すべてを書き終えての後書き
>「彼女が聖女か魔女かを決めるのは、あなた次第よ」とルビーKは言っている。
この一文できれいに終わった、と思った。
書き終えた直後は。
でも、後から読み直して、ところどころ誤字を直したり(「招来」を将来と書いていたのを訂正するとか)、分かりにくい表現を手直ししたり、長くなっていた一文を切りとってテンポ良くしたり、いわゆる推敲作業を施してから、この文章を書いています。
もしも、前の一文で終わっているED3を読んだ方は、その後に数行書き足しているのが改稿済みバージョンですので、エピローグ部分を読み直していただくと嬉しいです。
さて、長々と後日譚を書いてから、なおも補足したくなる長文野郎の後書きです。
主人公のマシロンは現役戦隊の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』の追加戦士ゴジュウポーラーを元ネタに、救世主とか、先代と2代めとか、あからさまなパロディネタを引用しつつ、
原作ゲームブックの「フラットランドの田舎者の未熟な獣使いが、亡き師匠の遺命に従って、三つの暗黒退治を頑張る」という根幹設定を基盤としながら、
それが敵のラスボス妖魔ヴァンデミアの《魂変換》の能力で、少女アムの体になってしまったアナザーエンドのその後を描きたくなった、というか、いろいろと後始末の妄想が種々の可能性とともに湧き上がった、というか、とにかく山本弘さんの遺した物語を自分なりに補完した次第です。
書きたかったテーマは大きく3つ。
- 少女になった主人公と、親友ザックの関係性
- 原作ゲームブックで放置された、本来のアムの顛末
- 石化した主人公の肉体に封じ込められたヴァンデミアとの決着
わざわざマルチエンディングの形にしたのは、読者が好きな展開を選んで欲しい、ということですね。
もちろん、たった一つの最適解は、サークレット入手のトゥルーエンドです。パラグラフ600番が最もきれいな終わり方なので、
アナザーエンドから始まる物語は、そこに到達できなかった主人公がそれでも前向きに事態を受け止めるものの、結局、悪堕ちしたり、獣落ちしたり、魔女か聖女かどっちでしょう? って、いろいろな形のハッピーエンドにたどり着く話です。
うん、悪堕ちでもハッピーにつながるのがいいな、と考える性癖の持ち主ですが、熱血王道ヒーロー譚をプロッティングしても、何故か悪堕ちに筆が運んでしまう病気を自覚してしまいました(苦笑)。
エンディング1
エンディング1は、正統派悪堕ち譚と申しましょうか。
うん、アムとなった主人公がその体を本来の持ち主に返そうと健気に頑張るのですけど、ヴァンデミア様に密かに調教済みの魔姫アム様の罠にハマって、魔獣化してしまって、女王さまに忠実なペットに変えられて、敵側勝利エンドに至る、と。
主人公にとっては悪堕ち敗北エンドですが、裏視点だと「魔姫アム様と下僕エンド」というご褒美です。これが書きたかった(笑)。
エンディング2
エンディング2は、ヒーロー勝利の王道エンドを想定していました。
エンディング1で、主人公の犯した失敗を修復する流れで途中までたどっていたのに、結果的には「ヒロイン勝利の王道エンド」になってしまいました。これが自分的には一番想定外の話です。
主人公は頑張って、アム様を元の清らかな聖女にお救い申し上げるのですが、自分は魔獣化してしまって、おバカな妖魔の犬コロモードに(苦笑)。
ええと、プロット段階では、救世主パワーで正気を保てるはずだったのですが、書いてるうちに犬の呪縛から離れられなくなって、しかも導いてくれる魔姫アム様がいないものだから、ヴァンデミア様の直属の部下に。
しかし、ここで一つの学びが。
視点キャラがおバカになると、ストーリーが到底、シリアスを維持できないことに。恐ろしいボスキャラだったはずの妖魔王まで、おバカなラスボスとなって「浴場で欲情大作戦」なんて妄言を言い出した挙句、主人公ともども光臨した魔法聖女にまとめて浄化されるという、想定外の無理やり風呂敷をたたむ展開に。
まあ、見方を変えれば、主人公がラスボスを巻き込んで、「自分ごとこいつをやっつけるんだ」的な格好いい自己犠牲を遂げた……と思ったら、ご都合主義で実は生きていた。
元の体に戻ってハッピーな余生を送って、ケモナー万歳エンドになるわけですが。
書きたかった話とは異なるものの、書きたかった話よりも面白く楽しめたので、これはこれで悪くないな、と思っています。

GROKさんの画像生成で、この「魔法聖女ファンネリア」が生み出されたときは、イメージのハマりように感動しましたよ。
指定ワードは「魔法聖女ファンネリア。金髪。ネコ耳。アイマスク。衣装は白と紫のカラーリング。天秤の形をした杖、サイコロの意匠」だったかな。
サイコロは天秤とセットのつもりだったけど、打ち間違えて、「サイコロの衣装」とミスったのがこんなデザインになったのですが、アイマスク部分がいかにもタヌキのルビーK要素も取り込んでいて、これ以上のイメージどおりの絵は出て来なかったということで、こっちに確定。
なお、没イラストのうちで、次点はこっちです↓

天秤の上にサイコロが乗っていたのですが、何度か修正しているうちに消えちゃった。
そもそも、アイマスクはどこに行った?
