Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

マッスル太郎・後書き・続き

シャイニーでワンダーでターボな話

 


【魔進戦隊キラメイジャー】ワンダーキラメキムービー

 

晶華「うん、やっぱりシャイニーでワンダーな宝路さんはエモいわね」

NOVA「そうだろう、そうだろう」

晶華「何で、NOVAちゃんが威張っているのよ?」

NOVA「だって、俺だってShiny NOVAだぞ。しかも、宝路くんのデビューより4ヶ月も早い2月末からな。つまり、宝路くんは俺のシャイニー後輩に当たるわけだ。実際、宝路くんがターボレンジャーの時代に高校生だとするなら、俺は当時、大学に入学した時期だから、確実に彼は後輩になる」


Kousoku Sentai Turboranger Opening

 

晶華「ターボレンジャーさんって平成元年の高校生戦隊よね」

NOVA「ああ、そうだぞ」

晶華「高校生が車に乗ったりしていいわけ? 自動車の運転免許って、確か18歳以上なんでしょう? つまり、無免許運転ってことじゃないの?」

NOVA「大丈夫だ。ターボレンジャーは高3設定だし、レッドターボとブラックターボはおうし座設定。おうし座だと4月下旬から5月下旬生まれということだから、放送1クール目で18歳になって免許が取れる」

晶華「他のメンバーは?」

NOVA「一番、まずいのはブルーターボの魚座生まれだな。2月〜3月生まれで一番年下だから、番組放送中には18歳になれなかったことになる。イエローターボは乙女座だから夏休み明けぐらいに18歳。ピンクターボは山羊座だから、年末年始になるのか。やはり、無免許のメンバーは多いようだな」

晶華「でしょう? 正義の味方が無免許運転じゃダメだと思うのよ」

NOVA「いや、しかし、運転免許証って道路交通法に基づくものであって、ターボレンジャーのマシンは確か道路は走っていなかったと思うぞ。道路じゃない荒れた原野でも、道路交通法は適用されるのか?」

晶華「そんなの私が知るか」

NOVA「ついでに、彼らが車に乗るのは変身後だ。変身後の中の人は高校生じゃないベテランスーツアクターだから、メタ的にはセーフだろうし、巨大ロボットのパーツである巨大車両を運転するための免許は一般の法律の適用外だ。さらに言えば、ターボレンジャーは後のカーレンジャーと違って『戦う交通安全』を名乗っていないし、別に交通ルールを守ろうってことも言っていない」

晶華「だったら、何を守って戦っていたのよ」

NOVA「ターボレンジャーは妖精の力で戦うフェアリーテイマーなんだ🧚‍♀️ 地球環境が汚染されて、邪悪な暴魔百族って妖怪系のモンスターが現れたから、エコの精神を旨に再封印あるいは、遥かな眠りの旅を捧げようって話なんだよ」


Kousoku Sentai Turboranger Opening


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晶華「そうか。ターボレンジャーさんは妖精さんの見える戦隊なのね」

NOVA「実際、シーロンって名前の妖精もレギュラー出演しているし、普通の人には妖精が見えないので、支援する博士は妖精の見えるメガネを装着して、シーロンとコミュニケーションをとったりしている。だけど、幼い頃に妖精の光を浴びて力を授かったターボレンジャーの5人は、素の状態で妖精が見えるんだ」

晶話「でも、どうして妖精の力で戦う戦士のモチーフが車なのよ?」

NOVA「一説によると、車の形をした精霊だからこそ、天然自然の力で戦う妖怪の魔力に翻弄されないというのがあるな。つまり、敵対相手の支配できない器物だから有効という考え方だ」

晶華「ああ。相手と同じ土俵で対等に応戦するケースもあれば、相手の弱点属性を突くやり方もあるってことね」

NOVA「何にせよ、ターボレンジャーは後に数多い後継者の登場するファンタジー系戦隊の始祖とも言える。それまでの戦隊が科学の力で戦っていたのが、初めて妖精の力という世界観を打ち出して、その後、ジュウレンジャー以降に受け継がれていくことになるわけだ」

