Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

松本零士アニメの思い出話2

宇宙の海は果てしない憧れさ

 

NOVA「松本零士さんの逝去の報に絡めて、幼少期の松本アニメの思い出を中心に語ってみたが、やはりヤマトが大変だったな。軽く語るつもりが、いろいろ感情がこみ上げてきて、しっちゃかめっちゃかで錯綜してしまったが、ヤマトのシリーズってのも、同じようなものだからまあいいかって」

晶華「同じようなものって、『いろいろな感情がこみ上げてきて、しっちゃかめっちゃか』って部分?」

翔花「つまり、ヤマトさんってドンブラ脳?」

NOVA「そういうとらえ方をするのは、お前だけだ。さすがに俺もヤマトとドンブラをつなげる発想はねえ。……って言うか、つながるのか? しっちゃかめっちゃか以外で?」

翔花「そんなの、わたしが知るか。それを考えるのはNOVAちゃんの仕事よ」

NOVA「俺の仕事じゃねえ。よけいな仕事を増やすな。今は、松本王道のハーロックを語る時だ。そう、我が青春のアルカディアだ。君が気に入ったなら、この船に乗れ、だ。乗りたいなあ、アルカディア号」

晶華「あれ? アルカディア号って、そういうデザインだっけ? 私のイメージは緑で、ドクロのマークが目立ってたような」

NOVA「それは、こんな感じだな。映画の999で登場して、後のスタンダードになったバージョン」

NOVA「俺の好きなアルカディア号は、もっと未来感あふれるシャープな流線型ラインと、ブルーのカラーリングだったんだが」

NOVA「緑の艦首ドクロの改変型は、子ども心にはロマンが伝わらなかったんだが、無限軌道SSXを見る頃には、その厨二病っぷりロマンが理解できるようになったな」

NOVA「最初のハーロックは78年で、俺が7歳あたり。この78年という年は松本アニメの超当たり年で、『ハーロック』『スタージンガー』『999』『ヤマト2』と年に4作も松本アニメが放送されて、俺の、いや同時代の少年たちの心に、男の浪漫とか宇宙への果てしない憧れを一気に植えつけていった。

「その後、劇場版999(1979)でハーロックが助っ人に来て、世界観のつながりにワクワクさせてから1000年女王(1981)を経ての、82年の劇場版とTV版のダブル『わが青春のアルカディア』だ。俺はこっちも好きだったが、なぜか俺の周りではハーロックブームが観測されなかったのは、ガンダムイデオンザブングルマクロスミンキーモモに話題が持って行かれていたんだろうなあ」

晶華「そのラインナップで、どうしてミンキーモモさんが入って来るのよ?」

NOVA「そんなの俺が知るか。俺の周りで流行ってたんだよ。え? ミンキーモモって何? って思いながら見たら、魔法少女だった。で、俺はミンキーモモに後乗りだったんだが、最初から見たのは次のクリーミィマミだった……と言うのはさておき、ええと時流が松本零士さんの男の浪漫と神秘的なSF金髪美女じゃなくて、メカとアイドル美少女(子どもが魔法で大人になったり、歌で癒したり)って方向になって、俺も中学生になった頃にはヤマトと共に松本ブームは終了したわけだ」

翔花「つまり、松本ブームを終了させた犯人はミンキーモモさん?」

NOVA「この話の流れだと、そういう誤解も招きかねないが、もちろん違う。やはり、よりリアルな宇宙世紀を示してくれたガンダムブームの影響だろうな。バンダイさんのプラモ商品ラインナップも、ヤマトの各種戦艦から999の各種列車を経て、ガンダムのMSに移って行ったし」

晶華「ヤマトからガンダムマクロスに時代が移って行ったのね」

NOVA「その頃、俺は必殺仕事人に出会って……って話もできるが、ハーロックへの憧れは同じアウトロー中村主水さんと、かんざしの秀にシフトしていったのかもしれないな。宇宙海賊と仕事人がつながった瞬間である」

翔花「無理やりつなげてる気がするけど?」

NOVA「いや、ジャンルは違うかもしれないけど、俺の中で味わった当時の空気がそうなんだな。で、今回は中学になる頃に終了した松本アニメの思い出だ。ハーロックさんから、999にバトンは引き継がれる」

 

汽車は闇を抜けて光の海へ♪

 

