Shiny NOVA&晶華のNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガールというオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

日曜買い物などの話

スパクロ25章の続き

 

NOVA「前回、『スパクロ25章(完結編)』なんて書いてしまったが、実はまだ終わってなかったんだな、これが」

晶華「え、そうなの? ところで、どうして終わったって判断したのよ」

NOVA「そりゃ、エピローグってタイトルが付いてたら、終わったって思うだろう。それに、これまで1章10話で続いていて、25章もちょうど10話でエピローグだったからな。こっちは26章をやるか、新たな1章になるか、それともメインストーリーは少しお休みで充電期間になるのかなあ、と思っていたんだ」

晶華「でも結果は、そうでなかった、と」

NOVA「25章10話のエピローグの続きで、25章11話があったんだ。しかも、まだエピローグは続くみたいで、どこまで続くのやら読めなくなった。とりあえず、期間限定イベントはソリスと宿敵ナイアーラ(通称ヘビ)の最終決戦で、昨日から始まったけど、その後はどうなるんだろうなあ」

晶華「そんなの私が知るか」

NOVA「俺も知らねえよ」

晶華「……」

NOVA「お互い知らないんじゃ、これ以上、話は膨らまないよなあ。じゃあ、膨らむ話題に切り替えよう」

 

ロードス・リプレイの話

ロードス島戦記RPGリプレイ 放浪貴公子のはてしない家路 (富士見ドラゴンブック)

 

NOVA「待ちに待ったロードス最新リプレイをついに手に入れたぞ」

晶華「おお、読ませて、読ませて」

NOVA「内容は、お前も知ってるネット連載された分だけどな」

晶華「だったら、そっちを読んだ人は買う必要がないってこと?」

NOVA「いや、ロードスファンを自認する者なら買うべきだろう。これを買わずして、俺とロードス話をしようなどとは片腹痛い。俺はこの本が売れるためなら、ここで何でも書くぞ。何せ、この本は俺の夢を実現したとも言える代物だからな」

晶華「え?」

NOVA「俺が90年代に一時期、SNEで見習い契約社員をしていて、いくつかの作品のお手伝いをさせてもらっていたけど、阪神淡路大震災や、D&DのTSR倒産や、TRPG冬の時代などの理由もあって、まあ、俺自身の運や才能のなさなど反省材料もあるんだろうけど、結局3年ほどで夢潰えた話は今さら言わなくても分かるよな」

晶華「まあ、長らく挫折した夢って形で、NOVAちゃんの中でくすぶり続けた想いだったもんね。他の人にはどうでもいい話だけど」

NOVA「この辺の満たされなかった青春時代の想いをどう昇華しようかって気持ちで、20年前に『ホビー館』を立ち上げたわけだからな。自分の趣味話をあれこれ書きながら、気持ちの整理とか、趣味とその後の仕事の原動力にしようとか、趣味に関する自己実現のプラットホームにしようとか、細やかながら自己実現の場にしたい想いを紡ぎ上げてきたと言える」

晶華「その中で交流してきた人たちとか、いろいろな趣味話を通して、感じ入ったことなどの結晶と言えるわけね」

NOVA「ああ、個人のホームページとかブログとかは、本当にこの広いネットで自分だけの箱庭世界を築くのが一番の目的で、自己顕示欲が先立つわけだけど、そこに『広告や宣伝などの商業目的』や『アクセス数稼ぎによる他者からの承認欲求を満たす』とか、まあ、人ごとの目的はいろいろあるとして、俺自身の目的は『自分の生きてるって感じを文章の形で残すことと、その時その時の自分の人生や想いの整理』が何よりも重要。『書きたい時に書きたいことを書ける自分の居場所』って気持ちだな」

晶華「他の人については?」

NOVA「掲示板などの交流は、副次的な産物と言える。元々、俺は内向きの人間だし、ユング流の精神分析で言えば、思考タイプと直観タイプになると考える。『自分の内面の思いつきに耽溺する空想癖の塊』が核で、そこに後から『論理的思考』を習得したのが基本的人格だというのが、一つの自己像だな。決して外向的なキャラではないし(仕事その他の必要上から、そういう振る舞い方を学習したりはしたが)、『何も言わなくても他人の感情を察して、共感できるキャラではない』し、『現実感覚に疎くて快楽志向でもない』わけで、ユング的な感情タイプと感覚タイプの回路が弱いということになる」

