Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

続・神聖魔法の研鑽話(レベル5〜7)

NOVAの代役ん

 

翔花「NOVAちゃんの仕事が忙しい時期に突入してしまったわね」

晶華「週末に、お姉ちゃんの魔法研鑽を終わらせるはずだったのに、間に合わなかったみたい」

翔花「このままだと、コンパーニュへの合宿に行けなくなっちゃう(涙目)」

晶華「こうなったら、私たちだけで魔法研鑽を終わらせるしかないわね」

翔花「そんなことできるの?」

晶華「フッ、私を誰だと思ってるの? お姉ちゃんが時空を飛び回っている間に、ひたすら引きこもって、NOVAちゃんのアシスタントを続けてきた娘よ。ソード・ワールドのプレイヤー歴も、もうすぐ1年だし、それだけあれば、赤ん坊だって一人で歩けるわ」

翔花「さすがに1年で歩くのは無理だと思うけど。せいぜい壁か何かにつかまって歩けるようになるかならないかってところね。普通に歩けるには、もう半年ぐらいは必要だと思うわ」

晶華「そんな〜。もう半年も待っていたら、秋を通り越して、冬になっちゃう。私たちだけで魔法の研鑽をするのは無理だと言うの?」

009『そんな時のために、代役のぼくがいる』

翔花「ああ、旧NOVAちゃんがいたんだ」

009『ちょっと待て。旧NOVAって何だよ?』

晶華「今のNOVAちゃんの旧ヴァージョンでしょ? ガンダムに例えるなら、これみたいなもの」

009『旧ザクかよ。だったら、今のShinyなのは何なんだ?』

晶華「そりゃあ、ShinyだったらSの付くこれじゃない?」

009『通常の3倍だと? 明らかに持ち上げすぎだろう。大体、ぼくが旧式というのは納得が行かない。型式番号も05ではなくて、MS09のこれを希望する』

晶華「MS09のドムさんに白い機体があったのね」

009『White NOVA2009だからな。白を選ぶのは当然だ。やはり白狼のシン・マツナガさんはいいキャラだと思うんだよね』

翔花「だったら、今のNOVAちゃんだって、より高性能なMS21を採用すべきよ」

009『それって、より高性能なのか?』

翔花「ガンダムのことは、わたしにはあまりよく分かってないけど、ドラクエみたいな名前だし、聞くところによるとユニコーンガンダムの時代まで使われていたようだし、流線形のラインがスピーディーで格好良さそうだし、ジオンの精神が形になっていそうなデザインだし、NOVAちゃんだって、きっと気に入るわ」

晶華「お姉ちゃん、それは妄想よ。大体、その機体には足がないから、脚にこだわるNOVAちゃんのツボじゃないと思う」

翔花「足など、ただの飾りよ。偉い人には、それが分からないんだわ」

晶華「とにかく、その機体に乗せて突撃させたら、間違いなくNOVAちゃんは死んでしまう。同じ21なら、こっちの機体の方がNOVAちゃんは喜ぶはずよ」

翔花「そんなことはどうでもいい。考えてみたら、ガンダムの話をしたいのではなくて、ソード・ワールドの話をしたいんだし。わたしの魔法研鑽に協力してくれるんだったら、この際、旧NOVAちゃんの手だって借りたいんだから」

009『やれやれ。結局、旧NOVA扱いかあ。まあ、ぼくだって後で自分の魔法研鑽をしないといけないんだし、先に神聖魔法の研鑽をして、2.5の魔法ルールに慣れておかないとね』

晶華「2009年当時は、まだ2.0が出たばかりだったものね」

 

レベル5神聖魔法

 

翔花「じゃあ、レベル5魔法を確認するわね。ええと【キュア・ディジーズ】【キュア・ハート】【トランスファー・マナポイント】【ホーリー・ライト】の4つで合ってるかしら?」

