6月前に連載再開
NOVA「エマ・ショーカのキャラ作りや、その他の情報記事を書いている間に、もう6月が目前だぜ」
晶華「4月中に第4部を終わらせる、なんて言っていたのは、どこの誰かしら?」
NOVA「この記事の俺だよ」
晶華「自分の言ったことを守れないNOVAちゃんには、お仕置きが必要みたいね」
NOVA「フッ。俺は有言半実行の男だぜ。1部を大体10話だと見なすなら、5話まで達成できていると半分クリアということだ」
翔花「へえ、半分は4月いっぱいでクリアしたわけだ」
NOVA「そして、ちゃんとみどりの日には、目標の翔花救出を達成できている。完璧とは言わないが、半璧(はんぺき)とは言えよう」
晶華「半璧って何よ?」
NOVA「半分完璧の略だな。英語で言えば、ハーフパーフェクト。すなわちハーフクイーン、半分女王みたいなものか」
晶華「うっ、それはつまり、未来の女王に通じるってこと?」
NOVA「あるいは、四捨五入すれば1になれるってことか。まあ、パーフェクトは無理でも、6割を達成できていれば、それなりに仕事はしたということになる。もちろん、自分の力を一気に証明しようと思えば、全力全開で自分の力量以上の成果をバーンと示す必要がある。本気を出せば、ここまでできるって物を見せるのも、選抜試験では大切だ。しかし、人間は常に全力全開で動けるとは限らない。そこで長期戦では、力をセーブしながらコツコツ続けることも大切なわけだよ」
翔花「力をセーブした結果が、半力半開ってこと?」
NOVA「中途半端さを売りにしたハンカイジャーってのも、居てもいいと思うんだ。半分と言えば、俺のブログでは『中途半端』という言葉を検索してみると、82記事もあって、それに比べると『全力全開』なんて12記事しか使ってない。『全力』でも34記事。つまり、当ブログでは全力の倍以上の中途半端が蔓延しているわけだよ。フッ、笑えよ」
晶華「つまり、NOVAちゃんの人生は中途半端ってことね」
NOVA「グサッ。半分突き刺さったぜ」
翔花「半死半生状態ってこと?」
NOVA「ふう、俺がいつでも完璧主義な男なら、今のダメージで完全に死んで、再起不能になっていたところだぜ」
晶華「いや、完璧主義なら、今のでダメージは受けてないでしょ。完璧に凌いでいたはず」
NOVA「まあ、チリも積もれば山となる。半分も3つ重ねれば、1を超える。そして、これはプロの心得なんだが、これ以上はないという完璧な作品を1つ作る力よりも、そこそこ面白い6割7割の作品を何作も続けて、安定して書き続ける力が求められているんだ。
「ある敏腕プロデューサー(故人)はいつでもカバンに3つの企画案を持ち歩いていたという。たった1つの完璧よりも、そこそこ出来のいい企画が3つある方が、相手の好みに合わせやすいってことだ。そして、それらは自分一人の狭い完璧ではなくて、誰かのアイデアと組み合わせることのできる余地を残していたらしいんだな。人は完璧な作品よりも、自分が意見を差し挟む余地のある作品を愛するらしい。
「これは企画についても同じことで、完成されたものには人は魅力を感じず、むしろここをこうすれば良いものになりそうだという何か、自分らしく手を加えることを許す余地のある何かに惹かれるそうだ(それがクリエイティブな人間であれば)。言わば、それ以上伸びない完成品よりも、自分が力を貸すことで凄いものになる可能性を秘めたものこそを求めているわけだ。ただし、それは3割程度じゃダメで、倍の6割ぐらいは企画主自らが示せないといけない」
翔花「半分を通り過ぎた辺りで、完成イメージが推測できて、一応の評価ができるってことね」
