WショーカとShiny NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

S1『シャムタンティ丘陵』攻略EX2(ひとまず最終編)

1巻の終わり

 

NOVA「今回でソーサリー1巻の完結だ」

晶華「タイトルに『ひとまず』と付けたのね」

NOVA「ただの最終編だと、どうもシリーズ全体が終わるようなイメージだからな。当然、俺の中ではまだ終わってないよって感覚があって、それでも一区切り付いただけという感じの熟語が思いつかなくて、『ひとまず』という言葉を付けた次第」

ジュニア「『ひとまず最終編』ですかぁ。類語をあれこれ検索すると、『一旦終了』『一休み』『一段落』『小休憩』『一区切り』『第一部完』などが出てきますがぁ」

NOVA「それらに『編』を付けると、しっくり来ないんだよな。まあ、『第一部完』はありだと思うので、締めに使うとしよう。(第一部完。『罠の都カーレ』攻略記につづく)って形で」

翔花「それじゃあ、昨年末から続いた『ソーサリー1 シャムタンティ丘陵』の攻略記もこれでひとまず終了ってことで、バッドエンドと難易度の話で締めます」

 

バッドエンドなパラグラフ

 

NOVA「さあ、『バッドエンドが楽しいゲームブックは良いゲームブック』という意見を持っている俺にとって、楽しいバッドエンドの確認だ」

晶華「自分が経験するとイヤなものだけど、ゲームや物語だと間抜けな死に方もネタになるものね」

NOVA「主人公の死と、その後の物語を経験できるのはゲームならでは、だからな。まあ、幽霊とかアンデッド、冥府を舞台にした死後のストーリーなら話は別だが」

翔花「死んでから異世界転生ってのも、その類の亜種ね」

NOVA「その意味では、本作の主人公に採用したクローディアとロザリンも、前世から死んで転生タイプなんだな。《14の世界》なんて設定が突然生えてきたし」

ジュニア「冒険中に死んだら、《14の世界》に魂が送られて、もう1人の主人公に選手交代するって仕組みだったんですねぇ」

NOVA「1巻では死なずにクリアできたけどな」

翔花「ジュニア君や、ナイン君のフォローのおかげね、ソーサリー初心者のわたしが死なずにクリアできたのは。そうでなければ、首狩り族に殺されていたか、ブラックロータスの花畑で倒れていたか、マンティコアの洞窟のトラップの餌食になっていたはず」

晶華「そういうクローディアの話が、ロザリンの時間軸ってことね。だけど、2周めの私は危なげなくクリアできた」

NOVA「魔法使いはいろいろできるが、技術点が若干低いので、上級者ルールと言われている。しかし、その実、手慣れたプレイヤーにとっては戦士こそが縛りプレイで難易度高い、と評されたりもする。何せ魔法で解決できることが、能力値でゴリ押ししたり、避けられない罠なので死ぬしかないという局面がたびたび見られるからな。普通にバトルで解決できることなら、戦士が苦戦することはまずないゲームバランスだが。通常敵の技術点が最高で9なんて、後の鬼ムズ作品を考えるなら楽勝の類だろう」

翔花「うん、技術点12のマンティコアだって、剣プラス1と、ラグナーさんの腕輪+2のおかげで有利に戦えたし」

NOVA「マンティコアさえ倒せるなら、あとは道中のバッドエンド罠を避けられたら、必須アイテムや情報がないために1巻のクリアは容易だもんな。2巻からは、そうも行かないが。ゴールまで来て、必須情報が手に入ってないと、バッドエンドを迎えるという意味では『さまよえる宇宙船』の後継者といえる。必須情報でなく、必須アイテムなら『火吹山』『運命の森』『盗賊都市』『死の罠の地下迷宮』というリビングストンのスタイルだが」

晶華「『バルサス』は?」

NOVA「アイテムや情報が足りてないと、バルサスの部屋に入る前にバッドエンドを迎える。バルサス戦では、むしろ所持アイテムこそが罠になっていて、アイテムを使うとバッドエンドという仕様だ。有用そうなアイテムと思って使うと、全てがハズレというジャクソンの絶妙なイヤらしさを味わえる」