009『問題ない。使い方も分かるよね』

翔花「1つめは病気治癒ね。この呪文さえあれば、世界を脅かした悪夢のコロナウィルスだって怖くない」

009『全くだな。ただし、病気を治すには、病気の難度に応じた呪文行使達成値を出さないといけないので、難病は確実に治せるとは限らないわけだけど』

翔花「魔力が低かったり、運(サイコロの出目)が悪かったりすると、治らない病気もあるってことか」

晶華「運が悪いと、ワクチンを打っても効果がなさそうね。ワクチン接種時にダイスを振って、ピンゾロが出たら効果なしとか」

009『36人に1人はワクチン判定に自動失敗するってのは、イヤなシステムだなあ。せめて判定は2回振って、どちらかが成功すればいいってことにしようよ』

晶華「それなら、ピンゾロでの失敗率は1296人に1人ってことになるわね。他に、ワクチン副作用表なんかを作って判定すると面白そう」

翔花「人によっては、不謹慎な話だと思うけど、NOVAちゃんだって当事者だもんね」

009『ぼくはドゴランボディのサイボーグだから安心だけどね』

晶華「そう? だったらワクチンの副作用に、蜂の毒と同じアナフィラキシー・ショックがあるとしたら?」

009『そ、それは勘弁して欲しいな。ケイP一族にとって蜂の毒は弱点だから、ぼくだって例外ではないはず。たぶん』

翔花「とにかく、NOVAちゃんがワクチン接種でどんな副作用が発生するか、ブログ記事のネタとしては悪くないかも」

晶華「軽く済めばいいけど、ワクチンの副作用がひどすぎて、ブログ記事が書けなくなりました。1ヶ月ほど休載しますってことにならないといいわね」

009『とにかく、ソード・ワールドの回復魔法は、ファンブルの出目でも呪文が発動しなくなるだけで、相手にダメージを与えないからマシだよな』

翔花「そんなゲームがあるの?」

009『あるよ。ドラゴンハーフRPGバツ技能とか、セブンフォートレスやら、ナイトウィザードやらはそういうシステムで、思わぬ悲喜劇が発生してしまう。回復魔法ファンブルで、うっかりとどめを刺してしまう、刺されてしまうという体験談も何度か聞いた』

晶華「ダイス目による大惨事は、当事者以外には面白いネタ話だもんね」

009『自分の不幸でも、それを乗り越えた後でニコニコと語れる人は大物と見てもらえるし、しみじみと語れる人も情趣の分かる人と見てもらえるけど、それで同情を買おうとか、何かを要求して利益を引き出そうとする人間は、心底、鬱陶しがられるわけで』

晶華「ヒーリングっどな世界でも、ろくに反省もしてないのに相手の優しさにつけ込んで同情を求めるビョーゲンズは切り捨てられちゃったからね」

翔花「助けてあげたい気持ちはあっても、身を削ってまで助けたいと思うかどうかは別ってことね。助け甲斐のある相手なら助けたいってことで、自分の大切なものを脅かす相手を助ける義理や道理はないってことかしら」

009『まあ、癒し手だって誰を癒すかを選ぶ権利はあるってことだね。そして善意や誠意ある医療従事者が報われる社会であって欲しいと思う』

翔花「医療行為というのは聖職だから、それを受ける人間は敬意や感謝の念を示すべきだと思うし、聖職というものに対する敬意が失われた社会というのが心ない不幸な社会なのかなって」

晶華「そんな心を癒すのが【キュア・ハート】の呪文ね」

009『いや、それは違う。プリキュアは確かに、ハート(heart)を癒したり、つかんだりするみたいなんだが。にわか勉強だから、よく知らんけど。

『問題はソード・ワールドのその呪文の方だ。ハートは心ではなく、hurt、重い傷を癒すんだ。つまり、【キュア・ウーンズ】の上位呪文ってことだね。具体的には、威力10だった回復効果が威力30になる』

