Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

友だちって何?(What’s a Friend?)な話

さらば、次元ドルイド

 

晶華「ハイラスおじさん、屋久島に帰っちゃったね」

NOVA「ああ。状況認識回路って何だかよく分からんパーツがショートして壊れたケイPマーク2を、島のドクター・ウルシェードに修理してもらうためにな。まったく、どうして突然、ケイPは壊れたりしたんだ?」

晶華「マーク2ちゃんは、結構、繊細なところがあるからね。NOVAちゃんが幼児退行した話を聞かされて、受け止めきれなかったんじゃないかしら」

NOVA「つまり、俺のせいかよ」

晶華「余計なことを暴露したハイラスおじさんのせいじゃない? だから責任をもって、マーク2ちゃんを修理に連れ帰ったのよ」

NOVA「そういうことにしておこうか。何だかんだ言って、子どもたちだけで留守番していたのをお世話してくれていたんだしな。そこには感謝してる」

晶華「記事書きには、ほとんど役立ってくれなかったけどね」

NOVA「まあ、そういうな。人には適材適所というものがある。ハイラスの専門は、文章書きではなく、TRPGでもなく、アウトドア・サバイバルと自然崇拝にあるんだから、雪山登山する時なんかには有用な人材だぞ」

晶華「NOVAちゃんは、雪山登山なんてするの?」

NOVA「しないな。俺の今のライフスタイルだと、野外で寝泊まりというのはまず考えられない。最近、外泊しようかと思ったのは、2年前の秋に台風の影響でしばし停電したので、電気が生きてる大阪のネットカフェに一時避難したときだったが、結局、泊まらずに帰って来たっけ。やはり、リアルで外泊は今だと抵抗あるな。その前は10年以上前の骨折入院生活にさかのぼるし」

晶華「ネットだと、TRPGのために一週間以上、別ブログに篭りきりだったのにね。寂しがってる娘を放ったらかしにして」

NOVA「リアルだと、いろいろしがらみもあるけど、ネットだと自由だからな。友だちの家だと遠慮するけど、自分の構築した別荘みたいな場所だと遠慮なく長期滞在できるわけで」

晶華「次に行くときは、私も連れて行きなさいよね」

NOVA「そしたら、誰がここの留守番をするんだよ。ケイPマーク1だって、翔花と共にいなくなったんだし。大体、留守番はお前一人じゃなかったろ? シロ君や、リトル君みたいな友だちが一緒だったんだし」

晶華「え? 友だち? 誰が?」

NOVA「誰がって、シロ君やリトル君はお前の友だちじゃないのか?」

晶華「違うわよ。シーちゃんは、お姉ちゃんの友だちで、私の料理の先生にして、時空魔術の妹弟子。リウ君はシーちゃんの弟にして、時空魔術の弟子見習い。友だちなんかじゃないわ」

NOVA「だったら、お前の友だちは誰なんだ?」

晶華「そんなのいらない。私にはNOVAちゃんとお姉ちゃんさえいればそれでいい」

NOVA「いや、それって寂しいだろう? 家族しかいないってことだし」

晶華「だったら、NOVAちゃんに友だちはいるの?」

NOVA「定義にもよるな。まあ、毎日顔を合わす学生時代のような連れはいないが、たまに誘ったり誘われたりする趣味仲間は普通にいるし、顔の知らないネット・フレンドなら毎週定期的に意見を交換し合っているのが現状か。まあ、いなければ作ればいいし」

晶華「作れるの?」

NOVA「想像力とサイコロと筆記具さえあればな」

晶華「そんなので作れるわけ? そもそも友だちって何なのよ? NOVAちゃんの定義を教えてよ」

 

友よ、君たちはどうして裏切ったのか?

