WショーカとShiny NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

娘たちの帰還(タイタン世界の魔法話1)

冬休みっていつまで?

 

晶華「ただいま〜」

009「おかえり〜」

翔花「NOVAちゃん、いる?」

009「いや。朝から仕事じゃないか? 夜には帰って来ると思うけど」

ジュニア「ナイン様、今年もお世話になりますぅ」

009「ああ、こちらこそよろしく。ぼくのことは、様づけなしでいいよ、ジュニア君。みんな、ナイン君って呼んでいるし」

ジュニア「だけど、時空魔術師さまの代役ンですから、あまり失礼なことはできないか、と。ナインさんと呼ばせていただきますぅ」

009「だったら、それで。令和NOVAだったら、1月8日に君たちを迎えに行こうって言ってたが、先に帰って来たんだな」

晶華「え? 1月8日? そんなの聞いてないし」

翔花「冬休みが明けたらって言っていた。証拠はこの記事よ」

009「はあん、具体的な日にちを言わなかったから、冬休みの認識がズレたんだな。塾講師のNOVAにとって、冬休みとは学校の生徒に合わせて1月7日まで。その日が明けると、冬季講習が終わって、時間に余裕ができる。逆に言えば、今年は1月5日が仕事始めで、7日までが朝からバタバタして忙しい。だから、君たちを迎えに行くのは、それが明けた時って意味合いで言ったんだと思う」

晶華「でも、私とお姉ちゃんは学校になんて行ってないから、世間の一般的な常識で考えるよね」

翔花「冬休みって、世間では年末からお正月休みと同義だと思う。今年は1月4日が日曜日だからお休みで、1月5日が休み明けの人が多いはず」

晶華「まあ、自宅警備員みたいな塔の管理人にとっては、世間の休みも関係ないんだけどね」

翔花「わたしたちの曜日感覚は、TV番組で決まる。ニチアサが休みだと、曜日感覚が分からなくなるのが、わたしたちの日常」

009「いや、ニチアサしか基準がないのかよ。他に見ている番組があるだろう?」

晶華「ああ、ドアサには、ウルトラマンオメガがあったわね。1月3日は休みだったけど」

ジュニア「曜日感覚がTVだけってのは、間違ってますぅ。他に基準があるでしょぉ?」

翔花「え? 何を基準にするの?」

ジュニア「そりゃあ、ゴミ出し曜日とか、お店の休業日とか、社会に出ていたら、いろいろなことが曜日単位で動いているわけで、料理人や主婦にとっては、生ゴミをいつ出すかをしっかり考えないと、この日本では人に迷惑をかけてしまいますぅ。ルールはしっかり守らないとぉ」

晶華「知らなかった。ゴミ出しなんてしたことがなかったし」

009「実は、ぼくたちケイPブラザーズが密かにゴミ出ししてるんだな。まあ、栄養になる炭素成分なんかは、しっかり消化処理しているので、生ゴミはそんなに出ないはずだけどね」

晶華「いつもお疲れさま。管理人としては、陰で大事な仕事をしている働き手に、ねぎらいの言葉をかけないとね」

009「それは……感謝だな。少なくとも、令和NOVAにそういうねぎらいをされたことはない」

謎の声『そうでもないのですけどね。昨年のこの記事を確認ください』

日頃、俺を助けてくれるリアル、ネットおよび空想妄想の方々に、これを読んでる読者の方々も含めて、謹んで感謝の気持ちを表明します。今年1年、いろいろ支援応援いただきありがとうございました。

 