NOVA「中途半端なものを見せられても、それが面白ければ、頑張って完成させろ、という気になるな。新人は可能性をいかに見せるかが勝負どころになるし、ベテランは安定度をいかに保ち続けるかが大事になる。安定して書き続けるうちに、この作者の書くものは平均的に完成度が高い、自分のツボに刺さると分かればファンが付くし、逆に完成度に関わらず、読み手のツボを外しまくっている作品はダメ。そして、何がツボかという売れ筋パターンと、そのツボに上手く組み合わさる自分らしさは何かを模索して、ある程度のテンプレと味のある個性がトッピングした作品が市場では求められる、と」
晶華「大体分かった。NOVAちゃんは、中途半端を肯定的にとらえているってことね」
NOVA「100%の肯定ではないがな。ただ、中途半端がダメと短絡的に言うのではなくて、未完成ゆえの魅力を味わうのもマニアックな道ってことさ。足のないジオング然り、良心回路が不完全なキカイダー然り、3分の1人前のZさん然り、発展途上だからこそ完成したらどうなるのかな、とワクワクできる余地がある」
翔花「未完成ゆえの味わいかあ」
NOVA「俺が今年50というのも大きいな。50という数字は、信長の時代は人生50年で完結してもおかしくない年だったけど、60の還暦で一巡りという考え方もあるし、締めともクライマックスとも道半ばとも受け止めることができる。で、俺が『有言半実行』って言葉を使い始めたのは、当ブログではこの記事だ」
翔花「とにかく、NOVAちゃんがしょっちゅう○○回路ってネタを使うのも、メタルダーさんの影響なのね」
NOVA「いや、元々はキカイダーさんの影響なんだが、メタルダーはメタルダーで青春時代に影響を受けているし、他にもXライダーのマーキュリー回路ってのもあるな。とにかく、何ちゃら回路って付けると、いかにもメカっぽく感じないか?」
晶華「感じるけど、NOVAちゃんはメカじゃないでしょ」
NOVA「体は人間でも、心はメカだぞ」
翔花「それじゃダメでしょ。普通は、体は機械でも心は人間ってのがヒーロー精神なのに、逆を狙ってどうするのよ」
NOVA「『持ったハートは人間以上』って挿入歌の歌詞に痺れた時期があったんだよ。同時代の人間以上に純粋で、潔くて、強くて優しい。単純に、こういう風に生きなきゃな、と考えていた若い時期もあって、現実はもちろんままならないんだけど、完全に諦めるんじゃなくて、中途半端でも、フィクションの主人公から学びたいと考えたり」
晶華「その結果が、寄り道脱線回路搭載型のNOVA2021になっているんだから、やっぱり人間は不十分な中途半端にしかなれないってことね。剣流星さんの足下にも及ばない」
NOVA「いいんだよ、俺は剣流星じゃなくて、光新星なんだから」
晶華「そういう流れだと、五星戦隊ダイレンジャーの吼新星キバレンジャーに突入して、どこまでも話が迷走する未来が見えたから、強引に話を打ち切って、妖精郷空間に引きずり込むわ」
NOVA「うっ、そんなことをされると、サイバ☆リオーンと叫びたくなるじゃないか」
光の魔剣を求める会議
GM(NOVA)「では、気づけばここにいるってことで、ここは妖精郷のおもてなし亭。俺は誰かと言えば、ゲームマスターNOVAってことか。マスターロゴスみたいに、自分は神だからみんな戦え、なんてアホなことは言わない」
ミリィ(晶華)「『私は神だ。死にたくなかったら、みんな殺し合え』なんて言って、本当に殺し合う人ばかりだったら、そんな世界は滅びた方がマシよね」
GM「というか、多分、今まで権威を振りかざして人を動かすことしかして来なかったから、サバイバルゲームの演出方法を知らないんじゃないか? あのマスターは?」
エマ(翔花)「リバTちゃんも言っていたけど、人を殺し合わせる神なんて、信仰する方がおかしいもんね」
サイバ(009)「世間一般の目から見たら、空に変な本が浮かんで、変な男の映像が浮かんで、神を名乗ってみたところで、『はい? 何かの宣伝か? 意味不明だろう。しばらく様子を見るか』って考えるのが普通で、そこで『うわあ、神の思し召しだ。殺し合わないと〜。戦わなければ生き残れない。ヒャッハー』なんて考える一般市民はそうそういるまい」
