キャラクターの準備を始めます
ハイラス「それでは、フェアリーガーデンのためのキャラクターを準備するでござ〜る」
NOVA「おい、ハイラス。ゴジラ様はどうしたんだ?」
ハイラス「セイリュウ殿には、必要な時まで休んでもらっているでござ〜る。何でもNOVA殿の際限ない寄り道話に付き合うのは疲れるとおっしゃられてな」
晶華「凄いよ、NOVAちゃん。あの怪獣王さんを疲れさせて、撤退させるなんて。さすがは言霊魔術師ね。言葉の通じる相手には向かうところ敵なしじゃない?」
NOVA「いや、それ程でもないんだが。まあ、いい。俺もゴジラ様と共に暮らす日常生活というのは、想像が付かないからな。ある程度は距離をとった関係で、必要な時だけ協力し合うというのが大人の社交というものだろう。俺には俺の、ゴジラ様にはゴジラ様の世界があり、時に交わることがあったとしても、常にベタベタ引っ付く関係でもないということだ」
晶華「だったら、普段はドルイ道おじさんでいて、ここぞというところでセイリュウさんを召喚して、GM役をしてもらうということね」
NOVA「まるで、仮面ライダー電王の良太郎と、イマジンの関係みたいだな。あるいは、ハルキとZ様みたいなものか。そう考えると、ゴジラ様の名前もご唱和したくなるわけで」
ハイラス「うむ。この私がこの世界の文字を読むことができれば、わざわざセイリュウ殿の神魂をわずらわせる必要もないのでござるが」
NOVA「ところで、念のために聞くが、ゴジラ様の方は人間の文字が読めるのか?」
ハイラス「それについては、昔、NOVA殿がゴジラに関してD&Dのルールに基づき、こういう記事を書いたはず 」
NOVA「おお、海外のD&Dファンが個人的にゴジラのデータを作って、ネットで挙げていたんだな。そのデータによると『ゴジラの知力は8だから、簡単な言葉を書くことができる』とある。言語はなしだけど、昭和のゴジラは喋っていたし、ギャレゴジの後のKOM版ゴジラも他の怪獣を従える王になっていたから、怪獣語ぐらいは喋れると解釈できる。そもそも、うちのブログ時空で、ラドンも、ガメラも、キングシーサーの子も普通に会話してるし、公式でもミニラとかは普通に人間とコミュニケーションしてるわけで、だったら、ゴジラ様がTRPGをしても何の問題もないよなあ」
ケイP『ここではドゴラだって喋れるんだし、令和の時代は、汁なしタンタンメンだって魔進ファイヤやリュウタロスの声で喋るらしいんだから、ゴジラ様がTRPGのゲームマスターをしても何の問題もないのでしょう』
NOVA「ああ、俺もさすがに汁なしタンタンメンとTRPGをしようとは思わないが、世間でそれが許されるんだったら、ゴジラ様がサイコロを振っても問題ナッシング。なあに、かつてはシェーをしたり、いろいろな芸を見せてくれたゴジラ様だから、TRPGだって許容範囲だろう」
晶華「ところで、ゴジラさんみたいな怪獣をプレイできるTRPGってないの?」
NOVA「等身大に近い妖怪やモンスターをプレイできるゲームはあるが、東宝怪獣みたいな巨大モンスターだとゲームバランスの問題があるからな。せいぜい、人間キャラクターが召喚できるモンスターという位置づけだろう。トレーディングカードゲームや、バトルメインのシミュレーションゲーム、それにアクションゲームなら該当作もあるんだけどな」
NOVA「なお、昔、バンダイのボードシミュレーションゲームで、『ウルトラマン』や『モスラ対ゴジラ』という作品が出ていて、中学時代の親友が持っていたのをよく遊ばせてもらったりしたんだが」
NOVA「他には、巨大ロボットで巨大怪獣と戦ったりするような、Z様とかパシフィック・リムみたいな世界観のTRPGなら、ありかもな」
