ついにエピローグ
NOVA「いやあ、長かったスパクロも、ついに25章で物語が一段落したぞ」
晶華「え、終わっちゃったの?」
NOVA「ああ、25章の最終話のタイトルが『エピローグ あれから』って感じで、全ての戦いが終わって平和になった世界で、主人公チームのHIAWDも解散して、それぞれのキャラが別々の進路を歩んでいる様子が描かれて、幕だ」
晶華「そうか。だったら、NOVAちゃんもスパクロに割く時間をすべて妖精郷に向けられるわね。めでたしめでたし」
NOVA「何でだよ。スパクロそのものが終わるとは言ってないだろう? まあ、さすがにイデオンが出たから、今月いっぱいでサービス終了します、という話が飛び出してもおかしくないんだけど、噂話にチラホラ挙がっているんだけど、確定事項ではない。むしろ、26章になるか、それとも新1章になるかもしれない終わり方だったんだ」
晶華「どんな終わり方よ」
NOVA「後で、詳しく語ってやるよ。それより、運良くイデオンをゲットしたぞ」
晶華「え? それって乗ったパイロットを全て殺してしまう曰く付きの伝説巨神さん?」
NOVA「いやいや、それは『ぼくらの』のジアースと混同していないか? まあ、結果的にはイデオンのパイロットも全滅したが。というか、あの物語はイデが発動した結果、全ての人間が壮絶に死んで、因果地平に飛ばされて、新たな銀河文明の創生エンディングだったが、少なくともラストの全滅を除いて曰く付きなのは、Bメカパイロットだけだ」
戸田恵子 -コスモスに君と(from anime SPACE RUNAWAY IDEON)
晶華「何というか、イデオンも、ぼくらのも悲劇なの?」
NOVA「主人公たちが死ぬ悲しい話を悲劇というなら、そうなんだろうな。主人公は死ななくても、主人公の身の周りの人間が次々と討ち死していくザンボット3も悲劇だし、ダンバインも悲劇だし、原作デビルマンも悲劇だし、ゲッターロボにも武蔵を始め、主要人物の誰かの死による悲劇がいろいろと」
晶華「私は、悲劇って嫌い。ハッピーじゃないもん」
NOVA「俺は、必ずしも嫌いってわけじゃないんだが、感情移入したキャラが死ぬのは勘弁して欲しいな。こいつは死ぬ、と感じたら、感情移入を断ち切って、自分の心を守るのに努める術を覚えるまでは、自分の心の一部が死んでしまうような錯覚に襲われたりもしたなあ。総じて、感情移入しやすい若者時代だったし、そういう繊細さというか情緒というものも人格形成では大切だと思っているし」
イデオンの思い出
晶華「NOVAちゃんは、イデオンを見て、どう思ったの?」
NOVA「実は、最初のテレビ放送では、最終的にみんな死んじゃったって理解していなかったんだよな。イデオンソードすげえ、波導ガンすげえって、その驚異的な破壊映像を見て、興奮していた。基本的にイデオンって、必殺仕事人と同じで、『敵にやられて犠牲者が出たから、それで怒った主人公の想いに応えて力を発揮し、過剰な攻撃力で暴走し、相手を破壊する話』だったんだ。悲劇よりも、その復讐的な力の発動に魅せられた小学校高学年から中学生の時期だったんだよ」
晶華「やられたから、やり返すってこと?」
NOVA「そう。赤ちゃんが泣いて、その純粋な防衛本能に応えるように、超破壊力の奇跡が起こる。虐げられた弱者の恨みを晴らす作劇だから、カタルシス作用もある。だから、悲劇で鬱になって終わり、ではなくて、悲劇に対して倍返しだ! やったね、でも、やり過ぎたから、ますますピンチになって、最後は収拾つかなくなって、今さら話し合いで解決できるわけでもなく、行き着くところまで行って、銀河を切り裂いて伝説となったのがイデオン」
晶華「そういう話をNOVAちゃんは楽しんでいたわけ?」
