Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

宙明音楽、時代を超えて(平成&令和編)

宙明さん語りの完結編

 

NOVA「6月下旬の渡辺宙明さん逝去の報を受けて、今回で5記事めの音楽話だが、さすがにずっと続けるわけにもいかないので、この辺りで終わろうと思う」

晶華「ここまで語り続けてきた時点で、凄いわよ。普通、追悼記事って延々と続けるものじゃないでしょう?」

NOVA「いやあ、俺にとって重要な御仁だからなあ。語り出すと思い出話が止まらなくなってしまったというか、あれも書きたい、これも書きたいって想いが吹き荒れるんだよ。これこそが愛? って感じで」

翔花「NOVAちゃんの愛。確かに受け止めたわ」

NOVA「いや、お前に向けた愛じゃないんだから」

翔花「わたしが宙明さんに心酔して、一体化したら、NOVAちゃんの宙明愛はわたしのもの」

NOVA「俺の宙明愛は俺のものだ。誰にも奪わせたりやしない!」

晶華「2人とも何を言ってるんだか。とりあえず、今回は平成編よね。何から語るの?」

NOVA「俺が宙明さんを意識して追いかけるようになったのは90年代からだ。それまでは意識せずに作品内で聞いていたんだが、どちらかと言えば、昭和時代に活躍した過去の人って感覚だったんだな。ところが90年代は過去が現代に蘇ることが結構あって、その一つが平成ゴジラVSシリーズにおける伊福部昭劇伴の復活で、1991年のVSキングギドラ以降、俺は懐かしの劇伴音源を買うことに夢中になっていたんだ。そして、宙明さんの旧作も買い求める中で、初めて新作に触れたのが95年のオーレンジャーだ」

NOVA「オーレンジャーは戦隊20周年記念作品で、アオレンジャーとビッグ1の宮内洋さんが三浦参謀長として戦隊の司令になったり、ゴレンジャー〜ダイナマンの初期戦隊およびジュウレンジャーのナレーションを務めた大平透さんが前半ボスの皇帝バッカスフンドの声を担当したり、現在大河ドラマに出演中の関智一さんが皇子ブルドントの声として特撮初のレギュラー出演かつラスボスになったり、数々のトピックが語れる作品だが、その中で宙明さんが挿入歌のロボソングの作曲として、ゴーグルV以来12年ぶりに戦隊に帰還したわけだよ。俺の感覚としては、昔の人と思っていたのが『帰ってきた宙明さん』って思えたな」

晶華「オーレンジャーは、劇伴が横山菁児さんだから完全に帰ってきたわけじゃないでしょう?」

NOVA「TV特撮の劇伴は89年のジバンが最後で、それ以降はゼンカイジャーまでなかったんだ。まあ、近年は映画やVシネなどで新曲発表もあったからな。どちらかと言えば、宙明御大の挿入歌やイベント曲ってだけで価値がついたのが平成時代だったと言えよう。そして、95年と言えば、これだ」

NOVA「これは宙明さんオマージュのアレンジ曲だが、やはりハカイダーはこれだって感じだよな」

NOVA「そして、次に戦隊に宙明ソングが採用されるのは30作記念のときだな」


NOVA「35作記念はこれ」

NOVA「それから10年後の去年がこうなったわけだ」

NOVA「一方、ハカイダーオマージュのステイシー曲も傑作だな」

NOVA「ステイシーのために作られた曲だったのに、劇中ではハカイザー用に使われたということで、それはそれで素敵なオマージュだな、と」

晶華「ああ。こうやって、昔の曲とのつながりを比べる楽しみってことね」

NOVA「ああ。音楽は音を楽しむってことだからな。楽しむためには、今ある曲だけじゃなくて、音の歴史を楽しむことも時空魔術の奥義と言えるかもしれない」

 

平成のメタルヒーロー

 