晶華「つまり、ターボレンジャーさんの世界観はこれに近いのね」

NOVA「ところで、先ほど無免許運転とかを問題にしていたが、もっと大切なことがあるだろうが」

晶華「何よ?」

NOVA「ターボレンジャーに限らず、多くの戦隊や仮面ライダーは、警察や軍事組織に所属したり、ミラーワールドとかの異世界で戦っていない限り、思いきり銃刀法違反じゃねえか」

晶華「それは、正義のためにやむを得ない緊急処置って奴よ。きっと、司令とか博士が官憲に連絡して、事情説明したりして、特別に許可をもらっているんだわ」

NOVA「だろうな。まあ、中には司令役がいなかったり、社会的地位がなさそうで人に隠れて悪を斬るカクレンジャーやら、カーレンジャーみたいな法律を考えるのが無意味そうな世界観の戦隊もあるんだろうし、宇宙帝国やら宇宙海賊やらの暴れる世界観だと、これでよく人々の日常生活が維持できているなあ、と感じることもしばしばだ」

晶華「スーパー戦隊の世界の皆さんは、悪の侵略活動が日常になっているのよ。ウィズ・コロナの世界観みたいなものね」

NOVA「コロナが日常の世界観ってのも嫌なんだが、それでも頑張って日常生活を生きないといけないってわけか」

 

マッスル太郎の後書きの続き

 

NOVA「で、ずいぶん長い戦隊系前置き話をしたわけだが、改めてファンタジーゲームの話をするぞ」

晶華「マッスル太郎さんの第4部からね」

NOVA「俺的には、第3部までの話と、第4部からの話で大きく違うわけだが、それが何か分かるか?」

晶華「前半と後半ってこと? 前半はマッスル太郎さんが奴隷から解放されることを目指して、ザバーラさんから言われるままに動いたり、一宿一飯の恩義とか言って世話になった人への恩返しをしたり、蛮族の非道を見過ごせなかったりして、割とその場その場のリアクションで深く考えずに行動していたと思うの。だけど、第3部の最後で、奴隷の身から解放されるようになって、自分のその後の人生や、霧の街の未来のことを意識するようになった感じ」

NOVA「そうだな。第3部までは、ミッションやクエストを受けたから、とりあえず達成するために頑張るって形で、物語が動いていた。だけど、第4部からは関わる相手が増えた分、同時に複数のクエストやミッションを抱え込むことになり、攻略の優先順位とかをあれこれ考えながら、冒険の自由度が高まった感じだな。

「その中で一際大きなクエストが『麻薬窟をどう攻略するか』だ。攻略するためにレッサーオーガのボスを倒せるだけのキャラ育成も前準備として必要になるし、攻略した後で入手した〈夢薬販売委任状〉をどの依頼主に渡し、渡さなかった依頼主とは改めてどういう関係を構築・維持するかがドラマ上のポイントと言える」

 

晶華「第4部はレジスタンス組織3つと接触して、クエスト受注先が増えて、冒険の選択肢が増えていく流れでもあるわね」

NOVA「メインのキーパーは最初からザバーラなんだけど、第1部で施療院のウルスラ(実は〈スエラの炎〉の首領)と関わるようになり、第2部で〈風の旅団〉の首領トホテルが処刑されそうになったのを、仮面レンジャーとして助け、さらに長屋のミランダ婆さんの頼みでマリリンを助けたところから娼婦街の〈月夜蜂〉と接触する。それぞれの組織との機縁が、ゲーム的にもストーリー的にも面白いな、と感じたわけだ」

晶華「レジスタンス組織それぞれの方針の違いや、与えてくるクエストの違いなんかも、マッスル太郎さんの冒険スタンスとの兼ね合いもあって、物語を良い意味で錯綜させる効果があったと思う」

