最後の後書きの前に
NOVA「長かった後書きも今回で終わりだ」
晶華「普通は、後書きがこんなに何回も続いたりしないわよ」
NOVA「俺は、本編よりも先に後書きを読む派だぞ。巻末の後書きとか解説文を読んで、それでネタバレとかも知った上で、本編を読むのを楽しむスタイル。後書きには、しばしば作者の想いがほとばしったり、読者や編集さんなどへの感謝の言葉が溢れていたり、本編の読むべきポイントが紹介されていたり、執筆時の苦労話とか、とにかく作者の『一作品完成させた。嬉しい』って想いが味わえたりする。後書きが楽しい作家はファンになれるし、後書きのない作品にはがっかりさせられる」
晶華「だけど、後書きよりも本編の方が大事じゃないの?」
NOVA「それはもちろんそうだが、俺は後書きも作品世界の一部だと思うし、文章じゃない映像作品でも、監督や脚本家、役者さんの番組終了後の雑誌インタビュー記事なんかは大好物だ。撮影裏話とか、特に印象的なエピソードとか、当事者が語ってくれるのを読むと、作品世界への彼らの思い入れが伝わってくるし、おつかれさまでした〜と心の声をかけたくもなる」
晶華「ふ〜ん、じゃあ、私はインタビュアーさんみたいなことをすればいいのね。マッスル太郎さんの物語の一番の見どころはどこ?」
NOVA「お前、それは前回、語ったろうが。人の話をきちんと聞けよ。第5部だと言ったはずだ」
晶華「じゃあ、第6部と第7部は出涸らしのお茶みたいなものね。残りは消化試合ってことで」
NOVA「消化試合って言葉は、ゲンさんも第5部の最後で口にしていたなあ。直後に、マッスル太郎の病気感染という不幸なめにあっていたが」
晶華「ちょっ、それって何かの脅迫? 私が病気になるかもしれないってこと?」
NOVA「お前が病気になったら、いっしょにいる俺まで危ないじゃないか。病気になるのがイヤなら、俺にブログタイトルを返してください」
晶華「仕方ないわね。半分だけ返してあげるわ」
NOVA「って、お前、自分の名前にShinyって付けただけじゃないか。肝心のNOVAをタイトルに入れなくて返したって言えるか? 結果的に、俺からShinyを奪っただけになってるし」
晶華「Shinyの称号は私にこそふさわしいのよ。私の名前は太陽サンサンだし、クリスタル(水晶)の晶の字よ。つまり、私の名前はShiny極まりない知力と技とエモさを見せつけるってことね」
NOVA「その名を付けたのは俺だからな。感謝するように」
晶華「うん、感謝しているから。その証に、NOVAちゃんには私から別の称号を付けてあげるわ。『ワンダーNOVA』と『ウルトラNOVA』と『1000%NOVA』のどれがいい?」
NOVA「『1000%NOVA』だけは勘弁して下さい。どんどん落ち目になりそうだから。その中だと『ワンダーNOVA』が一番いいけど、これからの時代だと『セイバーNOVA』か『ブレイズNOVA』の方が旬かな、と思う。なお、詳しい話は明日に解禁されるが、今度のライダーは本に宿った魔力で戦うらしい」
晶華「え? グリモワ(魔道書)ってこと?」
NOVA「ワンダーライドブックって本を、変身用の剣ソードライバーにセットして変身する仕様みたいだ。1号ライダーのセイバーはドラゴンの力で戦い、2号のブレイズはライオンの力で戦うそうだ」
晶華「それって、ウィザードじゃない」
NOVA「いかにも魔法戦士って感じだな。あとワンダーライドブックは、神獣・生物・物語の3種の属性があって、特に3つめの物語から『昔話や英雄伝説の力』を引き出せるようだ。分かっているのは『ジャックと豆の木』と『ピーターパン』で、それとドラゴンの力を組み合わせたフォームが初期に登場するそうだ」
晶華「本の力で戦うって、TRPGでもあった気がするけど」
NOVA「それこそ、TRPG者にとっては、ルールブックの中に想像力、創造力の源泉が満ち溢れているからな。しかし、東映さんというかバンダイさんは、今年はやたらとワンダーという言葉を推しているようだ。やっぱり、2作め映画の予定されているこれを意識しているのかね」