晶華「それだと、期待値が3点+魔力だったのが、7点+魔力になって回復効果が倍近いということかしら」

翔華「MP消費はウーンズが3点なのに対し、ハートは5点ね。効率は上がってる?」

009『魔力次第ってことかな』

翔花「エマの現在の魔力は9だから、HP12点回復からHP16点回復に上昇ってことね。たった4点差かあ」

009『ただし、ダイス目が良くてクリティカルが出た時の違いが跳ね上がる。威力10だと6点ぐらい加算されて18点だが、威力30だと10点加算されて26点も回復できる計算だ』

晶華「とにかく、戦闘中にHP回復をしないといけない時って、大ダメージを受けた場合だから、回復も上位呪文を心掛けておく方が無難だと思う」

翔花「そうね。それに【キュア・ハート】って使うだけで、プリキュア気分になれるネーミングの呪文だし」

 

009『トランスファーは仲間に自分のMPを分けてあげる呪文で、まあ、仲間の魔法使いがMPを浪費したときなんかに、お願いされることが多い』

晶華「仲間の魔法使いって、具体的にはリオン様、つまり旧NOVAちゃんでしょ」

009『ミリィ、つまり君だって、そうだろうが。まあ、仲間が計画的にMPを使っていれば、トランスファーのお世話になることは少ないかもしれないけど、例えば海中の冒険なんかで、妖精魔法の【ボトムウォーキング】(1時間の水中呼吸を可能にする)がどうしても必要で、妖精使いのMP消費量が極端に多いような局面で、プリーストがMPを融通してあげるとか、そういうシチュエーションなら役立つかも。また、NPCに神官さんがいればMP補充をお願いすることもありだろうし、呪文が設定してあれば、プレイヤーキャラ以外が使うこともできるわけで』

翔花「要は、神聖魔法以外に有効な魔法がありそうな局面なら、MPを融通してあげられるってことね。そして、最後の【ホーリー・ライト】は聖なる光。対アンデッド限定の範囲攻撃魔法だから、アンデッドがいっぱい出てくるシナリオだと特に有効」

晶華「逆に、アンデッドが出て来なければ、全く使えない呪文ってことだけどね」

009『それでも状況がハマれば、プリーストが立派な戦力として、この上なく活躍できるってことだね』

 

レベル6神聖魔法

 

翔花「続いてレベル6。 【ブレス】【ホーリークレイドル】【リムーヴ・カース】の3つね」

009『2.0時代だと【コアーシブ】という呪文もあったんだけどね』

翔花「何それ?」

009『敵1体を威圧して、術者にダメージを与えるような行動を一切封じることができる』

翔花「それって、敵から傷つけられないってこと?」

009『ダメージ呪文以外は使えるので、眠らされたり、麻痺させられたり、石化させられたりの非ダメージ攻撃は可能だし、術者以外のキャラを攻撃することも普通に可能。一番有効なのは、術者が仲間と同じ戦闘エリアにいれば、相手は術者を巻き込んで範囲攻撃呪文が使えなくなる点だろうと思う』

翔花「ほう。神に仕えるわたしを傷つけようと言うのですか? そんなことをして、いかなる天罰が与えられるか想像してみなさい……と相手を心理的に脅す呪文ね。2.5からはどうして消えたのかしら?」

009『さあね。この秋に発売予定の魔法サプリに復活する可能性はあるだろうけど、初心者が扱うには処理が複雑だと見なされた可能性があるな。6レベルまでは、ルールブックIの範囲だし』

 

翔花「それは実際に復活したときに考えるわ。今は今あるものを考えることが大切。まず【ブレス】。ドラゴンに変身して、口から火を吹く呪文ね」

009『嘘をつくな、嘘を。確かに竜の火炎はドラゴンブレスと言われるけれど、つづりはbreath 。一方、神聖魔法はbless、祝福だ。具体的には、器用、敏捷、筋力、生命力の能力値を6点(ボーナス+1だけ)上昇させられる強化呪文だ』