NOVA「〈スエラの炎〉は基本的に人情派で弱者の味方、治療関係や情報収集系の任務が多く、善意の集団という形。〈月夜蜂〉は暗殺者集団で、その背景には翠将と権力争いをしている吸血鬼がいて、もしも翠将を倒したなら、霧の街は吸血鬼が統べることになる様子がミストグレイヴのエンディングの一つとして描かれている」

晶華「うわ、それって思いきりネタバレね」

NOVA「ミストキャッスルの中では、シナリオ本編でなくアリアドネの背景設定として示されている情報だけど、〈月夜蜂〉の目的は、人族の女性の味方を装いながら、名のある蛮族を次々と暗殺して街の混乱を助長し、翠将の勢力を少しずつ弱めていく目論見が隠されているわけで、それをどうリプレイの中で描くかが悩んだわけだ。いっそのこと、そういうややこしい背景は完全にスルーしても良かったんだけど、それだとミストキャッスルの魅力を損なう気もしてな」

晶華「ネタバレした方が、魅力を損なったりしない?」

NOVA「発売したばかりの本ならそうだと思うが、それから10年も経った懐かし作品だから、ネタバレによって商品としての売り上げがどうこうと気にすることもないだろう。むしろ、このまま面白さが語られずに作品として風化する方がイヤだからな。やはり、ミストキャッスルは改めてプレイしても、面白く深いストーリー作品だったと書き残しておきたいわけだよ」

晶華「〈月夜蜂〉は暗殺者集団なので、必殺シリーズのエッセンスも含めて、NOVAちゃんは描いているわね」

NOVA「そう、裏稼業の妖艶な女元締めというイメージでアリアドネは描いて、マッスル太郎については『お笑い芸人という陽性要素と、仮面レンジャーという裏の顔』ということで、多少は中村主水を意識したりもした。もちろん、中村主水ほどの経験は持たないので、もう少し下っ端風に描いた形だけど」

晶華「マッスル太郎さんは〈月夜蜂〉の暗殺任務に対して、少し怯えながらも従うことになる」

NOVA「ゲーム的には経験点が欲しいし、何よりも金銭的な報酬が美味しいんだよ、〈月夜蜂〉は。金をもらって許せぬ蛮族を始末する暗殺者稼業の物語なんだけど、ソロだと相手のレベルに合わせて能力的に勝てるかどうかの判断をしっかりしないといけない」

晶華「その判断基準は?」

NOVA「ソード・ワールドだと4人パーティーぐらいなら、プレイヤーキャラの2レベル上の敵をボスとして設定すればいい、というバランスでシナリオが作られている。だけど、ソロだと2レベル上はまず勝てない。1対1なら、同じレベルで普通に戦える。1レベル上の相手なら、うまくやれば勝てるかもって感じだから、例えばアリアドネが『3レベル向きのクエスト』と言って出してくる仕事は、3レベル1人では達成困難(敵ボスが4レベルから5レベルに設定されているので)。とりあえず、敵ボスの強さを見積もって、それから勝てそうかどうかの算段をして、クエスト攻略に当たる。まあ、ゲーマーとしては当然だな」

晶華「相手のレベルって、プレイヤーとしてはどうして分かるの? まあ、実際のところは、ゲームブックみたいにNOVAちゃんが敵のデータも管理しながらプレイしているのだから、丸分かりなんだろうけど、TRPGだったら、そうも行かないわよね」

NOVA「その辺は、リプレイを書く際に、慎重に考えたりもした。GM役のヒノキ姐さんがシナリオ読んで知っている情報と、プレイヤーのゲンさんが知り得る情報を、脳内できちんと区別してな。これが入り混じると、妄想リプレイとしては興醒めとなる。各キャラの性格や、知っている情報を脳内あるいはメモ書きなどできちんと整理できない人間は、複数キャラの登場する創作なんかはまずできない。まあ、その場合は一人称小説で、登場キャラを絞ったり、自分以外の登場人物の心情などは、主人公の主観に限定するとか、作者の力量に合わせたスタイルはあるんだけどな」