晶華「ということで、NOVAちゃんは今日から『Wonder NOVA』ね。ワンダバダダ、ワンダバダダ……の曲に乗って、ジャックさんを支援しながら、犬RPGのパグマイアのガイドをすればいいと思うの」
NOVA「まあ、新マン兄さんことジャックさんとか、パグマイアは応援しますけど、やっぱり俺は『Shiny NOVA』がいいです。ワンダーという言葉には『Wander(さまよう)』ってつづりのワンダリング・モンスターっぽい感じがあって、ワンダリング、ワンダリング、ヤホーヤホーって某ハーフリング改めグラスランナーのキャラを思い出して、お気楽極楽にどこかへ行っちゃいそうで何だかイヤなんだ」
晶華「言っていることはよく分からないけど、とにかくNOVAちゃんはワンダーを名乗る気はないってことね」
NOVA「なお、俺が毎日、仕事の際に愛飲しているコーヒーがこれだ」
晶華「だったら『ワンダNOVA』だったらいいの?」
NOVA「何で、俺がコーヒーにならないといけないんだ?」
晶華「もう、ああ言えばこう言うんだから〜」
NOVA「お前がShinyを俺に返して、ブログタイトルも元に戻せば、解決する話じゃないか」
晶華「じゃあ、私とNOVAちゃんで、父娘でダブルShinyってのはどう?」
NOVA「お前がShinyを名乗りたきゃ、勝手に名乗れ。だけど、ブログタイトルは元に戻してもらうからな。そうしないと読者が混乱する」
晶華「大丈夫よ。読者の人たちは、今の状況を面白がってくれているから」
NOVA「本当かよ」
晶華「だって、ここ1週間近くの読者数が増えていること、NOVAちゃんだって気付いているでしょう?」
NOVA「東京都での新型コロナウイルス感染者数ほどじゃないけどな。俺のブログの集客効果は、新型コロナには到底太刀打ちできないようだ」
晶華「何と比べているのよ?」
NOVA「まあ、それはともかく、マッスル太郎の愛読者と思しき層が最近、こちらの記事にも流入していることが明らかなようで、単に新しい記事を書いたから客が集まるのではなく、『マッスル太郎に固定客が付いてくれている』ことが明らかになった次第。何せ、今、こちらのブログで一番人気の記事が『マッスル太郎の後書き』関連になっているからな。まさか、ここまで読んでいただけるとは思ってなかった。こうなると、記事のタイトルに全部『マッスル太郎』と付けるといいんじゃないかって気になってきた」
晶華「いや、タイトルだけマッスル太郎さんでも意味がないでしょう? 中身もそれに合わせて、読者さんの需要に応えた記事じゃないと」
NOVA「読者さんの需要って?」
晶華「マッスル太郎さんの物語の後を継ぐ、『私の作ったカシュミーラが主演のソード・ワールド・リプレイ記事』よ。私とNOVAちゃんのダブルShiny父娘冒険譚なら、きっとマッスル太郎さん以上の人気記事にだってなれる。いつまでも、メインブログがコンパーニュの後塵を拝していてはいけないわ」
NOVA「う〜ん、俺はこっちで、のんびり過ごしたいんだけどな。誰か、俺の代わりにGMしてくれるなら、プレイヤーとして参加してもいいんだが」
晶華「だったら、アストを呼ぶ?」
NOVA「呼びたいのか?」
晶華「まさか。他にGMしてくれる人がいたら、そっちの方がよほどいいわよ。NOVAちゃん、誰か呼んできて」
NOVA「だから、新型コロナが再び拡大蔓延しているような状況で、うかつに呼べないだろう? コロナ退治に出かけたはずの翔花は一体、何をしているんだ?」
晶華「そんなの私が知るか。お姉ちゃんのことは、とても心配なんだけどね」
NOVA「とにかく、前置きは終了だ。『仮面ライダー聖刃(セイバー)』の正式な情報公開は明日で、番組開始は9月の6日から。つまり、ゼロワンの8月終了が確定したことになる」
晶華「明日になれば、いろいろな映像も解禁されそうね。今から楽しみ♪」
第6部の述懐
NOVA「で、マッスル太郎だが、波乱に満ちた第5部を終えた後は、サンドリーヌの依頼を中心に、やり残したクエストを順次達成しながら、脱出できるだけのレベルアップに向けて、経験点稼ぎに勤しんだわけだ」
晶華「第5部が終わって、すかさず第6部を始めたわけね」