晶華「リビングストンさんが正統派にして王道の人で、ジャクソンさんがトリッキー。だけど、80年代当時はジャクソンさんの方が人気だったと聞くわ」

NOVA「やはり、魔法ルールという仕掛けが魅力で、システムのジャクソン、SDGsのリビングストンという評価になるか。いや、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が生まれたのは2015年で、80年代にはなかったんだが。リビングストンはシンプルなルールで、初心者に優しいイメージで、ジャクソンが凝ったルールってイメージだったのが、その後、リビングストンが殺意に目覚めたので、初心者をガチに殺しにかかるようになり、ゲームブックが作者からの挑戦状って感じの風潮になった分、コアなファンが付くようになった。一方で、初心者対応は新人作家が担うようになったのが10巻代から20巻代だと思うが、さておき。ソーサリーに戻す」

 

  • 64:マンティコアの洞窟の水牢(悪魔の大洪水)から逃れられずに死亡。
  • 73:ブラックロータスの花畑で、永遠の眠りに就く。
  • 83:マンティコアの洞窟で、大岩につぶされる。
  • 170:首狩り族の仕掛けた杭の罠で、心臓を貫かれる。記念すべきNOVAのFF初死亡パラグラフ。落とし穴を運だめし成功で避けた直後にこれって、何じゃこりゃっ!? と松田優作みたいなリアクションをした覚えもある。
  • 206:マンティコアの洞窟で、蛇穴の底から脱出できない。リーブラの助力がなければ、飢え死にする。
  • 242:首狩り族の手で、煮えたぎる鍋の中に落とされて意識を失う。彼らの食卓の肉となる。
  • 256:巨人の洞窟の外で、不意をつかれて巨人に握りつぶされる。
  • 269:ガザ・ムーンを怒らせて、倒れる木の幹に押しつぶされそうになる。運だめしに失敗すると、ジャンともども死ぬ。
  • 272:首狩り族の村の近くで、食事休憩をしていると、吹き矢が飛んできて、塗られていた毒で意識を失う。首を狩られて死亡。
  • 276:ガザ・ムーンの稲妻に対処できずに死亡(戦士の場合)。
  • 277:シャンカー鉱山の落とし穴に落ちて、6ゾロを出したなら、運悪く首の骨を折って死亡。
  • 303:マンティコアの洞窟の蛇穴で、POPの呪文で蛇を退治したものの、結局、脱出不能は変わらない。リーブラの助力がなければ、ゲームオーバー。
  • 304:ガザ・ムーンの稲妻に対して、偽呪文FILを唱えて、呪文が発動せずに死亡。
  • 307:マンティコアに対して偽呪文を唱えて、呪文が発動せずに、隙を突かれて致命傷を受けることに。
  • 322:ガザ・ムーンの稲妻に対して、偽呪文(?)ZIPを唱えて、呪文が発動せずに死亡。*1
  • 329:シャンカー鉱山の落盤に対して、大風呪文HUFを使おうとするも、【疾風の角笛】を持っていないために使えない。瓦礫に埋まって死亡。
  • 343:マンティコアの洞窟の大岩に、固定呪文FIXを使おうとするも、【樫の杖】を持っていないために使えない。大岩につぶされて死亡。
  • 344:マンティコアの洞窟の蛇穴で、偽呪文FILを唱えて、呪文が発動せずに蛇に襲われて死亡。
  • 366:マンティコアの洞窟の蛇穴で、空中浮揚呪文ZENを使おうとするも、【宝石細工のメダル】を持っていないために使えない。サイコロ1個で6が出た場合、毒蛇に噛まれてしまい、運だめしに失敗すれば死亡。
  • 391:マンティコアの洞窟の大岩に、偽呪文SITを唱えて、呪文が発動せずに、大岩につぶされて死亡。
  • 392:ガザ・ムーンの稲妻に対して、対罠啓示呪文SUSを唱えるも、ジャンのせいで呪文が発動せずに死亡。
  • 417:マンティコアの洞窟の蛇穴で、偽呪文RISを唱えて、呪文が発動しない。サイコロ1個で6が出た場合、毒蛇に噛まれてしまい、死亡。こちらだと運だめしもさせてもらえない。
  • 418:ガザ・ムーンの稲妻に対して、偽呪文LAMを唱えて、呪文が発動せずに死亡。
  • 432:トロールに対して、偽呪文LAMを唱えて、呪文が発動しない。トロールに隙を突かれて、致命傷を受ける。
  • 433:マンティコアの洞窟の蛇穴で、LAWの呪文で蛇を宥めたものの、結局、脱出不能は変わらない。リーブラの助力がなければ、ゲームオーバー。
  • 434:ガザ・ムーンの稲妻に対して、粘着呪文GUMを唱えるも、呪文が発動せずに死亡。
  • 446:マンティコアの洞窟の大岩に、偽呪文BAMを唱えて、呪文が発動せずに、大岩につぶされて死亡。