 

NOVA「サブタイトルは、最近YouTubeで動画配信が行われているライブマンだけど、第一話を見た限りは『ケンプたちって、たまたまクラスが同じだっただけのクラスメートで、価値観も全然違うから、友とは定義できない』と思うわけだな。まあ、視聴対象が子どもたちのヒーロー作品なので、『学生時代なら、クラスメート=友だちと定義づけされる』のも納得だろうけど」

晶華「はい、NOVAちゃん。クラスメートって何?」

NOVA「ああ、それも知らないのか、お前は? 学校に行ってないもんな。じゃあ、この中でクラスメートが何か分かる子はいるかな?」

シロ「……」

リトル「……」

NOVA「誰も知らないのかあ」

シロ「新星さま、いえ、先生さま。忍びの情報収集で調べたところ、クラスメートとは『共に一つの教室で学習と生活を行う同世代の子どもたち』と定義づけられます」

晶華「さすがはシーちゃん」

シロ「これぐらい調べるのは、忍びにとって造作もないことだ」

晶華「すると、私とシーちゃんとリウ君はクラスメートになるのかな?」

リトル「え? リウたちは『暮らす盟徒』ですかぁ?」

NOVA「まあ、教師役の俺がいて、いっしょに学ぶ子どもたちがいれば、ここは学舎、教室みたいなもので、君たちはクラスメートと言ってもいいのかもしれないなあ」

晶華「そうなんだ。すると『クラスメート=友だち』と考えていいわけ?」

NOVA「まあ、普通の日本の子どもたちは学校の教室が最初に接する大きな社会だったりするので、その中でケンカせずに仲良くするために『クラスのみんな=仲良しのお友だち』と学んだりするよなあ。もちろん、入学以前の幼児教育とか、親同士がご近所の友だちとか親戚とかで幼なじみとなるケースもあるが、総じて友だちとは学校で作るものって感覚が強いかも」

晶華「ああ。だから人間みたいな学校に行っていない私たちは、クラスメートとか友だちとか言われても、よく分からないんだね」

シロ「ボクにとっては、アリナ様やゲンブは友だちというには年上すぎたし、初めて友だちと言ってくれたのは翔花だったんだ」

晶華「え? お姉ちゃんは、友だちって分かってたんだ」

NOVA「あいつは、陽性ソーラーNOVAの性格を強く受け継いでいるからな。勢いづいたら止まらないところとか。深く考えず、ただ相手と仲良くなりたいって気持ちだけで『友だち』と口走ったんだと思うぞ」

晶華「でも、友だちって裏切っちゃうんでしょう?」

NOVA「普通は裏切らないが、成長するにつれて価値観の違いが浮き彫りになった場合、深刻に思いつめる者ほど、真面目に考えた結果として、かつての友と訣別に至ることは、割と起こり得る事態だ」

晶華「つまり、悪堕ち展開って奴ね」

NOVA「ドラマ的にはよくあるな。かつては同門で修行した仲間が、再会すると道を踏み外した悪の尖兵になっていたりして、それぞれの守るべき信念や生活を守るために対決する展開が」

晶華「すると、いつか私や、シーちゃんやリウ君が対決する展開もあったりするの?」

シロ「いや、ボクから見ると、アッキーは最初から敵だったぞ。もう、忘れたのか?」

晶華「ああ、2年前の夏の話ね。思い出した」

リトル「2年前の夏って、本当にいろいろなことがあったんですねぇ。時空魔術先生が子どもになったり……」

NOVA「もう、そのネタはやめてくれないか。今では、君がリトル枠なんだから、今さら俺がリトルになってもキャラが変にかぶるだけだ」

晶華「でも、『リトルNOVA対リトルセイリュウ』と称して、真のリトルの座を賭けた頂上決戦って面白そうじゃない?」

NOVA「リトルの座って、頂上なのか?」

晶華「ええ、勝った者には、よしよしと私が頭をなでてあげるの」

NOVA「そんなの、俺は求めていない」

リトル「……本当になでてくれるのですか?」

晶華「もちろんよ。可愛いは正義」

リトル「……お願いしますぅ。リウには母さんがいないので、なでてもらったことがないからぁ」

シロ「そう言えば、アリナ様も子どもの頭をなでてあげる御仁じゃないからな」

晶華「仕方ないわね。2人とも私がなでてあげるわ」

シロ「いや、ボクは別になでて欲しいと言ったわけではないぞ。忍びの世界には、そういう肉親の情に溺れるなという不文律もある」

晶華「だったら、リウ君だけね。よしよし」

リトル「わあい(ゴロゴロ)」

 

NOVA(子どもたちのこういう関係は、崩したくないよな)

 

思春期の人間関係

 