晶華「ストーリーゲーム的には、自分が怪獣になって暴れるよりも、暴れる怪獣を倒す人間やヒーロー側の物語の方が作りやすいってことね」
NOVA「まあ、『君たちは、島で平和に暮らしている怪獣です。そこに悪い人間がやって来て、卵を奪って行きました。君たちは卵を取り返すために、恐ろしい人間の攻撃に対抗して、覚醒進化しないといけません』ってゲームとか、『君たちの島に、宇宙から悪い宇宙人と手先の宇宙怪獣が現れました。君たちの仲間も宇宙人に操られて、人間の街を襲っています。君たちは地球人と協力し、仲間を正気に戻し、悪い宇宙人の侵略から地球を守るために戦おうと決意しました』ってゲームとか、考えられなくはないけどな。しかし、個人的には怪獣ものって、TRPGよりもボードゲームのネタとして興味があるんだ」
晶華「って、NOVAちゃん、今回の記事の目的は、怪獣ゲームの紹介じゃないでしょ。私たちは、行方不明になったお姉ちゃんを探すために、妖精郷の探索をしないといけないんだから」
NOVA「あ、ああ、そうだな。まずは、お前のカシュミーラを完成させようぜ」
妖精剣士カシュミーラ
晶華「私のカシュミーラは、この記事でほぼ完成しているのよね」
NOVA「ああ。後はフェンサー用の装備と、妖精使いの宝石4点セットを買って、ちょっとしたデータを決めて、終了だ。キャラビルドブックがあれば、さくさくと終わる」
晶華「あるの?」
NOVA「え?」
晶華「キャラビルドブックは、シーちゃんとリウ君がこの前、コンパーニュに持って行かなかった?」
NOVA「ああ、そうだった。今からコンパーニュへ行かないと」
ハイラス「その必要はないでござるよ。その書物ならここに」
NOVA「おお。自分では読めないにも関わらず、書物を持って来るとは、何て気の利いた奴なんだ、ハイラス。さすが、〈アステロイド監視所〉でしばらく俺のD&D話に付き合っただけあるぜ」
ハイラス「それって、さりげなく自分の功績を誇ってるのではござらんか?」
NOVA「いや、気のせいだ。字は読めなくても、心はTRPGゲーマーなんだなあ、と感心してるんだよ」
ハイラス「心はTRPGゲーマーって何でござるか?」
NOVA「技と体はなくても、胸にTRPG愛を抱いて、激走できるってことだよ。よし、このキャラ創造の力を秘めた書物さえあれば、晶華のカシュミーラは完成だ」
晶華「わ〜い、私の天才妖精剣士のカシュミーラがついに冒険に旅立てるのね。この日を何年待ち続けたことか」
NOVA「いや、キャラを作り始めて、まだ一月経ってないんですけど」
●カシュミーラ・ミルモワール(通称ミーラ)
エルフの妖精剣士(冒険者レベル2)
信条:栄光(肯定)、希望(肯定)
矜恃:恩義を忘れず、借りは必ず返す。
フェアリーテイマー2レベル、フェンサー1レベル、セージ1レベル(残り経験点0)
所持金:105ガメル
器用22、敏捷18、筋力7、生命10、知力18、精神15
HP16、MP21
技巧0、運動0、観察0、知識4
生命抵抗3、精神抵抗4
妖精魔法魔力5
戦闘特技:《魔法拡大/数》
生まれ:魔法の民。大妖精使いの娘。
幼少期:〈ひらめきメガネ〉に触れて、驚きとひらめきを得た。
8歳時に、事故に巻き込まれたけど、無傷だった。
少女期:学ぶ機会を得て、読書家になった。
17歳時に、再び災害に巻き込まれる。
青年期:仲間のために魔法を使うことの大切さを知った。
その後、友達に誘われて冒険に出る。
武器:ナイフ(命中4、威力1、追加ダメージ+2、クリティカル値9)
防具:クロースアーマー&バックラー(回避5、防護点2)