 

NOVA「ということで、バッドエンドのパラグラフは27個。456パラグラフのうち、5.9%ということになるな」

翔花「後半は呪文の失敗による死亡で、結構水増しされているわね。戦士の場合、286パラグラフ中、11パラグラフだから……何%だっけ?」

ジュニア「約3.8%ですぅ」

晶華「ガザ・ムーンさんの稲妻とか、マンティコアの洞窟の罠への対処に、いろいろ呪文で応じようとするも、果たせずに死亡ってケースが多いみたいね。ガザ・ムーンさん絡みで7回。マンティコア絡みで12回。首狩り族絡みで3回。あとは単発死亡事故がまとめて5回というのが、『シャムタンティ丘陵』のバッドエンド傾向でした」

翔花「戦士だと、11回中、マンティコア3回、ガザ・ムーン2回、首狩り族3回で、首狩り族比率が上がります」

NOVA「首狩り族は、こちらが呪文を使う間もなく、不意打ちで来るからな。ともあれ、バッドエンド率については、400パラグラフ中10回以下(約3%未満)が簡単。10回から20回(5%まで)が普通。20回から30回(5〜8%ほど)が難しい。30回超えは超絶難易度となる。そういう基準だと本作は魔法使いが難易度高く、戦士が普通といった評価になる」

翔花「ガザ・ムーンさんは、下手に疑うことなく、お茶を誘ってくれる親切な魔女さんと考えれば、実害はないものね。悪意で殺しにかかるのは、首狩り族とマンティコアの洞窟が主たるところ。悪意はあるけど、殺しまではしないのがエルヴィンで、バッドエンドがどこにあるかだけ分かれば、お金と食べ物に悩まされるぐらい」

NOVA「お金と食べ物というリソースがここまで重要なFFシリーズは、83年の時点で初だったもんな。システム面では、魔法という点に注目が当たるが、戦士にとっても『宿代などのお金と、ただの回復アイテム以上の意義を持つ食料というリソース』を通じて、長い旅の要素を導入した点が、本作の発売当時の新機軸と言える。あとはキャンペーンならではの伏線とか、アランシアとも異なる背景世界や登場種族、モンスターの異郷っぽさが独特の味を出している」

晶華「サイトマスターさんとか、エルヴィン、スカンク熊なんかが本作ならではの独自種族ね」

NOVA「他には、謎のスナッタキャットだな。地図を見ると、バクランドにスナタ森というところがあって、関連を匂わせてくる」

翔花「こういう地図があると、旅をしているんだって感覚が強く印象づけられるわね」

NOVA「丘陵地帯→都市→荒野→山岳地帯と敵の城という舞台の変化がワクワクさせてくれるし、魔法も今回使う機会のなかった呪文がいつ使えるんだろうとか、先の巻を楽しみにする伏線も示されていて、大長編の序章にふさわしい幕開けだ。だからこそ、こういうアプリのPVを見ても、気分が上がる」