009「ああ、空想妄想の方々って、ぼくも入っているのか。伝わってなかったや」

翔花「ええと、謎の声って……誰?」

晶華「確か、この声は……杖の精霊ジョエル君?」

ジョエル『正解です。昨年末から、皆さんがソーサリーのプレイをしているってことで、声を掛けたくなりました』

009「今年の正月あいさつにも参加したんだな。昭和NOVAとして」

ジュニア「昭和の時空魔術師さまぁ!? お初にお目に掛か……ってはいないか。声はすれども姿は見えず。どういうことですかぁ?」

009「話せば長くなるので、簡単に言えば、この塔のあれこれを陰ながら取り仕切っている、知性を持ったアーティファクトだ。1987年の知識を持つ」

ジュニア「1987年! 『仮面ライダーBLACK』の年じゃないですかぁ?」

ジョエル『ああ、友人のあだ名がブラック君で、ぼくはシャドームーンになりきっていたこともある。名前がノブだし』

ジュニア「ノブヒコさん!」

ジョエル『一文字違いだ。とにかく、今のぼくはジョエルって呼んで。エクスカリバー・ジュニア君』

ジュニア「いや、それは役名で、本当はセイリュウ・ジュニア。ジュニアって呼んでくださいぃ」

ジョエル『セイリュウ・ジュニア。イニシャルにするとSJで、スティーブ・ジャクソンと同じだね』

009「本当だ。気づかなかったや。すごいな」

ジュニア「恐れ多いですよ、ソーサリーの作者さんと同じなんてぇ。とにかく、よろしくですぅ、ジョエルさん」

ジョエル『さん付けされるのは初めてだなあ。じゃあ、杖の精霊として、剣の精霊役を応援させてもらうから、頑張ってね(キラキラと塔の明かりを明滅)』

 

マジカル・コンパニオン

 

ジュニア「さすが、時空魔術師さまの塔ですねぇ。1987年から来た杖の精霊が管理しているなんてぇ」

晶華「普通に考えたら、もっと大昔から管理されているコンパーニュの方が凄いと思うけど。ここは、築いてから、まだ7年と少しだし。確か、この記事に建設秘話が記録されている」

翔花「2018年9月って、いろいろなイベントがややこしく展開されていたのね」

009「ブログの引っ越しなどで、文章中のリンクが機能していないから、その月の他ブログの話を貼っておくか」

晶華「平成最後の年って、本当にいろいろな事件があったのね」

翔花「思い出に浸りながら、NOVAちゃんが帰って来るまで待つのも一興かも」

 

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NOVA「ふう、年始初仕事を頑張って、やっとの帰還だ。明日も朝は早いが、今夜はあのAFFサプリメントの続きを読むのが、楽しみだ」

晶華「NOVAちゃん、おかえり〜」

翔花「お仕事、おつかれさま〜」

ジュニア「お邪魔してますぅ」

NOVA「って、何で、お前たちがいるんだ?」

晶華「何でって、ここは私が管理する塔よ。コンパーニュでの魔法研鑽が一段落したから、帰って来たの。NOVAちゃんが迎えに来てくれないから、私たちだけでね」

NOVA「そうか。よく子どもたちだけで、転移門の操作ができたな。下手すると、次元の狭間に落ちて、迷子になっていたかもしれないのに」

翔花「転移門って、そんな危険な装置じゃないでしょ?」

NOVA「普通はな。だけど、たまに事故る時があるからな」

ジュニア「分かりますぅ。去年の秋に身をもって体験しましたからぁ」

NOVA「俺は〈光の杖〉にマーキングしているから、転移門の事故に遭っても、いつでもこの塔に戻って来れるが、お前たちはそうじゃないだろう。ヒノキ姐さんたちが一緒なら、変なところに飛ばされても、たいてい何とかするだろうが、子どもたちだけだとなあ」

翔花「NOVAちゃん、心配しすぎよ」

晶華「私とお姉ちゃんが揃っていれば、W花粉症ガールパワーで、どんな窮地も乗り越えてみせるわ」

NOVA「いや、お前たちは危なっかしいからな。ナビ機能の付いたケイPが一緒ならともかく、次元の迷子になったら帰って来れない可能性が少なからずある」

晶華「まず、事故らなければいい。ジュニア君が事故ったのは、ハイラスおじさんがいっしょだったからよ」

NOVA「そうだといいが、最近は転移事故の可能性が上がっているみたいだからなあ。とにかく、翔花たちは次に転移門を使うときは、必ずケイPをいっしょに連れて行け」

翔花「宇宙刑事ギャバンさんのコンバットスーツみたいに、わたしたちがどこにいても、ケイPちゃんが次元の彼方から転送されて来て、いつでもアーマー装着したりはできないの?」

NOVA「基本的に、お前たちがケイPと別行動で遠出することって、今までなかったからなあ。しかし、令和にギャバンが復活する以上は、ドゴランアーマーにも遠隔転装システムを採用すべき時かもしれん。ケイPを召喚できるような指輪か腕輪を作ってみるかな」