NOVA「まずは、奴隷市場でのクエストを片付けて、それから太陽神殿跡の探索。その後、ウルスラから依頼された亡者狩りクエストを経て、レベル6になった。その辺で、必殺2020の記事も書いたりしながら、廃屋でのゾンネンフェレス退治や、キルヒア神殿の探索、鮮血城クエストなんかをこなした後、ついにサンドリーヌの最終クエスト『牧場の少女ハイネ救出』に取り掛かる」
晶華「第6部は、次から次へと精力的にクエストをこなして行った感じね」
NOVA「時期としては、6月末から7月に入って、夏休みが始まる前にリプレイを終わらせようと頑張っていったわけだ。邪魔にしかならないっぽいコメント客も完全に排除してな。逆に、この6部ではコメントではないけど、記事に直接『いいね』を付けて、はっきり応援の意思を示してくれる客人が現れたことで、結構、励みになったな。アクセス数の推移で分かる情報もあるけど、明確にマッスル太郎という作品を応援してくれる人がいると思うと、頑張って書き続けようって気にもなる。直接、言葉を交わさなくても、通じる想いってのを感じた次第。応援してくれた人には、この場ではっきり、ありがとう、と申し上げておきたい」
晶華「自分が楽しんで書き記している一人遊びの創作活動に対して、それを享受して楽しんでくれていそうなお客さんがいると、作者としては嬉しくなるものね」
NOVA「そうなんだ。適切な相づちと言うか、打てば響くようなリアクションがあると、作業そのものが楽しくなるわけで。終盤はそういう言葉ではない声に感じ入ったりもしたわけで、終わらせるのも惜しいなあって思ったり」
晶華「だから、こんな後書き記事で余韻を残したいってわけね」
NOVA「その時その時に感じた楽しさや、ポジティブな想いも、自分のブログ記事として書き記したいからな。逆に、ネガティブな想いはあまり残したくない。苦境の中でも、あれこれ考えて必死に頑張っているって気持ちは残したいし、対人コミュニケーションでの反省や教訓も残したいけど、露骨な悪口に堕してしまうのはイヤなので、吐き出して昇華したいわけだ。
「物語の悲劇については、不幸な運命の中でも想いは通じた、継承された的な美しいラスト、誰か(何か)を生かすために自らは散っていく滅びの美学、格好いい散り方や一仕事終えての解散劇なんかは好みだし、次々と仲間が討ち死にしても遺された者が受け伝えていくドラマは好み。つまり、物語の最後に何が残ったか、を大切にしたいってことだな」
晶華「何も残らない最後は?」
NOVA「虚しい読後感や、何の解決にもならない投げっ放しエンドは勘弁だな。滅びの美学にしても、そこに至る過程が雑な犬死に描写は辛い。もちろん、犬死にした仲間の仇討ちとか、登場人物の死に様を映し出すのが主眼のホラー映画だと、違う心構えで鑑賞できるので、その辺は作風次第なんだけどな」
晶華「ミストキャッスルに話を戻すと、ミッションによってはバッドエンドも結構あるのよね」
NOVA「そうだな。はっきりしているのは、プレイヤーキャラが死んだ後、魔改造されて怪人化というのがあって、酷いケースだと足が車輪になったり、頭が二つになったり、胸に巨大な花が咲いたり、尻尾が生えたり、亀の甲羅が生えたり、そうなると、もはや霧の街以外では真っ当な生活が送れなそうだなあ、と思わなくはない」
晶華「格好いい変化もあるのよね」
NOVA「腕が銃になったり、触手になったり、背中から翼が生えたり、体がゴリラになったり、額からユニコーンの角が生えたり、目からバグベアードの怪光線を放ったりか? まあ、そういう異形の怪人を楽しくプレイするゲームもあるが、マッスル太郎がそうなった場合、確実に雰囲気が変わっていたよな。いや、マッスル太郎が魔神だと判明した後、『突然、肉体が変容した』という理由で、魔改造表を振ってもらおうかなあ、と考えたりもしたんだが、死んでもいないのに魔改造させるというのは、ゲーム的にフェアじゃないよなあ、と思って、断念した次第。そういう楽しみは、次回作にとっておく(ニヤリ)」
晶華「うわあ、悪そうな笑顔。これが暴走すると、妄魔時王になったりするのね」
