今回からEX記事2本立て
NOVA「『シャムタンティ丘陵』を戦士編と魔法使い編の両方終わったので、ゲームブック恒例の振り返りEX記事だ。今回は魔法編で、次回はバッドエンドおよび難易度編だ」
晶華「バッドエンド編は、何だか不吉なので、最終編でいいんじゃない? 『シャムタンティ丘陵』攻略EX2(最終編)って表題だと、いかにも最終回って感じで綺麗だし」
NOVA「じゃあ、それで。もちろん、すぐに続編の『罠の都カーレ』につなげるつもりだけどな」
翔花「それでは、今回は魔法総括記事ね。どう話を組み立てるの?」
NOVA「まず、今作は170パラグラフ分が魔法の結果になっていて、魔法の使用機会が全体で34回あるんだが……」
晶華「前にうっかり計算間違いして、140パラグラフの28回って書いてしまったけど、後から気がついて訂正したわ」
NOVA「その34回のパラグラフ番号をチェックして、そのイベントと有効魔法について、簡単に振り返る。まあ、いつものEX記事で、バッドエンドのパラグラフを振り返るのと似たような作業だな」
ジュニア「ロザリンさんの冒険で、魔法使用の説明をしていましたが、改めて全部を振り返るってことですかぁ。ご苦労さまですぅ」
NOVA「クローディアが旅したエルヴィンおよびアリアンナルートに絞ってみようかとも思ったが、そこだけ切り取るのも面倒だと思ってな」
晶華「うちのNOVAちゃんは、面倒な作業を嫌う割に、かえって面倒な作業に飛び込んじゃう傾向があるのよね。自分では、それが最適解と思いながら、傍目で見ると、何を手間かけてんだ!? ってツッコマれるタイプ」
NOVA「面倒な作業でも、それにハマり込んでしまうと楽しくなって、始めると没頭してしまうんだな。後から、もっと効率よくできたんじゃないかと反省するけど」
翔花「癖なので直らない、と」
NOVA「やってる本人が楽しめてるんだから、いいんだよ。四の五の言わずに始めるぞ」
パラグラフ1〜100の魔法
NOVA「とりあえず、読み手の苦労を避けるために、小分けにしよう。まずは、100番までだ。簡単なシチュエーションと、有効魔法について書く。青ナンバーは、ロザリンの本文で解説しなかったパラグラフということで」
- 4:アリアンナの檻の鍵を開ける。鍵開けといえば、DOPが最適解。続いて、RAZで剣の切れ味を良くして、鍵を切断するという手もある(成功率上昇、剣が傷まない)が、あえてそれを選ぶ人は稀と思われ。ただ、コストがDOPより安い1なのと、RAZの使用機会の少なさ(触媒使用がさほど惜しくない)、そして見栄えの良さから、技術点がある程度高ければ使ってみるのも悪くない。
- 24:シャンカー鉱山左奥の落とし穴への対処。落下抑制のFALが最適解。
- 26:マンティコアの洞窟での大岩への対処。にかわがあればGUM、なければWALで岩を止めるのが最適解。
- 47:シャンカー鉱山で鉱山主のゴブリンとの戦い。蜜蝋があればRAZ、なければZAPが有効。ただし、相手の技術点が7なので、自分の技術点がそれ以上なら、普通に戦う方がいいかも。
- 63:マンティコアの洞窟での蛇穴への対処。脱出のためには、リーブラ神を頼るしかない。
- 66:シャンカー鉱山の左の部屋の鍵。鍵開けといえば、DOPが最適解。HOWに聞いても、そう答えてくる。
- 74:エルヴィン集落の小屋でウルフハウンド(技7、体6)との戦い。呪文を使うなら、ZAPが最適解。自分の技術点が7より下なら、そうすべし。GOBも使えるが、技術点5のゴブリンでは荷が重いと思う。
- 87:アリアンナの呼び出すウッドゴーレム(技8、体6)との戦い。HOTがよく効くが、アリアンナの家を燃やしかねないので、やり過ぎかも。竹笛があれば、JIGが通用するので、温厚に終わらせたいなら有効。珍しく、3つめのDOZも通用する(大抵は有効呪文が2つのみ)が、動きが鈍るのが1ラウンドだけなので効きが悪い。
- 99:トロール(技8、体7)との戦い。金貨を使っていいなら、WOKで相手の攻撃力を2減らせる。お金を惜しむなら、DUMで相手の武器を封じて、技術点を4に減らすのがいい。もちろん、自分の技術点が9とか10なら普通に戦った方がいいだろう。
晶華「鍵開けといえば、DOP。もはや、これは常識ね」
NOVA「特定シチュエーションでは、確実に有効でハズレなしだから、基本呪文6つの次に、覚えた人も多そうだな。ドア・オープンの略だから覚えやすいし、呪文の書では、7つめのBIG、8つめのWOKの次の9つめだから、6個から10個覚えよう、というアドバイスに従うことにもなる」
