Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

『モンスターの逆襲』攻略3(僧侶グレン編)

第二章の始まり

 

晶華「前回、仇の1人である盗賊ランブルを倒したタヌキ少女のイースタ。人間を経て、狼人間にパワーアップを遂げた彼女は、次の標的の僧侶グレンの痕跡を追って、数ヶ月の旅の末にタントラムの町にたどり着きました」

翔花「あっ、ちょっと待って。その前に、イースタはしたいことがあります」

晶華「何?」

翔花「ドワーフと戦って死んだダイアー・ウルフのエアリアルには、まだ小さい子狼が巣穴にいるのね。エアリアルの魂と一体化したイースタは、その子たちを放ったらかしにして旅を続けることはできないの。だから、子狼たちが一人前に成長するまで母親代わりに養育します」

晶華「そんなことは、ゲームブックには書いていないんだけど」

翔花「自分の復讐のために、子どもたちを犠牲にするような真似はしたくありません。エアリアルは家族を守るために戦ったんだから、その遺志は無駄にはしたくない」

晶華「ん〜と、ネットで調べると、狼が成長して一人前になるまで1〜2年はかかるのよね。仕方ない。それでは、子狼を育てながら仇の居場所の情報を集めるまでに、2年ぐらい掛かったことにします。そうして、ついにグレンの居場所が分かった頃に、子どもたちは巣立つ時が来ました」

翔花「『お母さんにはやらないといけないことがあるので、ここでお別れよ。お前たちは強い狼として立派に生きていきなさい。わたしは生粋の狼じゃないタヌキの一族だけれど、お前たちと過ごした時間は楽しかったわ。だけど、わたしは本来の使命に戻らないといけないの』とイースタは子狼たちを諭します」

晶華「『ぼくたちも、お母さんの使命を手伝うよ』と勇敢な狼は言いますが、イースタは恐ろしい人間にタヌキの家族が虐殺された光景を思い出して、新たな子どもたちを自分の復讐の巻き添えにしたくはないと考えます」

翔花「うん、そうよね。母親が自分の子どもを復讐の道具に使うような、あこぎなマネはしたくありません」

晶華「もしかして、水星の魔女にケンカを売ってる?」

翔花「まさか。天下のガンダム様にケンカを売るほど、わたしは無謀じゃない。だけど、公式にできないことをするのが二次創作の特権よ。やっぱり、わたしたちの紡ぐ物語はハッピーでラッキーにしたいもの」

晶華「それは同感ね。もしも養育した狼を旅に同行させるって言い張ったら、ゲームブックのストーリーが破綻するので断ろうと思っていたし。とにかく、養い親のイースタと子狼たちの感動的な別れのシーンの後で、元タヌキ少女の復讐の物語が再開されることになる」

翔花「自分がタヌキなんだか、人間なんだか、狼なんだか分からなくなっているんだけど、愛を捨てて復讐に命を掛ける想いは消え失せてはいない。安らぎの時間は終わって、ハードな戦いの道に踏み出すわ。ポンポコ」

晶華「どんなに格好を付けても、ポンポコの一言で台無しね」

 

タントラムの町にて

 

翔花→イースタ「では、タントラムの町に着きました」

晶華「その町は、赤茶けたプレダコンズ盆地に広がる人口1000人ほどの集落で、街道沿いにあるため昔から宿場町として栄えているそうよ」

イースタ「田舎のボルダー村とは大違いね」

晶華「入手した情報によると、仇の僧侶グレンはこの町の教会の司教職に就いているそうです。この2年の間に肉体の衰えを感じて冒険者から引退し、悠々自適な役職で安穏に暮らしているみたい」

イースタ「悪い噂は聞こえて来ない? 信者からお金を騙し取るとか、詐欺まがいの説法をしているとか、裏で邪神を崇拝しているとか……」

晶華「新興宗教じゃなくて、格式と伝統ある教会なので、表立った悪口は聞こえて来ません。もちろん、町の裏稼業の世界にアクセスすれば、何やら漏れ聞こえるかもしれませんが」