晶華「私はペンダントの方がいいなあ」

翔花「うん、首飾りみたいなデザインで、おしゃれな奴。こんな感じかな」↓

晶華「じゃあ、私はこういうのでお願い」↓

NOVA「ちょっと待て。こんないかにも高級そうなアクセサリーを要求するか? もっとシンプルな指輪や腕輪を想定していたんだが……」

晶華「誰か、そういうアクセサリー職人の知り合いはいない? NOVAちゃんに作れって言わないから。魔力をアイテムに込めることはできても、アイテムそのものをデザインする器用さはないでしょ?」

NOVA「確かにな。こんなのじゃダメか?」

翔花「そんな子どもの玩具みたいのじゃイヤ。今年はもう8歳なんだし、子どもじゃないんだから」

NOVA「子どもじゃねえか……とツッコミを入れようかと思ったが、花粉症ガールの誕生時の初期設定が14歳相当と言っていたから、それを考えると、今は22歳相当と考えることもできるんだな。分かった。お前たちはずいぶん成長した。だったら、お年玉はいらないな」

晶華「それとこれとは別。コンパーニュでは、お年玉代わりにポン菓子をもらったけど、ここではきちんとお年玉をもらうわ」

NOVA「8歳だと、1人1000円でどうだ?」

晶華「少ないわね。昭和時代ならともかく、今どきそれじゃ、ゲームブックの1冊も買えないわ。小学校低学年の相場はネット調べだと3000円だって」

NOVA「俺の調べだと、1000円から3000円とあるが、中学生は5000円、高校生は1万円というのが今の相場か。う〜む、俺のお年玉の記憶だと、小学生のときにもらったお年玉でプラモデル(合体できるゴッドシグマ。700円ぐらい)を買ったりしたが、一番大切な記憶は忘れもしない87年の正月。お年玉でD&Dの赤箱ベーシックセットと、青箱エキスパートセットを買ったんだな。それが、文庫のファイティング・ファンタジーRPG以外で、俺が買った初の本格的RPGだ。うん、お年玉は子どもたちの夢であり、それがその子の人生さえ決めることだってあるのは、俺の経験でよく分かる。あの時、D&Dを買わなければ、今の俺はなかったと言いきれる。ゴッドシグマのプラモはそれほど影響してないと思うけど」

晶華「で、いくらくれるの?」

NOVA「そうだな。いろいろ鑑みるに、今どきの小学生はその学年×1000円(最大5000円)をあげるのが良さそうだ。8歳だと、小学校3年生だから、3000円かあ。だったら、3人まとめて9000円、払ってやろう」

翔花「3人?」

NOVA「お前たちにお年玉をやって、いっしょにいるジュニア君にはやらないというのもなあ」

ジュニア「え? リウにもいただけるのですかぁ? 人生、初お年玉ですぅ」

NOVA「幸い、俺は先月、某ゲームブックを売って、少し潤っている。それぐらいなら、普通に払えるわけだ。『天空要塞アーロック』よ。お前の犠牲は、娘たちへのお年玉に変わった。安らかに眠ってくれ(涙目)」

晶華「泣くほどのこと?」

NOVA「まあ、せっかく全巻持ってたシリーズの最終巻を売ったわけだからな。それなりに感慨深いわけだよ。それはともかく、『ドゴランアーマー転装用のペンダント』な。すぐにとは言わないが、頑張って作ってみるわ。俺のマジックアイテム知識を活かしてな」

晶華「うん、マジックアイテムをどう作るかにも興味はあるので、私も手伝うわ」

翔花「そうね。自分のデザインしたアイテムだから(グロックさんにも手伝ってもらったけど)、自分でも手を入れたいものね」

NOVA「ああ。お前たちもマジックアイテム職人の技術を身につければ、それを活かした商売もできるかもしれんし、手に職をつけるのは重要だからな。で、今夜これから読もうと思っていたこれなんだが……」