まあ、これはこれで可愛いので、この機会に載せておきます。
また、グロックさんに頼んで、「魔法聖女ファンネリア」の設定を作ってもらったら、こんなのが出て来ました。
### 魔法聖女ファンネリアのキャラクターコンセプト
ユーザーのクエリに基づいて、指定された詳細(金髪、ネコ耳、アイマスク、白と紫のカラーリングの衣装、天秤の形をした杖、サイコロの意匠)を反映したオリジナルキャラクター「魔法聖女ファンネリア」をデザイン・説明します。これはファンタジーRPGやアニメ風の設定を想定したものです。既存の作品やゲーム(例: ファイナルファンタジーシリーズや魔法少女もの)との類似点が見つかりませんでしたが、これらの要素を統合して魅力的なキャラクターを作成しました。
#### 基本プロフィール
- **名前**: ファンネリア (Fanneria) – 「魔法聖女」の称号を持つ、運命と魔法を操る神秘的な存在。名前の由来は「fate(運命)」と「annular(輪のような均衡)」を連想させる。
- **種族/属性**: 猫耳を持つ人間種の魔法使い。猫の敏捷さと神秘性を併せ持ち、聖なる力で正義を司る。
- **役割**: 魔法聖女として、運命の均衡を保つ役割を担う。戦闘ではサポート型の魔法使いで、味方の運命を操り、敵の確率的な攻撃を逆手に取る。
- **外見の特徴**:
- **髪**: 金髪のロングヘア。柔らかく波打つウェーブがかかり、光を反射して輝く。聖女らしい神聖さを強調。
- **耳**: ネコ耳。ふわふわとした白い毛で覆われ、感情に合わせてピクピク動く。猫のような好奇心と鋭い感覚を象徴。
- **目/アイマスク**: 目を覆うアイマスクを着用。紫色の布地で、天秤の模様が刺繍されている。視界を制限する代わりに、魔法で運命の流れを「見る」能力を高める。実際の目は金色の瞳で、神秘的。
- **衣装**: 白と紫のカラーリングを基調としたローブ風ドレス。白いベースに紫のアクセント(リボン、縁取り、宝石)が施され、エレガントで神聖な印象。スカート部分はフリルが多く、動きやすいデザイン。ネコ耳にマッチする猫尾のような飾りも付く。
- **アクセサリー/意匠**: 全体にサイコロのモチーフが散りばめられ、運や確率を表す。例: 衣装のボタンやベルトにサイコロ型のチャーム。杖の先端にもサイコロが回転するエフェクト。#### 装備と能力
- **杖**: 天秤の形をした魔法杖「Libra Dice」。天秤の皿部分にサイコロが乗っており、魔法発動時にサイコロが転がってランダム効果を生む。杖の柄は紫水晶ででき、白い羽根の飾りが付く。
- **能力例**:
- **均衡の魔法 (Balance Spell)**: 天秤を振るって味方と敵のステータスを均衡化。運の良いサイコロの目が出れば、味方の攻撃力がアップ。
- **運命のサイコロ (Fate Dice)**: サイコロを転がす召喚魔法。出目によって効果が変わる(例: 1-2: 防御ダウン、3-4: ランダムダメージ、5-6: クリティカルヒット)。
- **聖猫の加護 (Holy Cat Blessing)**: ネコ耳を活かした敏捷魔法。アイマスク越しに敵の弱点を予知し、回避率を上げる。#### バックストーリー
ファンネリアは、運命の神殿で生まれた魔法聖女。金髪とネコ耳は神の祝福の証で、幼少期から天秤の杖を授かり、サイコロの意匠を通じて世界の「確率と均衡」を司る役割を負う。アイマスクは、過度な視覚情報から心を守るためのものだが、彼女の直感を鋭くする。白と紫の衣装は純粋さと神秘を表し、冒険の中で仲間と出会い、乱れた運命を正す旅に出る。性格は好奇心旺盛で猫のように気まぐれだが、聖女らしい優しさを持つ。
再度、画像生成すると、こんな感じですが、似て非なるキャラですね。

指定していないのに、アイマスクが偶然、タヌキ風味になった本編採用イラストは、ちょっとした奇跡だと思います。