翔花「敵との戦いだと、自分の技術点次第で、呪文を使うかどうかを決める、と」
NOVA「魔法使いの技術点は1D+4だから、5〜10の範囲になる。期待値的には7.5だから、敵の技術点が7だと対等。8は少し手強いって感じになる」
ジュニア「ラスボスのマンティコアを除けば、技術点が一番高い敵は何ですかぁ?」
NOVA「技術点9、体力点11のヒル・ジャイアントが2番めに強いから、シャムタンティ丘陵では技術点8以上が強くて、7が普通、6以下がザコという認識だ。ただ、魔法使いの場合、自分自身の技術点がザコ同然って可能性があるからな」
晶華「キャラ作りで最初に1か2を振れば、技術点6以下で攻略しないといけない」
NOVA「そうなった場合、一番の強敵が暗殺者フランカーだ。他は、呪文でサポートできるが、フランカー戦だけはミニマイトのせいで呪文が使えない。ロザリンは技術点が最高の10で、戦士の期待値並みだったから、シャムタンティ丘陵ではマンティコア戦以外、剣技でも十分対応可能だったが、並みの魔法使いだと技術点が7とか8だから、シャムタンティの多くのモンスターと対等。対等ってことは、敵の体力点と同じぐらいのダメージを受けることが想定されるので、呪文でサポートして戦うことが必須となる」
翔花「戦士の場合は、並の技術点9か10で、常に有利に戦えるよね」
NOVA「だから総じて、クローディアが戦いでピンチになることはなかったはず。一番のピンチが、毎日の食料問題だったのでは? 食事がとれなくて、朝起きると3点ダメージというのが一番ダメージを受ける可能性が高い」
翔花「確かに。あとはエルヴィンのドングリが一番痛かった」
パラグラフ100番台の魔法
- 104:カントパーニの出口でならず者2人(ともに技術点7)と戦う。竹笛があればJIG。なければFOFで対処。
- 117:暗殺者フランカー(技8、体6)との戦い。魔法は使えず。もしも、自分の技術点が低い場合、運良く命中した際に運だめしを成功させると、相手は降伏する。体力半減で命乞いを始める仕様のため。
- 123:夜行性のモンスターとの戦い。技術点5のザココウモリ、技術点7のウルフハウンド(狼犬)、技術点8、体力点9の強敵・人狼というレパートリー。対処法はBIGが最適。次いで、低知能の動物に効果的な支配呪文LAW。
- 130:マンティコアの洞窟で、水牢の罠に対処。FOFが最適解。SUSでも一応、助かるが、保存食を全て失うのが、あまりにも痛い。
- 132:エルヴィンの村で、余興のための魔法を披露。歯があるなら、コスト1でかけられるGOBが最適解。なければ、分身できるSIXと、財宝の幻を見せられるDUDが共にコスト2で、ウケがいい。魔法で見世物芸を披露する珍しいシチュエーション。なお、これでウケを取っても、後でドングリをぶつけられるのは変わらない。
- 135:ブラックロータスの花畑の前の道。SUSで危険を調べようとしても、ミニマイトのせいで呪文が効果を発揮しない。
- 139:首狩り族に捕まって脱出しようとする。だけど、両腕が縛られていると、魔法が使えないことを知る。リーブラ神を頼るしかない。
- 158:疫病の村。薬があれば、DOCが最適解。なくてもFOFの力場が、病気の感染を防いでくれる。まあ、わざわざ呪文を使わなくても、さっさと村を出て行くのが最適解ではあるけど、そうした場合、村が疫病に見舞われていることを知らずに話が進むので、疫病イベントがよく分からないまま終わって、物語的に消化不良感を残す。
- 162:洞窟の外でジャイアントとの戦い。最適解はBIG。次点は不器用呪文DUMで、相手が武器を使えないようにする。一応、YOBも使えるが、召喚巨人は本物より弱いため、あまり適切な呪文とは言いにくい。
- 166:クリスタタンティへ向かう途上で遭遇したスカンク熊との戦い。スカンク熊は技術点7だけど、悪臭によるデバフ効果で、こちらの攻撃に2点のペナルティーを与える強敵。確実に対処できるのは、動物支配のLAW。コスト節約を望むなら、6分の5の確率で逃げ出せる分身呪文SIX。
- 195:マンティコア戦の最初の呪文対応。最適解は減速呪文DOZ。次点はFOF。
晶華「こう見ると、防御呪文としてはFOFが有能よね。水牢で空気を保持したり、病気感染を防いだり、戦闘時以外でも活躍してる」