晶華「NOVAちゃんのスタイルは?」

NOVA「書き慣れているのは、主観キャラの心情に焦点を当てた三人称形式だな。一人称だけだと、描けるシーンに限界を感じるし、章ごとに主観キャラを変えていくスタイルもあるけれど、短編でそれをすると失敗したこともあるし、いろいろな形で書いて、試行錯誤した経験はあるから、『各スタイルの長所と短所、描ける物語の特徴』なんかは、きちんとしたイメージをもって語れると思う」

晶華「今は、会話のやりとり調で通しているわね」

NOVA「小説では、情景描写(登場人物の仕草や表情なども含む)が必要なんだけど、ブログでの自己主張や雑感を書くのには、あまり必要ないからな。ただ、一人だけで自己主張文を書いているときは、興が乗っているときは書けるけど、受け応えしてくれる相手がいないと、いまいち物足りない。やはり、自己主張を弾ませるには、気の合った話し相手は必要なんだよ」

晶華「気の合った話し相手って?」

NOVA「同じものを見て、同じぐらいの熱意を示して、意見や感想をやりとりし合える相手だろう。もちろん、同じものを見ても違った感想が出たり、熱意の示し方にも個々の違いはあって然るべきだけど、そういう細かな違いはさておいて、『こいつは本当に、きちんと作品を読んだり視聴したりしたのか?』『こいつは本当に、作品のことが好きなのか?』などと疑問符が灯るような相手だと、話にならないわけだよ。もちろん、読解力や表現力の問題もあるんだろうけど、何よりもその作品に真摯に向かい合っているかの差かな」

晶華「つまり、ゲームの話をしているときにゲームと関係ない話を始めたり、創作の話をしているときに個人のリアルな質問をされても興醒めってことよね」

 

NOVA「話の方向がマッスル太郎からズレてきた気がするから、引き戻そう。ゲームのリプレイだと、ゲーム攻略のための損得勘定と、キャラとしての内面の感情がズレてくることもある。ゲームとしては、経験点を稼いだり、金稼ぎのために戦ったりというのが普通にあるわけだけど、物語として描くためには、『そのキャラが何のために強くなるのか、何のために金が欲しいのか』という行動動機を考えないといけない。そこのところを第4部では突きつめることになった」

晶華「プレイヤーとしてはゲームを楽しんでいるだけなんだけど、キャラとしては悲劇の運命から逃れようと必死だとか?」

NOVA「マッスル太郎としては、『お笑い芸人として人々の笑顔のために働く』というアイデンティティーが第一義で、そこにゲンさんというプレイヤーの持つ義理人情が絡んできたり、ヒノキ姐さんのヒーロー愛をゲンさんが汲み取って演じたりする面がある。でも、〈月夜蜂〉の方向性は作者の俺好みではあっても、マッスル太郎やゲンさんの好みではないんだよな。だから、その辺のズレをどう描くかがリプレイのドラマ面だと感じた」

晶華「何だかややこしい話よね」

NOVA「幸い、ヒノキ姐さんもゲンさんもTRPGの素人ではないので、お互いの会話のやりとりで、その辺のズレを解消できているわけだ。例えば、先ほどの質問で『敵のデータをどう扱うか』の話がある。ソード・ワールドには、セージ技能などによる魔物知識判定があるから、魔物の手掛かりがあれば判定によってデータが分かる。リプレイ中では、単純にするためにレベルとHPだけを記していたけど、実際は敵の命中や回避、特殊能力なども判明し、そのデータに基づいて、ゲンさんは倒せそうかどうかの判断をしているわけだ。