ともあれ、エンド2は「前半がマジメなヒーロー成長譚を志向していたら、儀式の後で、どんでん返しが起こって、コミカル陽性な転がり方をして、書き手の暴走が極まった話」と思ってます。
でも、聖女アム様と、魔法聖女ファンネリアが読めるのは、ここだけという。
プロットどおりに書いたら、「マシロンとルビーKが石破ラブラブ天驚拳もどきの技で、ヴァンデミアを追い払った後、改めてケイベシュの地下で再度戦う」というテンポの悪い話になるはずだったし、
もう、コミカルに流れてしまったら、突然、魔法聖女が現れて、いろいろ物理法則を無視して、浄化の光で(雑に)ハマカイさんの塔からケイベシュの地下の玉座の間まで、主人公の魂をぶっ飛ばしてもノリとして問題ないな、と勢いがついてしまったので。
結果的に、最も異色作になったと思う。
エンディング3
エンディング1は悪が勝ち、エンディング2は善が勝ち、エンディング3は……1と2で書き足りなかった要素を混ぜて、残り物みたいなネタで書こうと思ってました。
結末は、マシロンとアムの人生の入れ替えで、そこは予定どおり。
予定と違うのは、結局、最後の最後でマシロン(アム)が、「ゴンチョン召喚」という邪術に手を染め、魔女堕ちしてしまうという。
これは自分でも、愕然としましたよ。
俺はそこまで主人公を悪堕ちさせたいのかよ〜と。
まあ、獣人アム姉さんの2度に渡る裏切りは、プロットどおり。
1度正気に戻ったはずのキャラが、もう一度、裏切ったりすると、どこかの竜騎士みたいで衝撃大きいよねえ。
あとは3つのエンディングで唯一、クライマックスのバトルをきちんと描いた内容です。
エンド1は儀式で悪堕ちした魔女2人がザックを裏切って、バトルにならなかったし、
エンド2は魔法聖女が出現した直後にバトルが終了してしまった。
せっかく、〈魂保護薬〉をわざわざ作ったハマカイさんの苦労が水の泡ってことで、本編でメタ的に愚痴らせてみたり。
で、エンド3で、ようやくバトルです。
ヴァンデミアの相手は、ザックのお仕事。ゲームブック本編では、主人公が活躍したので、こちらではザックにラスボス退治の大仕事を担ってもらいました。
代わりに主人公は、自分の肉体を使う悪堕ちアムさんとのバトル。まあ、まともにやり合ったら、能力値の差異が大きくて勝負にならないわけですが、召喚獣や精霊を駆使して戦う主人公というゲームブックへのオマージュをたっぷり考えたバトルです。
大ムカデに怯えるアムさんとか、金貨30枚で購入した『大地の書』とか、最後のゴンチョンも含めて、ゲームブックからの引用をいろいろと。
まあ、ゴンチョンは知性を持つから召喚対象の獣には含まれないのでは? という意見もありますが、その辺は「暗黒パワーで支配力が強化された」と解釈します。
少なくとも、第2部では〈闇の精〉がゴンチョンを使ってラガート将軍を洗脳していたし、敵にできることだったら、暗黒ナンバーワンに堕ちた主人公ができても問題ないよね。
いや、倫理的には問題ありまくりなんですけど、その辺は『ゴブリンスレイヤー』で女神官さんが「水浄化の奇跡で、相手の血液を真水に変えて命を奪いかける禁じ手を使って、女神に怒られる」というエピソードもあって、マシロンも相当リーブラ様に怒られたんじゃないかなあ、と想像してみる。
で、エピローグでは、視点キャラをフェイント的に切り替えて、先代マシロンから2代めによる救世主継承という形での幕引きですが、
リーブラの聖女だったマシロン改めアムが、今もリーブラの聖女でいられるのか、それとも暗黒の魔女として偽りの聖女に堕ちてしまったのかは、あいまいに終わっています。
それを決めるのは「あなた次第よ」という「あなた」とは、2代めマシロンだけでなく、この話を読んだ読者さん自身をも意図的に指しております。
結末を曖昧にして読者の解釈や想像に委ねる物語を「リドル・ストーリー」と言うそうですが、ここでもそういうオチを選択しました。