NOVA「では、授業を再開する」

晶華「いつもの雑談じゃなくて、授業だったんだ」

NOVA「雑談転じて授業と為す。テーマは『友だちとは何か?』なんだけど、字義どおりに考えるなら『学校や職場などで、志などを共にし、同等の相手として付き合っている人』だったり、『一緒に何かをしたり、遊んだりして、気持ちの通い合っている人』だったり、辞書によって様々だ。遊び友達、飲み友達、釣り友達、メル友、ケンカ友達などの言葉もあるし、仲間と言い換えることもできて、仕事仲間、趣味仲間、創作仲間などなど関係性が広がっていく。英語でfriendというと、敵に対する味方という意味にもなるし、友軍という感じに個人的な関係よりも組織の間柄を意味したりもする。さらに、セフレ……という言葉は……うん、子どもたちに語る話ではないから割愛だ」

晶華「ええ? 気になる。シーちゃん、忍びの情報収集で調べて」

シロ「分かった」

NOVA「分からなくていい。余計な寄り道はやめて、先に進めるぞ。友だちや仲間という言葉を形容する様々な語句があるように、学校という閉鎖社会から外に出るにつれて、また思春期という時期に自我が芽生えて、個々人ごとの世界観が多様化するにつれて、友だちとの関係も多彩になっていくわけだ。ここでケンカ友達という関係性に焦点を当てよう」

晶華「ケンカしているのに友だちなのね」

NOVA「これは少年マンガなんかによく見られる関係だが、強敵と書いて『とも』と呼ぶとかライバル関係とも言える。どうして、こういう関係が成立するか君たちには分かるかな?」

シロ「はい、分かります」

NOVA「お、シロ君。ならば説明してくれ」

シロ「ケンカするのは、相手を敵だと思っていたから。自分の大事な誰かや地位、名誉、誇りその他を守るために、相手を倒す必要があると考えたから。その結果、自分の全力をもって相手とぶつかり合う。そうすると、相手も譲れない何かのために戦っていることが分かってくる。本気でぶつかり合ったときに、相手の強さや信念、自分と相通じる何かを感じ取ることができて、その結果、相手と自分のわだかまりや壁が解消されることもある。だから時として、雨降って地固まるように、互いの成長と理解をもって友情や信頼が成立するわけです」

NOVA「なるほど。まるで経験者のような語り口調だな」

晶華「シーちゃん、凄い。私にはよく分からないけど」

NOVA&シロ「何でだよ?」

晶華「だって、ケンカをするなら敵でしょ? 敵だったら完膚なきまでに叩きのめすのが普通じゃない。そして、叩きのめした相手は下僕よ、下僕。そんなザコに友情なんて感じない。逆に負けちゃったら、悔しいから絶対に復讐心がたぎるもん。もしも、友情を感じるとしたら……本当に自分と対等で『やるわね、この人は』って思えたときかしら。でも、ケンカバトルでそういう気持ちになることなんて、そんなにある?」

NOVA「少年向きバトルマンガや試合形式のスポーツマンガだったら、それが定番なんだよ。最近はバーチャルゲームやホビー対決もので『敗北=死』とはならない物語も多いし。バトルで友情を紡いでいき、その信頼の絆で最後に巨敵を倒すのが王道だ。つまり、対戦相手をザコと見下すような主人公じゃ、あるいは作者じゃ、面白いバトルマンガは基本描けない。対戦相手にも敬意を向け、相手の力量を感じとれる主人公と仲間だからこそ、ドラマが成立する。まあ、ピカレスク的な例外主人公もいるにはいるが」

リトル「ピカレスクって何ですかぁ? 電気ネズミ?」

NOVA「それはピカチューな。ピカレスクとは『悪漢』を意味し、犯罪者や反体制側の革命家をメインにした物語スタイルを指すことが多いが、性格的にも明朗快活な典型的主人公ではなく、陰のある過激な思考の持ち主だったりもするな。悪に対しても、もっと強い極悪の力で仇討ちする必殺シリーズみたいなケースもあるし、『友情なんて甘いことを言っていると死ぬぞ』とか『俺は誰一人信じちゃいねえ。邪魔となれば切り捨てる』とか、子どもっぽい勧善懲悪から一歩踏み出た思春期の若者がハマりそうな作品で、ビターエンドも多い」

晶華「つまり、NOVAちゃんね」

NOVA「俺自身じゃねえ。俺の好きな物語スタイルの一つってだけだ。もちろん、王道スタイルも好きなんだけどな。ピカレスク風のキャラは、王道主人公のライバルとして配置すると、話が刺激的で面白くなると思うが、そっち側の視点で描く外伝作品が人気になったりもするわけだ」