「逆に、判定に失敗して敵のデータが分からないときは、ゲンさんも無理に危険を冒さない方向でプレイを進めている。マッスル太郎はコミカルな言動で振る舞っているけど、プレイヤーのゲンさんはクレバーに考えて行動していることが、リプレイ読者には伝われば幸いだ」

晶華「敵のデータが分からないけど、とにかく為せば成ると言って、無理無茶無謀に突っ込んで行ったりはしないのよね、マッスル太郎さんって」

NOVA「その辺は、話が進むにつれて、したたかになっていくよな。中村主水を意識した面もあるけれど、ただの脳筋グラップラーから、知力を上げて魔法使い系のコンジャラーと兼業したり、次第に知恵者として覚醒していく流れだったりもする」

晶華「これがパーティーだったら、脳筋ファイターと知恵者の魔法使いや、ズル賢い盗賊などの役割分担もできるけど、ソロだと一人で何もかもしないといけないので、脳筋なだけじゃ攻略できない、と」

NOVA「そういう風に知恵者として育ってきたマッスル太郎と対比するかのように登場したのが、脳筋レジスタンスの〈風の旅団〉というわけだ」

晶華「ああ、熱血ヒーローオタクのトホテルさん」

NOVA「義理人情の表稼業としたたかな情報系裏稼業の顔を持つ〈スエラの炎〉、もっとはっきり闇を抱えた暗殺者集団の〈月夜蜂〉と関わるうちに物語がシリアスな流れになっていったので、空気を変えるべくヒーロー性を加味した。原作シナリオでは、ヒーローマニアという設定は一切ないけど、特撮ヒーローマニアの俺の書く話だからな。そういう要素も欲しいと思ったんだ」

晶華「『流浪戦隊サスライダー』ってネーミングはどうなの?」

NOVA「マッスル太郎が仮面レンジャーを名乗るんだったら、それと対になる『仮面戦隊ゴライダー』みたいなのを考えたくなるじゃないか。俺としては、クール弓使いのメガネ娘セイラさんの扮するサスライガールを見てみたいわけだが」

晶華「で、3人め候補が、キレンジャー相当のコミカル系パワーファイターのサスライマッスルかあ。確かに伝統的な戦隊構成よね」

NOVA「拠点の追い剥ぎ小路で最初に戦った相手が、『馬に乗った追い剥ぎ』だからな。当然、ライダー技能は持っていると思うんだよ。つまり『ル=ロウド神官の熱血騎馬武者』というイメージから付いたネーミングだ。トホテルのイメージ俳優は、俺の中ではアカレンジャー誠直也さんだな」

晶華「それだと、ロボには乗らないんじゃない? 用意するならバリブルーンでしょう」

NOVA「霧の街は対空防御が完備しているから、空中兵器は使えないんだよ。だから、飛空艇戦力の充実したルキスラ帝国でも攻略できないという設定が、ミストグレイヴで語られている」

晶華「すると、サスライオーは陸戦兵器ばかりで構成しないといけないわね。モデルはランドメイジがいいかしら」

NOVA「RVロボとかVRVロボでもOKだぞ。逆に飛行メカだらけのジェットマンタイムレンジャーだと、霧の街攻略は苦戦しそうだな」

晶華「とにかく〈風の旅団〉はオリジナル設定をあれこれ考えるのが面白そうだと分かったわ」

NOVA「というか、連中は本当に脳筋連中なんだよな。プレイヤーキャラに依頼するクエストが大部分、情報収集とか探索系の任務で、自分たちの組織だけではそういう方面の仕事ができないことを露呈しているようだし」

晶華「確かに、ウルスラさんやアリアドネさんは他の組織の情報を持っているみたいだけど、トホテルさんはそういう情報を一切持っていないようね」

NOVA「物語に登場した時点で、『組織のリーダーが蛮族に捕まって処刑されそうになってます。助けて下さい』的な組織だからな。他のレジスタンスに見られるような慎重さ、頼り甲斐というのが本当にない。だったら何が魅力かと言えば、裏表のあまりない陽性集団ってことぐらいか」