当初のプロットは、マシロンが普通に聖女のままで、彼の視点で「心が壊れたアムさんが死にたがるのを止めるために、ルビーKを保護者にして、自分の代わりのマシロンとして世界を旅して、1年後ぐらいに帰って来てとでも言って、ザックと2人で、アリオン市の港から船で旅立つ2代めを見送るエンド」のイメージでした。
ヴァンデミアへの歪んだ愛情と、2度の裏切りへの自責の念でもはや壊れきったアムさんを見て、主人公が「今のままだと、アムさんに体を返しても、彼女が世をはかなんで自殺してしまう。それを避けるために、自分の救世主の役割を背負わせて、生きる目的を与えて再出発させるしかない」と判断して、1年後に帰ってきたアムさんが肉体を返して欲しいと言ったら返す、もしもマシロンのままで生き続けたいと言ったら2人の人生を入れ替えるようにしよう的なことを考える結末を想像。
これが最初の案だったのですが、書いているうちに、「ゴンチョン召喚」というネタが思い浮かんで、まさかの主人公が最後の最後で闇堕ちかよ、という結末に。
闇堕ち主人公を視点キャラにしたエピローグも考えて、その内容はほぼエンド1と同様で、魔女と化した主人公によるアシュカイオス魔都化計画を企てながら、ザックを籠絡、心が壊れたアムを催眠で操り人形にして、偽りの救世主として旅立たせるという、なかなか陰惨な終わり方なんですが、最後の最後でそれだと救いがなさすぎるな、と。
主人公視点だと、「優しい嘘で善意の主人公」と「魔女化した悪堕ち主人公」のどちらかしか描けない。後者は話が暗くなるけど、ゴンチョン召喚というアイデアは使いたい。どうすればいいかな? と考えて、
アムさんを2代めマシロンにするなら、彼女の視点で締めくくればいいな、と思いついて、本編の結末になりました。
アムさんも壊れたけど、主人公も何だか壊れてしまった。だけど、2人の人生を交換することで互いの人生をやり直せるという流れで、後はアムさん(2代めマシロン)視点で、「優しい嘘」か「本当に魔女堕ち」なのか、果たしてどっちなんだろう? と曖昧にボカす形で幕。
で、前述のルビーKの言葉で終わるのがいいかな、と書き上がりで思ったのですが、後から読み返して、どうも尻切れトンボみたいな物足りなさが否めない。
だから、蛇足ながら、2代めマシロンの善意寄りの心情で締めくくる形が、自分的にスッキリ終われるかな、と結末追加した次第です。
この後は、アシュカイオスに帰ってきた2代めマシロンが、幸せな日常生活を送るザックとアムの姿を見て、再会を喜ぶハッピーエンドか、
やはり魔女堕ちして堕落した主人公を見て、救世主として先代の悪行を止めなければとの想いで対決する壮絶なバッドエンドか、
対決しようとするも、主人公によって、心の中に封じられていた魔女の魂を甦らされ、くっ殺から「やはり悪の誘惑には勝てなかったよ」という即堕ちコンボを見せる連鎖堕ちハッピーエンド。
以上3通りの可能性まで想像妄想している次第ですが、それこそ蛇足だと思ってますので、どれがいいかは読者の判断にお任せします。
書こうと思えば、どれでも書けると思うけど、それで面白いストーリーにできる自信がないので、今のままの曖昧さが余韻もあっていいかな、と。
いずれにせよ、アナザーエンド後日譚は、いろいろなアムさんを描けて楽しめた作品なので、最後が2代めマシロンになったアムさん視点で締めくくれたのも予定調和かな、と生まれた作品を好ましく思っています。
どのエンディングも甲乙つけ難い、と作者は考えているってことで。
ザックについて
原作ゲームブックでは、女性化した主人公が心は男性のままなので、ザックに愛情の熱視線を向けられるのを「べつの意味での大きな試練」とネガティブに締めくくられています。
この辺は割と昭和の価値観かな、と思います。
男に恋愛対象として言い寄られる男……というのがキモい、とかゾッとするというのが一般的な価値観でしょうね。