NOVA「イデオンは強者じゃなくて、弱者を守る守護神的な立ち位置だったんだな。言わば、大魔神みたいに普段は温厚なのが、キレたら怖いというか、そういうイデオンの性質を科学者たちが分析して、何とか制御しようとするドラマとか、敵側が圧倒的な物量を持っているのに、それでもイデオンを倒せないので『次第に恐怖を感じながら、その恐怖を乗り越えるために、ますます過激に攻めてきて……』という攻防戦の流れが楽しめた」
晶華「段取りを追った丁寧な作品づくりが行われていたってこと?」
NOVA「まあな。現代でこそ、最終的なイデオンの無限力という破壊力を中心に語られることが多いけど、実はそこに至る敵味方のコンタクトや、強大な力に魅せられたり恐怖したりする人の感情とか、理解する人々の情愛と理解を拒む人々の自尊感情や社会的立場とか、当時の感覚では大味ではない細密なメカニック描写とか、敵の緻密な作戦に追い詰められながら圧倒的なパワーで切り抜ける味方メカの暴れっぷりとか、いろいろな要素がTV版の魅力だな」
晶華「TV版と劇場版では何が違うの?」
NOVA「TV版では細かい段取りを描く過程の物語。劇場版は、TVの総集編的な接触篇と、打ち切りエンドのTV版の最終決戦の悲劇を緻密に描いた発動篇の二部構成。
「そして、TVアニメでは描きにくいグロ描写も、これでもか、とばかりに見せつける。女性キャラの生首が飛ぶとか、子供の頭部が自分の撃ったバズーカ砲の反動で吹っ飛ぶとか、顔面に銃弾を受けるとか、そういう過激な絵面は当時のアニメではほぼなかったと思うので、映像的インパクトが凄いんだよ。折しも、ホラーのスプラッター映画で映像の過激さを競っていた時流でもあったし、他で見られない過激さというのは、それだけで話題になる。そこに文句を付ける層もあまりいなかったし」
晶華「え? PTAとかなかったの?」
NOVA「あったよ。だけど、彼らはTV番組にしか文句を付けなかったと思う。まあ、たまに少年マンガなんかも槍玉に上がっていたけど、不思議と少女マンガにはあまり抗議されないんだよな。いや、されているけど俺が知らないだけかもしれんが。
「ただ、80年代は『劇場映画で過激なシーンがあることには、過敏じゃなかった』んだ。と言うのも、今みたいに映像ソフトが発展してなくて、劇場で見なければ子供たちが簡単に見られる視聴環境じゃないし、大人でもそういう映画を見るのは、一部の物好き(それをマニアという。オタクという言葉はまだなかった)に限られていた。その意味で、自然とゾーニングができていたわけだな。もちろん、インターネットもなかったので、マニアの実態がそういう作品に興味のない層に知られることは少なかったわけで」
晶華「ああ。知らないから文句の言いようもない、と」
NOVA「たまたま知って、新聞の投稿欄に『最近のTVマンガは過激だ。子供たちにこんな物を見せられない』という書き手がいるぐらい。TV放送は誰でも見られるから視界に入りやすいが、わざわざ金を出して見た劇場作品に『過激で、子供たちに見せられない』という反応は生じないだろう。『金出して見たけど、期待外れだった。つまらない』と文句を言うマニアはいたとしても、そういう層の投稿先は新聞ではなく専門雑誌だろうし、そういう中身のない感想こそつまらないので、まず採用されないだろうがな」
晶華「『つまらない』って書く感想は、それ自体がつまらないってこと?」
NOVA「今のインターネットでは、そういう個人レベルの感想がまかり通っているけど、当時の雑誌に投稿する層って『自分は他人と違う視点を持つ』ことを誇りにしていたから、『つまらない物にもB級と名前を付けて、そういうものを楽しむ術』を研究していたんだ。要するに、『世間では、つまらない俗悪だと見なされている作品にも、見る目を持つ研究者にはその醍醐味が分かるんだ』という主張を通じて、作品の魅力を分析して論じる者こそ、そのジャンルでは尊敬されたわけだ」
晶華「何だか、イデオンじゃなくて、80年代のマニアの思い出話になっているんですけど?」