NOVA「そして、1巻を攻略した後で、2巻の予告編だな」

翔花「早く2巻を始めたいよ〜」

NOVA「その前に、今回の記事を完成させないとな。バッドエンドを確認したので、いよいよ難易度決めの最終総括だ」

 

難易度の話

 

①ラスボスが強い(戦士◎、魔法使い◯)

 

 まず、ラスボスの強さについては、難易度の基準として大きな比重を占める。

 最後の敵が弱いと達成感が削がれるし、敵を倒さずに終わるのは、微妙に味気がない。クライマックスは、いかにも重要な試練を果たして、うおーと盛り上がって終わって欲しいものだ。

 まあ、情報を得て故郷にようやく帰れるとか、閉ざされた街の門が開くとか、依頼された秘宝を雇い主のところに持ち帰るとか、死の呪いから解放されるとか、ラスボス退治以外のクライマックスを用意している作品もあって、マンネリを避けようという努力は分かるのだが、

 ことゲームブックの難易度という観点で考えるなら、強いボスを倒すというのは重要な要素となるわけだ。ボスがいないとか、ボスがとるに足りないザコってのは、尻すぼみな感覚が否めない。

 その点、ソーサリー1巻のマンティコアは存在感抜群である。

 FFシリーズ初期の作品(83年に出た5巻『盗賊都市』まで)で、歴代最強の能力値(バルサス・ダイア並み)を誇り、しかも戦士だと、弱点もない強敵にガチで挑まないといけない。こちらも最強能力値に近いキャラでないと、どうしようもないのだ。剣+1と、腕輪+2で補強できるとはいえ、対等に戦うなら技術点9以上は必要となる。7とか8みたいな弱々剣士だと話にならない。腕輪なしだと、技術点11以上が必要になって、それでも体力点18を削るには、対等だと同じだけの体力点が削られるという目算になって、まさに死闘だ。

 このマンティコアを越える能力の敵は、ジャクソンの後の作品でも『地獄の館』のヘルデーモン(技14、体12)とか、『サイボーグを倒せ』のチタニウム・サイボーグ(技18、体20)とかがいるが、こいつらはクリス・ナイフで自分が強化されたり、回路妨害器で弱体化したり、倒せる手段はきちんと用意されている。

 一方、ソーサリー戦士編のマンティコアは、純粋に力勝負で打ち負かさないといけない。

 

 それに比べると、呪文の選択次第で、魔法使いは能力値に頼ることなく、マンティコアをクリアできる。

 ちなみに、NOVAのソーサリー初プレイ時のキャラクターシートが残っていて(『魔法使いの丘』に挟まっていた)、それによると魔法使いで、技術点6、体力点24、運点7(+1されて8とも)になっていた。技術点はともかく、運点7(最低値)でよくクリアできたな、昭和NOVA。

 アイテム欄を見ると、最後に入手したアイテムが〈へび用解毒剤〉と〈火口箱〉と書いてあって、少なくとも、カーレまではクリアしたことが分かる。

 たぶん、3作めから後は、付属のキャラシート(アドベンチャーシート)には書き込まず、ノートに記録するようになったので、このシートはカーレをクリアするまでの記録と推察する。

 その証拠に、街を脱出するのに必要な4行詩もシートにしっかり記載されている。

 あと銀の指輪(130)ってのは、やはりカーレの情報だろうな。

 にかわ、鼻栓、玉石×4は、アリアンナのところを通ったのだろうし、ゴブリンの歯×8って書いてあるのは、シャンカー鉱山を通って、運だめしに失敗している?