イースタ「人間の社会には不案内なのよね。姿形は人でも、中身は野生の獣と大差ないし」

晶華「とにかく、教会は町の中心に位置するので、夜でも賑わう人通りを突っ切らないといけません」

イースタ「その点は安心ね。モンスターの姿なら町に侵入するのは難しいけど、狼人間は変身しないと、ただの人間だから便利なものよ」

晶華「人通りを避けようと思えば、町の一角に墓地があって、そこを通り抜けるコースがありますが?」

イースタ「墓地に行かないといけない理由は特にないので、まっすぐ教会に行きます」

晶華「まっすぐ進むなら、安酒場から出てきた酔っぱらいにぶつかって、怒鳴り散らされます」

イースタ「酔っぱらいの相手をしたいとは思わない。スルーします」

晶華「人間の姿なので大きな事件には発展することなく、教会に到着しました。窓からこっそり侵入しますか、それとも正面から堂々と乗り込みますか?」

イースタ「う〜ん、人間の姿だから正面から行っても問題ないと思う」

晶華「大きな樫の木の扉には鍵が掛かっています」

イースタ「ノックしたら誰か出てくる?」

晶華「『はい、どなたでしょうか?』と若い僧侶が出て来ますね。白く飾りのない服装から見て、身分の低い僧に見えます」

イースタ「グレン司教に緊急のお知らせがあるんだけど?」

晶華「若僧は夜中に急に現れた怪しい女に疑いの目を向けてから、何やら呪文を唱えます。邪悪検知(ディテクト・イーヴィル)の効果で、イースタの姿が赤く発光します。『汝の正体見たり、邪悪な者め』」

イースタ「ば〜れ〜た〜か〜。狼人間の正体を現して、襲いかかります」

晶華「若僧は銀の棍棒で応戦します」

イースタ「ゲッ、銀の武器だから普通にダメージが通ってしまうわ」

 

●若い僧侶:殺傷力1、防御力7、耐久力6

 

イースタ「一気に倒したい。出目8に殺傷力5を足して、13」

晶華「防御力7を引いてダメージ6点をくらった僧侶は、爪に引き裂かれて死にました」

イースタ「フッ、ただのザコだったわね」

晶華「この若僧の胸に大きなペンダントがありましたが、その中に黒いヒスイが入っていることをイースタは知りません」

イースタ「えっ、そうなの?」

晶華「墓地から地下墓地(カタコンべ)に入るルートで情報が手に入るんだけど、直接、教会に来ちゃったからね」

イースタ「今から墓地に行きます」

晶華「必要ないわ。狼人間だったら、行っても情報は手に入らないし。第二章では狼人間から進化する機会が与えられていないの」

イースタ「ええっ、そんなのつまらない」

晶華「大丈夫。狼人間は進化しなくても、僧侶グレンに勝てるデータになっているから。他のモンスターだと、地下墓地で進化しないとグレンには勝てない仕様だけど、狼人間だけは直接乗り込んでも、グレンを倒せるはず。進化の必要がない、と言ってもいい」

イースタ「だったら、グレンに挑みます。進化してないのは不安だけど」

 

僧侶グレンとの決着

 

晶華「戦闘の物音がしたので、グレンが駆けつけて来ます。愛するまな弟子ボッシュが倒れ伏しているのを見て、怒りの目をイースタに向けますね。『おのれ、狼藉者。神の名の下に、邪悪は粉砕してくれる』と言って、銀のメイスを振りかざしますね。ここで、いろいろなモンスター種族が選別される選択肢が出ます」

 

●人間、ゴブリン、ホブゴブリン、オーク、コボルドバグベアリザードマン、オーガー、トログロダイト、サテュロスなら、対人金縛り(ホールド・パーソン)の呪文で硬直して、捕獲された末に縛り首の刑でゲームオーバー。

●スケルトン、ゾンビ、グール、ワイトなら、ターニング・アンデッドで分解されてゲームオーバー。

●レイスなら、ターニング・アンデッドで退散させられる。戦意喪失でゲームオーバー。

●ヴァンパイアなら、レイス同様に退散させられるか、判定で運良く抵抗しても、太陽光(サンライト)の呪文で苦痛を受けて無力化。やがて日が昇り、消滅ゲームオーバー。

 