NOVA「で、俺たち当時の小中学生は、そういう作品批評する能力をまだ持っていないから、雑誌やら勁文社の大百科などの書籍を通じて、作品の魅力や愛ある小ネタを読みながら育って行ったわけだ。決して、悪口を読んで育ったわけじゃないし、悪口しか書けないようなライターは少数派だったな。そういうのが目立ってくるのは90年代になってからじゃないかなあ」
晶華「それで、イデオンはどういう評価なの?」
NOVA「当時は、ヤマト→スターウォーズ→ガンダムというSFの潮流があって、ポストガンダムを期待されたSF大作という位置づけだったな。まあ、ガンダム→マクロスという流れが主流になって、イデオンの方は伝説だけどカルトの方に分類される形になったけど」
晶華「どうして?」
NOVA「物語的に続編が作れる話じゃないし、主人公ロボのデザインがシャープじゃなくて、格好悪いからだろう? 大きさや迫力ではトランスフォーメーションしたマクロスに負けるし、スピーディーさではバルキリーに勝てるはずがない。イデオンの要素の多くは、マクロスに受け継がれたというのが多くの見方だ。イデオンのような『宇宙全てが崩壊する』というのはスケールが大きすぎて、実感が湧かないけど、マクロスのような『地球上の全てが壊滅して、地球から離れていたマクロスシティーだけで文明を再興する』って話の方がSF的にもキャッチーだったろうし。神話的には、ノアの方舟相当なんだろうけど」
晶華「今だと多元宇宙がありふれていて、『一つの世界が滅びても、別の世界があるから、そっちに移住』ってのが、ごく普通に受け入れられているけどね」
NOVA「それは、ゲームやインターネットの発展や、時間軸、並行世界という概念が一般化した影響だな。80年代は決して、そうじゃない。70年代は『地球は一つで、かけがえのないもの』で、リアルでは90年代になってから、そういうセリフを一般層が言うようになったけど、要するに子供たちがアニメやゲームなどを通じて培った概念が、大人になっての一般的な常識になって、20年後の世相になっていくってことじゃないかな」
晶華「つまり、今の世相の土台は20年前のアニメやゲームが作っているってこと?」
NOVA「多少のズレはあるかもしれないけど、多くの少年少女や若者が影響されたマニアックな知識が、20年も経てば、世代の共通知識として一般化して社会に浸透することは当たり前だろう。もちろん、それは文化的な土壌が醸成されているだけで、そこに何らかの外部的要因(インフラ整備とか、コロナ禍のような試練とか)があってこそ、必然的に日の目を見る形なんだろうけどな」
晶華「何だか世代論になって来てるし」
NOVA「要は、イデオンで宇宙崩壊、マクロスで地球文明の崩壊と残された者による再興劇を、俺たちは見ている、あるいは精神的に体験しているわけだよ。別の例では、コロナ禍という未知のトラブルについても、過去の疫病の歴史や、ゾンビ映画などのパンデミックSFなどを基盤に、想像し、考えることができる。
「つまり、サブカルチャー的な物語は、リアルを凌駕した未知に対するシミュレーションと言えるわけだ。もちろん、それが全てというわけじゃなく、空想と現実をうまくつなげる手法とか、専門分野の知識に対する理解とか、いろいろ橋渡しできる素養は必要だけどな。ただのオタクが軍師になれるほど現実は甘くないし、軍師に必要なのは知識だけでなく、人間関係を調整して根回しする力というのは常識だからな。現実を知らないアドバイザー気取りほど役に立たないものはないんじゃないか」
晶華「ご高説もっともかもしれないけど、イデオンの話はどうなったのよ」