マークス(ケイP)「おそらく、マスターロゴスは剣士の世界に生きてきたから、武器を持たない一般市民が戦いを選択するまでの決意や覚悟のハードルがいかに高いか、分かっていないようですね」
ミリィ「そうよ。勝った者の願いは何でも叶うぞ、と言って、ゲームの世界に閉じ込めるぐらいしないと、人は戦う気にはなれないもの。人は恐怖だけでなく、欲望で釣らないと」
GM「いわゆる飴と鞭の理屈だな。まあ、何だろうなあ。世間知らずなお坊ちゃんが力を持ったが故の、頭の悪い全能感を描写しているというか、全知全能がこれかよ、聞いて呆れる、とツッコミ入れざるを得ない」
サイバ「それでも、1000年前とか神の権威がもっと力を持っていた時代なら、ああいうやり方で通用していたのかもしれないな。人々がもっと迷信深くて、識字率とかがもっと低くて、平均的に無知な人間が多かった時代なら」
GM「とりあえず、全力全開と言っているのは、おバカでコミカルなお笑い戦隊だし、ゼンゼンヤラネーダと言っているのは、おバカでコミカルなお笑い怪人だということを考えると、全知全能と言っているのも、おバカでコミカルなお笑い神さまだとしても、ニチアサ時空的には不思議じゃないのかも」
サイバ「番組的には、ネタとして笑いをとれば盛り上がるということかな」
GM「脚本家がキュウレンジャーの毛利さんなら、ボスが脱力級の振る舞いをしても納得できるってもんだ。ともあれ、当リプレイはセイバーの要素が濃厚だからなあ。セイバーのマスターがああだと、うちのラスボスの魔女のキャラにも少なからず影響を受けるかもしれない」
ミリィ「妖精王が全知全能とか言い出して、世界に向けて殺し合えって発令したりすると末期症状ね。神を目指すなんて言っているキャラはろくな奴じゃないんだから」
エマ「それは……反論できないので、黒い悲しみのオーラを放ちます(涙目)」
ミリィ「ああ。お姉ちゃん……いいえ、エマさま、そういうつもりで言ったんじゃなくて、全てはマスターロゴスのせいなの。やっぱり、寿司はさっさと倒さないと」
GM「元寿司屋のマスターロゴスは妖精郷にいないからな」
ミリィ「だったら、マスターつながりで悪いのはゲームマスターのNOVAちゃんね。駄弁ってないで、さっさと話をセイバーから妖精郷に戻しなさいよ」
GM「時は32日めの朝。おもてなし亭に帰ってきて、成長作業をしたりしている間に熟睡して、鋭気を養った後、昼過ぎた頃だな。俺みたいに、前回、何があったか忘れた人はこの記事に戻って確かめるといいぞ」
エマ「さりげなく、GMにあるまじきことを言ってるような……黒く呆れたオーラを放ちます」
GM「いかん。闇ポイントがどんどん溜まっていくではないか。光あれ。とにかく、君たちはおもてなし亭に、ベルゼンや意識の戻っていないエマを連れ帰ってきて、グラタンたちは状況を聞きたがるんだけど?」
サイバ「さて、どこまで話したものやら。ええと、ミリィやエマがアラマユ様の魂を半分ずつ受け継いでいるって話はしていいのか?」
ミリィ「別に隠す必要はないんじゃない? グラタンたち猫妖精のケットシーは、アラマユ様の信奉者なんだし、むしろ協力体制を強固にするためにも、このあたしたちがアラマユ様の魂と想いを分かち合い、未来の女王であり、未来の神であることを約束されたVIPであることを明かしても、問題は発生しないわ」
サイバ「そうだろうか。ぼくたちは妖精郷から帰還しないといけないのに、アラマユさんの後継者と認定されたら、一生、妖精郷に縛りつけられる責任を負わされるんだ。それは困る」
ミリィ「じゃあ、一人でラクシアに帰る? あたしはここに残るし、たぶんエマさんも残ると思う。そして、エマさんが残れば、漏れなくキャプテンさんも付いて来る」
マークス「異論はありません」