晶華「でも、トホテルさんって神官キャラなんでしょう? だったら、病気になった時の治療とか、そういうことはできるんじゃないの?」

NOVA「ああ、そうか。リプレイ書いてる時は、まったく気付かなかったぜ。病気になったり、部分的に石化したりしても、トホテルさんのところに行けば治してくれたんだな。『追い剥ぎ小路にはル=ロウド神殿があるので〈風の旅団〉は治療拠点として有用』と今さらながら覚えておこう」

晶華「そこを除けば、人族の神殿ってみんな破壊されていて、機能しているのは蛮族の神殿しかないものね、霧の街って」

NOVA「まあ、リプレイ中は神殿に頼らなければならないほど、厄介なバッドステータスには見舞われなかったし、病気は長屋で寝て治すの方向性だったからな」

 

一番面白い第5部

 

NOVA「第4部で3つのレジスタンス組織との関わりができて、第5部に入ると、マッスル太郎のアイデンティティーを改めて問い直すことになる。ドラマとしても、ゲームとしても、この第5部がマッスル太郎の物語の一番の盛り上がりどころだと俺は考えている」

晶華「第4部がゴールデンウィーク期のプレイで、第5部を始めたのが5月の末から。その間に、緊急事態宣言が解除される流れがあったわけね」

NOVA「第4部とほぼ同時並行的に書いていたリプレイが、パグマイアのワンデルヴァー第1部ということだが、連休時期に外出を自粛しないといけない状況なので、リプレイ書きに夢中になっていたわけだ。でも、連休が明けると、さすがに2本のリプレイを同時並行に書くことはできないので、第4部を終えた後は、ワンデルヴァーに専念することになる。その後で、第5部開始ということになった次第」

晶華「リプレイの2本立てって、結構ハードなことをやってたのね」

NOVA「休みが続いたからできたんだよ。これが一本に集中していると、今度は気分転換もできずに、ずっとマッスル太郎ばかり書いている形になって飽きてしまう。普段なら、仕事の時間と、マッスル太郎を書く時間と、それ以外に特撮番組を見たり、掲示板で感想を書いたりする時間で切り替えができて、いいローテーションになっていたんだけど、仕事が休みになると、その辺のバランスが崩れて、不安定になる。だから、連休の間にワンデルヴァーを差し挟むことで、いい切り替えになったわけだ」

晶華「で、連休が明けると、先にマッスル太郎さんの第4部を終わらせて、それからワンデルヴァーを終わらせて、その後で第5部という流れになった、と」

NOVA「そう。だから第5部は、マッスル太郎への創作意欲が非常に高まった状態で書くことができたんだ。折しも6月に入って、必殺2020とか、Z様とか、シャイニーワンダー兄とか、ゼロワンとか止まっていたものがいろいろ動き出す空気も感じながらな」

晶華「ゲーム的には、霧の街の北東部と南東部の未開示エリアを全部開けて、マップを完成させたのが大きいわね」

NOVA「第4部で、3つのレジスタンス組織が判明した後で、それ以上のインパクトを目指そうという気持ちから、第5部では全マップの開示に至ったわけだな。また、名誉蛮族の腕輪を手に入れ、それまでの奴隷生活から一転、下位の蛮族から頭を下げられる展開にもなる。立ち位置の逆転のドラマでもあったわけで」

晶華「立ち位置の逆転といえば、『マッスル太郎さんが魔神だった』という衝撃展開が一番のサプライズだったと思うけど」

NOVA「これは、第4部で『ザバーラとマッスル太郎の関係性をどうするか』という問題提起が為されて、『ザバーラは雇用奴隷との契約関係を重んじる商人で、魔神使いの異名を持つ』という公式設定から考えついた。アイデアソースとしては、他に魔神を使役するタビット貴族がプレイヤーキャラとして登場するリプレイ作品も念頭にある」 