 ええと、どうやら攻略記事の魔法使い編2に書いた記述は、間違いだったようである。

 

そもそも、ここで自分はゴブリンと遭遇したことがないんだから、いわゆる机上の空論って奴である。

 

 実は、忘れていただけで、最初期のプレイ*2では、しっかりゴブリンと遭遇していたのだ。証拠の記録が残っていたのだから、言い逃れはできまい。

 神妙にお縄につくとします、お奉行さま(m0m )。

 

 ……ええと、お縄につくと、罰として該当過去記事を修正する刑が課されたので、後日追記の注釈を書き加えたうえで、話を続けます。

 

 ともあれ、魔法使いだったら、技術点6、運点7のザコキャラでも、体力点24もあれば、魔法の適切な運用で、本作はクリアできることが判明。

 たぶん、今の自分だったら、運点7の冒険者ができたら、絶対に作り直すと思います。それで挑んでクリアできた若気の至りには、感心させられるよ。

 

②全体的に罠が多くて死にやすい(◯)

 

 バッドエンド率5%前後は、まあ、普通なんでしょうな。

 インパクトが大きいのは、首狩り族とマンティコアの洞窟ですが、魔法を使えなくするミニマイトも罠と言っていい。

 さらに、最悪なのは、ミニマイトを追い払う呪文書の1ページ(102)を、エルヴィンとか、こそ泥草に盗まれること。

 ミニマイトを連れた状態で、マンティコアに勝負を挑むのは、魔法使いにとって、死ねと言われているようなもの。

 うん、攻略必須アイテムが何か分かっていない状況では、うっかり大事な呪文書の1ページを紛失している可能性があったな。運点7しかない、NOVAのソーサリー攻略キャラ2号(名前はない)ではなおさらだ。

 まあ、シャンカー鉱山に行ったようだから、アイテム紛失事故には出くわさずに済んだのだろうけど。

 

 ともあれ、細かい罠の積み重ねコンボで、致命的な事態になり得るのが本作だなあ、と改めて感じた次第。

 他の作品のドぎつい派手な罠に比べて、本作の罠は繊細に、しかし巧妙に作られているようにも思えたり。

 

③パズル構造が複雑(◯)

 

 これはソーサリーシリーズ全般に言えることですが、かつて安田社長が分析した「各巻の選択呪文の傾向性による魔法使いとしての成長度合い」が、ほう、そうだったのかあ、と感じ入ったことを記憶します。

 呪文の名前もパズルちっくだし、斧に刻まれた数字とか、鍵に刻まれた数字とか、呪文書のページ数とか、パラグラフジャンプの仕掛けも数多い。

 これが初FFだったもんで、パラグラフジャンプというのは、ゲームブックでごくごく当たり前の手法だと思っていましたが、作品を発表順に辿ってみると、ジャクソンが最初の『火吹山』の鍵から始めて、『さまよえる宇宙船』の時間・空間情報に発展させて、ソーサリーシリーズでも多彩に仕込みながら、『サイボーグを倒せ』と『モンスター誕生』につなげてくる。

 そうしてるうちに日本のゲームブックでも、キーナンバーをあれこれ仕込むようになっていき……という顛末ですが、とにかく呪文システムと、パラグラフジャンプ、そして後の巻への伏線的な情報手がかりが組み合わさって、ゲームブックならではの謎解き仕掛けが多数、と考えます。

 1作めはまだ◎に至るほどではありませんが(パズル的な仕掛けを気にしなくても、普通に解けるので)、カーレは4行詩の謎を解明しないと、街を脱出できませんし、

 3作めの大蛇狩りゲームとか、4作めのスローベンドアとか、何よりもZEDの壮大な秘密の背景とか、娘のキャラをフィルターにしたソーサリー再体験、数々のパズル的謎の解明を楽しんでいきたいなあ、と。

 

 なお、本作の最大の謎は、自分的には「ヴァンカスさんとの出会い方」でした。

 フローチャートを書けば、普通に分かっていたはずのことですが、ソーサリーは呪文の分岐も複雑なので、フローチャートを書く気にはなれず、大雑把なマッピングで対応していた。

 すると、マンティコアの洞窟も、別にヴァンカスさんの情報なしでも普通に正解ルートが割り出せる。

 そうなると、ヴァンカスさんに会いに行く必要がないということで、当攻略記事を書く以前は、もうその辺の構造はどうでもよくなっていた、と。

 