イースタ「つまり、狼人間以外は、一章から進化しないままだと終わってしまう、と」

晶華「狼人間以外では、バグベアリザードマン、グールの3種類でしか地下墓地での進化を経てからグレン攻略を果たせるルートには入れない。それについては、後で話すわ。今はグレンとの戦いに専念しましょう」

 

●僧侶グレン:殺傷力3、防御力7、耐久力18

 

イースタ「出目10。15から7引いて、8点ダメージよ」

晶華「耐久力が10点になったグレンは、癒しの呪文を唱えて5点回復したわ」

イースタ「ズルい」

晶華「癒しが発動するのは1回だけだから。実質、耐久力が23点あるようなものね。とにかく耐久力が15点になったグレンが反撃して来ます。出目6で致傷力3を足して9だけど……」

イースタ「こっちの防御力も9だから、無駄無駄無駄よ。ウリーーーッと叫んで、出目6。11だわ」

晶華「それは吸血鬼のセリフ。まあ、88年発売のゲームブックだから、原作コミックがちょうど旬な時期だったと思うけど。4点くらって残り耐久力は11点。こっちは波紋で攻撃するわ。よし、出目11だから、14から9を引いて、5点ダメージ」

イースタ「残り13点か。こっちは、また出目6で、4点ダメージね」

晶華「残り7点。そろそろ一撃死が見えて来たわね。傷だらけのグレンは必死にメイスを振り回します。でも、出目3だと当たらない。『神の加護はないのか? 弟子とふしだらな関係に及んだから、罰が当たったのか?』」

イースタ「そんなの、わたしが知るか。お前の罪は、その昔、我がタヌキの一族を殺戮したこと。こっちも出目3だから、ダメージは1点だけ」

晶華「残り6点。『タヌキだと? しかし、お前は狼じゃないか。訳が分からんことを』 出目5じゃダメね」

イースタ「タヌキは化けるものと決まっている。出目9だから、14ー7で7点ダメージ。これでとどめだあ」

 

グレン『そ、そうか。タヌキは化ける。化けて出ぬよう、モンスターの供養を怠っていなければ……グフッ』

 

 グレンは顔を歪め、僧衣を真っ赤に染めて床に倒れた。もう起き上がってこない。

 しかし安心はできない。経験を積んだ僧侶なら、祈りによって死者を生き返らせることもできると聞く。イースタは念のために死体をばらばらに切り刻み、乱暴に踏みにじった。これなら絶対に復活することはあるまい。

 勝利の喜びと達成感を味わいながら、イースタはタントラムの町を後にした。

 

 偉大な力を持った司教を倒した怪物の噂は町に広がり、人々はみんな恐れおののき、夜に出歩く者は激減した。

 タントラムの町が、その後、墓場から現れたレイスの手でゴーストタウンと化するのは、それから数年後のまた別の話である。

 第二章、完

 

その他の選択肢

 

イースタ→翔花「今回は割とあっさり終わったわね」

晶華「狼人間ルートは最初から強いので、下手に地下墓地に入らなくても第二章をクリアできるからね。むしろ、地下墓地に入った方が、レイス(死霊)を倒せずに詰む可能性すらある」

翔花「狼人間以外だと、地下墓地探索が必須になる、と。そちらに進むのが王道攻略ってことね」

晶華「そのためには、まず墓地に行かないといけない。大サソリの幻影を見せて、人々を追い払っていたダーク・エルフの小悪党スリングと交渉して、買い物したり、情報を得たりできるんだけど、実のところ買い物はろくな品物じゃないわね」

翔花「そうなの?」

晶華「一章のホブゴブリン略奪ルートで入手した宝石で買えるんだけど、以下のアイテムよ」

 

●聖水:真珠で購入。地下墓地のレイスに使うことができるが、決定打にはならない。

●指輪:ルビーで購入。透明リングとの話だけど、実は「妄想リング」で、透明になったと思い込むだけの詐欺アイテムである。

●テレポーテーション・ヘルメット:ダイヤで購入。瞬間移動(テレポート)で運が良ければ教会に直行できるが、運が悪ければ上空に転移して落下ダメージ2D×2点(4〜24点)を受けたり、地下に転移して「いしのなかにいる」状態で即死したりする。しかも、教会に直行すると、地下墓地の探索をスルーしてしまうので、結局、攻略失敗になる。