NOVA「自分の身の回りに防護結界を張るのがFOFで、もう一つの防御呪文WALは物理障壁だから、力で相手や物体を押し留める感がある」
翔花「転がる大岩を止めたり、マンティコアを封じ込めたりは、WALの仕事、と」
NOVA「実際問題、FOFとWALが同時に選択呪文に並ぶことはないので、どっちを選ぶかで悩む必要はない。その辺は局面に合わせて、主人公が本能的に使い分けているのかな、と思う」
パラグラフ200番以上の魔法
- 201:ダンパスでの力仕事アルバイトで使用。BIGが最適解。
- 203:初日の夜、河辺でエルヴィン(技術点6ながら、素早い動きのために、プレイヤー側が2点のペナルティ)と戦闘になる。これも最適解はBIG。コスト2で技術点倍増は、使えるなら単純に強い。欠点は、屋内や狭い洞窟では使えないこと。マンティコア戦で使わなかったのは、そのためである。HOTでエルヴィンを焼き殺すこともできるが、たかがイタズラ妖精相手にやりすぎ感も否めない。盾呪文のWOKは金貨がもったいない気がするし。
- 207:洞窟の中でジャイアントとの戦い。戦う場所が違うだけで、162と同じである。162はジャイアントの洞窟をスルーしようとして、運悪く見つかってしまった場合の話。こちらは洞窟に乗り込んだ場合である。
- 217:シャンカー鉱山の入り口から出ようとして、運悪くゴブリン3人組に見つかる。呪文を使うほどの敵には思えないが、ZAPやRAZが有効。
- 220:ミニマイトの登場パラグラフ。呪文で追い払おうとして失敗する。無駄なことはしないように。
- 231:森でエルヴィンにドングリをぶつけられることへの対処。金貨1枚を使っていいなら、WOKが有用。体力コスト1で3点ダメージを防げるのだから、差し引き、金貨1枚で体力2点を守った計算になる。FOFも有効だが、3点のダメージを防ぐのに体力コスト4では割に合わないと思う。
- 239:シャンカー鉱山の左奥の通路を探る前。SUSやHOWの呪文で、奥が危険だと分かる。
- 251:エルヴィンの村で遭遇したマナンカの霊への対処。魔法消去のMAGが最適解。霊魂が消失して、さらに部屋を調べることが可能。部屋を暗闇に包むFOGが次点。マナンカの呪いを受ける前に部屋から逃げ出せる。
- 268:シャンカー鉱山のオーガーの部屋の扉。鍵開けのためのDOPが最適解。
- 275:藪の中の透明な二頭蛇に対して。HOWを使うと、蛇に害意はなく、安全な道へと導いてくれることが分かるので最適解になる。LAWを使うと、蛇に命じて立ち去らせることになるが、蛇の真意が分からないまま。
- 276:ガザ・ムーンの稲妻呪文に対して。ミニマイトのせいで、対抗呪文は発動せずに、死亡確定。
- 285:シャンカー鉱山のオーガー(技8、体7)に対して。最適解は、相手を混乱させて技術点を半減させるDIM。続いて、金貨1点使用の盾呪文のWOKで有利に立ち回れるが、やはり金貨がもったいない(笑)。壁を作るWALは相手を封じ込めることができるが、戦利品の宝石が1つ入手できなくなるので勧めない。金貨10枚の価値のある宝石2個と1個とでは、差額が大きすぎる。
- 364:マンティコア戦の2回めの呪文対応。歯があれば、GOB(またはYOB)で相手の気を引きつけることが最適解。その間に420へ行ける。歯がなければ、火球のHOTで一撃浴びせてから420へ。
- 420:マンティコア戦の最後の呪文対応。WALで相手を封じ込める一択。他を選ぶと、呪文が発動せずに隙が生まれて、マンティコアの反撃を受けて死んでしまう。ここまで来て死ぬとは、残念すぎるので絶対WAL。
NOVA「ということで、全部で34回の呪文使用パラグラフの確認終了だ。これに170回の呪文の結果パラグラフを加えて、合計204回の魔法関連パラグラフとなる。全部で456パラグラフだから、『シャムタンティ丘陵』の魔法成分は約45%といったところだな」
晶華「そのうち偽呪文は何回?」
NOVA「23種類、60回だ。170回の結果のうち、『体力点5を減らすこと。こんな呪文は存在しない』が出る確率は、約35%。まあ、大体5回中2回が偽呪文ということになるなあ」
ジュニア「いちいち数えたんですねぇ。凄いですぅ」
NOVA「おお、〈日本最高の偽呪文マスター〉を目指しているからな」
翔花「何なの? その実用的とは言えない、不毛な称号は?」
NOVA「ニッチでマニアな研究って奴だ」
偽呪文の話
NOVA「ソーサリーについては昔から、ウルトロピカルでもいっぱい語っていて、ざっとブログ内検索をすると、95記事分がソーサリーについて言及していた」