 そこで、今回、TRPG版のシナリオ地図の記載と照らし合わせたりもしながら、いろいろチェックし直すことになって、ああ、ヴァンカスさんに会うには、ダンパスで野宿するとダメなのね、とか、ようやく新発見に至る、と。

 昔、何度も解いた経験のあるゲームだけど、完全解析には至っていなかったので、昔に気づいていなかった謎を40年ぐらい経ってからの新発見に、そういう味わい方のできたゆえのパズル性を感じた次第。

 

④ゲームシステムが難しい(戦士X、魔法使い◎)

 

 戦士はFFシリーズの基本ルールどおりなので、難易度Xです。

 一方、魔法使いは、48種類の呪文の名前と効果、触媒アイテムの組み合わせなど、覚えなきゃダメっていうことが、初心者だとハードル高いですな。

 攻略記事を書くうえでも、この魔法についての分析をどうしようかと思いましたが、正月にAFFの魔法分析をしているうちに、見えてくるものがあったわけで。

 

 何にせよ、80年代は日本に魔法ファンタジーが入って来て、魔法の呪文を覚えるブームがいろいろあったと思います。

 ピピルマ・ピピルマ・プリリンパとか、パンプル・ピンプル・パムポップンとか、ゲームブックブームとは関係なく、80年代には魔法少女の呪文ブームもあったし。

 まあ、その前の幼少期(70年代)に、自分が初めて覚えた魔法の呪文はマハールターマラ・フーランパか、アバクラタラリン・クラクラマカシンか、ベルカイアル・アマサラク・ナイナイパのどれかだと思いますが、

 その辺の不思議な言葉を覚えるのは大好きだったわけで、「魔法の呪文が48個もある!」ってのは、当時のお宝本だったわけですよ、ソーサリーって。

 そして、5つの呪文の中から正解を選ぶと、鍵が開いたり、相手が踊ったり、呪文の効果が「実際に、物語世界の中で」発動する。要は5択のクイズみたいなものですからね。その辺の当て物感覚もパズルちっく。

 幸い、当時の自分は高校生で、英単語を覚えることが日常茶飯事だったから、その記憶習慣にソーサリーの呪文の48種類(語源はもちろん英語)を付け加えるのは、問題ない。むしろ、元が英語のゲームだからというので、ゲームブック、後にTRPGも英語文化の勉強というように考えていた。

 

 大人になってから、48個の呪文を全部覚えろって言われたら、「何で遊びのゲームのために、そこまで面倒なことを」とか思って、覚えずに呪文書をカーカバードの旅に持って行きながら(カンニングしながら)プレイしていたろうし、

 英語に詳しくない小学生の時なら、DOPがドア・オープンの略で、ZAPが相手をビームで撃つ効果音ということも知らずに、よく分からないまま冒険を投げ出していたかもしれない。

 知識と想像力が程よく混じり合って純粋さがまだ残っているのが、中高生の時期だったと思います(個人差あり)。

 

 少なくとも、ゲームを面倒くさがらずに堪能できて、ルール上のハードルの高さも面白いと受け止められる年頃だから、ソーサリーの世界観にも純粋にハマれた。

 まあ、そのうちD&Dロードスとか、ドラゴンランスとか、TRPGの方に流れていっちゃうわけですが、いずれにせよ、『魔法の呪文をキャラでなく、プレイヤーが覚える』という一点で、ソーサリーには他のゲームブックにない大きなシステム的特徴があります。

 呪文を覚える=ファンタジー物語の世界観に没入するということですし、当時はアレフガルドとか、ソーサリアとか、ロードス島とか、名前の付いた世界がブームでもありました。バイストン・ウェルだって、ペンタゴナ・ワールドだってそうですし、アナランドとカクハバード(当時の訳語はそう)は、その名前だけで魅力的。

 一方、火吹山などのアランシアはまだ世界の名前が付いていなかったですし、キャラクターを続投できるシステムでもなかった。やはり、前巻の内容を踏まえた続きものというのも、ソーサリーの魅力ですね。

 

