久々の成長タイム……だったはずが
NOVA「待ちに待った今年初のフェアリーガーデン成長タイムだ」
晶華「前に成長したのは、年末だったものね」
NOVA「俺がRPGというゲームの何が好きなのかと言えば、ストーリーゲームという点もあるが、何よりも成長ルールがある点だな。自分の大切なキャラが強くなっていくのも好きだし、他人のキャラでも、こういう風に成長しましたよって目に見える変化が実感できるのが素晴らしい。逆に、成長しない奴はダメだ、フィクションにおいても、リアルにおいてもな」
009『でも、若い時ならいざ知らず、時を重ねて成長するってのは難しいだろう?』
NOVA「難しいけど不可能じゃない。老いてなお盛んなキャラとか、戦士として若い時の体力はなくなったけど戦いの趨勢を見る目は健在とか、何らかの形で若者の手本になるような属性を備えた師匠キャラってのには憧れる。そう、年を重ねたら、相応に含蓄深い言葉を、自己の経験と研鑽から語れるキャラになりたい。それが俺の夢だったからな」
晶華「口うるさいだけの老害扱いされないといいけどね」
NOVA「そもそも老害とは何か? それは『自己の古い価値観を押しつけて、若者の新しい価値観を認めず、彼らの成長を妨げる超保守的な頑固者とか権威主義者』に対する若者サイドからの蔑称なんだろうけど、言葉というものは恐ろしくて、ある言葉が蔓延すると本来の意味を越えて、思考を誘導することがある。老害という言葉は『老いることはネガティブなこと』というイメージを伴って、『賢く老いる、老成する、年寄りへの敬意』という先達の知恵や年季ある経験というものを軽視する風潮を生み出すことにつながっていると思うんだよね」
晶華「NOVAちゃんは、老害呼ばわりされることに不服を感じるの?」
NOVA「俺が若者の成長を妨げる権威主義者に見えるか?」
晶華「う〜ん、どちらかと言えば、若者の成長を応援する立場かな? 少なくとも、NOVAちゃんの口から『だから最近の若者は云々』という言葉は聞いたことがない」
NOVA「特定個人に対しては、『だからお前はアホなのだ』と某師匠みたいなダメ出しをすることはあるけどな。少なくとも、対象を広くとって、全ての若者にまでダメ出しすることはないと考えている。ただ、ネットの匿名社会では『声の大きい者が過激な言葉で、昔の価値観を全て老害と切り捨てる傾向』を最近、特に感じてな」
ケイP『最近は、令和の初期に当たるので、平成の初期を懐古するブームが来ているみたいだッピ。具体的には90年代から世紀明けの作品がよく話題になるッピね』
NOVA「俺は70年代から80年代に育って、90年代は未成熟な社会人という立ち位置だったけど、まだまだ感受性の強い若者だったからな。その辺の流行はダイレクトに受け止めたつもりだ。世紀明けになると、サイト運営に時間を割くようになり、受信よりも発信に力を注いで、方向性がだいぶ偏ったり、興味はあるけど追っかけることはできずに浅はかな知識にしかならない作品も出てきたわけだが、とりあえずネットのない時代は『知ったものを深く追求する追っかけ方(だけど視野は比較的狭い)』のに対し、ネットに接することで『知ったものをより深く追求し、知り得なかったものも表面的に知ることはできるようになって、自分でも視野が広がったと思う反面、知ったかぶりで判断してしまう浅慮が増えた』と考える」
晶華「どういうこと?」
NOVA「昔は、何か物を書こうと思えば、関連書籍を調べて、そのジャンルに対して相応の体系だった知識を習得した上で書く必要があったわけだ。でも、ネット社会になると、そこまでの手間を掛けずに、ネットで知識の断片をつまみ食いするだけで、その背景を理解しなくても書くことはできる。よく知らない人間が、体系だった知識もないままに何かを書いて、知識人ぶることも容易になったということだよ。ただ、物の良し悪しの判断基準が、積み上げられた知識に基づくものではなく、その場の感情や思い込みに流されがちなので、『自分の知らない知識を持っている先達を老害視して、自己の浅はかなプライドを満たすことしかできない知への探究心を持たない若者』が近年、目立ってきた気がする」