NOVA「偽呪文については確か、この記事で書いていたな」
NOVA「どうして、間違えた呪文を唱えると、体力点を5点も失うことになるのかという考察があって、例えば、俺が今、POPやPEPと間違えてPAPと唱えても、体力点を失ったりはしないだろう?」
晶華「試してみるね。PAP、PIP、PUP……確かに減らないわね」
翔花「わたしたちがいるのはタイタン世界じゃないので、魔法に関する世界法則が違うからじゃないの?」
NOVA「かもしれないが、とにかく、2つばかりの仮説が立った。1つは、これだ」
>アナランドの魔法使いは妖術呪文のソーサリーを学ぶ際に、誓いを立てさせられるんだ。「呪文を決して安易に使わない」って。安易な呪文使用者は呪いで体力を失うという誓いを経てこそ、妖術を習得できる。そして、不正確な呪文の使用は、呪文を安易に使うという禁則に引っ掛かる。だから、宣誓した呪いが発動する、と。
NOVA「俺や晶華は、別にアナランド妖術を使うための誓いは立てていないからな。だから、当然、呪いも発現しない」
ジュニア「もう一つの仮説は何ですかぁ?」
NOVA「それはダイアンナが考えたんだが、こうだ」
>ダイアンナ「呪文を使う際は、精神集中して魔力を高めるだろう?」
>NOVA『ソーサリーの妖術は、体力を魔力の源泉として消費するシステムだな。昔のT&Tに近いものがある』
>アスト「要は、MPみたいなポイント消費システムだけど、精神力みたいな別能力を設定せずに、HP的な体力点や筋力度の減少を魔法使用による疲労と解釈したわけだな」
>ダイアンナ「間違えた呪文というのは、溜めた魔力がうまく発散させることができずに、その場で暴発してしまう。だから、疲労ではなくて、暴発した魔力によるダメージで5点の体力を失うんだ」
晶華「つまり、言葉を口にするだけじゃなくて、精神集中して魔力を高めていないと、魔力の暴発は生じないってことね」
NOVA「そうじゃないと、ダイ大の大魔法使いポップの話をしている時に、そこら辺の小石がポンポン破裂しかねないからな。呪文を唱えるのに、言葉は大切だが、その言葉に込める想いや魔力が伴わなければ、現象が生じない」
晶華「魔法使いとは、自身の想いを魔力と変えて、それを適切な言葉を通して世界に発現させることができる能力者のことね。だから、魔力を生み出してみたものの、言葉が適切でなければ、魔力が正しく発散されない、と」
翔花「そもそも、魔力を溜めないと、言葉だけ唱えてもダメってことね」
NOVA「そりゃあ、言葉だけ棒読みでなぞっても、声優さんが感情移入させるようなセリフを発することは難しいのと同じじゃないかな。言葉に乗せた想いの力が魔力を生み出したときに、視聴者の心を動かすのがアニメートとか映像魔術ってことだな。だけど、声優さんがセリフをトチっていたら、感動する場面が崩れてしまい、NGとなる」
ジュニア「声優さんに話を例えるんですかぁ」
NOVA「そりゃあ、プロの声優さんは、今の時代、言葉の魔術師になぞらえられるからなあ。それはさておき、ソーサリーの偽呪文は『体力点5というペナルティ』を与えることで、しかも呪文が失敗したときの状況変化もきちんと文章で描くことで、妖術呪文にリアリティを映し出すことに成功した。失敗を描くことで、成功を盛り立てるとか、陰と陽の両面を示し得ているんだな。人、これをメリハリという」
晶華「創作において大切よね。力を扱う際の、メリットに対するリスクとか。凄い術師ってのは、凄い技を使うからだけでなく、自身が扱う技に対するリスクも承知で、しっかり管理ができること。そういう管理ができないことを、力に溺れるって言うのかしら」
NOVA「そんな妖術呪文の暗黒面をしっかり見据えることが、偽呪文を研究する意義って奴だ。そして、数ある偽呪文の中でナンバーワン偽呪文の王座に輝いたのが、即死呪文っぽい詐欺魔法KILだ。34回の魔法使用において、9回も登場している。正規の呪文よりも登場頻度が高いので、うっかり唱えてしまった術師も結構多いのではないか?」
翔花「NOVAちゃんも?」
NOVA「俺は唱えたことがない。48のアナランド妖術にKILがないことは、しっかり覚えていたからな」
晶華「アナランド妖術になくても、邪悪な黒妖術にあるかもしれないわ」
NOVA「調べてみたが、KILはなくて、代わりの死の呪文としてDIEというのがあった」
晶華「DIE……子音+母音+子音の妖術ルールとは外れているわね」