晶華「つまり、マッスル太郎さんが魔神になったのは、決して思いつきの設定ではなくて、ソード・ワールドの世界観に則った、確固とした背景があるってことね」

NOVA「まあ、プレイヤーキャラがいきなり魔神だったというのは、俺が当事者だったとしても相当に驚くだろうな。それでも、フィクションではたまにある話なんだが。『お前は人間じゃない。実はサイボーグなのだ』とか、『主人公が怪人として覚醒するライダー』とか」

晶華「でも、マッスル太郎さんは最初から人造人間のルーンフォーク設定だから、今さら人間じゃないと言われてもインパクトは薄いけどね」

NOVA「だから、インパクトをさらに高めるために、プレイヤーキャラには認められていない魔神の魂が『ルーンフォークの器』に宿った存在として、後付け設定を採用したんだ。ゲームのルール上は相変わらずルーンフォークだけど、本質は魔神という形で」

晶華「……もしかして、NOVAちゃんって、後先考えずに無茶なことばかり創作するスタイルなの?」

NOVA「あのな。俺は魔術師を名乗っているんだぜ。いろいろ考えてるに決まってるだろうが。戦わない戦士がいないのと同様に、祈らない信仰者がいないのと同様に、考えない魔術師がいるはずがなかろう」

晶華「ああ、そうね。それを聞いて安心したわ」

NOVA「いろいろ考えた上で、無茶な話を創作しているに決まっておろうが」

晶華「ちょっ、結局、無茶をしでかすってこと!?」

NOVA「無茶じゃない普通の物語なんて書いて、何が面白いんだ? 他にない面白い、個性的で変わった話を創るからこそ、クリエイターって言えるんだぜ。俺はつまらない普通の話を書いて満足したりはしない」

晶華「うわあ、確信犯だ、この人!」

NOVA「まあ、聞け。俺は『マッスル太郎が魔神である』という設定を思いついたが、それが無茶な設定であることぐらいは理解している。普通なら、思いつきの妄想設定ということでボツにするのが常識だろう。だがしかし、それで予定調和で終わっても、単に『ミストキャッスルをプレイした』で終わってしまう。良くても、せいぜい『腹筋崩壊太郎を元ネタに遊んだ』だけの物語だ。

「だけどな、せっかくここまで遊んだんだぜ。自分も、読者諸氏も、感じ入らせるようなサプライズが欲しいじゃないか。そのサプライズになりそうなネタを思いついたのに、常識という枠にはめてボツにするような作品であって良いのか、いや良くない。常識の壁を破って、新たな物語を試行錯誤する、それこそクリエイティブな魂ってものだぜ。そう、俺は考えるわけだ」

晶華「なるほど、創作には読者を感じ入らせるサプライズが必要なのね」

NOVA「だがしかし、サプライズといっても、そこには納得力、読者が受け入れるだけの物語の筋道もまた必要なんだ。納得できない唐突なサプライズは、単に無茶苦茶、あるいは滅茶苦茶なだけで、不味くて飲めたものじゃない。少なくとも、ミストキャッスルのリプレイを読むような読者はソード・ワールドのファンだ。もしかするとロードスのファンかもしれない。だったら、最低でもそういう素養のある人なら納得させられる程度の筋道ぐらいはこしらえないとな、と考えて書いたのが、この回だ」

whitenova.hateblo.jp

NOVA「ぶっちゃけ、この回ほど、事前準備的な伏線をしっかり考え、資料もあれこれチェックし、物語の整合性とか今後のストーリーの方向性とか後先を見据えながら、無茶な状況を論理的に矛盾の出ないよう、まとめ上げた話はないと思う」