NOVA「イデオンはな、軍人と科学者と思春期の若者、そして子供たちの話なんだけど、その中でフォルモッサ・シェリルという女性がいるんだ。声はガンダムのセイラさんと同じで、パッと見のイメージも近いが、悲劇的な末路を辿る。ヒステリックな学者で、チームとのコミュニケーションがとれずに、専門分野に引きこもって、どんどん孤立して発狂する。若いときには理解できないキャラだったんだけど、今だと分かる気がする」
晶華「何が分かったの?」
NOVA「要は、他人の感情が分からない、研究に一途な女だったんだな。だから、能力的には優秀なんだけど、友人関係として息を抜く場所を持てない。そういう理屈先行の彼女が、情を抱けるキャラが妹のリンであり、敵から投降してイデに魅せられたギジェだった。要は、友だちが少ないキャラが、知り合いを失って、どんどん狂気に陥る様子を理解するには、自分がそういう状況に陥ったら、と想像する必要があるんだけど、昔の俺にはそこが想像できなかった」
晶華「どうして?」
NOVA「男以上に理知的で、情愛の薄いキャリアウーマン的な女性って、80年代には珍しいキャラ像だったし、俺の人間関係の引き出しにはなかなか入り得ないキャラだからな。これが権力者になれば、イデオンの敵女性のハルルや、宇宙世紀のハマーン様になって行くんだろうけど、そちらの方が理解しやすかった。終盤のシェリルはイデ研究が嵩じて、イデ神の巫女みたいなトランス状態に陥って、赤ん坊を生贄に許しを乞うような錯乱ぶりを示して散って行くんだけど、そこまでの狂気を理解したくもなかったし、理解できてしまうと怖い気分になるから、そういうキャラを深く考えるのは避けるようにしていたわけで」
晶華「今だったら?」
NOVA「大切なものをどんどん失って、自暴自棄になる感情そのものは分かる。その結果、イデ神信仰みたいな境地に辿りついてしまった、と解釈すれば分かった気になった。科学者の多くは理知的な性格だけど、理論では説明できない何かに接するには、時として信仰という心の土台に頼らざるを得なくなる、という観点で、ようやく理解できた」
晶華「つまり、イデオンってSFのように見えて、実は神話だったってこと?」
NOVA「伝説巨神だもんなあ。そりゃ神話にもなるさ。ただ、当時のSF文脈だと、神話やファンタジーは別ジャンルなので、どうしても神話色が強くなると主流にはならなくなって、神話要素の薄いリアルなマクロスの方に視点が向くのは納得できる。神話やファンタジーが主流になっていくのは、80年代の後半のRPGブームを待つことになるから、やはりイデオンは時流からは『早すぎた傑作』であり、尖り過ぎたカルト作品だったんだなあ。まあ、イデオンがあるからこそ、より華やかなファンタジーのダンバインが生まれる流れだったんだろうけど」
90年代のイデオン
NOVA「実のところ、俺は劇場版イデオンを実際に見たのは、大学生になってからなんだ。その前に勁文社の大百科でストーリーを知って、ツクダのシミュレーションゲームで楽しんで(このゲームの存在を知ったのも大百科のおかげなんだけど)、たぶんイデオンという存在がなければ、SLGからTRPGに興味を持つのも、もう少し後になっていたと思うし、イデオンのプラモデルにも80年代からハマっていたけど、伝説の劇場版を実際に見たのは90年代だ。もしも、多感な中学生時代に、あの衝撃的な戦場での死の連続を見ていたら、どう影響されていたろうか、想像すると恐ろしくなる」
晶華「どうなっていたのかしら?」
NOVA「夢にまで、切断されたキッチ・キッチンの生首が飛んできて、首を吹き飛ばされたアーシュラの泣き声が聞こえてきて、俺の創作にも影響していたかも知れん。幸い『首を針で刺す』というシーンには憧れるが、『首を切断するというギロチン』にはリビドーを感じないので、日常生活を普通に送ることはできていると思う」
晶華「って『首を針で刺す』ってのも日常生活が怪しいんですけど?」
NOVA「大丈夫。それだけだと、柱やふすまに穴が空くだけで済んだ。俺の中学時代の黒歴史だが、もしも首を切断するようなアクションにハマっていたら、どうなってたと思う?」