晶華「具体的には?」
NOVA「ドラクエ3の歴史的意義や、ダイ大の面白さを語るだけで『老害呼ばわりされてしまう』んだよ。まあ、俺が言われたわけじゃないし、それを語った人間が本当に俺の世代なのか、若い人間が昔のことを調べて感じ入って書いたのかは匿名なので分からないが、『昔の価値観を語る=即、老害と決めつける』という風潮が一般化したらイヤだなあ。俺は歴史に興味を持つ人間として、『昔の価値観を今の価値観で断罪する世の中の風潮』を憂うる立場だ。まあ、昔の価値観を反省したり、今風にブラッシュアップあるいはアップデートしたりするのはいいとしても、『今の目から見て、昔は良かったという懐古的な視点まで、まとめて害悪呼ばわりされた』んじゃ、たまったものじゃないと思うわけだ」
009『つまり、過去と現在の価値観の断絶が目についたってことだな』
NOVA「まあ、昔を知らない特定個人の過激な戯言だと切り捨てるのは簡単なんだがな。ただ、それがマイノリティではなく、若者のメジャーな考え方になってしまうと、文化の継承が絶たれてしまうんじゃないか、と危惧するわけで。その点、スーパー戦隊や円谷さんは昔のヒーローを大切に扱ってくれるので、安心して見てられる。やっぱり、人間、温故知新でないと成長進化できないってことなので、温故の考えを持たない青二才には発展性がない、という結論で納得しよう」
晶華「そういう、若者を青二才呼ばわりする傲慢さが老害なんだと思うけどね」
シリーズ物の発展史
NOVA「まあ、何にせよ、シリーズ物とかジャンル物の発展をあれこれ考えるのは、昔からの俺の趣味だからな。とりわけ、ジャンルの黎明期とか発展期には、毎作品ごとに進化していく楽しみがあって、『今度はどう成長するのかな?』とリアルタイムに感じられる経験は決して後からは味わえないと思うんだ」
009『本人の年齢ゆえの感受性もあるだろうけど、ファミコン→スーパーファミコン→プレステ→プレステ2の映像進化の過程は、それだけでワクワクできたもんだ』
NOVA「お前はプレステ3を知らないもんな」
009『知ってるさ。まだ買ってないだけで』
NOVA「そうか? ああ、確かにPS3は2006年発売だから、知ってはいるのか。俺がPS3を買ったのは、確かスパロボの第2次OGとか、魔装機神3とか、第3次Zをプレイするためだから、大体、2013年の春ぐらいだったかな」
晶華「でも、PS4が出たのがその年の秋だったから、NOVAちゃんのゲームハード追っかけは一周遅れになっているのよね」
NOVA「とても最先端を生きているとは言えないよなあ。まあ、スパロボを中心に追っかけていたら、必然的にそうなったってことだよ。で、PS4を買わずにVITAでスパロボ追っかけて、その後はSwitchを買ったのはいいけど、ドラクエ11Sとかビルダーズ2を購入だけして、プレイせずに今に至っている始末」
晶華「何よそれ? もったいない」
NOVA「そっちよりも、ブログ書きとかソード・ワールドに夢中になっているのが、この3年ほどだったからなあ。あと、もうすぐ終わるけどスパクロとか。あ、そう言えば、DDではこんな予告映像が流れてきたなあ」
『スーパーロボット大戦DD』ワールド6&クロッシング・パイロット第5弾 PV
晶華「へえ。ワールド6に、とうとう第2章かあ」
NOVA「俺は、第1章のパート2の最終決戦で止めて久しいけどな。ワールドが増えたり、クロッシング・パイロットとかで、ちょくちょく遊んでいるんだけど、この期に再開してもいいかなあ、と思っている」
晶華「それで、30周年の新作情報は?」
NOVA「まだないぞ」
晶華「だったら、ドラクエ35周年の方が盛り上がりそうね」
NOVA「かもな。それと、最近、こちらのゲームを意識し始めた」