でも、平成を経て令和では、BLとか男の娘、TS(性転換)という概念が(フィクションでは)一般化してますし(個人の好みは当然ありますが)、ザックX主人公という路線は割とありだろう、と自分は受け止めております。
まあ、現実に男に言い寄られてゾッとする体験を数度は持っている人間なので、リアルではなかなかトラウマものですが、趣味妄想の類では、女同士、男にかしずく女、逆に女王さま(あるいはワガママお嬢さま)に犬扱いされる男は、楽しめるクチですね。
ただし、男X男はダメ。
だから、主人公がザックさんと友情を越えたお付き合いをしようと思えば、女の子に変わってもらう必要があって、そうなると男なのに女の子の意識が侵食して来て、心キュンキュンしてしまう自分に戸惑う主人公……というのが本作の分岐前ですが、
その後はアム姉さんとかルビーKとの関係性、場合によってはヴァンデミア様に寝取られてしまったりして、ザックの出番が減ったな、と。
まあ、どのルートをとっても、ザックとアムが結ばれることは確定ですが(中身がいろいろ変質したりもするものの)、
ザックはブレずに格好いい陽性キャラとして、ゲームブック段階でほぼ完成してしまっているので、2次創作ではイジりようがないんですね(下手にイジると劣化するだけ)。
ただ、主人公との相棒感、主人公を守ろうとする誠意とか義理人情の部分は原作の再現を試みて、最後にラスボス退治の大役を任せることにもなった、と。
個人的に、ザックは男の目から見て格好いい男で、良い友人になりたいキャラですね。
抱かれたいとは思わないけど(苦笑)。だから濡れ場はまったくない。
主人公とザックの関係性は、ピュアで爛れていない、健全なお付き合いが良くて、要所要所で主人公が最初に、助けて、と思い浮かべるのがザックだ、と。
ただ、魔法関連のことには全く相談しようがないので、ザック抜きで話を進めることになりがちなのが後半部。
なお、主人公がザックへの想いを一番、表明したのが、エンド1のエピローグだと考えます。
自分の肉体に封じられたかつての親友に倒錯的な執着を示す、歪められた主人公の語りは、描いていてゾクゾクものでした。
エンド2では、出番が極端に減ってしまったので、エンド3で見せ場を与えたわけで、本当はザックVSヴァンデミアの一騎討ちももっとたっぷり描きたかったんだけど、主人公視点ではずっと観戦モードになるわけにもいかず。
主人公が気づくと、ザックはすでにラスボスを仕留めていました。さすがはザック、すごいよザック、そこに痺れる憧れる……というのが作者の考えです。
ハマカイさんについて
吾輩はハマカイである。名前はまだない。
ということで、ハマカイは種族名であって、固有名詞ではありません。サイトマスターのトマス軍曹みたいに、固有名詞を付けようかな、とも思いましたが、たぶん、非常に長い名前になりそうだな、と考えて断念。
禁呪の巻き物を作ったり、〈魂保護薬〉を作ったり、非常に面倒見のいいお方ですね。まあ、これも主人公がいろいろパズルを解いて、知恵を示したおかげですが。
こういう知識の専門家キャラは、ゲームシナリオでも小説でも非常に重宝します。世間知はあまりなくて、人情の機微とかには疎いのですが、塔の地下1階に男女別の浴場を作ったりして、物語的には大貢献しました。
女性キャラ同士の裸のコミュニケーションとか、暗躍密談とか、戦場に変わったりとか、もう何かといえば、浴場が舞台になるのはどうなのよ? と思いつつ、
男湯でザックと気さくなお喋りをしているハマカイさんも見てみたい。
「ところで、剣士よ。今度、アシュカイオスの市場に買い物に行きたいのだが、護衛に付き合ってくれんかのう?」
「おっさんが街に来るのか。何が欲しいんだ?」
「最近は客が増えたからな。食材も補充しなければならんし、ポーションの材料も必要。それに、久々に街の魔法古物商に寄って、掘り出し物がないか見てみたくなった」
「飯の材料は大事だな。俺たちが来るまでは、どうしていたんだよ?」