晶華「それで、どうして思春期の若者がピカレスクなキャラにハマるのかしら?」

 

NOVA「友情や信頼、子どもっぽい仲良し関係が意外ともろく崩れ去ることに気付かされるからだろうな」

晶華「どうしてよ?」

NOVA「例えば、小学校から中学校に進学するに当たり、それまで仲良くしていた友だちと別れて、新しい人間関係を紡ぎ直す必要が出てくる。そこで器用に立ち回れた人間はいいが、不器用な人間は友だちを容易に作れない。そればかりか、いつまでもボッチでいると、周りから『何を考えているか分からないキモい奴』扱いされて、ますます自分の居場所を構築できなくなったりする。そういう状態が定着すると、友情なんて絵空事に思えて信じられなくなるか、反動で友情というものに激しい切望を抱くか、まあ、とにかく創作動機にもつながりそうな激しい情動が湧き上がるよな」

晶華「それってNOVAちゃんの体験談?」

NOVA「どうだろうな。俺は比較的、器用に立ち回っていた方だと思うぞ。というか、どちらかと言えば、自分の好きなことを見つけてマイペースで堪能し、それを隠さず周囲にアピールして、自分の周りに自分に同調できる人を見つける程度の嗅覚はあったと思う。決して友だちが多かったとは言わんが、趣味仲間はそこそこいたから、特に寂しいとは思わなかったな」

晶華「はい、質問。友だちと趣味仲間って何が違うの?」

NOVA「友だちは、小学校時代からの付き合いだけど、中学時代にクラスが分かれて、週末休みにボードゲームをしたりしていた。趣味仲間は後からできた関係で、同じクラスでアニメの話をするけど、一緒に遊びに行ったりはしていないな。仲間意識はあるけど、私生活には立ち入らない距離をとった関係。分けるなら仲のよい遊び友達と、普段の話し友達の違いになるか」

晶華「ああ、目的ごとに友だちを取っ替え引っ替えしていたのね」

NOVA「何だかそう言うと、俺が節操なしみたいに見えるが、要は特定の一人に固執しなくても生きていけるとは思っていたな。そして、中学時代の親友と、高校時代の親友と、大学に入ってからの親友と、社会人になってからの親友はみんな違うし、人間関係なんて環境の変化によって左右されて、長続きはしないのが当たり前だと思うようになっていったわけだ」

晶華「つまり、NOVAちゃんとしては、どこでも如才なく人と付き合って、生きて行けるって思ってるのね」

NOVA「いや、実は大学時代に、中学時代の親友だった男と大ゲンカして、そこからは人にあまり深入りしないようにしたんだ」

晶華「??? でも、社会人になって親友と呼べる人を作ったのよね」

NOVA「作ったというか、できたんだよな。俺はこういうのを縁と呼んでるし、まあ、巡り合わせで来た縁を大切にしているうちに、自然と長続きしているケースだな。コツは適度な自己アピールと、過去の失敗から踏み込みすぎないことと、共通の趣味の話だけに絞ること。自分の全てを特定個人に分かってもらおうと、しつこく絡もうとするのは絶対にダメだ。俺は大学時代にそれで失敗したし、社会人は『お互いに納得できる付き合う理由、共通話題を明確にしてこそ、関係性が維持できる』と考えている」

シロ「つまり、ボクが時空魔術を教えてもらうという名目で、先生さまに受け入れてもらってるようなものですね」

NOVA「というか、君がここにいるのは、ヒノキ姐さんと俺の関係性もあるわけだ。俺も翔花や晶華の友だちが欲しいと思っていたしな」

 

肥大した自我

 

NOVA「さて、話がいろいろ飛んだが、どうも俺にとって大事なのは、人間関係じゃなくて趣味じゃないのか、というジレンマを学生時代から感じていてな。つまり、個々の人間との関係性よりも、自分の趣味に付き合ってくれるかどうかだけを基準に物事を考えているんじゃないか、とな」

晶華「ええと、TRPGに付き合ってくれるのは友人、そうでない人は友人でないって感じ?」

NOVA「そう。例えば、中学時代の親友はシミュレーションゲーム仲間だった(他に特撮ヒーローやSFロボット、必殺仲間でもあった)んだけど、高校で俺がTRPGにハマっている間に、そいつは別の学校でゲームからは距離を置いていた。で、俺は大学時代にそいつと再会して、TRPGを勧めようとして失敗した。当時の俺はどうもTRPG教みたいな熱意で行動しすぎて、逆に人間関係を壊してきたケースも何度かあって、俺とTRPGの間には光と闇が付きまとう感じだった」