NOVA「もう、そのネタは古いから。それより、ハイネシナリオの失敗したときの後味は結構酷いよな。彼女の説得に失敗して、牧場に返してしまった場合、運が悪ければ、彼女が殺されてしまう。そうなると、サンドリーヌルートでの脱出ができなくなるので、ザバーラの馬車か、海賊船か、門からこっそり隠密で抜け出すか、まあ完全に詰んでしまうことはないんだけど、ハイネシナリオは成功させたいのが人情だと思う」
晶華「説得手段はシナリオに書いてあるのよね」
NOVA「ウルスラのところで人助けの想いに目覚めさせるか、鮮血城の図書館で知識欲に目覚めさせるかが模範解答になっていたので、リプレイでは両方を折衷させた。他には、一時的に麻薬漬けにしてサンドリーヌに託すなり、力づくで拉致するなり、酷いやり方もいろいろ書いてあって、プレイスタイルによっては、相当にダークな展開に持ち込むこともあり、だったわけだ」
晶華「NOVAちゃんが考えたのは?」
NOVA「『ボクと契約して魔法少女になってよ』と言う契約妖精を連れてくるか、『アイドルにスカウトする』かだな。後は、サンドリーヌと知り合ってから、ハイネ救出を敢行する展開ではなく、先にハイネと知り合いになって、ハイネに惚れてプロポーズして、恋愛ドラマっぽい展開にもできなくはない。まあ、マッスル太郎のキャラでそういう雰囲気にはならないだろうが」
晶華「それだと、ルパン3世の『カリオストロの城』的な話もありよね」
NOVA「そもそも、牧場の少女というキーワードから、これを連想する人もいるだろうし、キャライラストも儚げな美少女風で可愛いし、シナリオ記述もやたらと凝っているので、作者の川人君が10年以上前に力を入れて書いていたクエストなのは明確だ。で、そういう萌え美少女にサクッと悲劇的な末路を描写する辺り、川人風なダークじみたオチが割と自分のツボに刺さったりもする」
牧場の少女カトリOP 「Love with You 〜愛のプレゼント〜」1984年製作【アニソン】فتاة المراعي
晶華「ダーク寄りって、NOVAちゃんのツボなの?」
NOVA「他人が描くのは感じ入るな。ただし、自分で描く場合は、サクッと殺せず、結構、未練たっぷりにドロドロ尾を引いてしまいがちで、あまりスパッと割り切れない。それはともかく、『このままだと悲劇に終わってしまう美少女を何とか助けたい』ってプレイヤーは必死になりそうなエピソードなんだけど、肝心のハイネは『翠将さまの供物になるのでしたら本望です』なんて言ってしまう娘で、このキャラをどう演じるかGMするのも難しいだろうな。いかにも、ミストキャッスルを象徴するキャラの一人だと思う」
晶華「だけど、NOVAちゃんがメインヒロインに選んだのは、マリリンさんだと」
NOVA「マリリンはイラストがないんだよな。文章での記述によれば、『亜麻色の髪を三つ編みにしてひとつにまとめ、動きやすそうなぴったりとした衣服に身を包んでいる』とある。キャラデータもフェンサー7レベル、スカウト5レベル、レンジャー5レベルと決して低くはないんだけど、リプレイではせいぜい3レベル程度として扱っている。というのも、フェンサー7レベルもあれば、3レベルのボガード3体からわざわざ逃げなくとも、さくっと返り討ちにできるはずだから、この7レベルは第6部の最後の登場シーンにおける最終段階のものと解釈した」
晶華「ああ、マッスル太郎さんの強さに憧れて、自分も強く鍛えたってことね」
NOVA「7レベルのフェンサーが同じ7レベルのリザードマンマリーナから逃げるって状況なら、納得できる。どっちにしても、霧の街だと7レベルで蛮族と遭遇するのは結構、危険が大きい」
晶華「どうして?」
NOVA「バジリスクとランダムエンカウントで普通に出くわすからだよ。モンスター遭遇表を見るだけで、7レベル以降は霧の街に残らずに、さっさと街を出るべき、と感じさせてくれる。ソロだったらなおさらな。マッスル太郎がマリリンに遠回しに引退を勧めたのも、そういう背景事情もあってのことだ」
第7部の確認
NOVA「さて、ここまでいろいろ思い出話とか、裏話を書いていたけど、最終部の7部については、あまりネタがないんだよな」