晶華「それは……マジカル・コンパニオン? でも、本のタイトルはマジック・コンパニオンで間違ってない?」

NOVA「いや、商品名は『マジカル・コンパニオン』だが、2冊のAFFサプリのセットなんだ。1冊は魔法使い用の『マジック・コンパニオン』で、もう1冊は司祭用の『プリースト・コンパニオン』。ただし、前者は130ページあるのに対して、後者は60ページだけで、格差があるな。プリースト本は、この後『タイタンの神々』というサプリが用意されていて、そっちを合わせて、信仰関連は完璧になるんじゃないかと思われ」

翔花「それを今からここで研鑽すると言うの?」

NOVA「いや、これの研鑽はウルトロピカルのダイアンナがやりたいと言ってくれてな。俺がざっとチェックをした後、彼女のところに回すつもりだ。FFゲームブックのことは、ウルトロピカルがメインだからな」

晶華「……私も読んでいい?」

NOVA「お前はソーサリーの呪文(妖術)を勉強するのが優先だろう?」

晶華「でも、時空魔術師にして言霊魔術師のNOVAちゃんの娘、いや一番弟子として、目の前にある魔術書をスルーはできないじゃない?」

翔花「だったら、わたしも神霊候補として、プリースト本に興味はあるわ。リーブラ様の魔法とか」

NOVA「ああ、リーブラ様の司祭はAFF2版の基本ルールブックで普通に載っているから、サプリは必要ないぞ。まあ、司祭キャラをより強くする本ではあるんだが」

Wショーカ『とにかく、ウルトロピカルで研鑽を始める前に、私(わたし)たちも学んでおきたいの。AFFの魔法を』

NOVA(……娘たちをヒノキ姐さんのところに預けて正解だったようだな。見事に、向学心に火をつけてくれた。問題は、俺自身の睡眠時間をどう確保するかだが……)

 

タイタンの魔法体系

 

NOVA「まず、ファンタジーTRPGにはそのシステムや世界観ごとの魔法体系があるのは知ってるな。広義の意味で、そこには信仰体系も含まれるが。魔法と信仰は、世界観によっては対立関係だったり、不可分なほどに密接だったりする。最初のD&Dは、魔術師系と信仰系の2つのクラス(職業)を用意して、以降のRPGの基本になったが、次のT&Tは当初、僧侶系がいなくて、戦士と魔法使いだけだったし(後から、基本ルールに魔法を使える盗賊と、より上級の魔法戦士が追加されたが、僧侶系の追加はサプリメントに回された)、信仰系は魔法使いの1ジャンルとして扱われたり、逆に全ての魔法を神々の教団が管理する世界だってあるし、魔法と信仰の関係は、それこそ多彩だ」

晶華「でも、大多数は、魔術師と神官は別扱いよね」

NOVA「神官の役割は、D&Dでは回復と防御魔法の専門家として、冒険者パーティーに欠かせない位置づけになっているが、タイタンの世界では魔法使いも普通に回復呪文が使えるので、神官という役割にスポットが当たる機会は少なかった。これはリビングストンの展開したアランシアが、西洋中世よりも文明が退化した傾向があって、魔術師はいるが、信仰系キャラが原始部族のシャーマンだったり、敵の邪神官だったりで、神の奇跡よりも呪術というイメージで、特に信仰団体という権力が描かれなかった点も大きい」

翔花「でも、ソーサリーには女神リーブラ様がいるよね」

NOVA「元々は、アナランド限定の地方神程度の扱いだったようだが、主人公はアナランドを旅立ち、異郷へと赴く。当然、外の世界ではリーブラを信じている人間は稀で、リーブラ以外の神を信じているキャラと時々出会ったりしながら、異国の風俗なんかを実感したりもする。例えば、カーレの街を脱出する際にも、神さまの名前が手がかりになったりもするし、場合によると冒険を進めるためにリーブラからの改宗を迫られるイベントだってある」

晶華「つまり、信仰系のイベントがたびたびあるってことね」

NOVA「そもそも、ヒロイックファンタジーというジャンルが、『剣と魔法』と称されるように、信仰関連は魔法の副次的な背景要素でしかなかったんだよな。ギリシャや北欧などの神話群、それにキリスト教に帰依したアーサー王の話ならともかく、ゲームの世界で信仰活動を描くことに対する遠慮みたいなものもあったと思う。D&Dは倒すべきモンスターとして、悪魔を描き、悪魔を統べる邪神を登場させはしたものの、プレイヤー側が奉じる味方の神については割と曖昧に扱ってきた過去がある。