晶華「何かを切り刻みたくなる?」
NOVA「もしかすると、悪魔将軍の『地獄の断頭台』を真似して、誰かの首に一生残る傷を負わせていたかもしれんし、逆に返り討ちにあって今の俺がブロッケン伯爵状態だったかもしれん。とにかくギロチンは良くない。首チョンパは見た目が美しくない。それが許されるのは、昔のウルトラシリーズの特権だ。しかし、90年代にVガンダムを見て育った人間が、ひょっとしたら『鈴の音を聞くと、誰かの首を斬りたくなる妄想』に駆られたりしないかと時々、心配になるけどな」
晶華「そんな人はいないでしょう」
NOVA「分からんぞ。現にここに『鈴の音を聞くと、自分の首に組紐が巻きついて、天井を突き破って絞殺される妄想』に駆られる男がいるんだし。思春期の多感な時期は、何に影響されるか分かったものじゃない」
晶華「イデオンよりも、必殺シリーズの方がNOVAちゃんの妄想回路を刺激したってことよね」
NOVA「まあ、それだけイデオンの映画が必殺シリーズに負けず劣らず、衝撃的だって話だよ。俺は当時20代だし、前情報をたっぷり知った後での鑑賞だから、トラウマにならなかったってだけだな。その頃には、スプラッター映画もいろいろ見ていたから、免疫もできていたろうし」
晶華「で、90年代に劇場版イデオンをレンタルビデオで鑑賞したときの感想は?」
NOVA「OVAのデビルマンほどじゃないな、と思ったけど、それでもまあ、『自分が因果地平に行っても、寄り添う女の子はいないな』と感じたら、まだまだ死ねないと思ったりした」
晶華「今だったら?」
NOVA「何だか分からないけど、お前が付きまとっていそうだ」
晶華「それはハッピーエンドね」
NOVA「まあ、そういうことにしておこう。まだまだ死ぬ気はないけどな。とにかく、そうしてイデオンを復習している間に、スパロボFおよび完結編で、ついにイデオンが登場したのが90年代だ」
晶華「ああ、やっとスパロボに話がつながった」
そして完結編
NOVA「というわけで、90年代のF完結編、ゼロ年代の第3次αに続いて、実に久方ぶりにイデオンが登場して、しかもガチャで運良く入手できて、俺の中のイデゲージが光り輝いているわけだ」
晶華「ええと、牙狼さんと絶狼さんをゲットして、ミンキーモモさんは手に入らなかったけど、代わりにバーサーカー・アレンビーさんを当てて、ついに伝説巨神さんを当てたわけね」
NOVA「さすがに欲しいものが全部手に入るわけではないけど、俺のこだわり回路を刺激する機体は、うまく手に入ったな。しかも、この時期に、もっと喜ばしいことがあった」
晶華「何?」
NOVA「合体攻撃に必要な、明鏡止水バージョンのゴッドガンダムが手に入ったんだよ。片割れの明鏡止水バージョンのマスターガンダムは入手済みだったので、これで初めて合体攻撃の『石破究極天驚拳』が使えるようになった。スパクロに合体攻撃が実装されて初の快挙だ。これも関智一さんのバロッサ祝福あればこそだな。俺の中では土曜日朝が今、スーパー関智一タイムになっている。もう、俺の頭はヒートエンドだぜ」
晶華「いや、それって終わってるし。負けてるし」
NOVA「まあ、本当を言えば、イデオンも2体めを手に入れて、強化しないとΩ必殺技の戦闘動画が解放されないんだが、欲を言えばキリがない。とにかく、イデオンが俺のところに来たという事実だけで十分。別にイデが発動しなくてもいいやって気になってる」
晶華「発動したら、まずいんじゃないの?」
NOVA「まずいな。スパクロが因果地平に飛ばされてしまったら、俺は毎日、何を楽しみに生きていけば……って別に、そこまでは追い込まれたりしないな。俺の楽しみはいっぱいあるし、スパクロだけが人生ってわけでもないが、スパクロ話がいろいろネタ語りができて楽しいのも事実。まだまだ終わって欲しくないぜ。少なくともアクロバンチとスタージンガーが参戦するまではな」