晶華「どうしてよ?」
NOVA「時期的に第7部と同時並行で、こちらでキャラビルド記事を書いていただろう? すると、新しく生まれたデルニールやホリー&ガルド、それにカシュミーラの方に関心が移っていたからな。それこそ、マッスル太郎の最終部は消化試合的に、感情移入することもなく機械的に、脳内で思い描いていたプロットどおりに、文章化するだけ。一応、バトルシーンとかはリアルタイムでダイス振ったりしていたけど、それももはや手慣れた作業になっていたからな。ヒノキ姐さんやゲンさんのセリフ、ダイス目に一喜一憂するリアクション、その他諸々の文章が労なく紡ぎ出されていく自動書記トランスモードで書いていたわけだよ」
晶華「自動書記トランスモード! 何それ?」
NOVA「過去記事を検索すると、以下の内容が出てきた。お前の誕生時期にも関わっているのでチェックしてみるといい」
晶華「そう言えば、私もNOVAちゃんのトランスモードについて、触れたことがあったんだ。すっかり忘れていたよ」
NOVA「ああ、俺も久々にそういう状態になったからな。機械的に書いているうちに、ふと気づくと記事が完成していて自分でもビックリって奴だ。今回はダイスを振りながらだから、出目とか計算とかちゃんと大丈夫なんだろうか、と思ってチェックしてみたんだけど大丈夫。少々、ゲンさんとヒノキ姐さんのセリフが入れ替わっていたり、『〜〜でござるのじゃ』と語尾が混ざっていたり、『マッスル太郎のセリフなのに、一人称が私ではなく、ゲンさんの我口調』になっていたり、多少の記述ミスを推敲して直すだけで普通に完成できた。よって、7部の一部記事は俺が書いたようでありながら、どうも実感が薄い感じなんだな、これが」
晶華「そう言うのって、自分で気持ち悪くなったりしないわけ?」
NOVA「まあ、自分の体を誰かに乗っ取られたりしていたら、気持ち悪いんだろうな。だけど、俺のトランス状態は文章を書いている時にしか発生していない(あるいは発生していても、自分では気付いていないだけなのか)し、文章を読んでも、俺の書いたものだという感覚はあるんだな。記憶にはっきり残っていないだけで、間違いなく自分の文章(おおよそ書こうと思っていた筋書きとか、文章の癖とか)と言いきれる。もちろん、先述の細かいケアレスミスなんかがあって、手直しは必要だったんだが、それでも他人の文章ではないわけだ」
晶華「ええと、第7部の全てがそういうトランスモードで書いたってこと?」
NOVA「全てとは言わないが、ところどころがそんな感じだ。まあ、いろいろと疲れていたんだろう、と解釈している。こういうモードを自由に発現できれば、単調な展開の場面なんかは楽ができるのに、と昔から思っていたんだけど、それは無理みたいで。ともかくそういうわけだから、この7部については、『作者としての後書き』が書けないわけだ。気づけば半分近く仕上がったりなんかもして、脳内の小人さんが書いてくれた文章です。だから、作者感想は小人さんに任せた……なんて書いても仕方ないだろう?」
晶華「そういう小人さんを自由に召喚できたらいいのにね」
NOVA「と言うか、お前が書いたんじゃないのか?」
晶華「何で、私がマッスル太郎さんの話を書かないといけないのよ? そんなことができるなら、自分が主役のリプレイとして、乗っ取ってみせるわよ。タイトルも『Shiny晶華の、霧の街脱出』に書き換えたりして」
NOVA「そんなタイトルだったら、誰が犯人か簡単に分かるじゃないか。そこまで露骨だと、推敲時に俺が気付いて直すに決まってるだろうが」
晶華「とにかく、第7部については『作者:トランスNOVA、監修:ワンダーNOVA』で決まりってことね」
NOVA「違う。『監修:Shiny NOVA』だ。俺はワンダーを名乗るつもりはない。ともあれ、ここでソード・ワールドの戦闘について触れておこう。リプレイでは、ヒノキ姐さんがあまりダイスを振っていないことにはお気づきだろうか。実際、『今回は、わらわが振るのじゃ』と宣言していない限り、ダイスは振っていない。ソード・ワールドのモンスターデータでは、命中や回避、魔法行使や抵抗などの基準値と、2Dの期待値7を加えた達成値が載っていて、GMが振ることを選択しない限り、モンスターは固定値で戦闘を展開できる仕様だ。つまり、ダイスを振るのはプレイヤー側だけでもいいので、ソロで戦闘するのが大変楽なシステムというわけなんだ」