晶華「神さまの祝福で、あなたも理想的なマッチョ体型に?」

009『どこの商品CMだよ!?』

翔花「知力や精神力は上がらないの?」

009『どうやら神さまでも、バカは治せないし、メンタルの低さも改善できないみたいだなあ』

晶華「神さまだって全知全能ってわけじゃないのね」

009『神が全知全能というのは、一神教が生み出した妄想みたいなものだからな。ゲームの世界だと、ゲームバランスというのが重視されるので、ある特定の技能が何でもできるというようにはならないんだ。得意や不得意があってこそ、それを補う仲間との協力が大切になるわけで』

晶華「中には、不得意だらけで、何が得意なのかさっぱり分からない人もいるみたいだけど」

009『本人は得意だと思ってるけど、実はそうでもないバツ技能とかな。ライターがバツ技能だと、人を楽しませる物語や文章を書いているつもりが、結果的に人を怒らせたり、つまらながらせることしかできないとか。自己評価が甘過ぎる人間だったらバツ技能だらけで、ギャグメーカーレベルがやたらと高いとか、一生の不覚を何回やらかしてるんだ? とツッコミを入れられることになる』

晶華「そのネタも、もう世紀末で分かる人にしか分からないんですけど」

009『分かる人に分かってもらえれば十分さ。興味を持っていただければ、自分で調べてもらえるだろう』

 

翔花「【ホーリークレイドル】も現実にあると嬉しいわね。6時間睡眠が必要な疲れも、聖なる揺りかご、神様の加護の元で眠れば、半分の3時間で済むんだから」

009『魔法使いのMPをプリーストがトランスファーで回復するだろう? そしてプリーストがこの呪文で3時間眠れば、効率よくMP回復が図れるわけだ』

晶華「ええと、この呪文は術者本人にしか効かない。そして、3時間眠ればMPの半分が、6時間眠ればMPの全てが回復するから、魔法使いのMPを半分まで回復させたら、あとは3時間眠るだけでパーティー全員のMPも完全回復できるってことかあ」

009『日数の制限時間のあるシナリオで、時間を節約するのに有効な呪文だな。ただ、この呪文があるからって、神聖魔法を習得した癒し手が睡眠不足な状態で働かされ続ける過酷な社会はイヤだけどな』

翔花「当ブログは、全ての聖職者の心が癒されることを願っています」

009『それから後は、呪いを除去する【リムーヴ・カース】だね。呪い属性の効果を無効化するので、プレイヤーには何が呪い属性なのかを考える知識が求められる』

晶華「一口にバッドステータスと言っても、属性が魔法なのか、毒なのか、病気なのか、呪いなのかで対処手段が変わって来るものね」

009『その辺の診断は、GMに聞けば普通に教えてもらえるか、セージ技能の判定を求められるか、それとも非常にレアな症状なので回復手段を探すのがシナリオ目的に設定されているかで、いろいろと物語の可能性が考えられるからなあ』

晶華「普通の呪いじゃないので、ただの【リムーヴ・カース】じゃあ治らない。まずは呪いの元凶である邪神の力を秘めた剣を粉砕するために、過去の時代に飛んで……って話で一大キャンペーン物語が作れるものね」

翔花「女神さまと、ペガサスの少年が主人公の物語だと思っていたら、ずっと眠ってしまって、蛇遣いの医士が主人公になってしまったって聞くけど」

009『最近ようやくペガサス少年が目覚めて、主人公に返り咲いたらしいけどね』

晶華「主人公が主人公として機能していないとか、主人公の師匠が主役じゃないかとか、主人公よりも不死鳥兄さんをもっと活躍させろとか、一輝兄さんがとうとう仮面ライダーの主役に抜擢で相棒がジャイアンとか、いろいろネタになっているものね」

009『弟の名前が瞬じゃなくて、大二なのが残念だけどな』

翔花「不死鳥の剣士ネタもそろそろ賞味期限切れが近づいてきた感じなので、今後は悪魔との契約を考えないと」

晶華「お姉ちゃん、神さまと契約している聖戦士が悪魔と契約なんてしないでえ。時流に乗るのはいいけど、物語の整合性を見失って、行き当たりばったりなのはダメだって。そんなのは美しくないんだから」