「FFシリーズも元が『D&Dの入門書』という企画原案からスタートしたので、神々についても初期D&Dと同じスタンスをとった。つまり、迷信深い未開人や、トカゲ人みたいな異種族が奉じる原始的な神はフレーバーとして登場するけど、味方の教団みたいな社会システムに関わる要素は描かない。だけど、それに対してルーンクエストという次世代のゲームが、神々の擬似神話に基づく世界観を提示して、それがリアルっぽいと持て囃されたのが70年代後半から80年代前半にかけて」

晶華「ルーンクエストの影響、恐るべしってところね」

NOVA「俺の持ってるルーンクエストは古いバージョンだけどな」

NOVA「ルーンクエストの奥深い世界観に踏み込むつもりはないが、とにかくルーンクエストがファンタジー世界における神々の存在を強く印象づけたせいで、『神々を設定したのがリアルなファンタジー世界の物語』『神々に無頓着なのが、ただのゲームでリアリティに欠ける世界』という風潮が当時のアメリカのゲーム界に浸透する。そこで、D&Dにも神々の設定を……という意見が80年代に寄せられて、ドラゴンランスフォーゴトン・レルムに発展する」

翔花「その話は、コンパーニュで聞いたわ」

NOVA「そうか。一方の日本は、神々をゲームで本格的に扱う文化が根付いていなくて、最初のファンタジーRPGの『ローズtoロード』は、精霊の王みたいなイメージで神を扱っている。まあ、当時は精霊といっても、イメージがはっきりしていなかったんだが、唯一絶対の神を扱うと話がややこしくなるのはD&Dの前例もあるので、その辺はフワフワした曖昧な設定の方が、過剰なリアリティよりも優先されたんだな」

晶華「『ローズtoロード』の世界はユルセルームというそうね」

NOVA「ユルセルームの神々は、スィーラ(守護大神)と呼ばれて、魔法を使う際のパワーソースにも影響するなど、ルーンクエストのルーンにも似たイメージだけど、あまり擬人化した神話を持っていない感じだな。どちらかと言えば、『指輪物語』の神々(ヴァラール。女性形はヴァリエール)に近い存在で、それぞれが地上の事物の創造神なんだけど、唯一無二ではなくて、例えば『風の主』『水の主』といった自然現象を司ったりして、人々にとっては身近な諸力なんだけど、人の手には届かない象徴めいた存在だったりする」

翔花「本来、神さまってそんな感じじゃないの?」

NOVA「ルーンクエスト以外に、80年代にゲームの設定資料方面でメジャーになった架空神話だと、『クトゥルフ神話』『指輪物語のミドルアース神話(シルマリルの物語など)』があって、ギリシャや北欧、ケルトなどの古典的神話とともに、20世紀になって生まれた創作ながら、緻密な設定考証や研究が為されているなあ」

晶華「少し話を広げすぎている気がするので、タイタンに話を戻しましょう」

NOVA「あ、ああ。タイタン世界の神々は、83年〜85年の『ソーサリー』4部作で、スティーブ・ジャクソンが断片的に紡ぎ上げた後、86年のワールドガイド『タイタン』で、その神話が初めて体系化される。また、シナリオ集『謎かけ盗賊』で同じ86年に暗躍するヴィランである謎かけ盗賊(リドリング・リーヴァー)がトリックスターの神ロガーンのエージェントだったり、だったらロガーンは邪神かと言えば、人間を創造した中立神だったりで、その立ち位置が他のファンタジー神話群と比べても独特で面白い」

翔花「NOVAちゃんは、ロガーンが好きみたいね」

NOVA「いや、好きというか、ゲームブックで物語をつなげるのに便利だなあ、と思っている。『謎かけ盗賊』も、シナリオ集では悪役なのに、FFゲームブック32巻『奈落の帝王』(1988、邦訳は90年)では、主人公を助けてくれる存在。立ち位置としては、ロードスの灰色の魔女カーラに近いなあ、と思いながら、もっとコミカルで、北欧神話のロキみたいなイメージだな」