NOVA「夢が散らばる無限の宇宙さ〜って、いい歌詞だよなあ。私の好きな歌です、とメフィラス風に言ってもいい」

NOVA「さて、俺がヤマトに(感情的に)乗りきれず、ハーロックや999には非常にハマった理由だが、世代的なタイミングの違いはさておいて、アルカディア号や銀河鉄道に乗って、自分も一緒に広い宇宙の大海原に旅したいって思えたかどうかなんだよな。

「ヤマトは『地球滅亡まであと何日』って期限を切られて、切迫した使命の旅の話。そこには子ども心にも夢や憧れを感じない。そもそも太平洋戦争で沈んだ船を元にした、未来よりも敗戦という過去から出発する物語で、どうにも重いんだ。で、エンディングがこれだ」

NOVA「歌が悪いって言うわけじゃない。むしろ、しみじみと旅立つ戦士の心情を歌い上げた名曲だと考えている。ただし、そこに子どもの居場所はない。幼少期の俺がこの歌を聞いて感じたのは、ヤマトの帰りを待つ残された人々の気分だな。ヤマトには、悲壮な大人(若者)の決意と覚悟、滅亡を前にした最後の希望はあっても、子どもの憧れる夢はない。そこにワクワクはできなかったんだな」

晶華「ハーロックさんは、この船に乗れって誘いかけて来るのよね」

NOVA「ハーロックのOPとEDは、TV放送された1番の歌詞はまだ子ども向けにソフト路線なんだ。ラストのフレーズが『生きる』だからな。だけど、3番まで聞くと、『俺の死に場所の目印さ』『たった一人で戦うのさ』とハーロックの亡き友トチロー(今のアルカディア号)に訴える覚悟完了した生き様が伺えるし、EDでも船に乗るよう誘いかけておきながら、最後は『力いっぱい生きて、満ち足りて死のうよ』で終わるもんな」

翔花「死ぬのを誘う歌ってこと?」

NOVA「まあ、命を捨てて生きるハーロックさんの歌ですから。別にただ死ねって言ってるわけじゃなくて、死ぬ前に生を充実させて、夢とか、胸に信じるものとか、失われた良きものを取り戻すために覚悟を決めて共に生きよう、その先に満ち足りた死があるって歌詞だな」

晶華「死を思い定めて生きる。死中に活を求めるってことね」

翔花「シチューにカツを求める? 何だか美味しそう」

NOVA「そいつはデリシャスマイルだな(苦笑)。とにかく、ハーロックの歌はまだ子ども向きのソフトな1番と、当時は音源を買った人だけが味わえる大人向きの深い歌詞から成り立ってて、しかも聞く者にその生き方を誘いかけて来るんだ。それで先ほど、『ハーロックと仕事人を無理やりつなげてる』って指摘があったが、無理やりじゃないことに今、気がついたわ」

晶華「え、何?」

NOVA「主題歌の作曲が同じ平尾昌晃さんでつながってる。劇中BGMや編曲は横山菁児さんだから、ずっとそういうイメージで聴いていたけど、999も主題歌の作曲は平尾さんだし、そういうつながりで両作品の縁を感じていたのかもしれない」

翔花「そういうのって分かるものなの?」

NOVA「さあ。大人になると理屈で考えを構築するが、子どもの時の好き嫌いって理屈じゃなくて、多分に感覚的なものだからな。分かっていたかどうかはともかく、ハーロックと仕事人に通じるものを感じていたし、そこに999も加わってくる」

晶華「そうだった。999さんの話だったのに、話が戻ってるわよ」

NOVA「999(スリーナイン)って表記もいいよなあ。555って書いてファイズって読ませるように、知らないと正しく読みにくいってのが暗号っぽくて、いいセンスしてる。あと、ハーロックも999も歌詞に番組タイトルが一切入ってなくて、それでも世界観がきちんと伝わってくる70年代にしてはハイブローな詩だ。いかにも当時は新時代のSFって感じで好きだな」

晶華「歌の話はもういいから」

NOVA「では、作品内容。999の主人公の星野鉄郎はTV版で10歳、劇場版で15歳という設定で、松本アニメ初の少年主人公。これが当時小学生の俺には思いきりストレートに感情移入の対象となった。ハーロックは、成熟した大人のハーロックが若者の台場正を導く先達として、憧れのヒーローであると共に、若い視聴者が成長する台場に自分を重ねることもできた。一方、鉄郎の導き手は永遠の美女のお姉さんのメーテルだ。メーテルは姉もしくは母親みたいな立場で、鉄郎の旅を導き、サポートする役どころ」