 

翔花「無駄なアイテムだらけなのね」

晶華「攻略だけを純粋に考えるならね。でも、この辺のアイテムは、クラシックD&Dのルールブックにあるものばかりで、80年代当時のファンタジーRPGあるあるネタ』として、分かる人ならクスッと笑えるらしいわ。私は当時を生きていないから、よく知らないけど、これなんかが当時の参考文献ね」

晶華「昭和63年(1988年)の名著で、『ロードス島戦記』のカシュー王(ルーファス)のアレクラスト大陸時代の剣闘士および冒険者時代の活躍が描かれた裏書籍でもある。とにかく、80年代当時はD&Dこそがファンタジーゲームの基礎知識で、そこからマニアック方面に進むと、ルーンクエストとか指輪物語とかストームブリンガーに流れる、と」

翔花「ソード・ワールドは?」

晶華「ルールブックの発売は平成元年(1989)よ。ただ、富士見のドラゴンマガジン誌の連載記事でアレクラスト大陸の紹介がされていたんだけど、まだメジャーになる直前ね。まだ小説化される前の『ロードス島戦記』雑誌連載リプレイのファンが専ら注目していた形」

翔花「その1人がNOVAちゃんだった、と」

晶華「話を戻すわ。詐欺師みたいなスリングさんのアイテムを買う必要はないけれど、彼の話す情報はいろいろ貴重よ。僧侶のグレンについて尋ねると、『凶悪な盗賊を捕まえるのに協力した功績で司教になった』とか『教会の金を着服している』とか『弟子の僧侶とけしからぬ仲』とか、いろいろ教えてくれる」

翔花「やっぱり悪い奴なのね」

晶華「まあ、詐欺師の言うことだし、あくまで噂話だから人間社会の表向きでは尊敬された善人なんでしょうけど。で、重要なのは『裏の世界ではグレンを憎んでいる者も結構いて、捕まって縛り首になった盗賊が地下墓地でレイス(死霊)と化して、さ迷っている』という話。さらに、人ならぬモンスターの姿で表立って町を歩けない場合は、地下墓地を通って教会まで行けるって教えてもらえる」

翔花「地下墓地ルートが第二章の王道ってことか」

晶華「そこをショートカットしちゃう狼人間ルートは、第二章をあまり楽しめない裏技的なところがあるわね。本作の醍醐味である進化ができないし」

翔花「いいもん。第三章でまた進化するし」

晶華「実は、狼人間ルートは雑誌連載時には実装されていなくて、単行本になった際に加筆追加されたんじゃないかなあ、と思うのよね。当時のウォーロック誌が手元にないから、あくまでNOVAちゃんの薄ぼんやりした記憶が根拠なんだけど。そして、狼人間は第一章で加筆されたんだけど、その後の進化が反映されていなくて、単行本ではバグっちゃってるの」

翔花「ええ? だったら、イースタはどうなるの?」

晶華「大丈夫。そのバグに対して、狼人間の進化ルートがエラッタで発表されていたから。NOVAちゃんの本では、狼人間の進化先が第三章のパラグラフ250番で鉛筆メモ書きで追記されている。その追記がなければ、狼人間ルートは詰んでいたでしょうけど」

翔花「バグ修正対応バージョンで良かったわ」

晶華「どっちにしろ、狼人間は第二章で進化できないので、そこは十分楽しめないのも事実ね。だから、地下墓地ルートの話をしているんだけど」

翔花「では、IFストーリーで地下墓地に入ったということで」

 

地下墓地の探索

 

晶華「地下墓地では、夜目の利かないモンスターでは不利なので、小悪党なりに親切なスリングさんが明かりの呪文をかけてくれます。具体的には、人間とリザードマンとゾンビとグールが暗視を持ちません」