「わし1人なら、魔法で糧食ぐらいは作れるが、いささか味気ないからのう。最近は、獣人娘が外で狩りに出たりもするから、肉類は充実しておるが、野菜や果物が不足しておる。まとめ買いして、冷凍保管庫に入れてあるのも、そろそろ尽きかけて来たからな」
「分かった。おっさんには世話になりっぱなしだからな。買い物の付き合いぐらい、お安いご用だ」
ここまで書いて、オチが思いつかないけど、実は「料理研究家だったハマカイさん」とか、「馴染みの交易商人のお爺さんがいて、いつも配達をお願いしていたんだけど、最近、寄る年波で爺さんも塔まで来れなくなったので、どうしようかな、と考えていたときにザックが現れて、交易商人の婿養子になるかもという話を聞いて、今後の配達をお願いしようかと考えてる最中」とか、「案外、アシュカイオスのポーション屋に伝手があって、納品しているハマカイさん」とか、彼なりのライフスタイルを想像してみたり。
なお、このハマカイという種族は、FF26巻『甦る妖術使い』が初出で、近年の『サラモニスの秘密』でもノレス・ジャナゲンという名前の個体が登場しましたが、なかなかレアな種族ですね。
よって、本作で登場したのは、当時の山本さんがかなり先見の明を持っていたことの現れだと思っております。一応、『モンスター事典』とか、一部のFFサプリには見られるのですが、他の作品では見られないマニアックな種族です。
また、『トロール牙峠戦争』の続編小説で、ヴァルパ・ハーツファイアという個体が登場して、主人公のチャダ・ダークメインやヤズトロモさんをサポートして、デーモン退治の助力をしていたそうですが、未訳小説ですからねえ。
ともあれ、「ハマカイ、FF」で検索すると、うちの『暗黒の三つの顔』記事と、『サラモニスの秘密』攻略記事が上位に上がって来るほど、マイナーな種族ですね(他には他所の『甦る妖術使い』攻略記事ぐらい)。
ということで、この機に、ハマカイをプッシュしているNOVAでした。
今後のスケジュール
ともあれ、3ヶ月ほど続けた『暗黒の三つの顔』記事も、これで終わりです。
まさか、攻略に留まらず、後日譚小説を書いてしまうとは我ながら思いもよらず。
本当に、アナザーエンドのインパクトは大きかったということですね。
他には、ケイベシュ地下の酒場の首酒ネタが、後に友野さんの『妖魔夜行』作品の短編小説ネタに流用されたり、
本作の入れ替わりネタに絡めて、それを流用したっぽい山本さんのクトゥルフ系ゲームブックを発見したり(未読)、
いろいろ故人の追悼気分にも浸りながら、書いてきた記事でもあります。
改めて、冥福を祈ったりもしつつ、いろいろと面白い作品を書いてくれたり、紹介してくれたことへの、ファンとしての感謝の想いは尽きませんね。
さて、ここでの今後のスケジュールですが、まずはスパロボ記事ですね。
DDが6周年ってことで、そちらの記事を書きつつ(ダイモスとズゴックがトピックだ)、スパロボYもまもなく発売。
そちらは、すぐには手が出ないだろうと思いつつ、ゴジラとかDLCの風都探偵とか気になります。
しばらく、コンパーニュは放置気味でしたが(ヒノキ姐さん、すみません)、シロ君をそちらに帰還させたり、いろいろと記事書きしたくも。
ウルトロピカルの方は、『火吹山の魔法使いの伝説』の方が、未プレイ読了したので、これで一応、FFコレクション5の収録作品はすべてチェック終了、と。
ストーリーの大筋だけでも、感想を書きたいと思います。
で、こちらの方が、年内に『ソーサリー』開始、と公約しているものの、さすがにすぐには手が出せない状態ですね。
しばし、『暗黒の三つの顔』を完結させた余韻に浸りつつ、何を書いても悪堕ちになってしまう手癖、思考癖を修復しないと(苦笑)。
自分の思考回路が、暗黒に染まっているのを浄化しないといけませんな。
たぶん、夏休みの仕事疲れの影響でしょうね。
秋には、いろいろと切り替えていきたいです。
(当記事 完)