サイバ「くっ、妖精郷に残るか、ラクシアに帰還するかの二者択一か。いや、自由にどちらの世界にも行き来できるようになればいいんだが」
サイバ「できるのか?」
フィットチーネ『転移の魔法陣が正しく機能すれば、ですが。しばらく使ってなかったので、100%完璧な作動は保証できませんが、今のあなたたちの状態なら、8割9割ぐらいの確率でラクシアに帰れますし、望むなら妖精郷に再び戻るための〈妖精キー〉を差し上げても構わない。転移の魔法陣を機能させ〈妖精キー〉を入手すれば、ラクシアと妖精郷の行き来が可能になります。もちろん、あなたたちが運命に選ばれし者ならば、ですが』
サイバ「運命か。ぼくは運命を肯定するのが信条だからな。どちらにせよ、転移の魔法陣は起動しないといけないわけだ」
GM「ここで、GMから一つの誘導を試みる。君たちの次のミッションだが、ミリィとエマがアラマユの転生であることをグラタンたちに打ち明けるなら、『エマの眠りを覚ませ』というミッションが起動する。このミッションは当リプレイオリジナルであって、フェアリーガーデン本編には載っていない。ミッションだから、当然、経験点と成長機会が与えられる」
サイバ「もしも、グラタンたちに打ち明けないなら?」
GM「エマが、ただの一般人ということなら、グラタンたちが彼女の件をミッションとしては扱わない。ゲーム的に言うなら、ボーナス経験点と成長機会が得られない」
ミリィ「つまり、打ち明けた方が得するってことね」
GM「打ち明けることによって、覚悟と責任を示すことになる。その覚悟と責任を背負うことに対しては、経験点を与えてもいいと思うんだ」
サイバ「逆に言えば、覚悟を持たず、無責任な態度を示すことは、経験が得られず、成長しないってことだな。納得した。ボーナスをもらえるということは、それだけの能力を示し、役割を果たさないといけない。途中で尻をまくって逃げ出すような態度を示したら、信頼もつかめないし、グラタンたちのおもてなしの精神も、無尽蔵ではないということか」
マークス「ノブレス・オブリージュ。責任感と能力、それを示し得てこそ、社会は信用と権限、報奨を与えるもの。責任能力の欠如した者には、当然、信用も権限も制限されるものだと」
GM「TRPGは高レベルになると、冒険者がそれに伴う社会的な立ち位置を獲得することもある。放浪の旅人プレイもありだけど、領主の道を選ぶことで新しくできることとしないといけないことが増えるのは、どのゲームでも当然のこと。ゲームの中でも、そういう社会的責任を果たすことを楽しむか、それとも遊びでそこまでマジに考えたくないかは、卓の合意によりけりってことで」
ミリィ「最初はわがままな人魚でも、未来の女王を目指すため、責任感と保護者意識を見せているもの。そう、責任から逃げてちゃ、女王は目指せない。ニチアサプリキュアからそれは学んだ」
GM「個人的には、こっちの妖精郷で『未来の女王』とか『魔女』がどうこう言っていたら、何だかプリキュアの方が同じようなことを言ってきたので、妙にタイムリーだな、と思っている最中だ」
ミリィ「だったら、こちらも『トロピカる妖精郷』ってタイトルを変えてみたら?」
GM「何で、そこまでパクらないといけないんだよ。パクるぐらいなら、プレイヤーキャラにマーメイドのウィークリングを設定するわ」
サイバ「まあ、ラクシアのエルフは水属性が強いので、半分人魚みたいなもんらしいからな」
エマ「え? エルフは森の妖精で、ドワーフは大地の妖精でしょ?」
GM「ロードスやアレクラストではそうなんだが、ラクシアでは変化を付けるために、エルフは水属性で、ドワーフは火属性に設定されているんだ。それはさておき、グラタンたちにはこれまでの冒険で分かったことを一通り話したってことでいいな」
ミリィ「話した。みんな、あたしの偉大さに感じ入って、ひれ伏した。ホホホ、苦しゅうない、良きにはからえ。こうしてカシュミーラ・ミルモワールは妖精女王の地位を獲得し、一生幸せに暮らしました。めでたしめでたし。妖精郷の物語はこれにて完。Shiny NOVA先生の次回作をご期待下さい」