【ブレイブリーデフォルト】シリーズの歴史を振り返る【新しい王道RPG】
009『ブレイブリーデフォルトかあ。そんなゲームが出ていたとは知らなかったなあ』
NOVA「そりゃあ、お前は2009年人だから、2012年に発売のゲームを知らなくても不思議じゃない。問題は俺だ。その時代を生きていたにも関わらず、知らないってことは、ゲームに対するアンテナが全く機能していなかったってことだからな。まあ、『オクトパストラベラー』はロマサガの後継者ということで名前だけは知っていたんだが」
009『ロマサガかあ。懐かしいなあ。戦闘BGMが格好良くて、FF同様にハマり込んだものだ。90年代の懐かしい思い出だよ』
[SFC]ロマンシング サ・ガ - オーバーチュア~オープニングタイトル
NOVA「OPの壮大な雰囲気の曲がいいんだよなあ。この時は、好きなゲームのCDも買って、プレイしなくても聴きまくったものだ。曲を聞くたびに20代が蘇ってくる。そして、今年はロマサガ30周年でもあるんだ」
『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』紹介映像 総集編
晶華「これはこれで、面白そうね」
NOVA「まあ、多分やればハマると思う。帰って来れないぐらいにな。2018年の発売じゃなければ、そっちを堪能していたはず。その年は花粉症ガールのブログ記事などに俺がハマり込んでいたから、外へのアンテナが機能していなかったんじゃないかとも思いつつ、実のところ『オクトパストラベラー』の話題を聞いたときは、『何だ、ロマサガか。今更なあ』という感想しかなかったのも事実。令和を目前に、懐古よりも未来に目が向いていた感じでな。でも、今回、『ブレイブリーデフォルト2』を機に、にわかに興味が膨らんでいるんだよ」
晶華「何で?」
NOVA「だって、2021年2月26日発売だぞ。まるで、俺の50歳の誕生日を祝うタイミングで発売されたわけで。しかも、 俺がその存在を知ったのは、この記事を書いた直後だ。FF懐古をあれこれしているタイミングで、『光の4戦士とか、クリスタルとか、ジョブチェンジとか』いろいろとツボを突くゲームが新発売され、さらにダイ大を見ているタイミングのCMで宣伝までしてくる。これは俺に買え、と訴えかけているようには思えんかね?」
009『で、買ったのか?』
NOVA「いや、まだだ」
009『トロい奴だなあ。欲しいもの、ツボにハマるものを見つけたら、何を置いても速攻で買う。それこそが若さや愛ってものじゃないのか? 振り向かず、ためらわない。あんたはギャバンから何を学んだんだ?』
NOVA「若くなくて悪かったな。ギャバンから学んだのは、あきらめず悔やまない心だ。俺のギャバン愛は、歌詞の1番から2番に光の速さでダッシュしたんだよ。振り向かなかったら、時空魔術師なんてやってられないし、ためらわなかったらただの突撃バカだ。俺はいろいろ振り向くし、時としてためらいもするが、だからこそ宇宙刑事ノヴァンを名乗ってもいる」
009『いつから宇宙刑事になったんだよ?』
NOVA「さあな。風にでも聞いてくれ」
009『おい、シルフ。教えてくれ、と妖精念話で問いかけてみるぞ』
NOVA「おかけになった番号は、現在、念波が届かないところに……って今は、フェアリーガーデンの話をしてるんじゃねえ」
晶華「だけど、最初はフェアリーガーデンの話をしようとしていたはず」
NOVA「……寄り道から帰って来れなくなった。これも、振り向かず、ためらわずに心の赴くままに突き進んだ弊害って奴だな。とにかく、俺は今、無性にブレイブリーデフォルト2に手を出したい。旬のゲームにここまで興味を惹かれたのは、久しぶりだ。具体的には、ドラクエ11の3DS版を買うとき以来」
ケイP『2017年の夏以来ということだッピ』
晶華「買うのはいいけど、その前にミリィたちの成長記事を書いてからね」
(次回につづく)