散しなければ、技8、体7の相手と戦いになる。勝てば、金貨10枚と、触媒アイテムの【布の縁なし帽】(読心呪文TELが使える)、【捕縛の鎖】を入手して、運点も1点上昇して、結構お得。おそらく、無難に最適解を狙いたいなら、これが正解だと思う。
クローディアが選んだ、主人を呼ばない選択肢。
合計3回の運だめしをすることになり、失敗すると、すぐに怒った主人がやって来てバトルになる。ただ、結果的にはどこかで運だめしに失敗する方が収穫が多くなる。
1回成功で、金貨3枚入手。
2回成功で、【ブリムベリーの果汁】(治癒呪文DOCに使用)と、【にかわの入った小瓶】(粘着呪文GUMに使用)。ただし、前者は1巻の274番にあるように、呪文の触媒として使う以外に、体力点3点を回復する飲み薬としても使用可能。カーレではそういう効果が書かれていないので、1巻をプレイした人のみが分かるアイテム効果である。
そして、3回成功で……得はしない。運よく主人には気づかれないが、主人の仕掛けた罠の鎖網に絡みつかれて、拘束される。そこに例の老人が現れて、入手した金貨やアイテムと交換に、拘束を外してくれる。運点を3点失っただけで、何も得られないという結果に。
老人と再会できるのは、このパラグラフだけなので、したたかな老人に助けてもらってラッキー♪ と喜べる人だけが、幸せを感じられると言えよう。
理論的には、運だめしを2回成功させて、3回めを上手く失敗させることで、バトルに持ち込む方が、得られる物は多くなるという話だが、
ジャクソンのゲームブックにたまにある「運だめしに失敗する方が結果的にお得」という仕掛けと言えよう。
まあ、運だめしを狙って失敗させることが可能なら、いいんだけど、そういうオプションは基本的に用意されていないので。
呪文については、使用機会2回。
主人との戦い(119)では、SAPが触媒なしで使える最適解。体力点2点を使って、相手の戦意をくじき、技術点を3下げて5にする。
【蜜蝋】があれば、RAZが消費1で使えるが、剣で与えるダメージが倍の4点になって、自分が強化される。
【砂】があれば、MUDが消費1で使えるが、そもそもアリアンナのところで、彼女を助けずに家探しして、呪いと交換に入手できるアイテムなので、この段階ではなかなかレアな触媒だと思う。その辺の道から普通に拾い集められそうなものだが、呪文触媒用の【砂】は通常よりもきめ細く加工処理が施されているのだろう。
MUDは主人を抵抗できずに、流砂の中に引きずり込んで戦いを終わらせることが可能だが、それを選ぶということは、アリアンナの件も含めて、かなり悪辣な魔法使いのロールプレイをしているようだ。
アイテムがなくて使えないのがFIXで、偽呪文はRAN。VIKは登場せず。
もう1回の呪文使用は、鎖網に捕まったパラグラフ235番。
HOWで脱出方法を尋ねても、「自力での脱出は難しいので、そのまま待っていろ」という助言が。役に立たないですな。
偽呪文のRISと、【火酒】がないから使えない怪力呪文PEPがはっきりハズレの選択肢。
壁呪文のWALは発動するが、この局面で壁を作っても脱出の役には立たないので、不適切な呪文使用という扱いである。
結局、この局面で役に立つ呪文は、巨人召喚のYOB(【巨人の奥歯】と体力1点消費)のみである。怪力で鎖を引きちぎって脱出成功。
ところで、巨人が出現して大騒ぎしてそうな場面で、何で主人が登場しないのだろうか気にはなるが、さすがに彼も「巨人が召喚されるのを見て、ビビってしまうから隠れて登場しないのだろう」と自己解釈で納得しておく。
②フレイヤーのイベント
クローディアは先に食べ物を求めてから、値段交渉に失敗したのでキレて攻撃に移ったけど、最初から脅していると、技術判定で成功することで相手を怯えさせることができて、殺さずにアイテムを入手できた。
おそらく、最適解はそれだったかも。