晶華「NOVAちゃんも当時メーテルさんに憧れた?」

NOVA「当時、999を見た男の子でメーテルを愛さない、もしくは憧れない者はいたろうか? いや、いないと断言できるぐらい、メーテルは松本美女の完成形と言える。もし、赤い彗星のシャアが999の世界に紛れ込んでいたら、鉄郎になりたいって思うだろう」

翔花「何、その例え?」

NOVA「まあ、999放送当時のシャアはまだマザコンを告白する前の、格好いいライバル像で、むしろシスコン謀略兄さんだったんだが、999とガンダムはほぼ同時期。メーテルとセイラさんは、どちらも金髪お姉さんキャラとして人気を博していたのが80年代前後だ。そこにサイボーグ009のフランソワーズがいて、当時の人気ヒロインはみんな金髪お姉さんという印象が俺には強く残っている。この時期のヒロイン金髪率の高さは、松本ブームの影響なのか、それとも別方面のキャンディ・キャンディの影響なのか、研究の価値は十分にあると思うぞ」

晶華「何の研究よ?」

NOVA「ええと、『年代別ヒロインの髪の色の変遷史』とか? 緑髪のルーツはコンVのちずるさん? とか、紫髪のアニメヒロインはアラレちゃんからリン・ミンメイ、そしてクリーミィ・マミに引き継がれた? とか、いろいろ仮説は立てられそうだ。まあ、そこまで遡らなくても、『プリキュア20周年、髪の色の変遷史』とかだと手軽で旬かもな。青髪主人公は今年初だが」

晶華「はい。メーテルさんに話を戻しましょう」

NOVA「いや、999ヒロインで、メーテルが大人気なのは間違いないが、チッチッチッ、俺の中では2番めだ」

晶華「何ですって? だったら一番は?」

NOVA「ヒュー、これさ」

NOVA「俺の性癖に影響を与えたヒロインの一人は、クリスタルガラスの美少女クレアさんだ。とにかく、ガラスのクレアに惚れて、その最期に散っていく姿に泣きました。劇場版のラストでは、クレアさんの出番が多く、生き延びたかと思いきや、最後に『おのれ、プロメシューム。俺のクレアさんをよくも、よくも〜(涙目)』って嘆き憤ったのも、遠い少年時代の思い出だ」

晶華「ブルーノアで泣いたり、クレアさんで泣いたり、どれだけ泣いてるのよ?」

NOVA「俺は涙を流さない……なんてことは言わないさ。ロボットでも、魔神でもないからな。時空魔術師が涙を流さないなんてフレーズはないと思う」

翔花「故人を偲ぶためのブログ記事だから、涙を流すのはいいけど、偲ぶ相手が故人じゃなくて、故人の生み出したヒロインってのが何ともね」

NOVA「そうか。ガラスのクレアを生み出したのが松本零士さんなんだな。言わば、クレアさんの父親かあ。『お父さん、クレアさんをぼくに下さい』ってチャンスが永遠に失われたと思うと、ますます涙が込み上げてくる(涙目)。これも花粉症が悪い」

晶華「突然、花粉症のせいにしないでよ。はい、鼻かみ用のティッシュ

翔花「花神(見習い)の加護付きよ」

NOVA「(鼻水をかんでから)ふう、999の名作エピソードを語ると、まだまだティッシュがいっぱい要りそうだ。少年の情緒をいろいろ振り回して、旅の情趣を掻き立ててくれて、大人への道を示してくれて、最後に青い小鳥に出会わせてくれたアニメだからな。もう、『999の思い出の傑作エピソード集』でも作りたくなっちゃうじゃないか」

翔花「そんな時間があるの?」

NOVA「今はないから、思い出は入り口だけ開けて、また別の機会に。ああ、スパロボに999が登場しないかなあ」

晶華「ロボが登場しないからダメよ」

NOVA「ああ、これが永井豪さんだったら、スパロボのためにゲッター線を浴びせて、999が人型の真スリーナインに変形する機構ぐらい付けてくれそうなのに」

晶華「妄想乙。帰って来れなくなる前に、次に行くわよ」

 