晶華「武器がナイフ一本って、どういうこと?私はディードリットさんみたいに、華麗にレイピアを使いたいのに」
NOVA「レイピアは必要筋力が8だからな。おまけにフェンサーは必要筋力の半分(端数切り捨て)までの武器や防具しか使えん。カシュミーラは筋力が7だから必要筋力4まで。つまり、必要筋力5のショートソードすら使えないんだ」
晶華「技巧0、運動0、観察0ってのも、どうなのよ? 私のカシュミーラは、こんなにトロくないもん」
NOVA「いや、それらの能力はスカウトあるいはレンジャー技能を持ってないと、技能なし判定で能力値も足せないんだ。つまり、ボーナスなしの平目(2Dのみ)で判定することになる。もちろん、冒険者レベルで判定できる行動で、器用度や敏捷度を使うなら、基準値5ぐらいで判定できるだろうさ。マッスル太郎と比べて、筋力や生命力は全然届かないけど、他の能力値は決して引けを取らないのがカシュミーラ。後は技能の問題だ」
晶華「つまり、天才だけど経験不足ってことね。まずは、スカウトかレンジャー技能を取らないと、私の理想の華麗な妖精剣士にはなれないと」
NOVA「ところで、ハイラスよ。妖精魔法のルールだけど、2.0版と、2.0改訂版と、2.5版のどれを使うとゴジラ様は言ってるんだ?」
ハイラス「『うむ、よきにはからえ』とセイリュウ殿の神魂は仰せである」
NOVA「何じゃ、そりゃ? ええと、それって本当にゴジラ様が仰ってるのか?」
ハイラス「疑ってるのでござるか?」
NOVA「いや、何だか神の声を代弁する聖職者の神権政治っぽい感じがしてなあ」
ハイラス「セイリュウ殿は、大地母神ガイア様に従う小神みたいなもので、この私はガイア様に仕える聖職者。そして、私は霊媒としてセイリュウ殿と契約を交わした獣霊の使徒(ビーストテイマー)であるが何か?」
NOVA「ああ、ドルイドってそういうこともできるんだったか」
ハイラス「NOVA殿だって、できるでござろう。心の中に多くのヒーローや敵役を妄想想像できるし、時には召喚だってしている。前回も、『俺の中のあしゅら男爵』と妄言を吐いていたではござらんか」
NOVA「それは言霊魔術の一環で……というのは、どうでもいいか。ええと、とにかく、このフェアリーガーデンのキャンペーンでは、どのバージョンの妖精魔法を使うんだ? それによって、カシュミーラや他のキャラの使える魔法の種類が変わってくるから、大事なことだと考えるんだが」
ハイラス「ふむ。実はセイリュウ殿は、ラクシアのソード・ワールドにはあまり詳しくないのでござる。その昔、日野木アリナ殿がGMを担当して、先代ビャッコのキングシーサー殿と、ゲンブ代行のアンギラス殿と、3獣士パーティーを結成してフォーセリア時代の旧ソード・ワールドをプレイしたことはあるのだが、2004年のファイナルウォーズから後に出た2.0以降の作品は、最近になってようやく触れたために、決してルールを熟知してはおられぬ。よって、シナリオの裁定はするが、細かいルールについては、詳しいNOVA殿に一任するそうでござるよ」
NOVA「ああ、ゴジラ様は旧ソード・ワールドからの出戻りプレイヤーで、TRPG経験者ではあるけど、GMは今回が初ということなのか。ハイラス、もしかするとラクシアについては、お前の方が詳しいんじゃないか?」
ハイラス「そうでござるな。NOVA殿に、いろいろご教示されたゆえ。つまり、最近のTRPG知識は私の方が、2004年以前の古い知識はセイリュウ殿の方が詳しいでござる。ゆえに、2人合わせて1人前のGMができるかどうか」
NOVA「GMよりも、プレイヤーの俺がルールに詳しいという状況か。まあ、いいだろう。必要ならば、俺も経験者として、プレイヤー兼サブマスターの役割を果たしてみせる。これでいいんだな」