戦闘以外に呪文を使うという選択肢(257)があって、偽呪文はBAMとBAG。
効果ありそうでないのが、黄金の幻を見せるDUD。フレイヤーには幻覚を見破られて、騙そうとしたことで、かえって怒らせることに。
相手を混乱させるDIMだと、消費2点で無力化させられるので、呪文を使用するなら最適解と思われ。
戦闘をサポートするなら、金貨の盾を生み出すWOK(相手の攻撃力マイナス2)が有効だけど、そこまでしないといけない相手には思えない。
長老ロータグの屋敷
晶華「それでは、パラグラフ140番。フランカーさんに案内されたクローディアさんは、4行詩呪文の1つを知っている(かも知れない)ロータグさんの屋敷に案内されました。フランカーさんは『後で、首尾を聞きに来る。宿で会おう』と言い残して去りますので、あなた1人で屋敷に入ることになります」
クローディア「相手はカーレの権力者の1人かもしれないので、下手に事を荒立てない方が良さそうね。丁寧にノックしましょう」
晶華「凝った装飾の扉には、大きな真鍮のノッカーが付けられていますので、それを鳴らして返事を待ちます。少しして、中からガウンを着た年配の男が現れます。その足元には、棘のある大トカゲのようなペットが従っています。もしかすると護衛の番犬みたいなものかもしれません。『君は誰かね?』と尋ねてきますが」
クローディア「ええと、ぼくはクローヴィス。女神リーブラの使命を受けて旅している者ですが、賢者として名高いロータグ様の知恵をお借りしたいと思いまして……」
晶華「すると、ロータグさんは『女神リーブラか。珍しいな。いいだろう、入りたまえ。ただし、武器は預からせてもらうが』と要求します」
クローディア「では、おとなしくEJと、予備の剣も渡します。いざとなったら、EJはわたしの命令で飛んできて、手に収まるようになってるってことで」
晶華「そんな設定はありませんが、あくまで演出の範囲内で認めることもありかも。なお、武器を渡すのを拒んで、強引に屋敷に押し入ろうとすると、ペットの刺々獣(トゲトゲ獣、ブリッスル・ビースト)との戦闘になり、倒しても屋敷の門戸を閉ざして、ロータグさんとの交渉機会は失われてしまいます」
クローディア「そうなると、攻略失敗ということね。ここの選択肢はとても大事」
なお、刺々獣(技5、体7)との戦闘では、魔法も使えますが、GUMで無力化。DIMで混乱させることができ、【黒い仮面】を入手していればGAKでも無力化できますが、その時点で、攻略失敗なので、結果的に意味がないですね。
攻略上の注目ポイントは、この時点で【黒い仮面】が入手できている可能性があること。触媒アイテムがどこで入手できるかは、魔法使いにとって重要な情報なので、1巻で入手できなかった【黒い仮面】の入手場所は、攻略記事のネタとして気になるところ。だけど、今回の攻略時点では謎のままです。
偽呪文は、1巻でおなじみのKILで、触媒なしで使えないのは透明呪文のYAZ。
いずれにせよ、ロータグさんに敵意を見せるのは、本作では愚か者の所業なので、おとなしくするのが最適解だと。
晶華「では、ロータグさんは礼儀正しく振る舞っているクローディアさんを、快く書斎に案内してくれました」
009→ロータグ「ロータグ役もぼくが演じよう。というか、本好き賢者で、近所の子どもたちに学問を教えている点で、ぼくの本職そのままだ。違うのは、ロータグさんが裕福で、教育をボランティアとして行なっている点だな。これまでの人生で幸せに暮らして来たので、残る一生を街の人々を助けるために捧げたい、とか奇特なことを言っている。この街にあっては、非常に珍しい善人だ」
クローディア「だったら、リーブラ様の教えも熱心に聞いてくれそう」
ロータグ「ああ。リーブラは素晴らしい神だと聞いている。昔、アナランドに旅をしたときに、リーブラ湖でありがたい説法を聞いたよ。だが、このカーレでは住人たちの気質に合わないようだ。まだ、善の神ならコーガの方が信仰されている。街の北に行くなら、一度、訪れてみるといい」