 

レベル7神聖魔法 

 

翔花「というわけで、闇の誘惑に打ち勝って愛の光を取り戻したわたしは、ルールブックIIの魔法を使えるようになりました」

009『ああ。レベル1〜6までがルールブックI対応で、レベル7〜10までがルールブックIIの範囲だもんなあ』

翔花「これも長年の修行の賜物ね」

晶華「だけど、お姉ちゃんはソード・ワールドの修行はあまりしていないはずよ。エマさんは登場時からファイター7レベル、プリースト7レベルを始めとするチート仕様で覚醒したんだから。最初からコツコツ育成する手間を掛けていないんだし」

翔花「だから今、頑張って研鑽しているんじゃないの。初心者のわたしが熟練のみんなに少しでも早く追いつけるように」

晶華「まあ、私もそれほど熟練ってわけじゃないんだけどね。ソード・ワールド歴3年の中級者だし。ソード・ワールド歴30年を誇るNOVAちゃんとは、桁が違うわ」

009『ぼくで20年だからなあ。まあ、年季は長くてもブランクが長いと、実質の経験値はそれほど貯まっていないこともあるけど』

晶華「昔、ちょっとやっていただけで、今の時流に全然乗れていないのに、いかにもベテランみたいに偉そうに言うのは、間抜けよね」

009『懐かしがるのは悪いことじゃないし、今の流れを学び直したり、楽しみ直すのは良いことなんだけどな。ダメなのは、時流を分かってないのに上から目線で批判すること。分かっている目からは、非常に痛々しく映るわけで』

晶華「年齢相応の見識を備えていたら、それを上手くアピールできたら、自ずと周囲からの敬意は付いて来るものだけど、中身もないのに、見識も示せていないのに、偉ぶってもダメってことかしら」

009『見識を示すって難しいんだけど、真の識者には共通点がある』

翔花「それは何?」

009『自分が好んで追いかけているものを、いかに楽しんでいるかってアピールが凄いんだな。趣味語りって、自分がいかにそのジャンルを堪能しているかの表明だろう? 堪能というのは、十分に味わって満ち足りていることから始まり、さらに奥深い醍醐味を追求したいとか、追っかけているうちに知識や技が結果として熟達していったとか、趣味人というのは、その堪能ぶりに敬意を示したりするものなんだ。楽しいから続けていられるし、続けるから見えてくるものがある。楽しむ→続ける→ジャンルにおける見識という段階を経ていくんだけど、真の見識というのは楽しさを土台に育まれていったものなんだ』

翔花「ああ。だから、趣味の場では、自分は楽しんでますよアピールを上手くできることが評価されるってことなのね」

晶華「楽しむことの名人っぷりを表明して、この人は本当に楽しんでいるんだなあ、好きなんだなあ、と感じさせてこそ理想的な趣味人だし、その趣味が発展して自らが他の人に楽しみを分け与えることで収入を得られるようになったのがプロってことかしら」

009『ああ、プロレベルってのは、お金をもらう以上は相応の楽しみを提供する姿勢と責任を背負ってこその信頼だと考える。この人の作品やパフォーマンスは楽しいから、ワクワクできるから、それにお金を出しても構わないと思わせてこそ、プロとして仕事を続けて行ける。

『逆に、つまらないものは誰も評価してくれないし、エンタメ芸というのは創作も芸能も飽きられたり、業界関係者との社交を上手く回せなかったりすれば、仕事を干されてしまう。作家の場合は、自分の作品を売り込む際の編集さんや他の同業作家(ライバルであり、互いに切磋琢磨してエールを交わし合ったりする関係でもある)との関係で、次の仕事が得られたり、次がなかったりする。