ハイラス「『時空魔術師なら、そう言ってくれると思ったぞ。サポートの方をよろしく頼む』とセイリュウ殿は仰ってます」
NOVA「ヘッ、ゴジラ様に頼まれたなら、喜んでサポートしてやるぜ。しかし、ハイラスの役割って、怪獣語を通訳する双子の小美人みたいだなあ」
【MMD】 聖なる泉 MOTHRA "Sacred Springs"
ハイラス「元々は、この役割は翔花殿とシロ殿がガイア様に選ばれし巫女と皇子として務めるはずのもの。それを私が代行しているわけでござるよ」
NOVA「ああ、ガイア様としては、翔花がいつまでも行方不明だと困るわけだな。だから、お前やゴジラ様を通じて、手を貸してくれる、と」
ハイラス「それに、リトル殿やシロ殿の成長にも、TRPGという遊戯を通じた儀式が有効と判断されてのこと」
NOVA「ホイジンガ曰く、『古来、演劇や楽曲のような遊戯は神々に捧げる儀式に通じる。神話や宗教の儀式にも、人間の持つ遊びの精神が強く息づいている』からな。TRPGの物語創造の魔力が、魂の成長に作用しても不思議ではないということか」
妖精魔法の話
晶華「ねえねえ、NOVAちゃん。私は妖精使い(フェアリーテイマー)のキャラを扱うんだけど、バージョン違いの妖精魔法ってどういうこと? よく分からないので、教えてよ」
NOVA「ああ。フォーセリアの精霊魔法については、以前コンパーニュで語られたりもしたが、ラクシアの妖精魔法は詳しく話したことはないな。この機会に確認してみるか」
ハイラス「私もドルイドとして、天然自然の妖精を使役する魔法には興味があるでござるよ」
NOVA「フォーセリアのドルイドは、精霊使いシャーマン技能と野外行動のレンジャー技能から成る職業だからな。では、まず、シャーマンとフェアリーテイマーの共通点だが、非金属鎧を装備でき、古代語魔法の使い手であるソーサラーよりも前線に立ちやすいことが挙げられるな」
ハイラス「軽装で戦うシーフ技能との相性が良い職種でござる」
NOVA「フォーセリアのシャーマンは精霊力の働く場所でしか該当精霊の魔法が使えないという制約がある。例えば、風の吹かない屋内ではウィンドボイスなどの風の精霊魔法が使えないし、火のない場所ではファイアボルトが撃てないし、ディードリットはいつでも水の精霊が召喚できるように専用の水袋を用意している。運用に少し面倒なところもあったが、それがフォーセリアの世界観を体現していて、好評だったわけだ」
晶華「フォーセリアの精霊が、妖精という言葉に置き換わったのがラクシアね」
NOVA「単純に考えれば、そうなるんだが、世界観まで考えると複雑化したりする。まず、フォーセリアでは妖精という用語は、エルフやドワーフ、グラスランナーという異種族を表すものだった。森の妖精エルフ、大地の妖精ドワーフ、草原の妖精グラスランナーという区分で、世界観も人間の住む物質界と、妖精の故郷である妖精界、その間を隔てるエネルギーの溢れた精霊界から成るわけで、とりわけエルフ族は精霊の力を扱い慣れた種族ということになっている。ただし、ドワーフやグラスランナーは妖精という設定にも関わらず、物質界に適合しすぎて、今では精霊のエネルギーは扱えないという設定だ」
晶華「そういう設定が、ラクシアでは大きく変わったのね」
NOVA「ああ。ラクシアでは3本の剣ルミエル、イグニス、カルディアが創造主ということになっている。それらの剣が自分たちを振るうことができる種族として人間を創造し、第一の剣ルミエルの力で人間から神に昇格したのが始祖神ライフォスという設定だ。ライフォスは自分たちの仲間にもルミエルの力を貸し与え、第一の剣陣営の神々となり、それに従う種族が人族と呼称されるようになった。エルフやドワーフも出自は異世界ではなく、妖精神アステリアの恩寵で誕生したのがエルフ、炎武帝グレンダールの恩寵で誕生したのがドワーフというのがラクシアでの設定だ」