クローディア「街の北にコーガ神殿がある、ということね。それで、北門を開くための4行詩ですけど、心当たりはありませんか?」
ロータグ「真実の神の使徒に、隠しごとをしても仕方ないだろうな。私はその一節を知っている。もしも、君が私の抱えている問題について、解決するのを助けてくれたら、喜んで教えよう」
クローディア「剣で解決できることなら、何だって力になります」
ロータグ「いや、リーブラの使徒なら、真実を見抜く慧眼こそが最大の力だろう。まずは、このテーブルの上のルーン文字を見てくれ」

クローディア「ルーン文字? 昔、ロザリンちゃんから話を聞いたことがあるような気がします。細かいことは覚えていないけど」
ロータグ「身内にルーン文字の専門家がいるのか? これは期待できそうだ。とにかく、この5枚の紙片に刻まれたルーン文字につながるものがもう1つあるようなのだが、4つの似たような紙片が見つかってね。正解がどれかで悩んでいる」
クローディア「4つまで絞れるなら、一つずつテキトーにつなげて、意味がきちんとつながるものを正解にすればいいのでは?」
ロータグ「そういう当てずっぽうなやり方では、納得できんだろう。解法はもっと理論的に、美しくあらねば、合格点はあげられん」
クローディア「……これって何かのテストなのですか?」
ロータグ「君が本当にリーブラの使徒ならば、真実を言い当てられるはずだ。さもなければ、君は街の多くの住人同様、嘘をついて私を騙そうとしていることになる。そのような輩に、大切な北門の呪文を教えられるはずがない。自明の理だろう」
クローディア「こういう当て物パズルは、リーブラ様よりもお母さまのシンドラ様の領域だと思いますがね」
ロータグ「シンドラ様だって? かの神の聖印は運命のサイコロ……そうか、そういうことか。君は重要な手がかりをくれた!」
クローディア「え? わた……いや、ぼくが何かをしちゃいました?」
ロータグ「ん? シンドラ様の教えは、確か神に幸運を願い、人の浅はかな知恵以上の悟りを開け、ということであったな。うむ、私の小賢しい知恵だけで考えていたことが、幸運な出会いによって、こうもきれいに氷解するとは……」
クローディア「キュアっと解決したってことですね」
ロータグ「うむ。テーブルにあるのは、5、3、6、2、4。これをシンドラの聖印に当てはめるなら、残すところはこれだな🎲」
クローディア「1……ということは115番ってことですね」
ロータグ「それでは意味が通じないだろう。君は、そこまで鋭い洞察力を持ちながら、肝心の知識を持たないのか!?」
クローディア「すみません。脳筋お姉ちゃんだと、昔から妹に言われているもので」
ロータグ「お姉ちゃん? 君は男……いや、女性か。訳あって、身をやつしているのだな。目の前の真実に気付かなかったとは、私も少し浅はかだったようだ。リーブラ、アナランド、もしや君は〈王の冠〉を探索している使命を帯びた者か?」
クローディア「! どうして、それを?」
ロータグ「いろいろと推理の過程を話して聞かせたいが、それよりも君の謎を先に解決しよう。手がかりが1という数字にあることまで漕ぎつけたのだ。だったら、答えは自明だろう。しっかり真実を言い当てて、リーブラ神の使徒であることを証明したまえ」
クローディア「答えは……記号が1つだけの274番ですか?」
ロータグ「それだ! 女神リーブラの使徒クローヴィス。いや……」
クローディア「クローディアです、ロータグ様。この剣の腕をもって、マンパンの大魔王から〈王の冠〉を取り返す使命を帯びて、旅の最中です。できれば、このカーレの地にも女神リーブラの教えを浸透させたいのですが、まだまだ未熟な身でして」