晶華「マッスル太郎さんのサプライズ魔神設定を提示するに当たって、ザバーラさんの昔話から語ってみせるのも計算高いわね」

NOVA「ああ、創作テクニックの一つ。『主人公に無茶な設定を付与したいなら、その起源たるキャラにもっと無茶な設定を構築して、相対的に主人公がまともに見えるように描け』ということだ」

晶華「つまり、どういうこと?」

NOVA「Gガンダムのドモンは無茶苦茶なレベルの武闘家なんだが、師匠の東方不敗はもっと無茶苦茶なキャラなので、ドモンが何をしても視聴者の感情移入は損なわないわけで。逆に、主人公が一番無茶苦茶で最強を誇示する作品だと、意外と読者の感情移入を阻害し、もっと感情移入しやすい真っ当なサブキャラに人気が集まったりするわけだ。もちろん、俺の主観理論なので、例外はいろいろ見つかるだろうけどな」

晶華「それで、マッスル太郎さんを魔神に設定した理由は単にサプライズというだけ?」

NOVA「それじゃ、その場だけの設定で終わるんだけど、先を見据えた必然性がある。それは、この後、蛮族ラミアのサンドリーヌと関わる際、人族とか蛮族とか、そういう差異にこだわらない視点をマッスル太郎に提供するためだ。もっと早い段階でサンドリーヌ館が地図に登場していれば、『蛮族でありながら人族に好意を示すサンドリーヌというキャラ』をじっくり示すこともできたんだけど、どうもマッスル太郎がサンドリーヌに対する偏見の目を改めるドラマを描く余地はなさそうだ。だから、『自身が魔神という秘密を抱えてしまったマッスル太郎が、世界の異物として、人族も蛮族も等しい距離で見ることができる』という視点を与えてみたわけだ。

「もちろん、プレイヤーが演じるゲームのキャラだから、そこまで真面目に考えなくてもいいとも思うけど、『魔神の魂を持ちながら、人族として振る舞ってきたマッスル太郎』だからこそ、『蛮族の身でありながら、人族と心を通わせるサンドリーヌ』の想いを理解して、自分の安住できる居場所を求めて外の世界へ旅立つというエンディングにうまく流れるとは感じた」

晶華「なるほど。NOVAちゃんが、『いろいろ考えて、無茶な設定を必然的な物として構築しようと意図している』ことは分かった気がする。思いつきのアイデアを形にするまでの苦心の産物ってこともね」

NOVA「俺としては、この魔神設定があるから、マッスル太郎の物語が『単なるミストキャッスルのリプレイから飛躍した、新しい創作の域に達した』と自負している。ただ、魔神設定については、いろいろ計算済みなんだけど、もう一つ、想定外のアドリブ展開でありながら、俺の好きな回が第5部にはある」

whitenova.hateblo.jp

NOVA「この血染めの壁のバトル展開だけは、自分で書いていて、一番驚いたり、爆笑したり、生き延びるために必死なプレイヤーのゲンさんがどんどん暴走した回だった。その片鱗は、4部の麻薬窟でも感じられたんだが、GMや作者の思惑を越えたプレイヤーのアクティブさを他人事のように堪能できた回だ。まあ、書いていて疲れて、脳内麻薬が発生したときに、トリップしたような文章が仕上がることが稀にあるんだが、ダイスを振りながら、ここまでハイテンションになったのは初めてだ。個人的に妄想リプレイでも新たな境地を獲得したような想いである」 

whitenova.hateblo.jp

 

晶華「『血染めの壁』も『麻薬窟』も、どちらもその部の4話めね。4話めがNOVAちゃんのテンションが上がりやすいのかもしれないわ」

NOVA「そういうものなのか? 他の回も改めてチェックしたいところだが、とにかくマッスル太郎のミストキャッスルの冒険で、計算したドラマ部分も、想定外のゲームバトル部分も、どちらも書いていて最高レベルに盛り上がったのが、第5部だったという結論だ」 

(当記事 完)