シロ「ボクが忍びの修行だけに邁進して、復讐しか見えていなかったようなものかな」

NOVA「そうかもしれない。だけど、ヒノキ姐さんが君の偏りを心配して、料理作りやTRPGなどの修練を積んでくれたと聞いている」

シロ「TRPGはプレイヤー経験だけですけどね」

NOVA「まあ、俺はTRPGに一途になり過ぎて、プロ見習いまで到達したのはいいけど、そこからTRPG冬の時代とかで、社長はもっと広くドイツ製ボードゲームとかに切り替えて行ったのに、俺がその変化に順応できなかったのもあって挫折した形だ。もう少し融通を利かせれば良かった、と今も思うことはあるけど、失敗の原因は他にもいろいろ考えられるし、ここでネガティブな自分を全てさらけ出すのも本意じゃない。ここでは『一途に突き進みすぎて融通が利かなかった』ことを失敗の大きな要因としてまとめたい」

晶華「つまり、一途はダメってこと?」

NOVA「そう短絡的に受け止めるな。一途に進むことで身に付く技や姿勢もあるし、目移りしすぎて何も身につかないよりは遥かにマシだ。自分の得意ジャンルはこれだ、と断言できることが一つでもあるのは凄いことだよ」

晶華「シーちゃんの料理ね」

シロ「ボクとしては忍術を褒めて欲しいんだが」

晶華「忍術は食べて美味しくないもん」

リトル「リウは何でしょうか?」

晶華「可愛いことよ(なでなで)」

リトル「わあい(ゴロゴロ)」

 

NOVA(ゴジラの息子がこんな風に甘やかされていいのだろうか?)

 

シロ「先生さま。結局のところ、一途は良いことなのか、悪いことなのか、どちらなのでしょうか?」

NOVA「そうスパっと割りきれるものではない。一意専心は武道において大切なこと。なれば若き日は何かに専念するのもよかろう。しかし、物事には限度というものがある。一つを見据えすぎて、他を目に留めぬことは柔軟さを損なうなり。一つの柱を立てつつ、二本、三本と先を見据えるか、他にも余芸を広げるか、時として幅広い視野の上に立つべし、と言ったところだ」

シロ「なるほど。偏った狭い人間になるな、ということですね」

NOVA「よくある悪役に『自分を受け入れなかった偏狭な世の中を断罪する』という主張があるが、これは大抵、鏡合わせのロジックで、『それを口にしている本人が世の中に対して偏狭である』という論破が成り立つわけだ」

晶華「俗に言う『おまゆう』ね」

リトル「お前が言うな、ですぅ」

NOVA「ツイッターなんかでよくネタにされるのは『差別意識をむき出しにしながら、差別反対を口にする正義の人』だからな。『人を殺すような教育に悪い作品を作る人は殺されても文句は言えない』という主張は、『そういう物騒な発言をする人間は殺されても文句は言えない』という反論につながり、とっさに呟ける短文ほど、過激な表現にはツッコミどころの論理が多く見られるのかな、と思う」

シロ「要するに、一途になり過ぎて、自分と周りを見失うようではいけない、ということですね」

NOVA「何にせよ、自分の意識が広がり過ぎると、そういう自分を世間に認めさせたい気持ちも募ってくる。いわゆる自己承認欲求という奴だな。俺も昔、誰かと議論していて『自己承認欲求にさいなまれている』的な指摘を頂戴したことがある。その時は、意味が分からず???だったんだがな」

晶華「え? 簡単な意味じゃない? 自分を認めてもらいたい気持ちでしょ?」

NOVA「言葉の意味は分かるんだが、『俺自身がそのように見られるような発言をしていたのか?』っていう自己認識とのズレだな。こちらの気持ちとしては、『自分を認めてもらうのが目的ではなくて、自分とは何かというアイデンティティの確認のための議論』という認識だったので、誰かに認めてもらうという気持ちは特別に意識していなかったからな。だから、『こいつ、何を言ってるんだ? ズレたことを言ってるなあ』とか、まあ、そんな気持ちで応対していたんだが、その際に真剣に考えたのは『俺は誰かに認めて欲しいから文章を書いているのか?』って疑問だ」