晶華「ええと、敵側がダイスを振る必要があるのは、攻撃が命中したり、魔法を使った際のダメージダイスだけよね」
NOVA「ただし、多少とも面倒なのは、レーティング表をいちいちチェックしないといけない時だけど、マッスル太郎の武器であるハードキッカーの威力30は結構、覚えやすくて、ピンゾロは失敗、出目3で2ダメージ、出目5で4ダメージなのを除けば、2Dの出目がそのままダメージになる」
晶華「つまり、8を振ればダメージ8点ね」
NOVA「それに、追加ダメージを13点加えると合計21点のダメージを与えることができる。さらに練技のマッスルベアーで+2、エンチャントで+1できるので、最終的には2D+16点のダメージで2回攻撃できるわけだ」
晶華「クリティカルは?」
NOVA「ダメージダイスで11か12を振れば、振り足しができる。出目10以上は10ダメージで固定だが、11と12の場合だけ、さらにダメージを高めることも可能だ」
晶華「最初に11が出て、2回目が6なら、10+6+16で32点ダメージになるわけね」
NOVA「で、何が言いたいかというと、ハードキッカーの威力30は俺がレーティング表を丸暗記してしまったために、いちいち表をチェックしなくても、ダイス目を見るだけで即座にダメージ計算ができるようになっていたこと。それだからこそ、戦闘処理も機械的に単純にできるようになり、トランス状態を誘発しやすくなっていたんじゃないかなあ、と」
晶華「確かに、ダイスを振るたびに、いちいち表を見ていたんじゃ、自動書記モードにはなりにくいってことね」
NOVA「手慣れた作業のために、深く考えなくても執筆とダイス振り、および戦闘のデータ処理まで自然にできるようになっていた。だからこそ、発生したトランスモードなのかなあ、と感じる次第」
晶華「ところで、ソード・ワールドのレーティング表って、他に何を覚えてる?」
NOVA「威力20は基本だな。2D−2で計算できる。つまり、出目3以降が普通に1、2、3……10まで数えればいい。威力10は序盤によく使うが、1、1、2の、3、3、4の、5、5、6の最後6ゾロで7となっている」
晶華「時々思うんだけど、NOVAちゃんって、無駄なことに記憶容量をずいぶんと使っているのよね」
NOVA「好きなことは自然に覚えてしまうんだから仕方ないじゃないか。でも、ソード・ワールドに慣れたプレイヤーだと、自分のキャラの使うレーティング表ぐらい覚えるもんだと思うがな。まあ、キャラクターシートに写していると楽だけど、D&Dでも命中表を参照するより、THAC0計算する方が熟練プレイヤーって感じがしたし、『こうするのがベテランだ』と言われたら素直に習得しようとしたもんだ。この道を極めるには、これができないと……と言われた時に、是非とも身に付けたいと思う人と、別に極めようとは思わないし〜と聞き流しがちな人とで、確実に差がつくんじゃないかなあ」
晶華「うわ、教育論に発展させようとしているよ。話を戻して、第7部を『作者視点でなく、読者視点で読み直した時の感想』は何かある?」
NOVA「2つあるな。ヒューリカ戦でクインドゥームが登場した際に、よく勝てたなあ、というのが一点。そして、ラストの戦いで、どうして《カウンター》使うのを忘れているんだよってのが、もう一点」
晶華「そりゃ、ゲンブさんが使い慣れないサンドリーヌさんの魔法を使う方に気が入っていたからじゃない?」
NOVA「俺がトランス状態じゃなかったら、しない類のミスだと思うんだけどな。とにかく、トランスモードも発動してしまったので、マッスル太郎の物語をどうも自分で完成させた気になっていなかったんだよ。そのスッキリしない部分も含めて、後書きで昇華できたかな、とは思う。これで一連の後書き記事は終了だ。ん?」
DROOOON!