晶華「つまり、どういうこと?」

NOVA「人の気持ちを理屈と想像力と言葉で察することはできるし、それに応じた対応をとることも社会的学習で可能になっているが、決して同情的でもないし、他者に親和的ってわけでもないし、人の内面に踏み込むことを良しとしない。まあ、ネット上の人とのコミュニケーションは『言葉による会話』メインだし、『共通の趣味や話題、価値観』を前提にするなら、それほどトラブルにはならないわけだ。『価値観のズレ』なんかも、『論理的思考に基づく議論』で相手次第で相互理解までは持ち込める程度の知性は有していると自認するが」

晶華「問題は相手が聞く耳を持たない』『自意識過剰すぎて、人の話をまともに受け付けない』『自尊心が低すぎて、他人の言動に何かと傷つきやすい』などの特徴を有する場合ね」

NOVA「そういう人間との会話は、正直疲れるよな。身内にいると、とにかく話が通じないので、こちらが自己主張を抑えて聞き役、なだめ役に回るか、相手の話のツボを上手く突いて気分よくなってもらうか、社交技術はそれなりに会得したと思うけど、決して喜んでそうしているわけじゃない。そういう人間との付き合いが必要な場合に限って、自分を抑えてやっているだけだ」

晶華「相手に合わせて、自分を前面に出して主張したり、自分を抑えて相手の話を受け入れたり(完全に同意とまでは言わない)、押しと引きを使い分けるってこと?」

NOVA「普通、人と話をしていて、100%の理解と共感はあり得ないんだ。だから、ネットで話をしていても、『相手の話のこの部分を汲み取ったよ』と合図しながら、その部分に『自分なりの理解の言い換えを補足したり、発展させた見解を披露』したりする。それで、相手は『自分の意見をどのように受け止めてもらったか』を判断し、相手の理解レベル、共感レベルを知って、そこに合わせたリアクションをとる。話がかみ合うってのは、こういうことだな」

晶華「100%の理解と共感はあり得ない……って寂しいよね」

NOVA「それを相手に求めるのが、子どもって奴なんだ。『この人には自分の全てを分かって欲しい』と自己開陳して、相手もいきなり拒絶するのは失礼だから、ある程度は話を聞いて、分かる部分に応対する。すると、応対された相手は、『この人には何を言ってもいい』って気になって、相手の受け入れられないレベルまで一気に、性急に押し付けてくる。それが拒絶されたら、『相手に裏切られた。思わせぶりな態度を取りやがって……』という思いに駆られて逆恨みしたり、自分のやり方が悪かったんだろうと反省学習したり、まあ人それぞれだな」

晶華「NOVAちゃんが人を拒絶する場合って、どんな時?」

NOVA「そりゃ『俺の内面世界を脅かす』と判断した場合だろう。『好きなものの悪口を言われる』『人の話を聞かずに、自分を押し付けてくる』『他人の公開していないプライベートに、公私の区別を付けることなく下手に踏み込む』 こういうことをしてくる人間に対しては警戒信号が発令するわけで、それはその都度、俺との付き合いを望むなら『そういうことをするな!』と明言しているわけだ。普通の人間は、そういう拒絶のされ方をしたら、同じような過ちを避けるようにするんだけどなあ」

 

晶華「で、この話って、ロードスとは関係ないよね」

NOVA「普通はな。ただ、この話題にしている彼が別ブログのコメント欄にできればそろそろ二巻の出そうな制約の宝冠の話題も』と書いてきて、 要は『ロードスの話をNOVAとしたい』と打診してきたんだな。この男は、コミュニケーションに飢えているというか、散々、俺に小言を言われているにも関わらず、その原因を改善することなく、むしろ新たに拒絶される原因を積み重ねながら、それでも俺に相手をしてもらっているとたぶん好意的に解釈して(まあ、俺もスルーはしていないんだが)、俺がコミュニケーションとか人間心理について考える『反面教師的なネタ』を提供してくれる」

