清少納言みたいなエッセイ
NOVA「前回で、鬱屈めいた話を切り替えて、エモい話をしてみる」
晶華「エモいって何?」
NOVA「お前、今どきのガールなのに、そんなことも知らないのか?」
晶華「だって、私はNOVAちゃんの娘だから、NOVAちゃんが使わない言葉なんて、興味ないもん」
NOVA「俺だって、エモいという言葉を当ブログで使ったことはあるぞ」
晶華「えっ? ウソ?」
NOVA「検索してみろよ」
晶華「ああ、この記事ね」
NOVA「どうだ。エモいだろう」
晶華「NOVAちゃんのエモさは、不破さんと、キラメイジンと、スパクロと、戸松遥さんと、ハッピーなウルトラウーマングリージョさんでできているのね」
NOVA「他にも、いっぱいあるけどな。必殺シリーズとか、TRPGとか……」
晶華「リアルだと?」
NOVA「『給付金申請して10万円もらった』とか、『地元の教科書販売店がつぶれたので、さあどこに買いに行こうかな、と本屋巡りした結果、ようやく小6の英語の教科書をゲットした』とか、『地元の書店で模擬テストのパンフレットをもらったら、それが今年じゃなくて去年、2019年の古いパンフレットだとか、本屋の店員さん、何をやってんだ? 生徒に渡して恥をかく前に気づいて良かったぜ』とか、『先月発売のウォーロックマガジンの7号がいまだに店頭で手に入らないけど、これを買ったからいいや』とかだな」
晶華「おお、アローバースの去年の年末クロスオーバー巨編ね」
NOVA「買ったのは、昨日の昼間、仕事に行く前だから、まだ見てないんだけどな。とりあえず、俺のリアルネタ話で、青字を嬉しかったこと、赤字をトラブったこととか未解決タスクとか嫌なこととして色分けすると、まあ、こんな感じの喜怒哀楽にして、波乱万丈、エモさ全開、去年の言葉で言うならキラヤバ〜なドキドキワクワクのアドベンチャーになるわけだ」
晶華「それは、『どこが?』とマジツッコミ入れていいところ? どこにでもある、平凡でつまらない人生ってことにならない?」
NOVA「平凡だけど、つまらなくない人生だと思うぞ。まあ、日常系4コマのネタにするには、もう一ひねり必要かもしれないが、人生を刺激的なものとして感じるか、つまらないものと感じるかは、その人生を生きている者の主観だからな。自分で言うならともかく、他人につまらん、と言われる筋合いはない。まあ、他人の人生ではなく、文章化した感想やコメントや作品や記事をつまらんと言う権利はあるんだがな」
晶華「エモいコメントと、つまらないコメントの差ってどこにあるのかな?」
NOVA「そいつは難しい質問だが、一つだけ確実に言えることはある」
晶華「何それ?」
NOVA「管理人がするなと言っている質問連発、趣味のブログなのにリアルに踏み込みすぎること、相手の興味を惹かない独り善がりな内容、そして何かと醸し出されるネガティブな背景などなど」
晶華「全然、一つだけじゃないんですけど」
NOVA「訂正。一人だけ、と言うべきだったか。まあ、いい。わざわざ、こちらがネガティブ思考に合わせてやる必要はないからな。俺がカウンセラーだったら、相手の鬱心理に寄り添って、共感の意思を示しながら、聞き上手になることが大事だと分かっているんだが、そうすることでこちらのメリットにならない相手だし。ましてや、相手のネガティブにこちらが引きずり込まれかねない状況だったら、無理やりでも引き剥がさないといけないんだよ」
晶華「だけど、相手に死ねとは絶対に言わないのが、NOVAちゃんよね」
NOVA「それは俺のルールだからな。前回のタイトルも『死んでも治らないバカ』と過激なことを書いたのは、『死んでも無駄だから死ぬなよ』という意図を込めている。正しく伝わったかどうかは知らんが、少しぐらい過激なことを言って、こちらが断固として拒絶しないと、また許されたと思って、同じ過ちを繰り返すことは分かっているからな。