ロータグ「未熟ではあるが、非才ではなさそうだな。まだまだ伸びる大器と見たが、慢心せずに精進を重ねる必要はあるだろうな。もっとも、それは私にも言えることだが。君に指摘されるまで、運命のサイコロこそが謎の鍵だと気づかずにいた。今日この場で、君を招き入れたことが、私の身の幸運。なればこそ、君の旅の協力をさせてもらおう。まず、北門を開ける4行詩の1つは、『深く封じる2つの掛金』だ。これと、あと3つの呪文を正しい順番で唱えることで、バクランドへの門が開く」
クローディア「ありがとうございます。他に呪文を知る人について知りませんか?」
ロータグ「全てを知るのは、第一貴人サンサスだけだが、彼は今、この街にいない。商用でラムレ湖に向かっている最中だそうだ。帰還は来月になる予定と聞いている」
クローディア「それじゃあ、遅いですね。他の賢人たちの方は?」
ロータグ「秘密の賢人会議は、サンサス殿の召集で年に4回行われる。参加者は仮面を付けて正体を隠したまま、街の利益に関わる議題について話し合う。秘密にしている理由は、日常生活での暗殺を避けるためと、会議の席上であからさまな利益誘導と談合が行われて公正さの妨げにならないようにするためだな。だから、私は長のサンサス以外の参加者が誰かを知らない。ある程度の推測はできるがね」
クローディア「ご推測を、教えていただけますか?」
ロータグ「きっと神殿の長は含まれるだろうな。会議での言動からして、悪意の神スラングの司祭が怪しいと思っているが、彼の話術には注意が必要だ。正直な人間ほど、詐術にたやすく騙される」
クローディア「他には? 例えば、ヴィックさんとか?」
ロータグ「ヴィックを知っているのか? 彼は昔の教え子で優秀な男だが、会議の一員なら、仮面越しでも互いにそうだと分かるはずだ。まだ年若いので、政治の世界に入るには早すぎると見られているだろうね。まあ、いずれ、会議のメンバーに推挙されると思うが。私が自分の教え子を推挙するのは、公正さに欠けるだろうから、こっちから手を回すつもりはないにせよ、誰かが推挙したなら一票を投じるつもりだよ」
クローディア「さすがはロータグさん、顔が広いんですね」
ロータグ「そうだな。君もこの街を探索するなら、地図があれば便利だろう。少し古いが、これを持って行くといい」

クローディア「ロータグがロルタグになっていますが?」
ロータグ「地図職人が古風な表記を好むらしい。他にこういう地図もあるが」

ロータグ「こちらの地図だと、私の家は5番ということになっているな」
クローディア「なるほど。2つの地図で、多少の違いもあるようですが、これを参考にすれば、道に迷うことなく目的地にたどり着けそうです」
晶華「さらにロータグさんは、【緑色のかつら】を渡してくれます。通訳呪文RAPやYAPのための触媒アイテムですね。RAPは言葉を喋る相手で、YAPは言葉を喋らない動物相手です」
クローディア「そんな物をもらっても、魔法使いでないわたしには使いこなせないんですけど?」
晶華「戦士の場合、物々交換には使えるかもしれないので、一応、持っていて。ともあれ、ロータグさんとの会話は有意義だったので、運点が完全に回復します。今回はここまでで、続きはパラグラフ133番からってことで」
●犯罪者街道に踏み入れつつある聖勇者クローディア(8日めの昼、カーレのパラグラフ133番。ロータグ翁の屋敷を出たところ)
・技術点11(剣ボーナス+1、腕輪+2で合計14)
・体力点18/21
・運点13
・金貨16枚
・食料3食
・所持品:背負い袋、普通の剣、上質の幅広の剣+1(精霊EJが宿っている)、ボンバの実(食事による体力回復効果が倍増する)、ラグナーの剣術熟達の腕輪(攻撃力+2)、ブリムベリーの果汁(体力3点回復)、羊皮紙の巻き物
・触媒アイテム:にかわの入った小瓶、金縁の鏡、緑色のかつら
・手がかり
VIKの呪文で、ヴィックを呼べる
フランカー(244→111、110→222)
北の門を開くには4行詩の合言葉が必要
詩の1つは、魔法使いの学者が知っている
4行詩の1つ「深く封じる2つの掛金」
(当記事 完)