晶華「ところで、『制約の宝冠』って何?」

NOVA「それはまあ『誓約の宝冠』なんだろうけどな」 

晶華「そろそろ2巻って出るの?」

NOVA「出ないよ。まあ、こいつの言うところの『そろそろ』と言うのが、『今から1年以内』ということなら、さすがにそこまで遅れることはないと思うけど、『1巻が出たのが去年の夏だから、2巻めもそろそろ出てもおかしくない』という思い込みの願望、当て推量なら、 いろいろとお粗末だ。ファンだったら、こういうことを書く前に、新刊予定がいつかネットで検索してチェックするだろうし、それを試みて、流れている噂を真に受けてミスしたということなら、なるほどな、と納得できる」

晶華「まあ、ネットの噂に騙されたということなら、仕方ないか、と」

NOVA「で、俺はファンの流儀として、その辺の情報を精力的に追いかけている人間と自認しているので、最初に『え? こいつは俺の知らない新刊情報を持っているの? どこかで噂が出ている?』と気になって調べたんだよ。だけど、その結果、そんな噂はどこにもない。まあ、そりゃそうだよな。作者の水野良さんがツイッターで『新刊ようやく完成しました』とか、出版元のKADOKAWAさんが宣伝していないのに、新刊の情報が出回るはずがない。結論、こいつの持ってくる情報は疑ってかかれ、という事例が増えた、と」

晶華「でも、ネット上で情報を得るテクニックの一つとして、『わざと間違ったことを書いてネタ振りしたら、それに詳しい人間が正しい情報を書いてくれる』ってのが、あるみたいね」

NOVA「まあ、匿名板で詳しい人間を釣るために、あえてボケたことを書くという手法もあるらしいけど、そして一部の人間は『自分が知っている正しいこと』で間違った情報を上書きしたいという啓蒙的習性を持っているらしいけど、この男の場合は『ファンとして、その話題について話がしたい』という文面でつまらん間違いを仕出かしてしまっているからなあ。ファンだったら、『タイトルを間違える』『発売時期についてのデマを流す』というのは、恥ずかしいことって感覚がこいつにはないのかな、と」

晶華「まあ、間違いは誰にでもあるんだし」

NOVA「確率の問題(文章量に比較しての間違い率がやたらと高い)と、反省して修正するって意識の問題(自分の間違いを自分で気づいて手早く修正した試しがない)だな。俺も今回のスパクロの話のように、『まだ完結していないものを完結したかのように記事タイトルにした』というやらかしがあって、そこを後から正す形で前置きを始めたわけだが、『予想を外したから、後からフォローする』『予定どおりに進まなかったから、現状分析した上で予定を見直す』というのは、人と継続した付き合いをする上での信頼問題に関わって来るからな。まあ、『その場限りのお付き合いで、深いことを考えない程度の関係』でいいなら、いちいち細かいことをツッコむのも無粋だろうけど、俺は趣味人として、自分の趣味の分野については誠意をもった記事を書きたいから、コメント欄でたびたび嘘や間違いを書かれることも、大変迷惑なんだ、と考える」

晶華「NOVAちゃんは、自分のミスにも過敏に対応するし、他人のミスの指摘も、時々細かいわよね」

NOVA「まあ、人様のミスについては、下手につつくと無粋なことはスルーしながら、このネタは膨らませると、話がうまく展開する(盛り上がる)と判断したときに、指摘してから蘊蓄話に持ち込むことは多いな。まあ、ミスを指摘された際に、気の利いたリアクションを返すことで、コミュニケーションが弾むこともあるだろうし、ミスを芸人のボケと解釈すれば、ツッコミを誘発することもできる。ミスが多いと自覚する奴、人からたびたび指摘される奴はそういうところを持ち芸にするのもありだろうけどな。その上で、ファンとして許されないレベルのミスはあるってことで」

晶華「どういうレベルって無粋なことは聞かないわ。それこそ、どこまで作品に思い入れているかによりけりだもんね。作品ごとの知識格差にもよるし」

 

NOVA「ともあれ、ロードス最新刊は、俺の知人の杉浦GMによる『放浪貴公子の果てしない家路』だ。川人忠明氏がTRPGシステムを受け継ぎ、杉浦武夫氏がリプレイを書くって、俺の世代の者たちにとっては夢であり、憧れであり、正にそういう俺自身が果たせなかった希望を彼らが代わりに果たしてくれたんだから、いいなあ、凄いなあ、よく頑張ってここまで……と感慨に耽るわけだよ」