晶華「スタージンガーさんの前にダンガードAさんとか、ダイケンゴーさんとか、ゴーバリアンさんとか、ハッピーロボさんとか、ロボだけでもいろいろ出して欲しいものがあるでしょう?」
NOVA「そうだな。ガンダムで言うなら、実はAGEとか、鉄血とかもスパクロにはまだ出ていないんだぜ。新章がスタートしたら、仕切り直しで新しい作品が出てきたり、ゲストからレギュラーに昇格すると、俺が喜ぶぜ。まずは、シンカリオンの再降臨とか、ゴジラとか、その辺をだな」
晶華「まあ、妄想のタネが尽きないのは、NOVAちゃんだから仕方ないとして、25章の話をして総括記事にしない? このままだとタイトル詐欺もいいところだし」
NOVA「簡潔に3つまとめよう。主人公機がヴァンオメガになって、クロスオメガの力を発動して、強敵オウラを倒した。これが一つ」
晶華「ヴァンオメガ?」
NOVA「こんな機体だ」
「スーパーロボット大戦X-Ω」戦闘演出集:ヴァンオメガ[Ω]
晶華「背中にXΩなパーツが付いていて、ブーメランのような遠隔攻撃ユニットになったり、手持ちのカッターみたいに使ったりできるのね。これがクロスオメガの最終機体だと言われても納得できるわ」
NOVA「二つめのトピックは、戦闘後に主人公のアサヒがこの世から消滅した」
晶華「死んじゃったの?」
NOVA「そうも見えるし、因果宇宙みたいな別次元に飛ばされて、あっさり復活するかもしれない。同じ名前を持つハッピーの概念が具現化した少女のように、想いの力で復活する可能性も十分に考えられる。とにかく、シャッテとホノカの二人は、アサヒ探しの旅を行なっているという終わり方だ。ある意味、ダイの大冒険の終わり方にも通じると言っていいだろう。この世以外にも世界はいっぱいあるからな」
晶華「とりあえず、主人公さんは行方不明エンドと考えて良さそうね」
NOVA「そして、三つめのトピックは、最終決戦において、死んだはずのあしゅら男爵があの世から蘇ってきて、世界を守るために協力してくれたことだな」
晶華「何で、それがトピックなのよ?」
NOVA「スパクロのあしゅらは格好いいからだ。俺のあしゅら男爵愛を知りたければ、この記事がお勧めだ。まあ、右上のブログ検索で『あしゅら男爵』をチェックしてみるのも一興だろうが」
晶華「確かに『あしゅら男爵』について触れてある記事が30個近くあるわね。『牙狼』カテゴリー数に匹敵するわ」
NOVA「いやいや、それは比べ方がおかしいだろう。確かに牙狼カテゴリーはそれぐらいだが、あしゅら男爵カテゴリーは存在しないし、俺がブログで牙狼について触れている記事は、80を越える。つまり、あしゅら男爵なぞ、牙狼の半分にも満たん存在感というわけだ」
晶華「って、あしゅら男爵をディスってどうするのよ? あしゅら男爵愛を語るんじゃなかったの?」
NOVA「いや、さすがにあしゅら男爵と牙狼のどちらを選ぶかと言われたら、牙狼を選ぶだろうが。同じ比べるなら、ブロッケン伯爵と比べろよ」
晶華「さすがに、ブロッケン伯爵は7記事しかないわね」
NOVA「ゴーゴン大公は?」
晶華「1記事」
NOVA「ピグマン子爵は?」
晶華「やっぱり1記事」
NOVA「Drヘルは?」
晶華「ドクターヘルという表記と合わせて、10個ちょい」
NOVA「つまり、マジンガーZの敵キャラの中で、一番愛されているのが、あしゅら男爵であることは間違いないな。念のため、兜甲児は?」
晶華「意外にも16しかない」
NOVA「ということで、当ブログにおけるマジンガーZの人気キャラ・ナンバー1は、あしゅら男爵に確定したわけだ」
晶華「いや、ちょっと待って。フルネームじゃなくて、甲児だけで検索したら34記事あったわ」