 当時はまだ、ワールドガイドの『タイタン』なんて物も(日本には)なかったから、一つの作品が終わったら、ゲームはそれで終わり。シリーズ続編は、前作の世界観にリセットをかけるというのが当たり前だった。

 翌年、ドラクエが1から2になって、子孫の物語とか、アレフガルドの100年後を描いて、システムの発展形ではあったけど、主人公の続投ではない。当時のゲームで主人公が続投できたのは、パソコンゲームウィザードリィウルティマシリーズがあったけど、自分がソーサリーをやっていた86年は未プレイ。

 ここまで延々と書いてきて、要は4部作で、前巻の続きができる物語ゲームって、ピップシリーズと、ソーサリーシリーズが初めてだったんですね、自分にとっては。そのすぐ後にドルアーガ3部作が出たり、ネバーランドの続編の二フルハイムが出たり、続編なんて当たり前の時代になるわけですが、続編ありきで最初から話が構築されているのは、ソーサリーとドルアーガぐらいかな。

 

 もはやゲームシステムの話ではなくなって、世界観まで含めての広がり、深みに突入していますが、FFシリーズの中でもこの作品だけ別格なのは、そういう思い入れもたっぷりな作品だってことで、書いていると話が止まらないことを再確認。

 

⑤フラグ管理がややこしい(◯)

 

 フラグ管理と言っても、要はアイテムや情報の量に起因します。

 1作めは、今の目から見て、情報量少なめですが、何しろ遊び手のファンタジー基礎知識がほぼない状態。入門書は『火吹山の魔法使い』とか『運命の森』という時代で、ソーサリー1巻はいきなり最先端の応用編という感じでした。

 自分のファンタジーゲーム体験は、ブレナンのピップシリーズ(ドラゴンファンタジー)で、「へえ、エクスカリバー・ジュニアに、マーリンか。アーサー王伝説が背景にあるんだな。『燃えろアーサー』でよく知ってる。聖なる盾ビショップも登場するかなあ(登場しません)」という入り方。

 そう、自分のファンタジー知識は、『燃えろアーサー』と『透明ドリちゃん』と、あとは『ダンバイン』をちょっぴり齧った程度。あとはいろいろな西洋昔話関連ね。北欧神話とか、ケルト神話はよく知らん。神話といえば、ギリシャと日本と、断片的に聖書って程度。

 ともあれ、自分にとっての初〈剣と魔法〉といえば、『燃えろアーサー』ってなもんです。

 でも、ピップシリーズは当時(86年春から夏)はまだ4巻までしか出てなくて、3巻、4巻、1巻、2巻の順番で解いた後は、次のシリーズ物として、ソーサリーに突入して、田中克己さんの後書きで、いろいろRPGの基礎知識を学ばせてもらったりしつつ、それと後から買った『火吹山の魔法使い』の紀田順一郎さんの解説*3、そしてソーサリー2巻『城砦都市カーレ』の安田均さんの解説などにいろいろ導かれていったわけで、とりわけ安田解説は、11ページにおよぶRPGガイドにもなっていて、そのうち4ページほどでファンタジーRPGに登場する異種族やモンスターの解説を行なっている*4

 ともあれ、86年から87年は、D&DみたいにRPGの入門からエキスパートに成熟していく過程でしたな。90年代の半ばにはコンパニオンになって、今はその道のマスターと言っていいのかどうか。まあ、イモータルを目指して修行中?

 と、自分のゲームブッカーおよびTRPGマニア来歴はさておき、改めてソーサリーです。

 

 ゲームとしての難易度、フラグ管理の話ですが、この辺が複雑化するのは、2作めのカーレからです。選択肢がやたらと入り組んでおりますな。

 それに比べると、『シャムタンティ丘陵』は実に分かりやすい構造だったと改めて実感。フラグ管理と言っても、『シャムタンティ丘陵』は、後の巻に伏線を撒くだけだから、それを情報処理するのはカーレからです。