NOVA「その辺の反則っぽさも黒妖術っぽいな。なお、DIEの消費体力は10点、触媒アイテムが〈老魔女の髪の毛の鞭〉ってことで、そんな鞭を持ってる敵が現れたら、即死呪文を警戒すべきだな」
晶華「老魔女さんが自分の髪の毛を鞭にしたりする可能性もあるわね。もしかしたらガザ・ムーンさんも習得してそう」
NOVA「コスト10という、アナランド妖術じゃ考えられない凶悪さのためにミニマイトの対魔霊気さえ素で貫くという。しかも、触媒アイテムの必要な呪文って、その分、使用コストが下がるのがアナランド妖術のルールだが、触媒アイテムも必要なのにコスト10って、とんでもなく強力ってことだよな」
晶華「さすがは黒妖術。そこに痺れる憧れる〜」
NOVA「憧れるな。黒妖術師の決定的な弱点は、太陽が昇っている昼間の間は、妖術使用の判定にマイナス6のペナルティーを受けること。そして、黒妖術を使うたびに、魂から人間性というものが削られていき、邪悪街道まっしぐらってことだ。つまり、ニチアサを楽しく見られない」
晶華「そんな。プリキュアが見られないなんて」
NOVA「アイドルプリキュアのラスボス、ダークイーネは黒魔女だよな。だからキラキランランになれないが、次回の最終回でラスボス浄化のステージが見られるかどうかが楽しみだ」
翔花「とにかく、タイタン世界にKILって妖術は今のところ確認されていないけど、黒妖術にDIEってのがあるってことね」
NOVA「あと、DIEって魔法は、アランツァ世界の異国魔法にもある」
晶華「それって、ここで語っている奴?」
NOVA「異国魔法は、ソーサリーをパクって、もといオマージュを捧げて、独自にアルファベット3文字から成る呪文リスト48種類を構築したわけだが、オーク召喚のORCとか、オウガ召喚のONIとか、相手を踊らせるJAZとか、微妙にアレンジされていて、比較するのが面白い」
ジュニア「それこそ、偽呪文って感じじゃないですかぁ」
NOVA「地域や世界が変われば、呪文も変化しつつ、収斂(しゅうれん)進化ってケースもあるってことだな」
晶華「収斂進化……系統が異なるのに、似たような形質を獲得するってことね」
NOVA「まあ、アランツァ世界は、日本で独自に進化した和製FFのヴァリエーションだからな。FFシリーズが復刻する前にゲームブックの灯火を灯し続けて、ウォーロックマガジンの編集長も兼務したことがある同人老舗団体だ。で、DIEは死の呪文ではなくて、コスト1で使えるサイコロ操作の呪文。触媒アイテムが〈骨製のサイコロ〉と来ている。作中でイカサマなんかに使える」
翔花「え? 判定が有利になる呪文じゃなくて?」
NOVA「運命そのものを操作するのではなくて、作中のダイス目操作だけだし、まあ、アランツァ世界はゴブスレの四方世界同様に、ダイス目信仰が世界観に息づいていると思われ」
晶華「かたや恐ろしい死の呪文で、かたやイカサマ博打用の呪文。同じDIEって名前でも、世界観によって意味合いが変わって来るってことね」
NOVA「さて、シャムタンティでの偽呪文ナンバーワンはKILの圧勝だが、続いて2位は4回使用の呪文が5つある」
・4回使用の偽呪文:BAM、SUD、RIS、BAG、HOP
翔花「カバンを作りそうな呪文BAGが覚えているわ」
NOVA「攻略記事でネタにすると、印象が残るってことだな。虫を召喚するBUGが異国魔法にあるが、BAMと似て非なるのが黒妖術BAN。これはTELと対になる呪文で、〈コウモリの皮の縁なし帽〉をかぶって、術者の思考を他の魔法で読みとれないようにする隠蔽魔法だ」
晶華「〈コウモリの皮の縁なし帽〉ってこんな感じ?」

NOVA「悪女成分が足らないので、もう少し妖艶に」

ジュニア「いかにもダークソーサレスって感じですねぇ」
NOVA「なお、黒妖術には〈殺人の被害者の歯〉を触媒にしてゾンビを生み出すZOMという術があってな。この杖のドクロ飾りも、ただの装飾品ではない触媒アイテムっぽい」
晶華「いかにも邪悪な魔女って感じ」
翔花「さらに、この帽子が変形して、黒い仮面になったら恐怖呪文のGAKが使えそう」
NOVA「って、どうしてお前がGAKを知ってるんだ? 今作では使われなかったはずだが?」
翔花「ああ、わたしは黒魔女ミューマ・バジオをNPCプレイした経験があるし」



NOVA「うおっ、そうだったな。実は聖勇者クローディアの影で、黒魔女をプレイしていたとは」
翔花「ふふふ。だから、黒妖術はわたしも興味津々よ」