エマ「……って、わたし、キャラを作ったのに、まだ目を覚ましてもいない。悲しみと怒りのあまり、闇のオーラを放ちます(涙目赤光)」
GM「さすがに、それで終わったら、俺は読者に叱られる。俺が読者の立場なら、寄り道脱線転覆事故に呆れて、コメント欄を炎上させる」
マークス「ただでさえ、自分で炎上させてるようなものだから、これ以上、自爆する必要はありません。早く物語を進めて下さい」
GM「ならば、ミリィがアラマユの半分転生だと言う話を聞いて、ケットシーたちは納得する者と異議を唱える者と議論が勃発したんだが、とりあえず、『眠っているエマを目覚めさせる』ことで、もう半分の話を聞いてから結論を出そうという流れになった。なお、700年、アラマユの真意を探究し続けた『妖精郷随一のアラマユマニア』の称号を捧げたいベルゼンさんは、『アラマユ様の後継者を正式に襲名したければ、せめてフェアリーテイマーレベルを15に上げてからにしろ』と辛辣に言う」
ミリィ「ちょっと、15レベルって普通に到達できる最高レベルじゃない。今のあたしはレベル5だから、そこに経験点を注ぎ込んでも、7万3000点が必要。★の数にして365個よ。1日1★を稼いでも、1年間かかっちゃう。それだけあったら、あたしより先に人魚のローラが女王さまになってしまうわ」
サイバ「そもそも、妖精郷のプレイをそこまで続けるつもりはあるのか?」
GM「さあな。7レベルから先は、俺も未経験だからな。プレイ感覚もよく分からんし、最後までやると言う確約もできない状況だ。平成みたいに瞬間瞬間を必死に生きるしかないだろう。とにかく、妖精女王の道は男坂並みに長くて果てしないってことだよ」
ミリィ「女王坂を頑張って登れ、ということね」
エマ「大丈夫。女神坂はもっと大変だから。超越者ってルールを使って、レベル16とかに限界突破しないといけないものね」
GM「超越者ルールは2.0時代のもので、2.5ではまだ実装されていないんだがな。大丈夫、レベル20の魔女ネアンを倒せば、女王にも女神にもなれたってことで、めでたしめでたしにするから」
サイバ「レベル20の敵を倒せ、という辺りで、厳しそうなんだが。コンピューターゲームならともかく、TRPGでレベル20の経験者がどれだけいることやら」
GM「魔女を倒すには、光の魔剣の力で相手の妖精操りの能力を封じ込めて、いっぱい大妖精を召喚しまくって、HP168点を削れば何とかなるって」
サイバ「さりげなくラスボスのHPを公開しているが、光の魔剣抜きだと倒しようがないって理解でいいんだな」
GM「以上の情報は、ベルゼンの研究成果ということにしておこう。とにかく、ベルゼンが言うには、光の魔剣マクリール・ルーを扱うに足る勇者でなければ、魔女には絶対に勝てないということだ」
エマ「光の剣と闇の剣の力を合わせれば、神にも勝てるってことね」
木々怪々な光の樹への旅路
ミリィ「ということで、あたしたちは北エリアの【光の樹】に到着しました」
GM「いきなり話を飛ばすな」
ミリィ「飛ばさないと、お姉ちゃん……いいえ、エマさまが闇ポイントを貯めて、取り返しのつかないことになってしまう。あたしたちには時間が足りないの」
エマ「エマも、そうだそうだ、と淡い緑のオーラを発します」
GM「じゃあ、せめて移動判定ぐらいしろよ」
ミリィ「エマさま、お願いします」
エマ「わたしが振ってもいいの? では……(コロコロ)5」
GM「失敗だな。ええと、同じエリアの新しい場所に迷いこむ。さあ、どこに寄り道脱線したんだ?」
エマ「D66で決めるのね。(コロコロ)61」
GM「【光の樹】を目指して、妖精の道を進んだ君たちが抜けた先では、ガラス造りの木々が立ち並んでいる。地面にはガラスの落ち葉が降り積もり、歩くたびにガラスが砕ける音がする」