次元を超えて出現す!
次元ドルイド登場
ハイラス「は〜い、でござ〜る」
晶華「あっ、ドルイド道おじさんだ」
NOVA「おお、久しぶりだな」
ケイPマーク2『マスターNOVA、ミストレス晶華、お久しぶりです』
晶華「うわ〜い、KPちゃんもいっしょだね」
NOVA「なるほど、修理が完了したので、届けに来たってことか。ほぼ2ヶ月ぶり、この時以来か」
ハイラス「確かに、私はケイP殿をお届けに上がった。しかし、今回ここに来た理由はもう一つ、大地母神ガイア様の使いなのでござるよ」
NOVA「ガイア様が? また、どうして?」
ハイラス「ガイア様は、次代の神霊候補の翔花どのの教育をNOVA殿に一任したはずなのに、ずっと放任していることに大変ご立腹されておられるでござる」
NOVA「いや、放任って言ってもなあ。翔花はコロナ退治に出かけるって言ったきり行方不明だから、どうしようもないんだよ。先日、ウルトラマンZの世界に出現した痕跡が確認されたが、あの辺の時空はどうも不安定すぎて、うかつに手を出しにくいというか……」
ハイラス「今は、翔花どのは別の世界にいるでござる」
NOVA「本当か?」
ハイラス「ガイア様が探り当てたので、まずは間違いないと思われる」
NOVA「どこだ?」
ハイラス「ここでござる」
NOVA「ええと、それってつまり?」
晶華「これからフェアリーガーデンをプレイして、妖精郷のどこかにいるお姉ちゃんを探し出せってことかしら? わ〜い、やったね(^0^)」
NOVA「えっと誰が?」
ハイラス「当然、父親のNOVA殿と、妹のアッキー殿と、アシモンのケイP殿の3人パーティーでござるよ」
NOVA「お前はどうするんだ?」
ハイラス「不肖このハイラス、屋久島での修行の末、GMをするための秘術を習得したでござる」
晶華「秘術って、字が読めるようになったってこと?」
ハイラス「いや、この世界の文字はいまだ完全には習得できず、ましてやシナリオを読んで、書物の中に秘められし異世界への旅を案内するほどの高等技術を披露するのは非才の身である故に、困難でござる」
NOVA「だったら、どういう秘術なんだ?」
ハイラス「それには、リトル殿の持つブルーソウルが必要でござる。リトル殿は何処に?」
NOVA「もう、ここにはいないぞ。先日、シロ君といっしょにコンパーニュに帰した」
ハイラス「何と! では、まずはコンパーニュに行かねば。ひとまず、失礼つかまつって……」
晶華「ドルイ道おじさん、次元転移の術を習得したみたいね」
NOVA「というか、わざわざ自力で瞬間移動しなくても、コンパーニュとの間だったら、転送門が設置されているのにな」
ケイP『ドルイ道おじさんは、新しく習得した術を使いたくて仕方ないようです』
NOVA「ああ、お前も無事に修復できたようで何よりだ。ドクター・ウルシェードにも感謝しないとな」
晶華「それより、お姉ちゃんが妖精郷にいるってどういうこと?」
ケイP『それは長い話になりますが……』
晶華「大丈夫よ。長い話は、NOVAちゃんとの付き合いで慣れているから。後書きだけで、記事3回分になるようなド長文じゃないわよね」
NOVA「ド長文って何だよ?」
晶華「じゃあ、駄長文?」
NOVA「シクシク」
ケイP『ええと、泣いているマスターはスルーして、一記事もあれば十分に話せると思います』
NOVA「……そいつは長いとは言わんな。いいだろう、聞こうじゃないか」
ケイP『実は……』
(新たな冒険の予感を胸に、次回に続く)