晶華「妖精神アステリアが、妖精の祖ということでいいのかしら?」
NOVA「それはどうだろうな。妖精は、世界に満ちたマナ(魔力素)が風や水などの自然現象と融合し、具現化したものと設定されている。一方で、アステリアは自然と調和して生きることを尊ぶ古代神で、妖精の生みの親ではないけれど、自然=妖精の力の源と考えれば、アステリアは妖精の守護者でもあると言ったところか。ともあれ、フォーセリアでは精霊信仰というのも見られるが、ラクシアでは妖精が信仰の対象というわけではなく、より友だち感覚で接している人が多いと思われ」
晶華「フェアリーガーデンには、そういう妖精がいっぱいいるわけね」
NOVA「ああ。世界観については、またじっくり語るとして、今は妖精魔法に専念しよう。妖精魔法は妖精を召喚して行使してもらう魔法で、召喚用の宝石を必要とする。宝石は妖精を呼び出す門のような働きをしているわけだ」
晶華「宝石とか、門(ゲート)とか、まるで『仮面ライダーウィザード』の世界観ね」
NOVA「そうだな。ラクシア世界でのウィザードは古代語魔法を極めた(真語魔法と操霊魔法の両方を習得した)者の呼称で、妖精魔法とは関係ないんだが、呼称の問題を無視するなら、『仮面ライダーウィザード』の世界観はラクシアの妖精魔法に通じる要素も多い。特に地水火風の4元素と光魔法を使うところとかは」
晶華「ラクシアの妖精魔法は、地水火風と光闇の6属性だっけ?」
NOVA「それと特殊な混沌属性ってのがあるんだけど、2.5では今のところ、混沌属性が使えない」
晶華「どうして?」
NOVA「混沌属性は6属性全てを使えないと扱えないんだ。一つの属性を扱うのに、それに応じた宝石が一ついるんだけど、6属性を極めるには六つの宝石とともに相応のレベルが必要とされるし、不安定な混沌属性は禁忌か秘儀という扱いだと個人的には考える」
晶華「天才のカシュミーラなら、難なく扱えるわ」
NOVA「もしかすると、そう過信して、混沌に手を出して災厄を招いたんじゃないのか?」
晶華「うっ、それなら天才のカシュミーラはその件で混沌の危険さを悟り、二度と手を出さないと誓ったわけね。天才だから、同じ過ちを繰り返さないよう、しっかり学習するってことで」
NOVA「まあ、そういうことにしておくか。もしも、2.5に混沌属性が追加されるとしても、魔法サプリメントが出るのは来年秋だと思われるので、まずは今年秋のモンスターサプリメントの発売を楽しみにしよう」
晶華「だけど、2.0には混沌属性が設定されているんでしょう? 混ぜて使えないわけ?」
NOVA「それこそ、混ぜるな危険って奴だな。妖精魔法については、どうもバージョン違いのルールに互換性がないようなんだ。2.0基本ルールと、サプリメントによる改訂ルールと、それを経た上での2.5基本ルールの3種類あって、どれを選ぶかで難易度とできることが変わってくる」
晶華「一番簡単なのは何?」
NOVA「そりゃ、2.0基本ルール版だな。レベル1が風と光、レベル2が火と土、レベル3が水と闇となって、レベル4で混沌の力を使えるといった具合に、レベルアップで使える魔法が増える単純仕様で、他の魔法と運用の仕方はそう変わらない。つまり、妖精魔法だけ特別に覚えるルールがあまりないわけだ。今回のフェアリーガーデンでは、敵の妖精魔法はこのバージョンで通すのが無難だろう、と考える」