NOVA「GAKは黒妖術の中にも混ざっているんだよな」
晶華「ソーサリーでは、クローディア姉さんが闇に染まることはしないでよ」
翔花「どうしようかなあ。ロザリンちゃんと再会したときは、クローディアは闇堕ちしてましたって展開になっているかも」
NOVA「それは……『暗黒の三つの顔』のアナザーエンディングを考えると、そうなってしまう危険が少なからずあるわけで」
ジュニア「時空魔術師さま、心をしっかりお持ち下さいぃ。暗黒面に囚われるのは危険ですぅ」
NOVA「ああ、ジュニア君。クローディアが闇堕ちしそうなときは、聖剣EJが頼りだ。君の光が世界を救う」
ジュニア「分かりましたぁ。EJとCウルフ、聖剣と魔狼剣の役割演技をしっかり使い分けますぅ」
・3回使用の偽呪文:GOP、FIL、RAN、WIK
NOVA「この辺では、GOPが印象的だ。DOPの偽呪文という形で、GOPとDOMが並んでいるパラグラフ66番が、攻略記事を書いていて、印象に残った」
晶華「そのDOMは?」
NOVA「次だ」
・2回使用の偽呪文:YAG、DOM、MUG、LAM、DIP、FIF
NOVA「昔、安田社長の解説本で、本物の呪文でDIMとDUMはあるけど、DOMはない……と書かれていたのが印象的だが、意外と出番は2回だけなんだな。なお、DIMとDUMも混同しやすいが、DIMはコスト2の混乱呪文で、DUMはコスト4の不器用呪文。DUMは基本呪文なのに、一番印象が薄いと個人的に思ってる。そして、DOMは黒妖術に採用されて、ただの偽呪文から公式に昇格した」
翔花「どんな内容? 名前からして、3体に分裂して、連続攻撃を仕掛けてきそうだけど?」
NOVA「確かに、黒っぽいけどさ。ええと、コスト4なのに、触媒アイテム〈血で満たされた聖杯〉が必要な強い効果の呪文だ。5メートル以内の相手の意思を打ち砕いて、自分の操り人形に変える。対象は自分が即死するもの以外、術者の命令に逆らえない。まあ、(妖力)ラウンドで解除されるんだが、とりあえず仲間を攻撃しろってのはありだし」
晶華「〈血で満たされた聖杯〉ってのをどう使うのかしらね。自分で飲む? それとも相手に飲ませるか、浴びせるかする?」
NOVA「それは説明に書いてないなあ。とにかく、DOMは強力な支配の呪文として、黒妖術に登録されている。他には、今回の研鑽で、LAMが偽呪文の中でもインパクトがあった」
翔花「そういうイラストレイターさんがいるそうだけど」
NOVA「そっちは、あまり関係なくて。この偽呪文はトロール戦と、ガザ・ムーンの2ヶ所で登場するんだが、どちらもこの偽呪文を唱えた途端、バッドエンドになるという縁起の悪い偽呪文なんだ。普通は、逆呪文で体力5点を削られることはあっても、即死に至るケースは稀なんだが、この呪文だけは使うと死ぬという副作用が付いてくる。なお、後の話で『眠れぬラム』という恐ろしいモンスターが登場するが、そっちはつづりがRamなので、関係ない。しかし、シャムタンティでのLAMは死を呼ぶ呪われた偽呪文として覚えておこう」
・1回だけのレア偽呪文:SIT、JAP、FAM、ZEL、RAW、PAP、NIT
NOVA「日本人的にはJAPが印象的で、PAPも語呂がいい。SITはお座り系かな、と思いながら、特にネタはない。しかし、これらのレア偽呪文が、後の作品でメジャー化するかもしれないと思うと、今からでも先行投資したくなる個性的な面々と思わないかね」
晶華「そこまで偽呪文に情熱を燃やすのは、日本でもNOVAちゃんだけだと思う」
NOVA「ニッチ街道を突き進むと言ったところだな。なお、参考までにKILの登場パラグラフは、74、99、117、162、166、207、275、285、364だ。もう、ソーサリー偽呪文ナンバー1の玉座は揺るがないと思うが、果たしてKILの対抗馬は出て来るのか期待だぜ」
翔花「NOVAちゃんは、偽呪文じゃなくて、本物の呪文にもっと愛を注ぐべきだと思う」
NOVA「本物にも、もちろん愛は注いでいるさ。次のネタはこれだ」
基本呪文6つの価値
NOVA「ソーサリーでは、コスト4のZAP、HOT、FOF、WAL、LAW、DUMの6つが最初に覚えるべき推奨呪文とされている。しかし、これらの通称・基本呪文にも格差があるわけで、それについて検証しようという話だ」
晶華「ああ、それは建設的な気がする。基本呪文ナンバーワンは何かしら?」