晶華「杉浦さんって、どういうタイプ?」

NOVA「豪快な加藤ヒロノリの相方として、ずっとモンコレのシステムディベラップとか、緻密な裏方仕事をやってきた才人だな。決して、自分が前面に出るって勢いのある作家タイプじゃなくて、寡黙な職人タイプだけど、とにかく多芸なんだ。絵も書けるし、細かい作業が得意で、コツコツマメにこなす反面、自己顕示欲をあまり示さない大人しいタイプだったと記憶。まあ、20年以上前の記憶だから、その後、いろいろ成長もしているんだろうけど、『内助の功』という言葉が一番ふさわしいんじゃないかなあ。ちなみに、クールで人当たりのいいメガネキャラだった」

晶華「そ、それは私のツボかも」

NOVA「俺が感じ入ってるのは、ロードス復活というタイミングで、ロードスに間違いなく夢と憧れを抱いていた同期の若者が、ロードスサポートの主役として、ここまでコツコツ頑張ってきた結果を示したことだよ。自分は彼らにストレートにシンパシーを感じるし、『俺の屍を乗り越えて、後はお前たちに託したぞ』というような気分に浸っているわけで」

晶華「いや、NOVAちゃんも死なないでよ」

NOVA「一度は死んだんだよ。TRPG会社に夢と憧れを抱いて、頑張ったけど挫折して、いろいろくすぶって、それでも自分にできることは何だろうとあれこれ模索して、その結果、プロであろうとなかろうと、書くことは楽しいし、それが自己実現の一つの形だし、セミプロ崩れのファンの一人だけど、今、頑張っているプロの人たちを応援することに生き甲斐を見出しながら、自分の世界を20年進み続けた不死鳥のような気分だけどな」

晶華「うわあ、不死鳥宣言きました。キラメイジャーのオラディン王に影響されているのは明らかね」

NOVA「それだけじゃないぞ」 

NOVA「とにかく、俺の青春の1ページはSNEにあるし、それ以降はまあ、自分の距離感として、どこまでこだわるのか、それとも想いをきっぱり捨て去るのか、迷いながら生きてきて、そして平成の終わりに際して、一念発起して、もう時効だと割り切りながら、ブログで想いの丈を綴ろうって気になった。もちろん、今、頑張っているかつての仲間たちの邪魔をしたくもないし、ファンとしての節度を外さない振る舞いを意識しながら、それでも自分が今、楽しんでいるもの、楽しみたいものを心から応援する気持ちだな」

晶華「今でも、川人さんや杉浦さんとの交流は?」

NOVA「ないさ。昔なじみとして『リプレイ発刊おめでとう』とのお祝いを送ろうと考えたこともあるけど、そこまで深く付き合ったわけでもないし、こういう俺個人の感情はこの場だけでいいやって気持ちだ。別に、彼らにこっちを相手して欲しいって気持ちでもなく、ただただ自分の感情だけは確かにあることを残したい。どこまでも自己満足の想いだし、一方通行でもいいと思えるのが理想的なファン心理だと考えている」

晶華「ファンだから、応援している人に自分を見て欲しいって気持ちは?」

NOVA「作品ファンとしては、自分を見なくてもいいから、自分を楽しませてくれる作品を待ってますってことだな。しかも、昔は月に一度の雑誌記事とか、そういう文面を通して付き合うしかなかった人たちが、ツイッターで私生活含めていろいろと語ってくれているので、追いかける気になれば、昔よりもたっぷり追える情報社会が今なんだ。自分を見て欲しいって気持ちよりも、自分がいろいろ見て、時々、同好の士と語りたいって気持ちの方が大きい。その点では、受け手としての自分に満足してるってことで」