ハイラス「それは、セイリュウ殿が難しいバージョンを理解できないということでござるか?」
NOVA「いや、フェアリーガーデンが10年前、2010年に出た作品で、後のルールに対応していないんだよ。妖精魔法が改訂されたルール・サプリメントは、2011年に発売された『ウィザーズトゥーム』なんだから」
ハイラス「つまり、敵のデータが改訂版の妖精魔法ルールに対応していないので、 そちらを使おうと思えば、敵のデータごとに考えることが多くなるというわけでござるな。GMとして単純に作業量が増えて、事前準備が必要になる、と」
NOVA「あるいは、アドリブでデータを弄るかだが、初GMでそれは難しいだろう。よって、敵の妖精魔法は旧基本ルールに則るのが賢明だろうということだ」
晶華「改訂版の妖精魔法ルールは大判のサプリメント必須ってこと?」
NOVA「一応、後に文庫版の追加ルールEXが出て、レベル6まではそちらを買えば使えるようになったけどな」
晶華「で、改訂版は何が違うの?」
NOVA「6属性の妖精魔法のどれを得意としているか、自由に選べるようになった。具体的には1レベルにつき2種類の妖精と契約でき、各属性の魔法ランクを別々に上げていくことができるようになった」
晶華「すると、3レベルのフェアリーテイマーは6種類の妖精と契約できるのね」
NOVA「ああ、全部バラバラの種類を選べば、改訂前とあまり変わらない形になるけど、一つの種類に専念して、光3、火2、風1といった感じで、光の回復魔法が得意な術者になることも可能。それによって同じフェアリーテイマー技能の持ち主でも、得意分野の異なる個性化が図れるようになったわけだ」
晶華「育成の自由度が上がった分、自分がどの妖精と契約しているか、ということを考えないといけないわけね」
NOVA「ところが、2.5でまたルールが変更された」
晶華「どのように?」
NOVA「どの妖精と何ランクで契約しているかを細かく書く必要がなくなり、自分の使える属性を4つだけ選ぶ形になった」
晶華「4つしか選べないの? 6つ全部使えるようにはならないの?」
NOVA「組み替えることは可能だ。でも、同時に契約できるのは6つ中4つまでと制限されている。後に魔法サプリが発売されたら、属性ごとのランクとか、6つ全部が使えるようになって、混沌系の呪文も復活する可能性が示唆されているが、今のところは4つの属性を選ぶだけにして欲しい」
晶華「なら、もう決めているわ。カシュミーラはシャイニーとワンダーの妖精に愛されて、ハッピーとラッキーの妖精に祝福を受けているの」
NOVA「いや、そんな妖精はいないだろう?」
晶華「NOVAちゃんは頭が固すぎ。少し考えてみたら、シャイニーの妖精が光を表すことぐらい分かるでしょう」
NOVA「うっ。そりゃそうだが、じゃあ、ワンダーの妖精って何?」
晶華「ワンダーと言えば、ドリル。ドリルと言えば土属性よ」
NOVA「ワンダーがドリルを表すのは今だけだ」
晶華「そうでもないわよ。ワンダーと言えば犬。犬と言えば穴を掘る。穴と言えば土よね」
NOVA「だったら、ハッピーは?」
晶華「ハッピーと言えば、アサヒちゃん。アサヒと言えば、燃える太陽の炎で火属性よ」
NOVA「火属性はロッソ兄さんだと思うが、まあいい。だったら、最後のラッキーは?」
晶華「ラッキーと言えば、幸運の風なので風属性に決まってるわ」
NOVA「何となく屁理屈な気もするが、要は光土火風の妖精と契約中ということだな」
晶華「そういうこと。問題ないでしょ?」
NOVA「ある意味、無難な選択と言えなくもないか」
晶華「じゃあ、後はKPちゃんとNOVAちゃんのキャラクターを準備しないとね」
(当記事 完)