「こう言っちゃ何だが、俺はこいつの創作文章ではなく、こいつの鬱メールから大きな影響を受けている。主に反面教師という意味と、それから、こいつの苦境を何とかしてやりたいという慈悲心とか精神的強靭度の鍛錬とか、自分の身に置き換える内省モードとか、全てが無駄だったとは言わない。その上で、俺は元をとっているとも言えるんだが、果たしてこいつはどうなんだろう? と思うことはしきりだ」
晶華「どういうこと?」
NOVA「5月末から、友だちの話とか、マニア論とか、あれこれ書いたのは、こいつに内省してもらいたいためだ。一言で言えば、こいつには日常的に話を聞いてもらえる相手がいない。たまたまコロナで人と会えないという話ではなく、『TVのニュースを見て、何かを感じた。そういう生の想いを誰かに聞いてもらい、リアクションしてくれる相手』が欲しい。たとえ、それが受容ではなく、お前はアホか、そんなことでわざわざメールしてくんな、と文句を言ったとしても、一応は話を聞いて真剣にリアクションする人間がな」
晶華「NOVAちゃんがそういう相手になったりしてたのね」
NOVA「一時的にな。お前が生まれる前、俺がラーリオスを終わらせるのに悩んでいたときに、原案者の言葉から何かのヒントが得られないか、と思っていた時だな。結果的には、何のヒントにもならず、メールに応じるたびに、どんどんこちらの気分が鬱屈して、こりゃダメだ、どこかで方向転換しないと俺までダメになると判断して、切り替えようとする際のエネルギーでお前が生まれたと考えることも可能」
晶華「いろいろな背景があったわけね」
NOVA「そうだよ。何かが生み出される原因なんて、一つや二つじゃない。いろいろな状況が積み重なって、たまたまポンっと生まれたものに対して、後から大きな要因を一つか二つかまとめて、話の流れをすっきりさせて、誕生秘話になったりするわけだ。
「心理的には、ネガティブなものを何とかポジティブに方向転換しようとする俺の心が原動力と言えるが、そこにいろいろな要素が継ぎ接ぎされていく流れがあった。ルーツはいろいろ考えられるが、『ラーリオスに代わる何かの創作物を、原案者から切り離したところで発展解消的に俺の感情移入対象にしたい』というエモーショナルな存在。それが翔花であり、妹のお前ということになる」
晶華「つまり、NOVAちゃんにとって、私はエモいということね」
NOVA「ああ。萌えがエモいに転じる言葉遊びも、結構好きだしな。もちろん、俺が使おうと思ったきっかけは、キラメイジャーの小夜さんになるわけだが。例えば、女子高生や若者の流行を普通に取り込むのは、おっさんとして抵抗があるんだけど、そこに大好きな特撮ヒーローやヒロインという仲介役を差し込むことで、試しに自分も使ってみたくなる。そうして使い勝手がいいと判断したときに、好んで使うようになるわけだ」
晶華「で、NOVAちゃんが使うなら、私も使ってループするわけね」
NOVA「しょせんは一時的な流行語だから、タピオカと同じで賞味期限があるんだろうが、まあ使えるときに使ってみるのも言霊魔術師の実験精神ってものよ」
晶華「で、前置きタイトルにある清少納言さんって、どういうつながり?」
NOVA「それは、これから話す。前置きだけで、たどり着けなかったようだ」
ものづくしに対して、ことづくし
NOVA「清少納言の枕草子と言えば、 日本を代表する傑作随筆エッセイだが、その中に『ものづくし』と呼ばれる類の章段がある。例を挙げるなら、『うつくしきもの』(かわいらしいもの)とかが教科書なんかにもよく載っていて、『春はあけぼの』などと同様、彼女のポジティブなキャラクターを印象づけているんだが、よくよく中身を見通すと、『すさまじきもの』(興醒めするもの)とか『にくきもの』(腹立たしいもの)とか、ネガティブ方面も結構ある。むしろ、その方が彼女の人間らしさが見え隠れして面白かったり」
晶華「NOVAちゃんは、納言さんが好きなの?」
NOVA「おい、何だ、その省略の仕方は?」
晶華「え? 清少が苗字で、納言が名前じゃないの?」
NOVA「そんなことを言って許されるのは、中学生までだ」
晶華「私は、精神年齢14歳設定だし。実年齢は2歳だし。だから、許してよ」