NOVA「選択肢の登場回数は最大5回で、KILほどではないが、5回出たのをナンバーワンの条件にするなら、ZAP、LAW、FOFの3つが該当する。残念ながらWALとHOTは4回で、DUMは3回。DIMやDOMとも紛らわしいという意味で、DUMは競争から脱落だ。武器を持った相手に武器を落とさせるという効果で、標的はトロールとジャイアントのみ。ジャイアントと戦うパラグラフが2ヶ所あるので、実質的には2回しか使われていないという問題もある」
晶華「武器を持った人型の強敵相手だと有用そうなのよね。シャムタンティ丘陵は獣型の敵が多いから、カーレでの活躍に期待しましょう」
NOVA「さて、他は呪文ごとに、その使い勝手を分析してみよう」
★ZAP:47、74、117、201、217
★LAW:63、104、123、166、275
★FOF:104、130、158、195、231
★HOT:87、139、203、364
★WAL:26、220、285、420
NOVA「これらの呪文から、ナンバーワンを決めるのに大事なのは、まず選択肢に登場する回数で、3回を基準に、5回登場を+2点、4回登場を+1点とする。次に、有効打を与えた役立ち度を決める。使ったけれど、効果がなかったのは数えない」
晶華「バッターボックスに立った回数と、安打数ね」
NOVA「一つ一つ分析すると、ZAPは強力な電撃で、ゴブリンチーフとウルフハウンドとザコゴブリンを死に追いやっている。ここまでが有効打としよう。つまり3回だ。5回登場の+2と足して、5点を獲得した」
翔花「無効なのが2回ね。どうして?」
NOVA「暗殺者のフランカーに使ったら、ミニマイトの霊気に阻まれた。体力点を無駄に消耗したのは有効打と言えまい」
ジュニア「でも、フランカーさんを殺してしまわなかったのは良かったと思いますぅ」
NOVA「もう一つは、ダンパスでのアルバイトだが、電撃で穴を掘るのは面白いと思いつつ、徹夜で穴を掘るのと体力消費が同じというのが有効とは言えまい」
晶華「とにかくZAPさんは5点ね」
NOVA「次にLAWだが、デビュー戦ではカントパーニのならず者を相手にして、人間相手に使っても効果がないという欠点をさらして、立ち上がりはよくないが、その後、夜行性のモンスター、スカンク熊の2戦が有効打だ。合計4点」
翔花「残り2つが有効じゃないのね。どうして?」
NOVA「実は呪文そのものには罪がないが、シチュエーションが特殊なんだな。まず、藪の中のヘビ。こいつは敵じゃなく、むしろ友好的に道案内をしてくれる相手なので、それに気づかず、命令して追い返したことを有効打だとは言えまい」
晶華「わざわざ体力を4点減らして、放置が正解なのを、いらんことをした形ね」
NOVA「結果論だが、呪文を使って損をした形になるので、有効打ではない。もう一つも蛇に関係するが、ラストダンジョンの蛇穴だな。蛇を操って、自分を攻撃しないように命じたまでは良かったのだが、穴から脱出のためには神さまに頼らないといけない。蛇を操って、生きたロープにするという神さまの奇跡と同じことを自分でも成し遂げていたら有効打と言えたが、とにかく、中途半端な獣使いだな」
ジュニア「獣を扱うにも、状況の見極めが大事ってことですねぇ」
NOVA「それに比べて、FOFは非常に有効打が多い。カントパーニのならず者、マンティコア、エルヴィンのドングリのみならず、水牢と疫病からも身を守ってくれるという防御効果抜群の活躍ぶりを示す。ただし、ドングリだけは有効打に数えられない」
晶華「ダメージは3点だけなのに、体力コストが4点だもんね。防いだつもりが余計に消耗して、収支が合わない、と」
NOVA「他の4つは役立ったということで、とりわけ水牢の罠は致命的なのを救ってくれた殊勲賞ってことで、2点あげてもいいほどだ。合計2+5で7点とする」
翔花「すると、役立ち呪文ナンバーワンは、フォース・フィールドさんに確定っぽいわね」
NOVA「ついでにHOTとWALも見ておこう。HOTはZAPのライバルみたいなものだが、ウッドゴーレム、エルヴィンを仕留め、マンティコアに大ダメージを与えている……かもしれない」
ジュニア「かもしれない……って表現が微妙ですねぇ」
NOVA「じっさい、何点ダメージを与えたのかが分からないからな。どちらかと言えば、最後のWALにつなげるためのアシストというか、トスを上げたような役回り。まあ、それでもラスボス戦で活躍しているって印象は残るが。首狩り族の囚人状態で、使おうとして使えなかったケースを除くと、3回の有効打があると思うので、合計4点だ。LAWと同じ点数ってことで」