『いくら書いても評価されないこともあるし、評価されるための戦略を試行錯誤しながら、自分も楽しめて、時流にもかなっている作品をひたすら好きだから書き続ける。自分の書いたものを自分でも読み返し、読者目線で厳しく評価するとか、自分が何度も読んで楽しめるのだから自分と同じセンスの読者は楽しめるはずとか、果たして自分のセンスはどういう客層にフィットするものなのかとか、大衆ウケするのか、ニッチなマニア受けしかしないのか、ブレイクするには何が求められているのだろうとか、いろいろ考えるわけだな』

翔花「プロだっていろいろ考えているのね」

晶華「ただ、人気に胡座をかいているだけじゃないのね」

009『まあ、たまたまのラッキーで時流をつかむことのできた芸人もいるけど、時流が変われば、次の芸を生み出すまで生き残れるかどうかは、周りの人間との関係性で自分のポジションを確立するとか、自分の幅を広げたり深めたりする姿勢をアピールするとか、今の時代は自己プロデュースの才覚を示すとか、いろいろな形でサバイバルを生き残ろうとする。そして、誰かに持ち上げてもらったなら、そういう恩義に外れた振る舞いをすることを自らの恥と思えるかは、その心根として信頼関係に影響するかな、とか、いろいろあるよね』

翔花「人間関係って本当に難しいよね。わたしは人間じゃない花粉症ガールだから、お気楽に生きてるけど、NOVAちゃんが嫌がることはしないようにしているかな」

晶華「私はどうだろう? アシスタントガールとして振る舞う以上は、NOVAちゃんよりも読者ウケを狙って、『くらえ、花粉症バスターお仕置き』を芸にしたりもするし、NOVAちゃんもそれを覚悟してボケてることもあると思う。誰かがボケたら、ツッコミ入れるのが一種の芸道だもんね」

009『ぼくもNOVAだから分かるけど、彼は自分が悪口ネタにされることには、それほど怒ったりしないんだ。自分でボケたりもするし。ただ、彼がキレるのは、自分が好きなもの、尊敬するものの悪口に対してだね。例えば、自分が傷ついても耐え続ける父親が、家族を傷つけられると激怒暴走するような感じ? 自分自身が傷つけられるよりも、自分の身内や価値観を傷つけられる方が怒りを表明するタイプだと思ったらいい』

晶華「ああ、だったら、NOVAちゃんの悪口はどんどん言っていいんだ」

翔花「アキちゃん、その言葉は聞き捨てならないわね(ゴゴゴゴゴ)」

晶華「え? お姉ちゃん?」

翔花「NOVAちゃんのために生き、NOVAちゃんのために戦うラブ・ウォリアー、それがこのわたし、花粉症ガール1号の粉杉翔花なんだから。アキちゃんがNOVAちゃんを傷つけると言うのなら、わたしが絶対に許さない! その命、神(NOVAちゃん)に返しなさい!」

晶華「ふえ〜ん、ゴメンなさい、ゴメンなさい(m0m)。まさか、こんな冗談で、そこまでお姉ちゃんが怒号剣激怒するなんて思わなかったのよ〜(涙目)。それに私だって、NOVAちゃんのことが好きなんだから、好きだからこそディスったりもするだけなんだから、正しいラップの心なんだから、お姉ちゃんを敵に回したりはしたくないんだから、不穏当な発言は取り消します」

翔花「そう? 分かればいいのよ、分かれば。とにかく、今は魔法研鑽の時。妹への教育的指導はまた別の機会にするとして、7レベルの新星、もとい神聖魔法は【キュア・ストーン】【クエスト】【バトルソング】の3つよ。アキちゃん、順に解説お願い」

 

晶華「は、はい。花粉症ガール2号、粉杉晶華、お姉ちゃんの命に従い、解説を務めさせていただきます」

翔花「やあねえ、アキちゃん。そんなにかしこまらなくても(ニッコリ)」

晶華(その春風のように爽やかな笑顔の奥に隠された修羅の魂を、私は見た気がする。お姉ちゃんを本気で怒らせると、この私の魂は塵芥の如く吹き飛ぶような恐怖を、本能的に感じた粉杉晶華だった)