NOVA「さて、戦隊からメタルヒーローに話を戻すと、転機になるのが89年の『機動刑事ジバン』だな。ギャバン以降のメタルヒーローがハリウッドに負けない作品を目指して作られた革新作だという話はしたが、一方のハリウッドも日本の特撮ヒーローを意識したらしくて、87年に『ロボコップ』を製作して、日本の特撮ファンを湧かせた流れがある」

NOVA「これは90年代に入って、より顕著に分かって来る話だが、日本のSFファンがハリウッドの凄い大作に憧れたように、向こうのSFファンは60年代にゴジラなどの日本の怪獣映画に憧れ、その後、80年代に日本のロボットアニメなどに憧れたりするファンがそれなりにいて、日本人の独自の作品アイデアや職人芸の描写を取り入れようとしてきた経緯があって、その結果、トランスフォーマーが作られたりしていくわけだ。日本人は凄いことをしているのに、自分では凄いと思わずに、海外から評価されて初めて自分の価値に気付かされるという現象がサブカルチャー界で持ち上がる。そして、実際にパワーレンジャーなどで共同制作してみると、海外の人が驚いて曰く、『どうしてTVレベルの予算で、こんな質の高い映像を毎週のように提供できるんだ?』って反応。そこで初めて気づくんだ。『日本のTV特撮は子供向きのちゃちな物と一般評価されて来たが、実は凄い高レベルな物を逆境の中で作り続けて来たのでは?』と。日本独自のサブカルチャー映像文化の価値が、90年代以降に本格的に見えることになったわけだな」

翔花「そういうことを意識して、90年代に特撮ヒーローも一般ドラマに負けない方向性が模索されたとか?」

NOVA「で、機動刑事ジバンではこんな曲を宙明さんが作るわけだが……」

NOVA「実際に劇中で使われたのは旧作の流用だらけで、宙明さんおよびサントラを買った人を抗議させるほどらしい。確かに、俺もジバンは見ていたが、『宇宙刑事とかで聞いた懐かしい曲だらけ』でオマージュ的ではあったが、新鮮味を覚えなかったな、と記憶する。逆に、今、ジバンのサントラを聞いても、宙明さんらしい燃える良い曲だと思いつつも、ジバンらしさを感じない。そりゃそうだ。大して使われていないんだから。名曲を埋もれさせて、もったいない作品だと思う」

翔花「せっかく作った曲が使われなかったら、作りたくなくなるわよね」

NOVA「今でこそ、マニアはお蔵入りの映像や音楽にも価値を見出だすものだけど、平成初期はそういう物を評価する世界は表に出ていないからな。作り手の立場では、せっかく頼まれて作った曲が没にされたとか、新曲よりも旧曲の方がいいと扱われたようなもので、手間の掛かる劇伴はもうやめて、挿入歌に専念した方がいい、と宙明さんに言わせた経緯がある。だから、ジバン以降は宙明さんの劇伴はOVAを中心としたロボットアニメ以外から途絶えることとなったわけだ」

晶華「でも、一部挿入歌では使われていたわけね」

NOVA「印象的なのは、これもハカイダーオマージュのガンマンキャラ、ガンギブソンだな」

NOVA「次に、ブルースワットの挿入歌だ」

NOVA「そしてビーファイター

NOVA「その後、メタルヒーロー平成ライダーに路線が継承されて、そちらには宙明さんの曲や歌が受け継がれなかったが、10年前のギャバン復活に際して、再起動していたわけだな」

 

スーパーロボットの系譜

 

NOVA「そして、90年代に宙明音楽を復活させた功績はロボット界にもある」

NOVA「そして21世紀初の宙明劇伴を提供した作品だ」

 

甦るテーマ曲

 

NOVA「そして、今回の懐古話の中で、個人的にいろいろと歌を発掘しているんだが、今秋にこの作品がブルーレイになるらしい」

翔花「へえ、宇宙刑事さんだね」

NOVA「それをオマージュした87年のOVA作品だな。さらに、93年にはこういう作品も作られた」

NOVA「最後に、この懐かしいロボットのために特別に作られた歌を流して、俺の宙明さん追悼の儀を締めくくりたいと思う」

(当記事 完)