晶華「なるほど。とにかく、ロードスリプレイ発刊で、それを購入したことで、NOVAちゃんの想いが吹き荒れていることは分かったわ」

NOVA「そうなんだよ。まだ、買ったばかりだから、全部読めてないんだよなあ。一応、ストーリーはネット掲載分で知っているけど、横書きと縦書きで読んだ感じが違うなあ、とか、本になったことで、より『ロードスRPG』のサプリメントとしての色合いが強くなったなあ、とか、杉浦GMのアクのなさ、堅実さが『初心者対応リプレイ』という出版目的にフィットしているなあ、とか、それでいてストーリーは原作王道を土台に、うまくまとまってるなあ、とか、手堅い傑作と言えるもの」

晶華「そんなに面白いの?」

NOVA「ロードスファンなら間違いなく楽しめる。小説ファンも、ゲームファンもな。普通、ロードスって水野さんのものだし、作家ごとに作風の違いってものがあるから、そこで変に自分らしさを追求するような人間がリプレイを書くと、『これはロードスじゃない』って嫌悪感を抱くファンも出てくると思うんだ。例えば、俺がもしもロードスリプレイを書くなら、俺のネタでロードスを歪めてしまう可能性は大で、それは他のSNE作家でもそうなると思う。だけど、杉浦くんはいい意味で自己顕示欲の薄い作家で、年季の入ったロードス愛あふれた職人のスタンスで、書いている。杉浦色でロードスを変に歪めたりはしていない」

晶華「それって、作家に対して褒め言葉とは言えないのでは?」

NOVA「小説家じゃないもんなあ、彼。あくまでゲームデザインのサポートで、方向性としては、水野さんではなく、高山浩さんの後継者になるわけだし、作家性としてはニュートラルで、基本に忠実なんだ。それでも、ロードスのTRPGのサポート記事をいくつも書いていて、それを見ると、原作小説を実に読み込んでいるなあ、ということが分かる。単行本にはなっていないけど、雑誌でロードスのリプレイ記事もいくつか書いていて、システム紹介がお見事という評価もしている」

晶華「つまり、総合評価として?」

NOVA「ロードスの世界観とゲームシステムを基軸とした読み物としては、非常に完成度が高いんだ。変な色が付いていなくて、安心して読める。これは原作ものとして、非常にポイントが高い作品だ。何よりも、KADOKAWAさんがほぼ20年ぶりに出版した文庫版のロードスリプレイだからなあ。スニーカーじゃなくてドラゴンブックだけど、とにかく『ロードスファンの、ロードスファンによる、ロードスファンのための公式リプレイ』ってことで、今後のロードスを応援したいファンなら絶対お勧めだ。小説しか売れないということなら、ゲーム展開が終わってしまうし、やっぱTRPGあってこそのロードスだと思うわけなんだ」

 

あるゲームデザイナーの訃報

 

NOVA「ところで、先週はTRPG業界で、一人の人物の訃報がいろいろと流れたんだ。その人は、SNEだけでなく、会社の枠を越えて2000年代から活躍してきた人で、俺は直接、面識はないんだけど、俺が一時期世話になったこともある北沢慶アニキ(あえて、そう言う)の弟子みたいな立ち位置で、いろいろと作品を書いていた人なんだ。いかにも体育会系の力造さんって言うんだけどね」

晶華「ええと、ここでは初めて名前を聞くけど、どういう作品を作ったの?」

デモンパラサイト (Role&Roll RPGシリーズ)

デモンパラサイト (Role&Roll RPGシリーズ)

 

NOVA「『デモンパラサイト』とその発展版の『パラサイトブラッド』が、北沢氏と力造氏の合作だな。2000年代にこの作品の経験があるから、北沢氏が現在『ソード・ワールド』を全面的に担当する流れができたとも言えるし(もちろん、90年代から『ハイパーT&T』などいろいろ頑張ってきた流れの延長として)、その中で、北沢氏とタッグを組みながら、頑張ってきた力造氏の奮闘ぶりは、一時はソード・ワールドを除くTRPGから後退していたSNEがその後、再び、様々なTRPG作品を発表するきっかけの一つかも、と思いながら、俺もファンとして追いかけていたんだ」