翔花「何、アキちゃん? ルールブックのページを見たまま、固まっちゃって。別に字が読めないってことはないわよね。あなたはわたしより頭が良いんだし」

晶華「だ、だだ、大丈夫よ。【キュア・ストーン】の魔法は石化解除だから、自分が石になった気持ちを想像して、それから解除されて動き出すパフォーマンスってことで、ご理解いただければ、と」

翔花「そうなの? だったら【クエスト】の呪文は、どんなパフォーマンスを見せてくれるのかしら?」

晶華「え? ええと、その呪文は『神の試練を与える』だから、ああ、Shiny NOVAの名前をノートに100回書いて、私のNOVAちゃんへの愛を表明します」

翔花「必要ないわ。時間のムダよ」

晶華「ええ? せっかくの私の愛を!?」

翔花「そんな自分本位の愛を示されても、NOVAちゃんが喜ぶと思うの? もしもNOVAちゃんが仕事から帰ってきて、ふと覗いたノートにShiny NOVAと100回書かれていたら、どう思うかしら?」

晶華「『おお、俺の名前が100回も。これは晶華の字だな。翔花はまだ英単語が書けないもんな。そうか、俺は晶華にここまで愛されているのか。父親冥利に尽きるぜ〜(感涙)。よっしゃ、ハッピー♪』……ってことにはならないわよね」

翔花「そうね。そんな都合のいい展開は、アキちゃんの妄想よ。わたしの脳内NOVAちゃんだったら、『ゲッ、俺の名前が100回も? 翔花が英単語の練習をしたなら許せるが、晶華の字かよ。一体、何のイタズラだ? せっかくの白紙できれいなノートに、俺の名前なんて延々と書いても意味がないだろう。そんな暇があるなら、TRPGのキャラをいっぱい作って、設定データでも書いててくれたら、使えるネタができるかもしれないのによ。

『どうせいっぱい書くのなら、少しずつアレンジしてShiny NOVA、ちっぽけなTiny NOVA、巨人のTitan NOVA、悪魔のZabitan NOVA、宣教師のZabier NOVA……おっと、宣教師のザビエルはXavierってつづりが正解だったな。ちゃんと調べずに適当書いてちゃ、読者に怒られる。そう言えば、もうすぐダイ大にも北の勇者ノヴァが登場するんだったな。ええと、声優さんは岡本信彦さんか。パワレン版マジレンジャーのミスティックフォースのイエローだったな。他にも、CGアニメのアンドロメダ瞬役か。よし、登場回が今から楽しみだぜ』……と反応して来るはず」

晶華「うっ、それは的確にNOVAちゃんらしさを表現できているかも。お姉ちゃんのNOVAちゃん愛は本物のようね。しかも、最後をドラクエネタにつないで、【クエスト】の呪文のパフォーマンスになっているし」

翔花「当然よ。時空を翔けた修行は伊達じゃないんだから。さあ、最後は【バトルソング】を合唱して、研鑽記事を締めくくるとしましょう」

晶華「バトルソングって何の歌を?」

翔花「そうね。旧NOVAちゃんだったら、何の歌がいいと思う?」

009『そうだな。愛と時空とバトルを組み合わせると、これがいいかな』

翔花「そんなわけで、わたしたちの魔法研鑽記事は何とか7月中に終わらせて、わたしとアキちゃんはコンパーニュへ合宿に行きます」

晶華「じゃあ、ここの留守番は旧NOVAちゃんとKPイチローちゃんにお任せするわね」

ケイP『任されたッピ』

009『じゃあ、後はぼくとイチロー兄さんの魔法研鑽記事を終わらせて、それからお盆休みに妖精郷脱出ダンジョン攻略譚のEXODUSをプレイする予定ってことで』

(当記事 完)