NOVA「生まれたときに14歳設定だったら、もう16歳みたいなものだろう? 高校生だったら、清原の少納言ってことぐらい知っておけ。なお、父親の名前は三十六歌仙として名高い清原元輔な」
晶華「三十六歌仙! 一人ずつ元ネタにすれば、36体の怪人が作れるわね。行け、清原元輔邪面とか出ないかしら」
NOVA「その人たちは百人一首邪面で統合されたろう?」
晶華「何で統合するのよ。一人ずつ使えば、36邪面歌仙ってネタになるのに」
NOVA「それをすると、小野小町やら、紀貫之やら、在原業平やら、怪人の名前にするには有名すぎる人物がいっぱい出て来るだろうが」
晶華「別にいいじゃない。仮面ライダーXさんだって、ナポレオンとか楊貴妃とか有名人ネタ怪人と戦ったんだし、絶世の美女怪人『小野小町邪面』とか、ちはやふるの歌や伊勢物語で有名な『在原業平邪面』とか、ネットオカマの源流とも言われる『紀貫之邪面』とか出しても、罰は当たらないわよ。それとも三十六歌仙のうちに天皇家の方とかいるの?」
NOVA「いや、百人一首で有名な天智天皇や持統天皇、それに三条院や崇徳院、後鳥羽院、順徳院、式子内親王たちは三十六歌仙には含まれていない」
晶華「百人一首の中には結構、含まれていたじゃない。それなのにネタに使って良かったの?」
NOVA「当人をネタにしたんじゃなくて、歌という作品をネタにしたんだから問題ないんじゃないか? なお、劇中で話題になった『瀬をはやみ』の歌は崇徳院な。歴史では、保元の乱で後白河天皇に敗れた崇徳上皇の名で覚えている人も多いだろうが」
晶華「で、どうして百人一首の話に展開しているのよ?」
NOVA「お前が清原元輔邪面なんて変なことを言うからだろう?」
晶華「だって三十六歌仙なんて聞いたら、いろいろ怪人ネタに使いたくなるじゃない?」
NOVA「ああ、お前はやっぱり俺の娘だよ。よくぞ、そんな奇抜な発想で、しかも俺が本気で付いて行きたくなるネタを突いて来るな」
晶華「えっへん」
NOVA「威張るなよ。お前の仕事は、俺の暴走妄想を止めることなのに、一緒に暴走を加速させてどうするんだ? 誰かブレーキ役はいないか?」
シロ「お呼びしましたか、殿?」
リトル「曲者はどちらですかぁ?」
NOVA「えっと、俺はいつから殿になったんだ?」
シロ「いや、何となく、そういう空気かな、と思って」
リトル「シロ姉さんと忍者修行をしてましたぁ」
NOVA「今、この場に必要なのは、ブレーキ役であって、加速装置じゃないんだけど」
シロ「大丈夫です。新星さまなら、どんなに加速しても、超絶言霊テクニックで鮮やかにスピンを決めて、元の話題に戻せることは可能です」
リトル「可能ですぅ」
NOVA「元の話題ねえ。つまりエモいこと、につなげればいいんだな。はっ、何を言いたいか思い出した。清少納言さんのものづくしを見習って、自分もことづくしであれこれ考えたいってだけの話なんだ」
晶華「そんなの、最初に小見出しで書いているままじゃない」
NOVA「そうだよ。結論は、最初から決まっているんだ」
晶華「じゃあ、どうして、ここまで延々と話して右往左往しているのよ?」
NOVA「それが、俺にとってエモいことだからだ」
一生懸命がんばるエモさ
NOVA「清少納言さんみたいに、エモいことをいろいろ書こうと思ったんだよ。だけど、俺がそれをしてもつまらないことに、すぐに気が付いた」
晶華「どうしてよ?」
NOVA「だって、歴代戦隊のタイトルや、歴代ライダーのタイトルや、歴代ウルトラマンのタイトルや、歴代ゴジラ作品のタイトルや、各種TRPGのタイトルや、必殺シリーズのタイトルをズラズラ挙げるだけで、エモくなる男だぜ。俺は良くても、そんなのを見せられて感じ入る読者は少数派だ」
晶華「そりゃそうよ。タイトルだけ挙げられても、中身を知らなければ、読み物として面白くないし」