晶華「へえ。そのゲームは面白いの?」

NOVA「実はプレイしたことがない。リプレイは楽しく読ませてもらったんだが、ルールは買うけどプレイ経験を持たないコレクターでしかない時期だったんだな、当時は」

晶華「どんなゲームなの?」

NOVA「いわゆるデビルマン寄生虫に取り憑かれて特殊能力を持つようになった『悪魔憑き』と呼ばれるプレイヤーキャラが、邪悪な悪魔憑きと戦うゲームで、サプリメントを使えば、メカニックな改造人間やパワードスーツで戦うことも可能」

晶華「仮面ライダーもできる?」

NOVA「できるだろうな。一応、ダーク寄りな変身ヒーローRPGの方向性だから。90年代のGURPS妖魔夜行とか、他者のダブルクロスの流れを受け継ぐ世界設定で、よりプレイしやすいシステムと認識している」

晶華「プレイしていないのに、プレイしやすいって分かるの?」

NOVA「試しにキャラ作りぐらいはするからな。というか、TRPGのシステムだけ買って、キャラ作りすらしないのってどうなのよ?」

晶華「いや、どうなのよって言われても……」

NOVA「まあ、ざっとルールを読んで、知ってるルールの亜流だったら、あえてダイスを振らないというケースもあるけど。とにかく、妖魔夜行ダブルクロスはキャラ作成時の選択肢や組み合わせが結構、多いのよ。初心者はこれが大変で、初めてプレイする場合は、選択肢が少ない方がいい。だけど、少なすぎるとルールとしてつまらないというジレンマがあって、デモンパラサイトは8種類の基本クラスと、レベルアップの度の選択肢を2つのルート選択に絞ることで、分かりやすくした。そして、サプリメントでクラスを増やすことで、ヴァリエーションを増やす手法だな」

晶華「比較対象のGURPSとか、ダブルクロスってどうなの?」

NOVA「GURPS妖魔夜行は、妖怪の数が膨大だからなあ。ダブルクロスも基本は10種類以上のシンドロームから3つを組み合わせて、自分のオリジナルキャラを作るシステムで、初期の選択肢をあれこれ分析するだけで、ブログの1記事から数記事は書けるほどだ。ソード・ワールドをやってると分かるだろう? どの技能とどの技能を組み合わせるといいか、とかいろいろ考えるシステムだ」

晶華「デモンパラサイトは?」

NOVA「クラシックD&Dみたいに基本はクラスを選ぶだけ。まあ、育成のヴァリエーションはよほど豊富だけどな。入りやすくて、奥が深い系のゲームで、とにかくTRPG初心者でも楽しめる好システムだ。まあ、焼肉と裸というアクの強いイメージが付いて、色物的なゲームに見られて、シリアス台無しになってしまう弊害はあったが、それはGMカラーだと擁護しておく」

晶華「何? 焼肉と裸って?」

NOVA「悪魔憑きの一部は、変身した後、衣服が破損してしまうんだよ。だから、変身を解除した後は、半裸をさらすことになるので、着替えを用意しておかないといけないんだ。デビルマンだって、裸で戦っているわけだし。焼肉は、上手く力を制御するためには食事によって衝動をコントロールしないといけないルールがあって、『肉食って落ち着け』って感じのプレイが流行ったらしい」

晶華「これって訃報の話よね。そういうタイトルなのに、焼肉とか裸とか、不謹慎じゃない?」

NOVA「とは言え、ファンとしては氏の楽しかった作品について、語るのが手向けだと思うんだよな。そして、俺は力造氏のファンとしても中途半端なのは否めない。氏のその後の作品は追っかけていないんだから」

武装伝奇RPG 神我狩 (Role&Roll RPG)

武装伝奇RPG 神我狩 (Role&Roll RPG)

  • 作者:力造
  • 発売日: 2013/08/23
  • メディア: 大型本
 

NOVA「力造氏の代表的な作品は、デモパラの外伝『鬼御魂』から発展したと思しき『神我狩』だと考えるんだな。つまり、氏はゼロ年代のSNE時代に北沢氏の下で修行して、その後、独立し、この10年足らずの間で自分の代表作を生み出す一方で、後進の育成にも力を注ぎ、TRPG業界でも多くの若手に慕われる若き重鎮に成長して行ったんだ。俺はその間の氏の作品を追いかけていない。もしも追い掛けていれば、リアルタイムにガーンと来ていたろうけど、それでもTRPGマニアを名乗る者として、時々、名前に接することもあったし、近年、闘病生活を送っていることも耳にしていた」