翔花「狼人間は暗視持ちなのね」

晶華「地下墓地を進むと、道が二つに分かれます。右か左か」

翔花「右に進むと?」

晶華「ジャイアント・トード(巨大ヒキガエル)と遭遇します。小柄な体格のゴブリンやコボルドだと、丸呑みにされてゲームオーバーになる可能性があります」

 

●巨大ヒキガエル:殺傷力3、防御力8、耐久力11

 

翔花「どっちにしろ、ゴブリンやコボルドの能力じゃ勝てるとは思えないし」

晶華「それから、狼人間はカエルの攻撃で傷つきません。実にチートな種族なのよね」

翔花「右に進むとカエルで、左へ進むと?」

晶華「吸血コウモリに襲われます。ただし、ゾンビかグール、リザードマンやトログロダイトなら温かい血を持たないので襲われません」

翔花「アンデッドとか爬虫類だもんね」

晶華「なお、ゴブリンとかコボルドのような弱小種族は結局、攻略不可に陥るんだけど、ここにも裏技があって、コウモリに殺されてしまうと、グールと化して復活します。実質的に、この時点で絶対に攻略不可能なのはトログロダイトのみ、と」

 

●吸血コウモリ:殺傷力2、防御力8、耐久力9

(特殊能力:吸血。コウモリの攻撃が命中するたびに2Dを振って、2〜8の出目なら血を吸われて、その目の数だけ耐久力を失う)

 

翔花「吸血って凶悪な能力じゃない」

晶華「死ぬ可能性はそこそこあるわよね。狼人間だったら、銀か魔法の武器じゃないと傷つかないので、ノーダメージだけど」

翔花「こっちもチートかあ」

晶華「さて、吸血コウモリに血を吸われて、死んでグールになるというのも攻略手順としてありなんだけど、もう一つの隠しルート的な選択肢は『右に進んでヒキガエルに出くわしたら、すぐに引き返して左に進む』という形で、巨大ミミズ(ピットウォーム)と遭遇するイベントが発生します。ピットウォームはヒキガエルよりも大きいので、大柄なバグベアリザードマンを除けば、丸呑みにされてゲームオーバーです。仮に狼人間だとしても、死んじゃいますね」

翔花「即死罠みたいなモンスターかあ。地下墓地に入らなくて良かったわ」

晶華「でも、バグベアリザードマンだと、体が大きくて丸呑みにされないので、ピットウォームが諦めてくれます。そして、ミミズの通過した跡から宝箱が出現して、中に『魔法の剣』が入っていますね。バグベアリザードマンはこの魔法の剣を装備することで、攻略成功のフラグが立つのです」

翔花「地下はいろいろな仕掛けがあるのね。地上ルートだと単純明快だったけど、ゲーム的に面白いのは地下だと」

晶華「カエル、コウモリ、ミミズのどれかの遭遇を解決すると、地下墓地の出口付近に到達します。そこで青い光を放つ棺を調べると、噂の死霊レイスと遭遇することに」

 

死霊との遭遇

 

晶華「死霊は、魔法の剣でないとダメージを与えることができません。つまり、ピットウォームのイベントで魔法の剣を入手したバグベアリザードマンでない限り、戦って勝つことはできないのよね」

翔花「狼人間でも倒せない?」

晶華「倒せません。でも大丈夫。死霊に殺されると、自分も死霊になって復活しますから」

 

●レイス:殺傷力5、防御力9、耐久力25

(特殊能力:エネルギー吸収。自分の攻撃が2回命中するたびに、通常ダメージに加えて、相手の殺傷力を1点減らす。殺傷力がゼロになると、相手は死んでしまう)

 

翔花「死霊って狼人間よりも強いじゃない」

晶華「強いわよね。だけど、死霊になったら最期、僧侶を倒すことはできないの。自分のマスター死霊の命令で、憎きグレンを倒しに行って、退散させられるという末路が待っている。だから、死霊に殺されてはならない。敵の死霊の耐久力は18点だけど、聖水を浴びせると4点ダメージを与えられる。それから、相手の耐久力を12点もしくは10点以下に追い込むと、元盗賊だった死霊は降伏して、会話モードに入ります」