NOVA「説明不足じゃ、俺の感じるエモさは伝わらないってことだな。それに比べると、清少納言って凄いよなあ。短い説明で、なるほど確かにって時代を越えて通じるんだぜ。 『にくきもの』って書き出しで、『ものうらやみし、身の上嘆き、人の上言ひ、露塵のこともゆかしがり、聞かまほしうして、言ひ知らせぬをば怨じそしり、また僅かに聞き得たることをば、わがもとより知りことのやうに、異人にも語りしらぶるも、いとにくし』だそうだ」
晶華「ええと、どういう意味?」
NOVA「元ネタはこちらのサイトの引用なんだけど、現代語訳を挙げるとこうなる」
何かにつけて人のことをうらやましがり、(自分の)身上を嘆き、他人について噂をし、ほんのわずかなことでも知りたがり、聞きたいと思って、話して知らせないことに恨みを言い非難し、また少し聞きかじったことを、自分がはじめから知っていることのように、他の人にも得意げに話すのも、たいそうしゃくに障る
NOVA「俺が長文であれこれ複雑な思いをどう表現しようか、どう書けば、このやるせないモヤモヤを言い表すことができるか、と考えているのに、清少納言さんはわずかこれだけの表現で言い表してくれていたんだよ。しかも、清少納言さんの百人一首の歌がまた素晴らしいんだ」
夜をこめて 鳥の空音(そらね)は 謀(はか)るとも
よに逢坂(あふさか)の 関は許(ゆる)さじ
晶華「どんな意味?」
NOVA「掛け言葉や故事由来など、いろいろと技巧に富んだ歌らしいんだけど、意味をかいつまんで言えば『あの手この手と策を講じて、私に言い寄ってきても、あなたは信用できない相手だから、絶対に会ってあげません』って内容。不誠実な相手の言い訳三昧に対して、ピシャリと言い返す才知に痺れる憧れる、キラエモ〜って感じ」
晶華「何よ、キラエモ〜って?」
NOVA「いや、俺が考えた造語な。俺は若者が何でもかんでも、良いものでも、悪いものでも凄い=ヤバいって言う風潮が気に入らなかったんだ。まあ、キュアスターがキラヤバ〜なんて度々言うので慣れた感もあるんだけど、どちらかと言うと『危険だ。危ない』って感じのイメージで捉えがち。だから『キラヤバ〜な一日になるよ』って星占いで出たときは、何だか呪われたような気分になったりもしたんだ。相手の意図には関わらずな」
晶華「うん、NOVAちゃんにとって、ヤバいは危ないの意味ってことね」
NOVA「だけど、エモいは感じ入るって意味だろう? あまり悪い印象がない。これならOK。しかも、キラメイジャーを通じているんだから、キラエモ〜って使ってもいけそうだし」
晶華「何だか、ドラえも〜んって感じに聞こえるんですけど?」
NOVA「まあ、キラキラ輝くエモーショナル、今日はシャイニィで光り輝く新星気分♪ ってキャッチフレーズで清少納言チックに振る舞いたいって想いに駆られたんだよ」
晶華「キモいからやめてよね」
NOVA「じゃあ、お前が代わりに、今のセリフを口にしてみろ。少しアレンジしてもいいぞ」
晶華「う〜ん、キラキラ輝くエモーショナル、今日はシャイニィで光り輝くサンサンフラワー気分♪ あ、何だかいい感じかも」
NOVA「まあ、実際はあいにくの梅雨空で、外は雨なんだけどな。よし、キラエモはお前に託した。俺はシャイニィかつワンダーで行く」
「一丁上がり!」魔進戦隊キラメイジャー【閃輝ドリル DXシャイニーブレイカー】
NOVA「それにしても、キラメイシルバーって、あのゴーグルがメガネンジャーっぽくていいよな。今からでも、番組が終わった後でメガネンジャーにスカウトしたくなる面構えだぜ」
晶華「メガネシルバーは私なんだから。この座は譲らないわよ」
NOVA「だったら、クリスタリア宝路くんは、将来のメガネオレンジ候補な。これなら問題ないだろう」
晶華「って、番組にまだ登場もしていないのに、今からそんなことを決めて大丈夫なの?」
NOVA「う〜ん、玩具の発売時期から察するに、本当は5月末から6月頭に登場する予定だったんだろうな。とにかく、俺はシルバーがキラエモなキャラになることを期待しているぜ。それと、エモい話は手を変え、品を変え、ネタを変えて、まだまだ続けるつもりだ。梅雨空もあって鬱屈した気分を、キラッとカラッと吹き飛ばすつもりでな」
(当記事 完)