晶華「有名になってファンの声援が欲しいとか、誰かに自分のことを分かって欲しいとか、そういう気持ちで書いてるの?」

NOVA「そういう気持ちが、実のところ、俺には希薄なんだよな。と言うのも、そういう承認って、自分の場合は脳内で自己完結してしまってるから」

晶華「NOVAちゃん、偉い」

シロ「さすがです、先生さま」

リトル「よく分からないけど、時空魔術先生の言ってることは正しいですぅ」

NOVA「割と、これだけで暗示が掛かってテンション上がってしまう」

晶華「……チョロいわね」

 

NOVA「で、こんな自己暗示に掛かりやすい奴だから、自己充填可能なので、『誰かに認められなくても、興が乗れば好きに書いちゃうし、書きたいよ』という動機なの。純粋に書くことが楽しいわけで」

晶華「だったら読者は必要ないの?」

NOVA「そんなことはないよ。そうだと言ったら読者の人に失礼だし。でも、まあ、読者が仮に0人でも、脳内読者Aなんてキャラを作って育ててしまったからなあ(苦笑)。これも若いときは、『誰かに自分の文章を読んでもらって、好意的な感想をいただけると励みになる』と思っていたし、今でもそういう声があれば喜ばしいんだろうけど、それがないと寂しいということもない。現在コメント欄で一番の悩みは、『承認欲求の塊みたいな男が、肥大化した自己の全てを受け止めて欲しい的な書き込み』をしてくること。

「話を少し戻すと、TRPGに一途で融通の利かなかった俺が挫折して、精神的にドン底に落ち込んで、そこから立ち直るときに作ったのが『White NOVAのホビー館』で、今年20周年なんだ。仮面ライダークウガ放送中の2000年11月に立ち上げて、主題歌の『空っぽの星、時代をゼロから始めよう』にも思いきり感情移入してしまっていた30代目前のあの頃」


Kamen Rider Kuuga 仮面ライダークウガ OP.

 

NOVA「俺にとってのホビー館ってサイトは、TRPG一本だった俺が改めて自分のアイデンティティーになるものを再確認しようと思って『特撮』『SFロボット』RPG必殺シリーズの4つのテーマを中心にあれこれコンテンツを構築していった場所。TRPGという趣味を仕事にしようと思いつつ、うまくいかなかったので、その鬱屈をバネにしながら教育業の仕事を頑張る原動力に変えようと構築した趣味サイトなんだけど、

「こういうサイトを作ったことが『自己承認欲求の現れ』と受け取られていたなら、議論そのものの話の筋ではなく、活動的にやってる行動すべてが『これがNOVAだ』ってものを見せびらかしているように思われたのかもしれない。承認というか自己アピールすることで自分が何たるかを確認し、表現したかった、と」

晶華「何だか言っていることが複雑すぎて、私にはよく受け止められないんだけど」

NOVA「要するに、俺は何のために今、サイトを作ったり、ブログ記事なんかを書いているのかな? とか、そこから何のために生きているのかな? という哲学論になるわけだ」

晶華「書きたくなくなったとか?」

NOVA「いや、それはない。ただ、書きたいから書くというのは、寝たいから寝る、食べたいから食べるというのと同じぐらい、俺の中では自然になってしまって、ちょっと惰性を感じたりもしているんだ。普通はこんな時に気分転換に外に出かけるんだが、コロナで自粛していたから何かモヤモヤが募っている気もする」

晶華「だったら、緊急事態宣言が明けたんだし、外に出かけてみたら?」

NOVA「うん、そうする」

晶華「授業は一旦、中断ね」

 

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NOVA「行ってきた」

晶華「早ッ!」

NOVA「大阪の梅田に行って来たんだが、どうも俺の欲しいものは売り切れだったんだ。来週、神戸に行くようにする」

晶華「何しに行ったのよ?」

NOVA「気分転換の運動と、これを買ってきた」

 

晶華「わーい、先月出たソード・ワールドのリプレイだ」

シロ「いっしょに読もう」

リトル「リウもご一緒するですぅ」

3人「ワイワイキャッキャッ」

 

NOVA(子どもは、こういうちょっとしたことで夢中になって、簡単に友だち関係を紡げるものなんだなあ)

  

(次回につづく)