ミリィ「キラキラして綺麗ね。ここに【光の樹】があるの?」
ベルゼン『そんなはずがあるか。ここは危険な【ガラスの森】だ。急いで脱出するぞ』
ミリィ「え? ベルゼンさん、着いて来ていたの?」
ベルゼン『シーリィたちのところに顔を見せろって言ったのは、どこのどいつだ? だったら、おもてなし亭でただ待っているよりも、お前たちに同行した方が早いだろう。なあに、俺だって自前の魔動バイクを持っているし、足手まといにはならねえさ。それより、さっさとこの場から抜け出すぞ。手遅れにならないうちにな』
ミリィ「手遅れってどういうこと?」
ベルゼン『この場に留まると、ガラスになっちまうんだよ! 妖精郷危険地帯の一つだ』
エマ「どうやら、みんなガラスになって、バッドエンドで終わるようね。黒き絶望のオーラを放ちます」
ミリィ「終わらないから。絶望なんてしないから」
サイバ「そうだ。物語の結末はぼくが決める」
GM「だけど、時としてダイスが決めることもあるんだな。(コロコロ)イベントは特に発生せず。ただし、君たちは『ガラス化病』に感染した」
ミリィ「ガラス化病って何?」
GM「目標値15の知識判定を行え」
サイバ「知識なら任せろ。(コロコロ)ダイス目3。すまん、達成値13だ。ベルゼンさん、解説お願い」
ベルゼン『あらゆる動植物をガラスにしてしまう恐ろしい病気だ。病気深度が1〜4なら実害はないんだが、5以上まで進展すると、体の動きに少しずつペナルティーを受けて、11まで達すると完全に動けなくなってしまう』
GM「と言うことで、君たちはガラス化病の深度1状態だ。今後、ここに迷い込むたびに深度が蓄積されていく」
マークス「そんな危険な場所と知って、好き好んで来る人がいるのでしょうか?」
GM「移動判定の事故とか、ランダムテレポートの結果で、ここに来てしまう可能性を除けば、イベントでガラス化したモンスターが出現することがあって、そいつらを倒せば★がもらえたりする。ここでガラス化モンスターを倒しまくっていると、最大25個の★が稼げる計算だ。まあ、ガラス化のリスクがあるが、プリーストの【キュアディジーズ】の呪文があれば癒せるし、エマさえ目覚めれば、リスクなしで経験点稼ぎができる場所だ」
エマ「と言うことで、早くわたしを目覚めさせるように」
ミリィ「うう、ガラス化病を治すためには、嫌でもエマさんを目覚めさせなければいけないってことね」
エマ「嫌でも?」
ミリィ「ああ、ただの失言よ。嫌なわけないじゃない。お願いだから、これ以上、黒いオーラは出さないで」
エマ「では、プリーストの価値を再確認した【ガラスの森】を後にして、今度こそ【光の樹】を目指します。移動判定は……(コロコロ)ピンゾロ」
ミリィ「って、今度はどこに飛ばすのよ、お姉ちゃん!?」
サイバ「まるで、ドアワルドの回だな」
エマ「ごめん。昔から方向音痴なもので」
GM「俺に似たんだな。ええと、2だと、異なる隣接エリアの新しいパラグラフに出る。中央と北東は全部埋まっているから北西だな」
エマ「あれ? これで妖精郷のランダム地形が全部埋まったんだけど」
GM「何と、本当だ。残りは23番【虹の根元】で、これでコンプリートじゃないか。妖精郷の地形マップが思いがけず、今回、完成した! でかした、翔花」
エマ「フッ、伊達に時空を行ったり来たり、翔け回ったわけじゃないわよ。全ては計算どおり」
ミリィ「絶対ウソだ」
エマ「だったら、全ては運命の導きどおり」
ミリィ「そうそう、その方がお姉ちゃんらしいというもの」
GM「とにかく、行き当たりばったりで進んできた妖精郷の探索も、頑張って続けていれば、何らかの形になるんだなあ、と俺は年甲斐もなく感動している。これが今、完成した妖精郷のマップだ!」
●妖精郷の探索範囲(第4部8話時点)
(青字は宿泊可能、
緑は新しく書き入れた場所)