晶華「ジャクソンさんの小説では、ロガーンさんが神々のゲームでゲームマスターを担当しているそうね」

NOVA「『トロール牙峠戦争』だな。1989年に出版されたが、邦訳は2021年という。そして、2022年に出版されたジャクソン最新ゲームブック『サラモニスの秘密』(邦訳は2024)でも、リーブラの信徒と、ロガーンの神殿が登場して、アランシアのサラモニスの街でも普通に信仰されていることが判明した」

翔花「あれ? 普通に信仰されていなかったの?」

NOVA「ゲームブックの登場作品が、リーブラは旧世界だけだったし、ロガーンは南アランシアだけで、アランシアの中心地域ではなかったんだよ。まあ、AFF2版(2011、邦訳は2018)では、その2柱の神の司祭を作れるようになっていたんだが(それまでの版では神の使徒のルールはなかった)、TRPGの設定とゲームブックの物語は別物って考えたりもしていた」

晶華「どうして?」

NOVA「作った人が別人だから。これまで、ファイティング・ファンタジーRPGは3種類あって、だんだん発展している。順に追っていくと、以下の通り」

 

  • スティーブ・ジャクソンのFFRPG(1984。邦訳は85年末。最近、情報を教えてくれる人がいて確定した):ルールはシンプルで、FFゲームブックそのまま。魔法も使えない。ダンジョン探検シナリオ『願いの井戸』と『シャグラッドの危険な迷路』が付属。
  • モンスター事典(1985。邦訳は86年):FFシリーズ用のモンスター集。
  • 謎かけ盗賊(1986。邦訳は90年):FFRPGのキャンペーンシナリオ。魔法ルールを追加。
  • タイタン(1986。邦訳は90年):FFシリーズのワールドガイド。アランシア、旧世界、クールの地理紹介と、世界の創造神話、各種族や有名人物の背景情報など、ゲームブックの副読本、あるいはTRPGの資料として重要な本。
  • アドバンストFF(1989。邦訳は90年):『ダンジョニア』の別名も持つAFF1版。魔法ルールや技能ルールも付いた本格的なRPG。ただし、宗教ルールは未実装。
  • タンタロンの立方体(91年):日本オリジナルのAFFシナリオ集。
  • タイタンふたたび(91年):日本オリジナルのAFFリプレイ。

 

NOVA「ここまでが、社会思想社で出版された本だ(最初のFFRPGだけは、ソーサリーつながりで東京創元社だけど)。イギリス本国では、その後、2つのサプリメント『ブラックサンド』(1990)と『アランシア』(1994)が出たけど、日本語に訳されることはなかった」

晶華「つまり、その時点でオワコン扱いになったのね」

NOVA「ああ、残念ながらな。FFゲームブック自体、本国では1995年に59作めで終了。それから世紀明けの2002年から2012年まで復刻および続巻が出て、累計65巻まで続いたんだが、またも中断。その復刻期に、日本でも一部の復刻バージョンやD20シナリオバージョンが刊行されたんだが、再びFFゲームブックは眠りについた。ただ、FFゲームブックが2度めの眠りに就く直前に、TRPGのAFF2版が誕生したんだ」

ジュニア「2011年ってことは、15年も前のゲームですねぇ」

NOVA「日本語に訳されたのは、2018年だ」

翔花「わたしたちが生まれた年!」

NOVA「そういうことになるのか。ところで、晶華。お前はいかにも初心者面しているが、実は『ソーサリー』の経験者だったんだな」

翔花「え、アキちゃん、そうなの?」

晶華「実は……そうなのよ」

NOVA「この時にプレイしていたんだな」

晶華「まあ、じっさいには、サイコロを振らずに、分岐小説みたいに読んでただけだし、もう6年以上も前に1回かじっただけだから、細かいことは大分、忘れたわ。新鮮な気分で、再プレイするつもりよ」

NOVA「じゃあ、改めてマジカル・コンパニオンの話を……って、げっ、もうこんな時間かよ。明日の朝に備えて、もう寝ないと。お前たちも、夜は遅い。子どもは寝る時間だ。続きは明日にしよう」

晶華「ええっ? じゃあ、せめてAFF2版のルールブックを貸して。NOVAちゃんが仕事に行っている間に読んで、勉強しておくから」

NOVA「分かった。じゃあ、また明日だ」

(当記事 完)