翔花「殺されて死霊となるか、魔法の剣で大ダメージを与えて降伏させるかの2択?」

晶華「いいえ。最初からゾンビやグールといったアンデッド系なら、普通に会話で仲良くなれるわ」

 

盗賊死霊『まあ、同じモンスターの縁だ。話を聞いてくれや。俺はこの地下墓地をねぐらにして、町中を荒らし回っていた大盗賊だったんだが、あのグレンという僧侶に悪臭の呪いをかけられた。おかげで、どこに逃げても隠れることができずに捕まって処刑されてしまったんだ。

『悪事の報いだって? まあ、それはそうだろうな。だが、俺が殺されて、同じ悪党のグレンの野郎がぬくぬくと司教の座に収まって暮らしているのが気に入らねえ。復讐しようとして奴のところに出向いたこともあったが、祈りの力であっさりと追い払われてしまった。だが、晴らせぬ恨みを何とか晴らしてやりてえ。なあ、あんた、この世には法の網を逃れた悪党どもを闇に裁いて仕置きする連中がいるらしいじゃないか。奴から盗んだ財宝を仕置き料として、頼まれてやってはくれないかい?』

 

晶華「そして、その財宝の中に黒いヒスイがあるのよね」

翔花「つまり、第二章の進化はまず、死霊さんと会話しないといけないわけか」

晶華「それができる種族は、ゾンビ、グール、バグベアリザードマンの4種だけ」

 

★ゾンビからの進化→スケルトン、ワイト

★グールからの進化→ワイト、オーガー

バグベアからの進化→オーガー、サテュロス

リザードマンからの進化→大トカゲ、大蛇

 

●スケルトン:殺傷力2、防御力8、耐久力5

(特殊能力:刃物に対する耐性。剣やナイフのような刃武器に対しては防御力10になる)

 

●ワイト:殺傷力4、防御力9、耐久力21

(特殊能力:エネルギー吸収。自分の攻撃が2回命中するたびに、通常ダメージに加えて、相手の殺傷力を1点減らす。殺傷力がゼロになると、相手は死んでしまう)

 

●オーガー:殺傷力5、防御力9、耐久力19

 

サテュロス:殺傷力5、防御力9、耐久力23

(特殊能力:恐怖。人間や動物の心に恐怖を吹き込む。戦闘の開始時に1Dを振り、3〜6の目なら、相手は恐怖のために3ラウンド間は攻撃できない)

 

●大トカゲ:殺傷力4、防御力9、耐久力15

(特殊能力:かぶりつき。攻撃のダイス目が12なら、通常の2倍のダメージを与える)

 

●大蛇:殺傷力5、防御力9、耐久力28

(特殊能力:締めつけ。一度でも攻撃が命中したら、相手に絡みついて、以降は毎ラウンド5点ずつ自動的にダメージを与えていける)

 

晶華「スケルトンは誰にでも分かる外れルートね。初期状態のゴブリン並みの能力の低さに加えて、特殊能力が僧侶の使う棍棒やメイスに対しては意味がないのが悲しすぎる」

翔花「ワイトさんは一見強そうだけど、しょせんはレイスさんの下位互換だし、僧侶に追い払われるのがオチね」

晶華「アンデッドはどれだけ強くても、第二章を突破できないのが定めよ。だから、グール→オーガーへのルート変更が必要なの」

翔花「でも、オーガーさんよりもサテュロスさんの方が強い」

晶華「どっちも、グレンの対人金縛りの餌食になるから、もう一段階の強化が必要なんだけどね」

翔花「そうなると爬虫類コースが強いのかあ。大トカゲよりも大蛇が現時点では最強の能力を持っている、と」

晶華「正に最強ダイオージャってところね」

翔花「それは違うロボだと思う」

 

さらなる進化

 

晶華「黒ヒスイを使った変身を目撃した死霊さんは、驚きの声をあげますね。『へえ、その石にはそんな秘密があったのかい! 全然知らなかったぜ!』そして、グレンを倒すために役立つなら、ともう一つの黒いヒスイの情報をくれます。グレンが愛弟子のボッシュにあげて、感激した彼はペンダントの中に入れて持ち歩いているとか。この情報を聞いたことで、ペンダントを入手したらパラグラフ番号を+30した先へ進むことができます」