晶華「WALさんは、マンティコア戦の切り札ね」
NOVA「ああ。締めを飾ったという意味で、それは2点の価値がある。他は大岩を止めたり、オーガーを封じ込めたりで、きちんと仕事をしている。オーガー戦は宝石2個中1個しかもらえないという機会損失を招いているが、それはより良い選択があるってだけで、WAL自体が役に立たなかったわけではないからな。WALが機能しなかったのは唯一、ミニマイトとの遭遇時だ。マンティコア2点、大岩1点、オーガー1点で4点に、最初の+1して、5点としよう。結果的に以下のとおりの役立ち度だ」
- FOF:7点
- ZAPとWAL:5点
- LAWとHOT:4点
- DUM:2点(巨人とトロールで1点ずつ)
使いたいのに使えなかった触媒使用呪文
NOVA「さて、他の呪文の活躍も見ておきたいが、先に活躍できなかった将来のホープについて確認しよう」
晶華「アイテムがなくて、使えなかった面々ね」
NOVA「これも、選択肢での登場格差はあるわけだが、4回登場と3回登場に絞っていこう。まず、4回登場は、【疾風の角笛】が必要な強風呪文HUF、【真珠の指輪】が必要な透明呪文YAZ」
晶華「アイテム入手で活躍できる日を楽しみにしています」
NOVA「3回登場は、【火酒】の必要な怪力呪文PEP、【樫の若木の杖】が必要な固定呪文FIX、【黒い仮面】が必要な恐怖呪文GAK、【グリーンメタルの指輪】が必要な瞬間移動呪文ZIPが選択リストにあった」
翔花「GAKの登場は、わたしも楽しみ」
晶華「【宝石細工のメダル】が必要な空中浮揚呪文ZENは何回?」
NOVA「シャンカー鉱山の落とし穴と、マンティコア洞窟の蛇穴の2回だな」
ジュニア「アイテムさえあれば確実に有用なシチュエーションでしたねぇ。それだけに使えなかったのが残念すぎますぅ」
その他の有用呪文
NOVA「最後に、今回使った残りの呪文の有用度を確認して終わりだ。まず、5回登場した呪文は以下のとおり」
★5回使えた呪文:SUS、WOK、BIG
晶華「BIGは便利ね。技術点倍増効果が強すぎる」
NOVA「体力消費が2点しかないのに、破格の効果だよな。夜行性モンスター、ジャイアント(2回)、河辺のエルヴィン、アルバイトと、使えた場面では確実に役立っているので、FOFと同じ有用度7点だ」
晶華「私にとっては、トレパーニの村でも大魔女として威厳を示せたので、マイ・ベスト呪文よ」
NOVA「WOKは確実に戦闘アシストできる有用呪文ながら、金貨1枚消費が微妙に使用を留まらせる」
晶華「2点のボーナスは、魔法使いの実力を戦士並みに高めてくれるので、魔法剣士としては有用だけどね。ロザリンの場合は、剣士として普通に優秀な技術点だったから使う必要を感じなかったけど」
NOVA「SUSは、初見プレイで役立つこともあるけど、2回め以降は情報も知っているので、使用が激減する呪文だ。ミニマイトに邪魔される機会が2回もあるせいで、肝心なときに使えないという印象もあるし」
★4回使えた呪文:HOW
晶華「これだけ?」
NOVA「これだけだ」
晶華「情報系呪文は初見で有用(な時もある)。でも、再プレイでは使わずに済むし、攻略記事を書くうえでは、危険も承知でチェックするんだから、無用呪文と化す」
NOVA「ただ、攻略記事を書くうえでの情報ネタとしては面白いんだけどなあ」
★3回使えた呪文:DOP、RAZ、GOB、SIX、YOB
晶華「使ったときの有用度ナンバーワンはDOPだと思うの。確実に鍵が開く。鍵開け以外の局面では使わないので、効果が非常に分かりやすい」
NOVA「【蜜蝋】のRAZ、【歯】のGOBとYOBは触媒呪文の代表みたいだな。意外と【竹笛】のJIGが2回しか使う機会がなくて、有用度がそれほど高くないけど、イラスト効果もあって、インパクトは大きい」
翔花「SIXって使った印象がないんだけど?」
NOVA「スカンク熊と、エルヴィン相手の隠し芸と、ミニマイトとの遭遇時に選択肢が出るだけだから、ロザリンの攻略では使う機会がなかったな。シャムタンティでの有用度は低かった」
晶華「有用度という意味では、落とし穴に落ちたらFALを使え、とか単機能型の呪文で、名前が分かりやすいものがいいと思うの。まあ、今回、使えなかった呪文も、カーレで役に立つと思うわ」
NOVA「逆に、街中でうかつに巨人になるわけにもいかないと思うしな」
晶華「機を見て、大魔女ロザリンの威容を示したいけどね」
(当記事 完)