 具体的には、カーレの門の鍵と、牢獄の鍵と、VIKと、フランカーの4点を処理しないといけない。あと『盗賊都市』の時もそうでしたが、野外の旅よりも都市冒険の方が道程(分岐)に関する情報量が多く、細々としたイベントが散漫な構成になりやすい気がする。

 そんなわけで、カーレを「フラグ管理がややこしい◎」とするならば、シャムタンティは普通の◯でしょう、という。

 

 じっさい、『シャムタンティ丘陵』のフラグ管理のややこしさは、結局、その巻の中で解決できる謎なのか、それとも続巻への伏線として当座は解決しない謎なのかを区分けすることだと考えています。

 まあ、その作業も攻略本ことAFFシナリオが導いてくれるから助かっているのですが。プレイヤーだけでなく、攻略記事を書く立場からも助けてもらってますな。「この謎は、後のこのイベントにつながります」とシナリオに書いてくれているので、自分で細かくフローチャートを書く手間が省けたり。

 何より、地図があるのがいいですね。

 カーレの方も、カラーマップが付いていて、30ほどのイベントが解説されて、「このイベントを解決するのに必要な、このアイテムはどこで入手できるんだろう?」「この入手したアイテムは、どこで使うことになるんだろう?」って疑問が、比較的簡単にチェックできます。

 

 ゲームブックをプレイして困惑するのは、「きみは◯◯のアイテムを持っているか?」と尋ねられて、持っていないとき。

 「ええ? どこで入手できるんだ?」と疑問に駆られて、もう一度、前の分岐に戻って、違うルートを探したくなります。

 ゲームブックで、必須アイテムが見つからなくて、あれこれ見当をつけて探し回っている時間が、ある意味、一番楽しかったりもします。

 そして、ジャクソンの作品は、リビングストン以上にその作業に手間が掛かるんですね。

 カーレでは、魔法の呪文に紛れ込んでるVIKことヴィックの存在が、戦士の実プレイだと、なかなか見落としがちで、魔法使いだとじっくり呪文の種類をチェックするのに、戦士はスルーするのが常態。

 そういうフラグ管理がややこしいのは、カーレの方だと。

 

 昔、『ウォーリーを探せ』ってパズル本がありましたが、さしずめ『ヴィックを探せ』ネタでしたね。

 先に予習として探しておくと、パラグラフ82、236、290、312の4ヶ所だった。フランカーの2ヶ所と、ヴィックの4ヶ所は忘れないようにしておくべし。

 って、そんなことを考えないといけないのがカーレで、それに比べるとシャムタンティは、グランドラゴルの斧と、決して多くない触媒アイテムの入手法ぐらいしかフラグはなかったと言ってもいい。

 要は、カーレの攻略記事は苦労しそうやなあ、という話です。

 

 ともあれ、『シャムタンティ丘陵』の攻略難易度は、戦士編5、魔法使い編6という結果になりました。

 過去作品と比べると、戦士編は『さまよえる宇宙船』『アランシアの暗殺者』『真夜中の盗賊』『王子の対決(戦士編)』と同じぐらいの難易度。

 一方で、魔法使い編は『バルサスの要塞』『危難の港』『サイボーグを倒せ』『死の罠の地下迷宮』と似たような難易度というのが自分の評価ってことで。

(当記事、およびソーサリー第一部 完。一呼吸おいて、『罠の都カーレ』攻略記につづく)

*1:本来、ZIPは偽呪文ではなく、【グリーンメタルの指輪】が必要な瞬間移動呪文なのだが、ここでは偽呪文として体力点5を消費する間違いで記述されている。まあ、いずれにせよ、呪文が発動せずに死ぬのは変わりないので、大きな間違いではないのだが。

*2:一番最初は、首狩り族の罠で死んだので、おそらく2人めだろう。

*3:『死の罠の地下迷宮』をジャクソン作と誤認しているミスを今さら発見。

*4:ただし、こちらも、カーレのスライムイーター(肥喰らい、汚物喰らい)を魔物のスライムを食って生きている親玉のような存在、と誤認している。『モンスター事典』で誤解が解けるまで、自分もそう信じてました(苦笑)。