鉱山 骨の丘 雲海の岬ー大樹の森 屋根付き橋
l l l l l
花迷路ー大神殿ーー停留所ーー花畑ー羊ヶ原ー魔法陣
lーーー(ーーl l lー大空の小さな家
l 光の樹 l
虹の根元ー(ーーーー(ーガラスの森
火柱の塔 l薬草園ー鏡の池
l 凍結海 ーl l
l煙草の森ーおもてなし亭 ー キラ迷宮
凍山 l l l l lー白い巨塔ーl
ll l l 闇の樹 lー星空の舞台
ll 風車の谷ーー赤い河 lー果樹園
ll lllー逆さまの沼ーlーl
l白百合l鳥籠の木ー花咲く丘 l
l の谷 l lー炎の穴ーーーl
l l l
砂の街ーl 巨人たちの墓場
l
崩れゆく場所
- 中央エリア:おもてなし亭、薬草園、鏡の池、闇の樹、白い巨塔
- 西エリア:煙草好きの森、火柱の塔、凍てつく山、凍結海
- 南西エリア:風車の谷、鳥籠の木、白百合の谷、崩れゆく場所、砂に埋もれた街、巨人たちの墓場
- 南エリア:赤い河、果樹園、花咲く丘、星空の舞台、炎の穴、逆さまの沼
- 北西エリア:大神殿、骨の丘、花園の迷路、妖精の鉱山、虹の根元
- 北エリア:停留所、雲海の岬、光の樹、ガラスの森
- 北東エリア:羊ヶ原、水路のある花畑、屋根付き橋、魔法陣の広場、大樹の森、大空の小さな家
- 東エリア:太陽と月と星の迷宮
サイバ「道のつながりが入り組んでいて、見にくいが、固定パラグラフのおもてなし亭を除く全36のランダム地形が完全に埋まったのを見ると、感慨深いな」
マークス「全てのパラグラフが完全に開放された。正に全力全開とはこのこと!」
NOVA「おお、中途半端ながらも、自分なりに完結できて、感じ入れることもあるわけだ。読者の方に、この俺の感じている感動を共有してもらえるなら幸いだが」
ミリィ「大丈夫。地図を少しずつ埋めていって、全部を完成させたときの達成感ってのは、ゲーマーと名乗る者には、共通する想いなんだから。これで人の喜びを共有できないゲーマーには想像力が欠如していると言っても過言ではないと思うわ」
エマ「うん。誰かが何かを完成させた。その時の喜びを、自分も共感できるのは幸せな人。途中参加のわたしでも、自分が完成品にちょっとでも貢献できたと思うと嬉しいもの。でも、世の中には喜んでいる人の気持ちに乗りきれない人もいるのかもしれない。お前の喜びは俺のもの。俺の喜びはお前たちのもの。そんな感じで、喜びを分かち合えたらいいのにね」
GM「それこそが共感ってものだな。とにかく、喜びを人に伝えるには、大げさなほどに盛り上げるといい。喜びはオーバーアクションで、悲しみ苦しみは……ネガティブな想いはストレートにぶちまけられても、そこに感じ入りたいとは思わないので、適度にオブラートに包みながらってのが配慮ってものか。気持ちのやりとりってのは非常に難しい。
「ぼくの気持ちを分かってよってのはドラマの基本だけど、誰だって他人のネガティブな気持ちには翻弄されたくないもの。まあ、こいつは良い奴だから、こいつの悲しみは分かち合っても構わないって関係性が築けたらいいんだけどな。俺も昔から感情移入過多なところがあって、ついつい思い詰め過ぎて失敗を重ねてきた人間だから、必要以上の関わりは断ち切って、あくまで身内親族とか、仕事の付き合いとか、あくまで趣味の共有とかの範囲で人と接するようにはしている。
「趣味仲間だったら、当然、趣味を共有していることが前提で、同じ作品を見て、互いの感想が通じ合うとか、視点の違いにも納得し合えるとかだと、良い趣味仲間だと感じられる。逆に、感じ方のセンスが噛み合わなかったり(こっちが良いと思っているものに露骨な見下しをする分かってない奴)、そもそも見てないものを見たように振る舞って、的外れの批判を示したり(趣味話で、批判行為は両刃の剣である。するなとは言わないが、不用意にはするな。そして、批判には反論が返ってくる可能性を常に考えて、無条件で受け入れられるとは思わない方がいい。自分と違うセンスの持ち主まで、納得させられるぐらいの言葉を持ち合わせているならともかく)、うかつな物言いで人間関係をダメにすることだってある」