翔花「ゲームブック特有のパラグラフ・ジャンプって奴ね。第二章の黒いヒスイは、死霊さんとの会話でもらえる物と、それから聞いた情報で若僧ボッシュのペンダントの中にある物の2つ、と」

晶華「ボッシュと会うには、教会の正面から堂々と進まないといけません。窓からこっそり侵入だと、ボッシュに会うことなく、いきなりグレンと戦うことになるので、狼人間か爬虫類でない限りは、正面から出向く必要があります」

翔花「ボッシュさんは弱いから、あっさり倒せたけど?」

晶華「それでも、アンデッドなら追い払われる危険がありますし、スケルトンやゾンビなら100%確実にゲームオーバーです。何とかボッシュを倒して、ペンダントを入手したパラグラフは144番になります」

翔花「つまり、174番へ進めばいい、と」

晶華「174番パラグラフで、ペンダントの中から黒いヒスイを見つけ出したタヌキは、ポンポコポンの呪文を唱えました。以下の変身パターンがあります」

 

★ワイトからの進化→レイス、ヴァンパイア

★オーガーからの進化→ミノタウロスガーゴイル

サテュロスからの進化→ミノタウロスケンタウロス

★大トカゲからの進化→ガーゴイルコカトリス

★大蛇からの進化→コカトリスメデューサ

 

翔花「変身できるモンスターの種別がずいぶん広がったような気がするわ」

晶華「人型の範疇に留まった第一章と比べると、魔獣系のレパートリーが増えた感じね。レイスは前述したので、それ以外の能力を紹介するわ」

 

●ヴァンパイア:殺傷力7、防御力10、耐久力32

(特殊能力:吸血によるエネルギー吸収。自分の攻撃が命中するたびに、相手の殺傷力を1点減らす)

 

翔花「ヴァンパイアは強いのね」

晶華「相手が僧侶でなければ、第二章で最強の能力よ。でも、アンデッドというだけで、せっかくの高い能力も宝の持ち腐れになってしまうの」

 

ミノタウロス:殺傷力5、防御力8、耐久力27

(特殊能力:角による頭突き。敵が人間より大きい生き物なら、殺傷力が7になる)

 

ガーゴイル:殺傷力4、防御力9、耐久力22

(特殊能力:魔法の武器でないと傷つけられない。ただし、グレン相手では無効)

 

ケンタウロス:殺傷力4、防御力9、耐久力18

 

コカトリス:殺傷力4、防御力8、耐久力23

(特殊能力:くちばしによる石化。相手に攻撃が命中するたびに1Dを振り、3〜6の目が出れば、相手は即座に石になって死ぬ)

 

メデューサ:殺傷力5、防御力8、耐久力18

(特殊能力:視線による石化。戦闘の開始時にに1Dを振り、3〜6の目が出れば、相手は即座に石になって死ぬ。1か2なら通常の戦闘を続けるが、相手は目をそらしながら戦わないといけないので、相手の殺傷力を2点減らす)

 

翔花「狼人間が変身時に、殺傷力5、防御力9、耐久力18だから、能力的に見劣りするものじゃないけれど、特殊能力では『石化』がかなり強力ね。グールの麻痺爪並みに、一撃必殺がある」

晶華「ヴァンパイアを除けば、耐久力はミノタウロスが最大だけど、総合的にはコカトリスが最強かしら。地味なのが特殊能力を持たないケンタウロスね。変身前のサテュロスよりも能力が下がってるし」

翔花「でも、人型じゃなくなったので、金縛りを受けなくなったのがメリットね」

晶華「とにかく、第二章をクリアできるモンスター種族は、狼人間、大トカゲ、大蛇、ミノタウロスガーゴイルケンタウロスコカトリスメデューサの8種類ということよ。ただし、大トカゲと大蛇は進化しないままだと、第三章で進化先が指定されていないので、第二章で進化したこと前提で話が進んでいるみたい」

翔花「次の標的は戦士ブリンケン。今回は進化できず仕舞いだったけど、このままでクリアできるとは思えないので、さらなる進化を目指します」

(当記事 完)