NOVA「おお、そうか。それは少しホッとしたな。さすがに甲児くんがあしゅら男爵にそこまでの格差で負けると、今度は石丸さんや赤羽根さんに申し訳が立たんから、妥当な数字が出たことで俺は納得できた。さらに念のため、機体名にして番組名のマジンガーZだと52記事あったので、やはり一番人気はZ様ということだな」
晶華「その呼び方だと、今は違うキャラになっちゃうし」
NOVA「とにかく、俺のあしゅら男爵愛の片鱗は伝わったと思う」
晶華「確かにね。25章の最終決戦について語るのに、あしゅら男爵というネタだけで、思いきり脱線しちゃうんだもん」
NOVA「だって、これは物語として凄いことなんだよ。敵のラスボスと時空を超えた大決戦を行うのに、過去の戦いで死んだキャラの英霊が出現して、主人公たちに文字どおり魂の支援をしてくることは、稀によくある話だが、そのキャラとして選抜されたのが、まさかのあしゅら男爵とは、ここまで俺のツボを突いた演出を見せられると拍手するしかあるまい」
晶華「あしゅら男爵の何がそんなにいいのよ?」
NOVA「そうだな。打倒マジンガーの執念を燃やす熱血漢であり、クールな作戦を立てる前線指揮官であり、時にはコミカルであり、時には女性でもあり、そしてゴーゴン大公からは若輩者と侮られ、一人でいろいろな役どころをこなせる芸幅の広さが挙げられるな。そう、熱血、クール、コミカル、ヒロイン、若者の戦隊5キャラを一人で演じられるキャラなど、そうそういないだろう。この多面的なキャラ像が、文字どおり『あしゅら』というネーミングを体現していて、いろいろな切り口でネタにできる。語って楽しいキャラなんだ。しかも、基本の声が柴田秀勝さんであり、本質的に威厳があるんだよ」
晶華「なるほど。兜甲児くんだったら、熱血、クール、コミカル、若者までは演じられるけど、さすがにヒロインになったりはできないものね」
NOVA「そんなわけで、主人公機のヴァンオメガがアサヒの存在を知って、可能性の扉を開けて召喚した存在が、マジンガーZEROでもゲッターエンペラーでも伝説巨神でもなく、あしゅら男爵だったというのが衝撃にして笑劇Z編でもあるわけだが、そこで脱力するわけでもなく盛り上げてくれて、究極石破あしゅらバスターでラスボスのオウラをついに撃退したんだよ。そして、役目を果たした英霊あしゅら男爵は、『フッ、この世界の未来はお前たちに託した』とさわやかな笑顔を遺して光の中へ消え去ったんだ。我々は、このクロスオメガ世界を救った救世主・あしゅら男爵の勇姿を忘れてはならない」
晶華「ええと、本当にそういう話?」
NOVA「多少の脚色は施してあるがな。だが、その後も我らが救世主・あしゅら男爵は別の次元で姿を変えて、立場を変えて戦い続けるのだ」
晶華「本当に?」
NOVA「ああ、ある時は、悪魔六騎士として登場し、盟友ブロッケンと共に、残虐チームで戦ったこともある」
晶華「え、アシュラマンさんとブロッケンJrさんって、そういう関係なの?」
NOVA「さあな。妄想するのは自由だ。また、ある時は『牙狼 阿修羅』というタイトルで、超人プロレスの経験を生かして黄金騎士になったこともあったな」
晶華「え? それも、あしゅら男爵の話?」
NOVA「また、ある時はロードス島にて、暗黒騎士として登場し、その後、クリスタニアに渡ったという」
晶華「アシュラムさんまで、つなげちゃうの? 有り得ないでしょう」
NOVA「そして、伝説巨神の世界では、幼女に転生して、過酷な戦いで首を吹っ飛ばされてしまうのだ」
晶華「え、その子の名前って?」
NOVA「アーシュラだ」
晶華「……それも話の伏線だったのね」
NOVA「ということで、楽しいネタ話を提供してくれるスパクロの今後の展開をNOVAは期待しています。まずは、今週金曜日の新章か、あるいは月末のソリス物語の締めくくりを楽しみにしつつ、『ぼくらのイデオン』のクロスオーバー話の終わりを今から見届けたいな、と」
(当記事 完)