10年は夢のような、コスモスドリーム

 

NOVA「999の後番組として、1981年に始まったのが『1000年女王』だ」

晶華「999の次に1000だなんて、気の利いたタイトルね」

NOVA「で、長年ずっと999の後輩だと思っていたら、21世紀に入った頃に、実は『999の前日譚に当たる』という設定が公式に明かされて、驚いたものだ。俺のクレアを劇場版で殺した憎きプロメシュームが、実は1000年女王の主人公、雪野弥生が体を機械化した成れの果てだって知ったときは、天地がひっくり返るほどの衝撃を受けたものだ」

翔花「本当に天地がひっくり返ったら、そんな衝撃じゃ済まないと思う」

NOVA「ただの誇張表現にマジレスするな。要は、子ども時代から信じてきた常識が覆るほどのコペルニクス的大転換って奴だ。メーテルとエメラルダスは、1000年女王の娘って話だな」

NOVA「ということで、俺の子ども時代の999と1000年女王、そしてハーロックの物語は、アラサー辺りでもう一度、ミッシングリンク的な物語が発表されて、一大交響詩となって結実した……のかな。まあ、俺がこの話を知ったのはまた後年の話なので、当時の評価はよく知らないんだけどな」

晶華「もう、メーテルさんにこだわっていなかったってこと?」

NOVA「こんなアニメも深夜に放送されていたことを後から知ったわけだし」

NOVA「2000年以降の、松本零士さんのハーロックや999関連のアニメ作品は俺も未鑑賞の物が多く、この機に年表を作ってみよう」

 

・2000年:メーテルレジェンド(OVA

・2001年:コスモウォリアー零(TV、OVA

・2003年:銀河鉄道物語(TV、第一部)

・2004年:宇宙交響詩メーテル(TV)

・2006年:銀河鉄道物語〜永遠への分岐点〜(TV、第二部)

・2007年:銀河鉄道物語〜忘れられた時の惑星〜(OVA、999との共演話)

 

NOVA「この時期は俺もスパロボ関連以外のアニメ離れをしていた時期で、松本零士さんの新作も熱心に追いかけてはいなかったので、思い出がほぼ語れない。メーテルの物語で、1000年女王の雪野弥生が母親のプロメシュームだと聞いて驚いたことがとりわけ印象的だったことぐらい。彼女はTVのラストで地球を守るために死んだはずじゃなかったっけ? と思ってみたら、原作マンガの続編とのこと」

翔花「その1000年女王ってどういう話?」

NOVA「番組は見ていたんだが、うまく語れない」

翔花「どうしてよ?」

NOVA「印象が薄いからだな。見ていたのは間違いないんだが、どうしてここまで覚えてないんだ? と考えてみたら、答えは俺の当時の生活環境の変化にあった。小4の2学期に転校して、友だち関係とかを構築し直さないといけなかったんだ。それで1000年女王の話が話題に上がらなかったんだと思う」

晶華「つまり、今回はここまでってことね」

NOVA「ああ。ただし、この記事をここまで書いてきて、分かったことがまた一つある」

晶華「今度は何?」

NOVA「俺がヤマトよりもブルーノアが好きだった理由な。音楽がやはり平尾昌晃さんだった」

晶華「NOVAちゃんの嗜好に密かに影響を与え過ぎでしょう、平尾昌晃さん」

NOVA「まったくだ。このままだと、誰の追悼だか分からなくなってしまうので、俺が語れない1000年女王の話なんかは、作者の松本零士さんご本人にお願いすることにした」

NOVA「と言うことで、昔はガラスのクレアの仇、と心底、憎んでしまったプロメシュームさんが、実は地球を守って命を散らした哀しき1000年女王、雪野弥生さんだと分かって、いろいろ頭の中が混乱したりもしながらも、自分の知らなかった話(原作マンガ版)と話がつながってるということで、おお、そうだったのか、と感じ入った次第。改めて、ラー・アンドロメダプロメシューム女王の哀しき物語に黙祷を捧げたく思う(涙目)」

翔花「いや、誰の追悼か忘れないで」

NOVA「もちろん、覚えているさ。松本零士さんの追悼記事の最後は、この歌で締めくくろうと思っていた」

(幾つもの思い出を反芻しながら、当記事 完)