サイバ「そう言うあんただって、結構、人を傷つけていたりするんじゃないか?」
GM「傷つけまくりだろう。まあ、だから俺なりにフォローは入れるようにしているんだけどな。それと、専守防衛とか、批判も愛情の裏返しとか、1つ貶しても3つ褒めるようにするとか、感情論の暴言にはならないように気遣いはしているつもりだ。特定個人への説教癖については、スルーすることが一番の失礼に当たると考えているし、関西人特有のボケに対するツッコミ芸でボケをお笑いに昇華しようとか、いろいろ理論武装は構築しているんだが、そもそも彼のユーモアセンスがよく分からん。ユーモアとか、ペーソスとか、そういうことを意識して作品を味わったり、書きものをしたりすればクスっと笑えていいんだけど、そこが見えて来ないと、ギスギスしちゃうのかな、とも」
ミリィ「で、地図が完成して嬉しいって気持ちは分かるけど、【光の樹】を目指していたのに、【ガラスの森】とか【虹の根元】とかに着いちゃって、ちっとも話が進まないんですけど?」
GM「いや、俺は妖精郷ってこういうふわふわしたところというか、目的を決めて進もうとしているのに、移動判定に失敗して、思いがけない寄り道モードに入ってしまうところが面白いと思っているんだけどな。計算して緻密に考えているのに、トラブルでままならないところもネタになるというか、自分の性に合っているというか。まあ、たまにダイス目に翻弄されて、イラッとするけど」
サイバ「記事タイトルも、小見出しも【光の樹】って書いているのに、結局、【光の樹】に到着できずに終わりそうだな」
マークス「例によって、タイトル詐欺みたいですね」
GM「そういう時は、次回のタイトルが『続・光の樹』にすればいいだけの話だ。今回は、【光の樹】を目指してみたら、迷いに迷って、寄り道を繰り返したけど、思いがけず全部の地形が埋まったよ。めでたしめでたし、続きは次回の楽しみに、で陽気に終わればいい」
エマ「話が進まなくて目覚められないので、黒いオーラを放ちつつ、二転三転が面白いので、緑のオーラも放つわね」
ミリィ「闇だったり、光だったり、明滅感が激しいわね」
GM「これこそカオス極まりないな」
ミリィ「ともあれ、次回は【虹の根元】から始まるってことで」
●フェアリーガーデン第4部8話の状況
日数経過:32日め夜(虹の根元)
経験点:なし
収支:なし
妖精郷同化度3(カシュミーラのみ4)
ブラウニー発見数:5体
遂行中のミッション
・エマの眠りを覚ませ
受注したクエスト
・マルキのペンダントを故郷のロッテに渡す。
・ベルゼンをシーリィと再会させる(手紙配達と兼ねて)。
・凍結海のフラウにスイーツ5個買ってくる。
その他の冒険目的&情報
「火柱の塔の魔力炉で〈妖精郷の鐘〉を鋳造できる」
「火柱の塔のエインセルにラナスイーツを渡せば、
〈炎精鉱〉をもらえる」
「火柱の塔に〈炎精鉱〉を持ってくれば、火の封印が解除できる」
「水晶塔の情報6ヶ所」(光は封印解除済み)
「大神殿の信者を解放できるよう成長」
「エマの吸血鬼化症状を治癒するため、【大樹の森】に向かう」
「アラマユの遺産、光の魔剣マクリール・ルーの手がかりは【光の樹】のスプライトに」
「雲海の岬でジンに会う」(レベル11以上で達成可)
「凍て付く山でスカディに会う」
「凍結海でミーミルに会う」
「ヒックリカエルはダジャレで世界をひっくり返し、闇に包む」
「雪山にドラゴンゾンビがいる」
「鳥籠の木には偽女王が捕まっている」
(レベル11以上でイベント発生)
「魔女の名前はネアン。邪妖の女神を目指している」
「崩壊しかけている妖精郷を救う」
冒険達成度:合計37%
(当記事 完)