晶華「病気だったの?」

NOVA「関係者じゃないから詳細は不明だけど、ツイッターなどを通じて、関係者の話なんかが漏れ聞こえてきて、それでも頑張る声、応援する声なども聞こえたりするのを横目で接しながら、やがて……って感覚だな。こういう訃報に接して、関係者の人たちのお悔やみの声が聞こえてくると、自分にも響いてくるものはあるし、そうだなあ、自分の立ち位置としては『V3の佐久間ケンがストロンガー城茂の訃報を聞いたとしたら』という心境?」

晶華「たとえがマニアックすぎて分からないわよ」

NOVA「佐久間ケンは仮面ライダーじゃないし、それでもライダーをサポートして短い時間、戦ったことはあるキャラなんだ。そんな彼が自分の尊敬する風見史郎の後輩にあたるストロンガーの死を知ったら……やはり、惜しい男を亡くしたという感慨に浸るんじゃなかろうか」

晶華「だけど、ストロンガーさんを勝手に殺さないでよ」

NOVA「いや、ストロンガーを演じた荒木茂さんは故人だからな。ここでまだ役者が生きているライダーを例えに挙げると、違う意味で不謹慎となる。おまけに、ストロンガーは俺が一番好きな昭和ライダーだ。その豪快さ、痛快さは、力造氏の活躍にかぶるものがあって、要するに、ストロンガーに例えることこそが、この俺の最大の称賛だと言っていい。少なくとも、ツイッター上で幅広い業界人の面々が力造さんを語る様子に接していると、それぐらいの人物だったんだなあ、と改めて生前の氏への敬意を捧げたくなったわけだ」

晶華「複雑な敬意の示し方だと思うけど」

NOVA「まったくだ。氏の現役作品である『神我狩』を俺が追い掛けていれば、直接のファンとして、お悔やみ申し上げるわけだけど、俺の感覚としては距離感がややこしい。直接ではないけど後輩感覚があって、でも自分より凄いレベルで活躍していた流れがあって、そして俺の尊敬する業界のお偉方の人たちがみんなお悔やみ申し上げる姿を見て、こっちが思っている以上にそこまで凄い人だったのか、と改めて痛感した想い。

「SNEの安田社長から見れば、『元ORGの大貫昌幸さん、元ウォーロック編集長の多摩豊さん、SNEでシャドウランなどを翻訳した(俺にとっての先輩の)江川晃さんに続いて、亡くした若い業界人』という立ち位置で、力造氏にお悔やみの言葉を述べている。俺から見れば、それまでの人は錚々たる先達だったけど、今度は年若い後輩って感じで、他の人の言葉に接して、いろいろ間接的な思い出が湧き上がった感じだな」

晶華「知り合いの知り合いが亡くなって、いろいろ感じ入っているわけね」

NOVA「まあ、直接の知り合いじゃないから、もう少しドライに距離を置こうかな、とも思いながら、悶々としていたけど、何も書かずにタイミングを外して後悔するよりは、その時の気持ちを後に残しておきたいと思ってな」

 

NOVA「最後に、俺自身も文章の書き手として『何かを残したい』って気持ちは常にあって、そこにはプロとかアマとか、そういう差異はないと考えている。人様から金をもらって書く類の文章ではない戯言の数々だけど、それでもまあ、20年、自分の構築したサイトを中心に、いろいろリアルタイムに書き続けてきた思考や作品愛、心情の数々はあるわけで、それらを読む人に、何らかの共感やアイデア、その他、伝わるものがあればいいなあ、と」

晶華「多くの人に惜しまれつつ、何かを残して死ぬ、というのはNOVAちゃんの憧れだもんねえ」

NOVA「そう。故人の訃報に接して考えるのは不謹慎かもしれないけど、やはり活躍したからこそ、惜しまれる死というのは正直、羨ましいと思う一面もあるんだ。若い人のそういう姿を見ると、自分も人から惜しまれるほどの何かを示しながら、自分のいる場で倦むことなく人生を生き通したいと思うばかりだ。そして、今生きて、それぞれの業界で活躍している全ての人の健勝を応援しつつ」 

(当記事 完)